ということで、湊くんの誕生日編の続きです!
今回はいつもと違って、本編の内容をあらすじ形式にして最初の方に書きました。
プレイ済みの方は、あそこか……となると思いますが、未プレイの方はよくわからないかと思いますので、このあらすじで察していただければと思います笑
それでは、今回もぜひぜひ読んでいただけたらと思います~!
《あらすじ的なやつ》
※オトメドメイン本編の部分をまるまる引用する訳にはいかないので、あらすじとして少し書かせていただきます。
数日後、学校行事として勉強会を行うことにした風莉お嬢様。
前回開催した時は、元々クラスに馴染めていなかった上に、理事長なのに勉強が苦手だということを知られたくなくて、1人理事長室へと消えてしまっていた。
(同じ寮に住む柚子やひなたにすら距離感があり、苗字で呼んでいるほど)。
しかし、湊に叱責され、そして励まされたことで、皆と勉強会をする決心を固め、今回こそは……と、勉強会に参加する風莉お嬢様。
そして……勉強が苦手だということを皆にカミングアウトし、皆に受け入れられた風莉お嬢様は、無事にクラスの輪に混ざることが出来たのだった
その様子を陰ながら見守っていた湊は、風莉が受け入れられたことにほっと胸を撫で下ろす。
しかし……。
風莉さんを含めたクラスメイトたちの賑やかな様子を見て、湊は自分と彼女たちの間に存在する“性別”という見えない大きな壁を改めて認識する。
そして、それによって一抹の寂しさのようなものを感じた湊だったが、風莉さんのことは喜ばなくちゃと無理矢理自分に言い聞かせて、口元に笑みを形作る。
風莉お嬢様はきっと、もう大丈夫なのだろう。
そう思いながら、今はもう居ない祖母に心の中で語りかける。
「(……ねぇ、おばあちゃん……僕は、お嬢様の力になれたのかな?……おばあちゃんの遺言を、果たせたのかな?)」
だとしたら、もうこれで……僕のお役目は……。
その考えに至った瞬間、湊の中の何かが終わりを告げる。
そして、悲痛を感じるような面持ちのまま、湊は内から湧き出る複雑な満足感に、ただただ困惑し続けるのだった。
…………。
………。
……。
そして迎えた、湊の誕生日の当日。
この日、湊の運命を変えるような出来事が起ころうとしていた――。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「――今日はこんな感じでいいのかしら……?」
「たぶん大丈夫なのだ!」
「それなら、美結さんも連れて……」
日曜日の正午過ぎ。
昼食のドリアを焼き終えて、そのまま食堂へと運び始めた時のこと。
「わわっ、お姉様来ちゃったのだっ」
僕が入ってくるのに気が付くと、3人は慌てて口を閉ざした。
風莉さんたち、顔を寄せ合って何か話し込んでいたけど……何があったんだろ。
「昼食の準備が出来ましたけど……どうかしましたか?」
「な、なんでもないのだ!お姉様にはこれっぽっちも関係ないのだ!」
「そ、それより……いい匂いね」
「美味しそうです〜」
なんのこと分からないが、あからさまに質問をはぐらかされてしまった。
正直気になるけど……皆さんに言うつもりがないのなら、しつこく聞くべきじゃないだろう。
少し首を傾げながら、持ってきたドリアをテーブルの上に並べる。
「……それで、どこに行けばいいかしら?」
「うーん……水梅モール、とか?」
そして、僕の方を気にしながら、ひそひそと何かの相談を再開する3人。
どうやら、どこかに行くつもりらしいけど……。
「そしたら、その……」
「うにゃ?風莉センパイ?」
「どうかしたんですか?」
風莉さんが、突然黙り込む。
そして……。
「よろしく……柚子……ひなた……」
「え?」
「……ふぇ?」
風莉さんが……ついに、柚子さんたちのことを名前で呼んだ。
「あの、今……」
「ひなた、って……」
「駄目……かしら?」
「いえいえっ、そんなことありません!嬉しいです!」
「ついに風莉センパイに名前を呼んでもらえたのだー!」
その様子を見て安堵すると共に、胸の奥がチクリと痛む。
そして同時に、寂しさのようなものが込み上げてくる。
「そういえば、湊。私たち、食事の後に皆見さんと共に出かけるのだけど……お留守番をお願いできるかしら?」
「構いませんけれど、今日はどちらに?」
「買い物だから、水梅モールですね」
「それでしたら、ボクも荷物持ちとして行きましょうか?」
少しでもお役に立てないかと思い、尋ねてみる。
けれど――。
「い、いえ!今日は私たちだけで大丈夫ですっ!」
「気持ちだけで十分よ……」
ざっくりと断られて、困惑してしまう。
やっぱり、僕の力って必要ないのかな……?
