湊君を攻略したい!   作:Kスケ

27 / 76
前回の続きです!
……というか、投稿が遅れてしまってすみません!!!
できるだけ急いだつもりだったのですが、思いの外忙しくて遅れてしまいました。
内容としては、前回の悠の話の湊くん視点です!
今回も頑張って書いたので、ぜひぜひ読んでいただけたらと思います!


湊様はお年頃

※ここから湊くんの誕生日の話になりますが、オトメドメイン本編の該当シーン(誕生日の前の勉強会)を見るとより湊くんの気持ちや状況などがわかると思うので、オススメです!

※一応本編をやらなくてもわかるようには書いたつもりなので、オトメドメイン未プレイでも大丈夫……なはずです!

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 

 

「はぁ……まさか、書類運びにこんなに時間がかかるとは……」

 

溜息を漏らしながら、寮への道を1人歩く。

今日は悠さんと校門前で待ち合わせをしていたのだが、急に先生に頼み事をされて、代わりに美結さんに悠さんの元へと行ってもらったのだ。

 

「(それにしても、悠さんに用事って何だったんだろう……?)」

 

ずっと疑問に思っていたことを、改めて考えてみる。

僕なしでも話せる内容……うーん……。

しかし、どんなに考えても……ちっとも浮かんでこない。

 

「(……案外、ボクがいないとそんなに話せなかったり……なんて)」

 

冗談半分で、その状態を思い浮かべてみる。

……しかし確かに、会ったことがあるとはいえ、悠さんだって女の子ばかりの部屋の中では萎縮してしまっているかもしれない。

実際僕だって、最初の頃は大変だったし……やはり、その可能性は十分にあるだろう。

それに……。

 

「(風莉さんも、まだみんなと馴染めてないし……やっぱり、僕がいないと……!)」

 

そんなことを考えているうちに、気がつけば寮の前に着いていた。

せっかくだから、ちょっと驚かせてみようかな。

そんな悪戯心を芽生えさせながら、ドアノブに手を載せる。

すると……。

…………。

………。

……。

何を言っているかは分からないが、みんなの話し声が聞こえてくる。

それも、笑い声の混じった、とても楽しそうな感じの声で……。

 

「(あれ……?みんな、楽しそう……)」

 

予想外の状況に、思考が止まりかける。

もっと静かに話しているのかと思っていたけれど、そんなことは無かったらしい。

それにしても……すごく、楽しそうだな……。

僕はいないのに……幸せそうだな……。

 

「(……だめだめ!何考えてるんだ、ボクは!)」

 

頭をぶんぶんと振り、思考を切り替える。

暗い顔をしていちゃダメだ。もう少し笑顔にならないと!

暗くなりつつある心に気合を入れて、どうにか笑顔を作る。

そして……。

 

「ただいま戻りましたー!」

 

勢い良くドアを開け、リビングへと向かうと、悠さんや風莉さん達が楽しそうに談笑していた。

それも、まるで自分がいる時と同じ……もしくは、それ以上にも思えて――。

 

「おかえりなさい、湊」

「お姉様、お疲れ様なのだー」

「お疲れ様です、湊さん」

「あ、ありがとう……ございます……」

 

言葉に……詰まる。

 

「湊さん、おかえり」

「ゆ、悠さん……」

「あー……私もいるよ!」

「美結さんも……」

 

声を出そうとしても、掠れた声しか出なくなる。

 

「(どうして、なんだろう……)」

 

まだぎこちなさはあるけれど、風莉さんは周りに向かって微笑みかけており、悠さんもすっかりと馴染んでいるようだった。

その様子を見て、ほっと胸を撫で下ろす――が、同時に胸の中がもやもやする。

僕だけしか知らなかった姿を、悠さんも風莉さんもみんなに明かして、受け入れられている。

もちろんそれは、喜ばしいことなのだけど……。

 

「(嫉妬……なのかな……)」

 

自分だけのものだと思っていたものが……僕の手からするりと抜け落ちていく。

そんな感覚さえしてくる。

男のヤキモチなんて、可愛くないし、みっともないだけだと思う。

そう……僕は男だ。この学園にいるのにみんなとは違うし、それをみんなに隠しているんだ。

 

「…………」

 

構って欲しい……なんて、言う権利はない。

みんなと僕との間にある……見えない大きな壁。

改めてそれを感じて……寂しくなってくる。

 

「(これはいいことなんだ……喜ばないと……)」

 

自分に無理矢理言い聞かせて、口元に笑みを作る。

しかし、思うように上手く笑うことが出来ない。

…………。

もう、僕がいなくても、大丈夫なのかもしれないな――。

 

「……湊さん、どうかした?」

「……ふぇ?」

「いや、なんか表情がいつもよりも固いような気がしたから」

「い、いえっ、そんなことないですよ」

 

悠さんに尋ねられ、はっと正気に戻る。

 

「流石、彼氏さんだね〜」

「湊のこと、よく見ているのね」

「いや、まあ……ね?」

 

そう言うと、悠さんは恥ずかしそうに顔を赤らめていた。

これ以上、心配かけないようにしないと……。

 

「無理してない?大丈夫?」

「大丈夫ですよ!全然元気ですから!」

「そっか……それならいいんだけど……」

「考え過ぎですよ。そんなに気にしないでください」

 

