湊君を攻略したい!   作:Kスケ

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デート回です!!!
今回は悠君視点ですが、湊くんが可愛いのでぜひ見てください!

追記
湊くんキャラ崩壊してるだろー!と思う場合もあると思いますが、その時は温かい目で見てください笑
一応できる限りは寄せようと頑張っているので笑


デート・ア・ミナト

 

 

 

「――やべぇめっちゃ緊張する……!」

 

校門前で一人、待ち人の姿が現れるのを待つ。

今日は湊さんとの約束の日であり、いつも通り俺は鈴女の前に来ていた。

真上に昇った太陽に目を向ける。

予報通り天気は快晴で、今日は絶好のデート日和であった。

…………

それにしても……。

 

「(周りの視線が刺さる……)」

 

先程から通行人に変な目で見られてるような気が……いや、確実に見られてる。

今日は日曜日なので、平日より人通りが多い分、いつもより視線を感じる。

まあ、そもそも女子校の前に男が1人で立っていたら、みんな不審に思うのは仕方ないとは思うけどさ。

 

「(……いい加減そろそろ集合場所変えないとなぁ)」

 

後で湊さんに聞いてみるか、と思いながら手に持ったスマホに目を落とす。

画面には、今日のデートの行き先一覧が映し出されている。

 

「(今日こそは大丈夫……なはず!)」

 

前回は、そういう知識が無かったために行き先が決まっていなかったところを、図らずもお嬢様たちに助けてもらう形になってしまった。

だから、そのことを反省して今回は事前に行先も決めてきたのだ。

 

「(あれから毎晩、"デートスポット""初めて"で検索しまくったんだ……これでダメだったら泣くぞマジで?)」

 

まあ、これでダメだったら湊さんに素直に謝ろう。うん。

そんなことを考えながら、最初の行き先を再確認する。

最初は、サイトにもオススメとして載っていた映画館に行くつもりだ。

オススメには上映中の恋愛モノの映画一覧が掲載されていたが、本当の恋人ではないから流石にそれはやめておいた。

 

「(まあ、気まずい空気になるのは目に見えてるからなぁ……)」

 

そんなわけで、俺はその代わりに"サメ映画"を見ることにした。

映画全然詳しくないからわかんないけど……昔からサメ映画って有名だし、多分大丈夫だろう。

……なぜか、席がほぼ空席ってくらいかなり空いてたのだが……まあ、大丈夫か。

緊張をほぐすために、もう一度何個かのサイトを開く。

最初は、ネットの情報だからどうかと思ったのだが……思ったよりちゃんとしたことが書いてあった。

実際、初デートだと遊園地とか行くものなのかなぁと思ったら、サイトには"初デートで遊園地は地雷!"と書いてあった。

そのサイトによれば、理由は“単純に話が続かなくなるから”らしい。

……危うく初デートで行くところだった……危ねぇ。

 

「(それにしても……早く来すぎなぁ……)」

 

スマホの右上に映し出された時間を確認する。

12時40分――約束の時間の20分前だ。

我ながらやりすぎだとは思うが……湊さんを待たせて以来、湊さんより早く着いていないと気が済まないのだ。

そのため、今回も"30分くらい前に着けば、流石に湊さんよりは早く着けるはず"と思って家を出たのだ。

……10分は時間潰せたけど、あと20分かぁ。

 

「(待ち合わせ場所もそうだけど……連絡先持ってれば楽なんだけどなぁ)」

 

時計を見ながら、ふと、そんなことを考える。

けれど、前に湊さんに聞いた時、湊さんは携帯を持ってないと言っていた。

何か事情があって買えないらしいけど……何があったんだろ。

……って、まあそういうことは、あまり詮索しない方がいいかもな。

聞かれたくない事だったら申し訳ないし、そのうちいつか聞け――

 

「――遅くなりました〜!」

 

1週間ぶりでありながら聞き慣れた声に、思考が中断される。

声をした方を向くと、遠くから手を振りながらかけてくる湊さんの姿があった。

……俺の(偽の)彼女、可愛すぎないか?マジで。

 

