勘違いは止まらない!   作:ふに・ふらふら

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食べたい……!


生徒会は一緒に食べたい(表)

side主人公

 

 生徒会・昼

 

 もはや定住スペースになった部屋の隅にて雑務を片付ける私。

ああ、感じる!ポイントが!ポイントが入ってきている!

 

「会長、今日は手弁当ですか?」

 

「ああ。田舎の爺様が野菜を大量に送ってきてくれてな。これでも料理には自信があるんだぞ?」

 

 もう数年は料理してないよ、私。生活費をギリギリまで切り詰め、稼いだ分も含め余剰金は寄付につぎ込みポイントを獲得する極貧生活。我が家の食卓に並ぶのは基本缶詰。もはやエネルギー供給ができればなんでもいい境地。

 

「お昼、おっひるー♪わあ!今日はお弁当ですかー!美味しそう!」

 

 ポワポワな藤原さん、チッスチッス。

今日も癒しをありがとう。

 

「そうだろう?全部俺の手作りだ」

 

「いいなー。一口分けて下さいよ」

 

「ん?別に構わんぞ」

 

「ほんとですか!」

 

「ではこのハンバーグをやろう!」

 

「やったー!」

 

 間接キスぅ!?白銀、オマエ!!むっつりスケベじゃなかったのかッ!?(思い込み)

そんな平然と、か、かか、間接キスなんて……。

 

「どうだろうか。四宮と所場も食べてみるか?」

 

「ええ、是非」

 

 躊躇いなく頷く四宮。

 

 ふむ……さては罠だな?(迷推理)。四宮だけに声をかけたいところを優しい白銀の事だ。私のように嫌いな相手であっても一応の気遣いをしてくれる紳士なのだろう。

 私は知っている。

 ここで頷くと『あっはー。マジで食べちゃう、キミ?』みたいな複雑な顔をされることを。

社交辞令って大切だよね。

 

「……いえ。見たところあまり量もありませんし私は大丈夫です」

 

 私と間接キスなんて嫌だろ?たまにしか起こらないラッキーイベントだ。女の子の味を楽しみんさい。

 

「でしたら私のお弁当はいかがですか?料理人の興が乗ってしまい、いつもより量が多めですので問題ありませんよ?」

 

 ここでそうくるぅ??

なんで?

あなたが一番私の事嫌いな筈でしょう?

 

「いえ、でも悪いですし」

 

「大丈夫です」

 

「いえ」

 

「むしろ食べきれるか不安なので、手助けしていただければこちらとしても助かるのですが……。どうでしょう?」

 

 これは……食べないとポイントが減る気配がある。もしかして食べ物の中に何か毒物でも入っているのか。

だが、食べる以外に選択肢がない。

ちくせう。

 

「では、ありがたく頂きます……」

 

「はい、どうぞ」

 

 女子に食べさせてもらう夢のシチュエーション。

だけど何故だろう。冷や汗が止まらない。ゆっくりと顎を動かし、慎重に味わう。舌の上で溢れ出す肉汁。旨味が際立つ重厚な香り。

 タレの中に隠れる素材本来の甘みや風味は、一噛みするごとに脳を刺激する。

 

「……美味しいです。こんなにも美味しいものは久し振りに食べました」

 

 普通に美味しかった……!

 まさか、私が四宮を疑う事まで見越して疑心暗鬼になっている私を見て愉悦に浸っていたのか。

 貴女が愉悦部か!

 

「ん?そういえば所場。自分の昼食はどうした?」

 

 何を当然のことを。ははっ。

 

「昼はいつも食べていませんよ?まあ、ダイエットのようなものです」

 

 白銀に食材なんかを差し入れている手前、家計が厳しいことは言えないし。

 まあ缶詰生活はポイントのために好き好んでやってることだからね。

 

「ダイエットをする程太っているようには見えないのだが、そこまで気にすることなのか?過度な食事制限は身体に毒だぞ」

 

「大丈夫です。栄養バランスは考えていますから」

考えていない。

 

「高校生はまだ育ち盛りですよ?昼を抜けば学園生活にも支障をきたす可能性もありますし、やはりしっかりと食べた方がよろしいかと。

 ほら、今回は私が食べきれない分を紙皿に分けましたので召し上がって下さい」

 

 おっふ……。仕事してポイント貯めたいんだが。でも断るとそれもポイント減……。

 というか、どうして急にこんなに押しが強くなったの君達?本格的に私の事潰しにかかってる?仲良しのフリして後で盛大にお前の席ねえから!!するつもり?

 

「……お気遣い感謝します」

 

「いえいえ、いいのです。なんでしたら明日からは所場さんの分の昼食も料理人に作らせます。」

 

「いえそれは流石に

「いいですね、かぐやさん!昼食も、みんなでワイワイしながら食べましょう!きっと楽しいです!」

 

 藤原ああ!?お前は人のセリフを遮るのが趣味かこの!!

 可愛いからって何やっても許されると思うなよちくしょう!ああ、もう可愛いなあ!許す!!

 

「いいですね、所場さん?」

 

「……はい」

 

 君らがもし本当に、お前の席ねえから!なんてしようものなら私はBOO●OFFなのに本ねえじぁあん!?って言い返してやるゥ!!!?

やるつもりだ!!?

やるかもしれない!?

やれない!

 

 

 

『本日の勝敗、所場十八の負け』

 

 

 


 

 

─────1年前──────

 

「……貴方が白銀さんですか?」

 

 校舎の隅で昼食を食べる白銀御行。

 前情報通り端正な顔立ちをしている。それにグレている。ポイントも獲得しやすそう。じゅるり。

 

「……誰ですか、あんた?」

 

 睨まないで、こわいよ。

 私は貴方にとって都合のいい人間なんだ。貴方が報われれば私も報われる。雑用のごとく利用してくれ。私もポイントのために利用する。

 

「生徒会長の命令で一年生から生徒会の人員を集めていまして。どうでしょう、色々と特典もありますしやってみませんか?」

 

「何で俺なんかが……。

なんの取り柄もない外部生で」

 

「むしろそこがいいんです」

 

 マイナスからの出発の方がこちらの善行としてもポイントの幅が広がる。

 

「……家柄も、才能も……俺には何もない」

 

 調べたから知っている。だからこそ声をかけている。私にとってそれが何よりも好都合なんだ。

 

「貴方の諸事情は多少なりとも聞き及んでいます。まずは見学からでも良いので、やってみませんか?」

 

「………」

 

「それと、これは単なる提案なのですが……。私の知り合いが良き働き手を探していまして、そちらにもご助力願えませんか?

 聞くに白銀さんはバイトを探しているとの事。決して学業に支障をきたすようなものではありませんし、お給金も弾んでくれるようです。他の方々にもお声がけしておりますし、怪しいものではありません。

 どうですか?」

 

「なんで、そこまで」

 

「全て私の為です。私がそうしたいからにつきます。だから何も遠慮はいりません。貴方の頑張りが報われれば、それだけで私は得るものがあるのです」

 

 外部生である“混院”の生徒は小等部からの所謂“純院”の生徒より助けを求めている割合が多いから、ポイント獲得の良きカモなのです。ぐへへ。

ポイントくれ。

 

……結局、混院の生徒からポイントが得られたのは最初の2ヶ月だけだった。あいつら頭いいじゃないかチクショウッ!!

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