そう言って、精一杯自然に、笑顔を作る。

しかし……それでも悠さんは、どこか怪訝そうな表情を浮かべていた。

 

「ん〜〜……!そういえば、ずっと聞きたかったんだけどさ〜」

 

そんな僕達の様子を見てか、美結さんは痺れを切らしたように口を開いた。

でも、なんだろう……なんか嫌な予感がする。

 

「デート、どんな感じだったのかな?」

「「!?!?」」

「確かに、気になりますよね〜」

「円卓の騎士との逢瀬……気になるのだー!」

「いや、それは違うからね!?」

「私も聞きたいわ」

「風莉さんまで……!?」

 

悠さんと共に、みんなからじりじりと詰め寄られる。

まあ、話題を逸らすことが出来たからいいんだけど……そうなっちゃうのかぁ……。

自分の頬が、次第に熱くなっていくのを感じる。

そうして僕達は観念して、デートについて話し始めるのだった。

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 

 

「なるほど〜。そんな感じだったんだ」

 

一通り話し終えると、美結さんは顔をニヤつかせながらそう言った。

うぅ……恥ずかしかったよぉ……。

 

「まあ、そんな感じで俺が湊さんに迷惑かけまくったというか……」

「いえいえっ!僕自身楽しかったから大丈夫ですよ。気にしないでください」

「湊さん……!」

 

そう言われると同時に、悠さんにぎゅっと肩を掴まれる。

ど、どどどどういうこと!?

 

「ゆ、悠さんっ……!?」

「ありがとう……湊さん……!」

「はい!イチャつくのはそこまでだよ〜」

「い、イチャついてなんか……!」

「そういうのも良いと思うのですが……私たちのいる前だと、少し……」

「柚子さんまで……!?」

 

2人にそう言われ、自分の行動を振り返る。

 

「(そんな、全然イチャついてなんかないのに……!)」

 

というか、僕たち男同士なのに……!

 

「それで、ずっと水梅モールにいたのだ?」

「そうですね。映画を見て、喫茶店に寄った後からずっといましたね」

「どんな店に行ったの?」

「うーん……家電量販店……かな」

「お、お姉様達らしい、のだ……!」

「その店には、どのくらいいたの?」

「帰るまでずっと……ですけど?」

「……え?」

「こ、こういうことを言うのは、少し違うかもしれませんが……」

 

柚子さんは少し言いにくそうにしながらも、ゆっくりと口を開いた。

 

「その……飽きたり、しませんでしたか?」

「いえ、全く飽きませんでしたけど……あ、でも悠さんは……?」

「全然飽きなかったよ!!!というか、湊さんと一緒にいれただけで十分でした!!!」

「あはは……す、すごいね」

 

力強く語る悠さんに対して、軽く引いてる美結さん。

まあ、ここまで言ってくるのは……なんというか、凄いよね……。

でも――。

 

「(ボクといれただけで十分、か……)」

 

悠さんの言葉を、頭の中で反芻する。

少し複雑だけど……やっぱり嬉しいな。

 

「少し思ったんだけどさ。デート中って、周りから視線とか感じなかった?」

「……視線?」

「いやほら、2人とも顔が良いし……それどころか、湊さんに至っては超絶美少女だしさ」

「確かに……俺はともかく、湊さんは世界一可愛いからな」

「もうっ、そんなことありませんよ!」

 

必死になって、悠さんの言葉を否定する。

まあ、でも……。

 

「(世界一、かぁ……)」

 

男なのにこんなこと言われるのは、やっぱりちょっと複雑だ。

けれど、何故か悠さんだと、そこまで嫌じゃない気がしてきて……。

……って、それもダメだから!

 

「うーん……この感じだと、あんまり注目されたりしなかったのかな?」

「「…………」」

「あれ?」

 

聞こえてきた美結さんの呟きに、悠さんと共に黙り込む。

 

「(そういえば、色々あったなぁ……)」

 

ふと、今日のことを思い返す。

水梅モールでは、男女問わず多くの人が僕の話をしていたし……子供とかOLさんでさえも僕の方を見ていた。

あの時は、恥ずかしかったなぁ……。

 

「おやおや〜?もしかして、注目の的になっちゃったパターンかな?かな?」

「ま、まあ……注目はされた……よね?」

「そう……でしたね」

「その話、もっと詳しく聞きせてくれませんか?」

「私も聞いてみたいわ」

「お姉様も円卓の騎士も、詳しく教えて欲しいのだ!」

「あ、あはは……」

 

力なく笑い、窓の外の空を見上げる。

既に傾いた夕日は、空に鮮やかな黄昏色を描いていた。

これはもう全部聞かれるのだなと内心諦めながら、悠さんと共にその時の状況を話し始めるのだった。

 

 

 




というわけで、いかがだったでしょうか?
自分としては、半嫉妬気味の湊くん可愛い(脳死)ってなりましたね笑
たぶん次は、湊くんの誕生日当日の話かなと考えていますが、もし違かったらごめんなさい!
それではまた次回も読んでいただければ幸いです。

追記
誕生日のところを書くにあたって、オトメドメイン本編の話を書かなければならないので、次からは少しあらすじ風のやつをつけてみようかなと考えています。
本編未プレイの方とかは、湊くんの風莉様たちに対する葛藤とかわからないと思うので、そこらへんについて詳しく書けたらいいなぁ……って感じです笑
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。