というわけで、前回の続きです!
お嬢様たちの楽園(笑)に足を踏み入れた(拉致られた)主人様。
前回はひなたに中二ムーブをかました割に、なぜかお嬢様たちに受け入れられていたが……一体どうなってしまうのか!?
今回も読んでいただければ幸いです~!
毎回感想や評価をくださって、本当にありがとうございます!
書いていく上でかなり励みになるので、いつも感謝してます!嬉しいです~!
「――というわけで!彼氏さんに質問してみようのコーナー!」
「え……え?」
唐突な掛け声と共に、謎のコーナーが始まった。
「(しつ、もん……?)」
思考停止した俺を横目に、皆見さんは話を続ける。
「色々とたくさん質問させていただきますね?」
「え……ま、まあ、いいですけど……」
「いいんですか!?」
「まあ、余程の質問じゃなければ……ね?」
一応、お嬢様たちに念を押しておく。
それこそ、変な質問されたらたまったもんじゃないからな。
「それじゃあまずは私から!――どっちから告白したんですか?」
「ちょっ!?げほっごほっ……」
「ゆ、悠さん大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫……まさか最初からぶち込んでくるとは……」
「えっへん!」
「いや、褒めてないよ!?」
まさか、最初からその質問が来るとは思わずむせてしまった。
確かに俺と湊さんは、偽りではあるが、恋人関係にある。
そのため、この質問が来ること自体は別に変なことでもないのだが……。
さて、どう言おうか……。
「(ちゃんと付き合ってるわけじゃないからなぁ……)」
別に告白して付き合ったわけではないため、どう説明しようか考える。
まあ、一応湊さんに告白したことあるし……俺、だよな。
「あー……うん。俺から、言いました」
「「きゃー!」」
「へぇ〜お前から言ったのか」
「まあ……はい。一応」
「悠さん……」
湊さんの方を見ると、どこか少し申し訳なさそうな顔をしていた。
たぶんきっと、俺を振ったことに対して、まだ少し罪悪感を感じているのだろう。
もう気にしなくていいのに……やっぱ湊さんは優しいなぁ。
「じゃあ、最初は湊さんのことどう思ったんですか?」
「間髪入れずにきたな!?まあ、最初……か」
貴船さんに聞かれて、湊さんと出会った夜のことを思い出す。
これ、正直に言っちゃっていい……かな?
「湊さんは上品でお淑やかで、それでいて可愛くて……」
「それでそれで?」
「初めて見た瞬間、運命を感じたんだ」
「……好みだった、ということ?」
「まあ、平たく言えば……超どストライクだった!」
「…………っ!?」
俺がそう言った瞬間、湊さんはビクッと体を震わせた。
「お姉様、また顔が赤くなってるのだ?」
「ち、違いますっ!これは褒められ慣れてないだけで……本当はちょっと複雑なんです!……あ」
「……ごめん。あんまり言わない方が良かった……よね」
「あ、いやっ!そうじゃなくて……」
湊さんに言われ、自分の言動を省みる。
やっぱり複雑……だよなぁ。
一応フラれてるんだし……こういうことを言うと、未練がましいって思われても仕方ないだろう。
「(もう、今度から言わないようにしよう……)」
「……違うわ、八坂さん」
「……へ?」
「湊は、可愛いと言われるのがあまり好きではないの」
「……え?そうなの?」
「は、はいっ!……でも、悠さんに褒めてもらったことは、凄く嬉しいというかなんというか……あ、ありがとう……ございます」
「湊さん……」
湊さんにそう言われ、少し照れながらも2人で向かい合う。
「(やべぇ……心臓がバクバクいってるし、湊さんの顔が直視できねぇ!)」
「って、こらー!みんなの前でイチャイチャするの禁止!」
「べっ、別にイチャイチャなんて……」
「してませんよ!?」
「息ぴったりです〜」
「なんか夫婦みたいだな」
「夫婦じゃありませんよぉ〜!」
湊さんと共に、皆見さんの言葉を必死に否定する。
……一瞬、湊さんとの結婚生活を想像してしまったことは、湊さんには黙っていよう。
「気を取り直して、次の質問!」
「じゃ、じゃあ次は我が質問するのだ!」
「ああ、変なのじゃなければいいよ」
「お姉様を助けた時って、どんな感じだったのだ?」
「なるほど、そのことか」
「確かに、本人の口から聞いてみたいですね」
「新聞に載せたくらいのことしか知らないもんね〜」
「私も気になるわ」
「(やっぱ、この質問だよな……)」
正直、この質問がくることは予想していた。
まあ、学校でも散々同じような質問をされたし、だからといって、何かある訳でもないけどさ。
そんなことを考えながら、先程出された高級そうなティーカップをそっと口に運ぶ。
少し風味の強い、ダージリンのストレートであった。
「どんな感じ……と言われても難しいんだけど……まあ、ほとんどみんな知ってることと同じだよ。湊さんが絡まれてて、助けようとしただけ」
「どうやって助けたのだ?」
「あー……うん。最初は言葉で解決しようとしたんだよ」
「それで、喧嘩になって……円卓の力を?」
「円卓じゃないよ!?って、まあ……喧嘩にはなったんだけどさ。実は、その前に言葉が詰まっちゃって……湊さんに助けて貰ったんだよ」
「そうなのだ!?」
あの日のことを思い出しながら、自分の行動の恥ずかしさにむず痒くなる。
「ほんと情けないなぁって、しみじみ思うよ」
「そ、そんなことありません!悠さんは僕のこと助けてくれたんですから」
「湊さん……」
「はいはいイチャつくの禁止ー!」
「イチャついてないよ!?」
「いや、今のは完全に雰囲気がアウトだった」
「まじか……」
皆見さんに注意され、少し反省する。
まあでも、今まで付き合ったことないから、そういう感覚なんて分からないし……。
……仕方ない、よね?
「それにしても、どうやって倒したんだ?相手は3人いたんだろ?」
「それはまあ、相手の動きが素人のそれでしたし……それに、湊さんがいる前で、かっこ悪いところ見せられないなって思って」
「湊さんを守るために……素敵です〜!」
「でも、悠さんのあの時の動き……只者じゃありませんでした。悠さんって何か武術とか嗜んでたんですか?」
「いや、まあ……多少は、ね」
「やっぱり……」
「まあ、こんな感じで大丈夫かな?」
「ありがとうなのだ!円卓の騎士!」
「普通の時は名前で呼んでーーー!?」
このままじゃ本当に、円卓の騎士として覚えられてしまうかもしれない。
何としてもそれだけは避けたいのだが……どこかそうなってしまうような気がしてくる。
そんな思いに駆られながらも、お嬢様たちからの質問に一つ一つ答えていくのだった。
というわけで、悠君への質問攻めが始まりました~!
今回個人的には、湊君がビクってなってるところがお気に入りですね笑
一応、この話と次の話でお嬢様たちからの質問コーナーをやる予定なので、次も読んでいただけると幸いです!
ストックがないため短めになってしまって本当に申し訳ないです……。
自分としては書きたいのですが、時間が……
次もこれくらいの分量になってしまうかと思いますが、読んでいただければと思います!