「待たせちゃいました……よね?」

「いや、俺も今来たことだから大丈夫だよ……って、湊さん早くない!?」

「あ、あはは……実は、今日が楽しみで……つい……というか、悠さんも早くないですか!?待ち合わせの時間まであと……20分もありますよっ!?」

 

湊さんは腕時計を見ると、目を丸くして驚いていた。

 

「あーえっと……お、俺も、楽しみでさ」

「そうなんですか!?よかったぁ〜!僕だけ舞い上がってたら、どうしようかと思いましたよ」

 

嬉しそうに話す湊さんの話を聞きながら……俺は、言葉に詰まっていた。

湊さんは――私服を着ていた。それも、異常なくらいに女子力の高い私服を。

襟にレースのついた紫色のブラウスと、袖がヒラヒラしたカーディガン。

派手ではないが、"女の子らしさ"みたいなものが強調されていて、湊さんの良さを存分に引き出していた。

…………。

 

「悠さん?」

「湊さんの私服……初めて見た」

「あれ……?あ、先週会った時は制服……でしたっけ?」

「ああ。午前中学校行ってたのかなぁ……って思ってたけど」

「あれは……つい、癖で」

「癖?」

「はい。悠さんと会う時はいつも制服だったので、それで……」

 

なるほど、と少し納得する。

色々言いたいこともあるけど……まあ、そういうこともあるのだろう。

てか、そんなことより湊さん可愛すぎない……?

さっきからそのせいで頭が上手く回らないんだけど。

 

「それにしても、湊さん……」

「……?」

「生足……やべぇ!(その服……似合ってるよ!)」

「……え?」

 

あ、間違えた。

一瞬にして、空気が凍りつく。

 

「その服……似合ってるよ!」

「……このまま、流せると思ってるんですか?」

 

にっこりとした笑顔を浮かべながら、湊さんはジリジリと詰め寄ってくる。

その笑顔はどことなく不自然であり、不気味さを感じさせた。

目が笑ってないように見えるんですが……!?

 

「あ、あのそのこれは違くてその、ね?ほんとマジであのえーと」

「じー……」

「うっ」

 

湊さんは目を細めながら、こちらをじっと見つめてくる。

いわゆるジト目ってやつだ。

 

「(こんなこと、今思うべきじゃないけど……湊さん、ジト目も可愛すぎだろ……!)」

 

なんか、そういう趣味だと勘違いされそうだけど、別に俺はそういう趣味ではない。

……多分、違う……はず。

 

「悠、さん?」

 

目に見えそうなくらいの黒いオーラを纏いながら、湊さんは首を傾げる。

 

「に、似合ってるって言いたかったんだ!」

「ふーん……?」

「俺の彼女が可愛すぎて、周りに見せつけてやりたいって思ったんだ!……はっ!?」

「……っ!」

「あっ、いや……その、えと……」

「ゆ、悠さんは……ボクのこの姿を、周りに見せびらかせようと……?」

「なんかちょっと語弊があるような気がするんだけど!?」

 

思わずツッコミを入れてしまった。

でも実際、道行く人がみんな湊さんの方を見てるし、湊さんはめちゃくちゃ可愛いと思う。

 

「(そうするとさ、優越感?みたいなのに浸ってみたいって思うじゃん!?そういう経験なかったんだから!)」

 

「そして、悠さんはボクの……な、生足を、じっくり見ようとしてたんですか!?」

「ち、違うんだ!……いやまあ、違わないとこもあるけど……!」

「生足……ですか」

「うぐっ!……はい」

「…………」

「ご、ごめん!嫌だった……よね?」

「…………」

「つい口が滑って、その……本心が、出ちゃったんだ……って、言い訳は見苦しいよね」

「……悠さん」

「はいっ!」

「許してあげてもいいです……けど」

「マジで!?ん……"けど"?」

 

湊さんの言葉が、どこか少し引っかかる。

あ、これなんか要求されるパターンじゃね?