「それと、今日の夕食は必要ないわ」
「……え?外食していらっしゃるんですか……?」
「それは、内緒なのだ」
「とにかく、そういうことだから。今日はゆっくりして休んでいてちょうだい」
「……わかり、ました」
正直、何が何だかさっぱり分からなかった。
けれど……。
「(ボク以外でおでかけ……か)」
その状況が何だか仲間はずれみたいで……少し、寂しかった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
お昼ご飯を食べ終え、3人を見送ると、寮の中で1人きりになってしまった。
なんというか……手持ち無沙汰って感じだ。
「でも、風莉さん……頑張ってたなぁ」
出かける時の3人の表情を思い出して、小さく微笑む。
風莉さんはぎこちなかったけど……嬉しそうな気持ちが滲み出ていて。
そんな風莉さんの傍にいた2人も、それにつられて笑顔になっていて――。
「……もう、ボクがいなくても……大丈夫、ですよね?」
初めてここに来た頃は、風莉さんと柚子さんたちの間には、少なからず距離があったように思う。
けれど、今はもう違う。
3人は既に……本当の“友達”になりつつある。
それはとても喜ばしいことだ。
ボクが少しでも皆さんの力になれたのなら……風莉さんの力になれたのなら、良かったかな。
そんなことを考えながら、先程まで皆が座っていた席に目を向ける。
けれど、それなのに……。
「じゃあ……ボクは……?」
――僕は皆さんと、本当に“友達”なのだろうか?
柚子さんやひなたさん、美結さん……悠さんにだって、性別という決定的な嘘をついていて、ずっと騙し続けている。
それに、風莉さんに関しては、おばあちゃんが死んでから、衣食住どころか学校まで提供してもらっていて……僕はただ、ずっと寄生しているだけに過ぎないんじゃないか?
やっぱりこんな“友達”関係は、間違っているんじゃないか?
「どうすれば、いいのかな……」
――そんなこと、本当はとっくに分かっている。
ここにいる限り、僕は風莉さんに迷惑をかけてしまう。
そして僕が男である限り……きっといつか、間違いは起きてしまう。
確定ではないけれど、可能性は高いし、リスクがあまりに大きすぎる。
「だったら……解決策なんて……」
思いつくやり方は……たった1つ。
「あ……でも、それなら……」
不意に、気づいてしまった。
今日は夜まで1人きりだから……"そのこと"を実行するには、絶好の機会だということを。
「……うん。何かが起きてしまう前に、ボクは……」
どれだけ考えても、他の結論を出すことは出来なかった。
だから僕は……迷いを振り切って、その決意を固めた。
窓の外に広がる空は、今の僕の心を表すかのように、薄暗い鈍色の雲に包まれていた。
というわけで、いかがだったでしょうか?
本編未プレイで読んでくれている方は、あれ?なんか不穏じゃね???と感じたかもしれませんが、一応安心してください!きっと悠君が頑張ってくれます笑
次の話ですが、少し今忙しくて、また投稿が遅れてしまう可能性が高いですが、許してください……。できる限り頑張ります!
では次回もぜひ読んでいただければ幸いです~!
追記
目標にしていた累計UA1万という数字を越え、次の目標にしていた1万5000もこのままだと超えそうってなっていて、自分としてはまだ信じられないです笑
いつも読んでくださっている方々、誠にありがとうございます。めちゃくちゃ感謝しています!!!