今回と次の話は皆さんお待ちかね?のイチャイチャ回です笑
久々に平和な話書いたせいでなんか感覚がなまっていましたが、まあ許してください!
最後の方に最終章に向けた会話みたいなのも書いたので、イチャイチャ100%とはいきませんでしたが、キャラ崩壊するレベルには書けたと思います笑
湊くんが自分の抱く恋心に気づいてしまった後な上に久しぶりの再会から時間が経っていないので湊くんのテンションが高いと思いますが、そこは温かい目で見てください!
ということで、今回も最後まで読んでいただけると幸いです~!
あの運命の再開――そして和解の日から1週間後。
みんなのおかげである程度動けるようになった俺は、久々に一人で家事をやり……たかったのだが、医者にはまだ安静にしていろと言われてしまい、今日も手伝いに来てくれている彼女"達"に甲斐甲斐しく世話をしてもらっていた。
「――悠さん、口開けてください」
「あ、いや……頑張れば、自分で食べられるから……」
湊さんからの魅力的な提案に心揺られながらも、最後の理性でどうにかそれを拒む。
「(……いや、まあ、嬉しいんだけど……普通じゃダメなのか……!?)」
自分でも顔が赤くなっていくのを感じながら、必死にそれを隠そうと下を向く。
そりゃあ仮でも彼女からそんなことされたら、嬉しいに決まってるんだけど……恥ずかしいに決まってるじゃねぇか……っ!?
「もうっ!痩せ我慢はやめてください。まだ少し痛いんですよね?」
「そ、それは……」
よくできた彼女(仮)に痛いところを突かれ、咄嗟に二の句が継げなくなる。
こ、これは……まずいんじゃねぇか……?
心拍数が急激に跳ね上がり、心臓の鼓動が自分でも聞こえるくらい大きくなっていく。
で、でも、ここでそんなことすると、もう1人のお世話係が――
「あ、悠さん照れてる〜!」
……あ、バレた。
「ばっ……!だ、だって……恥ずかしいじゃんか」
「そ、そうですか……照れてますか……えへへ」
必死に言い訳をする俺の隣で、湊さんは嬉しそうに顔を赤らめていく。
そういう表情をされると、流石に勘違いしそうになるのだが……いや、一旦落ち着こう。
「ほ、ほらっ……大人しく口を開けて下さい!」
「いや、でも……」
俺の制止も虚しく、無慈悲にもスプーンは眼前へと迫ってくる。
……仕方ねぇ。……ここまできたら、やるしかねぇっ!
「あ、あーん……」
差し出されたスプーンを、そのままパクリと頬張る。
こ、これは……なかなか、恥ず――
「よく食べれましたね、えらいえらい」
「……〜〜ッッ!!!」
間髪入れずにもう片方の手で頭を撫でられ、恥ずかしさの上限が更新されていく。
……もう、人目なんて気にしねぇ。
ここまできたらやけくそだ!
「そ、それで……悠さん。そ、その……味の方は、どうですか?」
「上手いに決まってるじゃんか……!」
「えへへ……ありがとうございます!」
そう言って嬉しさで飛び跳ねる彼女から、2口3口とスプーンが運ばれてくる。
あぁ……生きててよかったぁ……。
まさしく"両手に花"という言葉が一番似合うような状況の中で、これ以上無いくらいに幸せを噛み締める。
……けれど。
確かに2人の美少女に囲まれて幸せ……ではあるのだが、俺には湊さんという心に決めた人(1度振られた)がいるのだ。
だから、いくら仮の関係だとしても、そこらへんはハッキリしないとなぁ……。
「――はい、悠さんお茶だよ〜。そろそろ飲みたい頃でしょ?」
「ありがとう美結さん……!でも、よくわかったね?」
「まあね~!伊達に悠さんの世話なんかしてないからね〜!」
「…………」
そんなことを考えている中、完璧なタイミングで美結さんからお茶を渡された。
……いや、すげぇなおい。
「まあ、そういう意味で言えば、あたしはもう"悠さんの介護"のプロなんだから!」
「いやぁ……ありがてぇ……!」
「悠さんのことなら任せてよ〜!」
えっへんと言わんばかりに胸を張って、美結さんは嬉しそうにそう話す。
やっぱり、これまで何回も助けて貰ってるし……頼もしい限りだな。
「――じ〜……」
露骨に不機嫌そうな声が聞こえてくると共に、後ろの方から鋭い視線を感じる。
な、なんか視線が痛い……というか、胃がキリキリしてきたんだけど。
「で、でもボクの方が……悠さんのこと、知ってますけどねっ!」
「湊さん……?」
「はい、悠さんこっち向いてくださいっ!あーん」
「――っ!?あ、あーん……」
物凄い威圧感を纏って差し出されたスプーンを、何も言わずに受け入れる。
これは……ダメだ。
なんだろう……いつも優しくて天使のような彼女の後ろに、この時だけはドス黒いオーラを感じた。
やばい……逆らったら……殺られる。
「〜〜〜!(ドヤァ)」
「あ、あはは……」
心臓が止まるかと思うくらいのプレッシャーの中で、口に含んだ食べ物をどうにか必死に飲み込んでいく。
そうして、謎の達成感にある種の感動を得ていると……俺の隣で、湊さんが美結さんの方を向いて何かを伝えようとしていた。
「(どうしたんだろ……?)」
なんか、美結さん少し引いてるような気がするけど……まあ、2人だけの内輪ネタみたいなものでもやってるのかな?