 

「その代わりに……」

「そ、その代わりに……?」

「今日一日、エスコートしてもらいますからね?」

 

心なしか、湊さんはニヤニヤしながら、冗談めかしく俺にそう言った。

 

「(……やばい、あざと可愛いんだが……?)」

 

あまりの破壊力に、危うく昇天しかけてしまった。

こうなったら、俺も……!

 

「……って、流石に冗談で――」

「かしこまりました。お易い御用ですよ、湊さん」

 

そう言って、その場で跪いて湊さんの手を取る。

 

「え?……え!?」

 

まるでドラマや映画の告白シーンにあるような構図を再現する。

……正直、こういうのちょっとやってみたかった。

 

「ゆ、悠さん!?ひ、人前でこういうことするのは……!」

「じゃあ、誰も見てなかったらいいのかな?」

「そ、そういう事じゃなくて……!うぅ……悠さん……意地悪です」

 

そう言いながら、湊さんは頬を膨らませる。

どうやら少しやりすぎてしまったようだ。

 

「ごめんね、湊さん。つい、やりたくなっちゃって」

「反省してください、もうっ!」

 

顔を紅潮させながら、腕をポカポカと叩いてくる湊さん。

……でも、怒ってる湊さんも可愛いなぁ。

 

「……あ、そうだ」

「ん?」

「ボク、風莉さんに携帯買って貰ったんです」

「そうなの?……って、西園寺さんに!?」

 

予想外の名前に、思わず聞き返してしまった。

え、どういうこと?なんで西園寺さんが……?

 

「あー……そういえば、まだ言ってませんでしたね。ボク、風莉さんに"拾われたんです"」

「……え?」

 

「("拾われた"……?)」

 

追加の情報に、さらに頭の中が混乱してくる。

"拾われた"って、一体……?

 

「元々ボク、おばあちゃんと二人暮しだったんですよ」

「うん」

「でも、今年の春に……それで、おばあちゃんが昔務めていた屋敷のお嬢様が風莉さんだったので、拾ってもらってこの学園に来たんです」

「……っ……」

「携帯は、おばあちゃんに負担をかけたくなくて、今まで持たなかったんですけど、風莉さんに、"八坂さんと連絡とる時に必要だから"と言われて……って、すみません!デートの日なのに、こんな話しちゃって……」

 

一通り話し終えると、湊さんは申し訳なさそうにそう言った。

両親は?と気になったが、祖母と二人暮らしだったってことは、多分きっとそういうことなのだろう。

でも、そんなことよりも……。

 

「いや、いいんだ……ただ。なんで、こんな大事な話を俺なんかに……」

「それは…………悠さんにならいいかな、って」

「――――」

 

湊さんは微笑みながらも、その瞳で俺を見据える。

その目から、俺への信頼のようなものが感じられた。

 

「そっか…………よしっ!なら、今日は俺に任せてくれ」

「悠さん……」

「暗い顔なんかできないくらい、俺が湊さんを楽しませるからさ」

「……はいっ!じゃあ、今日はよろしくお願いします!」

 

嬉しそうにする湊さんを見て……やっと、決意が固まった。

湊さんの方に、そっと左手を差し出す。

 

「……?」

「で、デートってのは……手を繋ぐものかと思ってさ。一応俺たち……恋人、なんだし」

「……!はいっ!」

 

そう言って、湊さんは差し出された俺の手をぎゅっと握りしめる。

こうして俺たちの初デートが幕を開けるのだった。

雲一つない晴れ空が、俺たちの眼前に広がっていた。

 

 

 




というわけで、湊くんのジト目はいかがだったでしょうか?
ここを書くにあたって、湊くんが携帯電話を持ってたかどうかがずっとわからなくて、オトメドメインまたやったんですけど、全然そういう描写なくて、ここ1ヶ月くらい悩んでました笑
湊くんが既に携帯を持っていた場合は、パラレルワールドだと考えてください笑
次の話は湊視点です!
どのくらいの量になるかわかりませんが、次も読んでいただけると幸いです。
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