もしそうなら、仲間外れにされるのは少し寂しいけど……まあ、いいか。
「それにしても、まさか2人で俺の世話をしてくれるとは……」
「そうなんですよね……ボク一応"彼女"ですし、ボクが全部やろうとしていたんですけど……」
「あ、いや、そういう訳じゃ――」
「この部屋の収納の場所とか介護の仕方とか色々諸々知ってるのは"あたしだけ"だし……それに、その都度悠さんが説明するのも大変だろうから、あたしが来てるってわけ!」
予想外の湊さんの反応に戸惑う中で、美結さんが事の次第を説明してくれた。
……なんか、心なしか2人とも言葉の中に少量の毒が混ざってたような……。
「…………」
「だから、気にしないでね〜!」
「そ、そういうことだったんだね……2人とも、本当にありがとう」
とりあえず気づかなかったことにして、2人に感謝の気持ちを伝える。
すると、美結さんは頬を掻きながら嬉しそうにしていたが……対照的に、湊さんは俯いてプルプルと震えていた。
あれ……待って、これ……もしかして……。
「ゆ、悠さんっ!な、なにかして欲しいこととかありますか?」
「あ、いや……もうこうしてもらっているだけで、十分過ぎるんだけ、ど……」
そう言いかけて、ふと彼女の様子を伺う。
すると、案の定彼女は今にも泣きそうな顔でこちらを見ていた。
あぁ……罪悪感がやばい……。
「じ、じゃあ……肩揉んでもらってもいいかな?あんまり動かせないから肩がこっちゃって……」
「……!はいっ、任せてくださいっ!」
そう言った途端、湊さんはぱぁっと顔を明るくして、鼻歌を歌いながら肩を揉み始めた。
間違いない、この反応は……。
「あー……そろそろ夕飯の準備でもしようかな〜」
「……あ、もうそんな時間か」
「……はっ!?ぼ、ボクが作ります!ボクに作らせてくださいっ!」
"予想通り"の湊さんの反応に確信を抱きながら、窓の外の景色を眺める。
オレンジの絵の具で染めたような混ざり合った空と、それを反射する木々の揺れが、なんとも美しい景色を作り出していた。
「でも材料ないし、あたしが買い出しに行くついでにそのまま作っちゃうよ」
「で、ですが……」
「だって飛鳥さん、肩揉んでるし……今のうちにあたしが行くよ!」
「……っ!?そ、それは……」
俺の肩を揉んでいたことが仇となり、湊さんは黙り込んでしまった。
「じゃあ、色々買ってくるから、後はよろしくね〜!」
「ありがとう!お願いします」
そうして、美結さんは俺の言葉を聞くと、財布を手に持って足早にスーパーへと向かっていった。
……さて。
「むぅ……」
「み、湊さん……?」
「ボクが作りたかったのに……」
背後から聞こえる可愛い声に振り返ると、湊さんは口を膨れさせながら、俺の肩をつんつんと指先で叩いていた。
やっぱりこれって……"嫉妬"、だよな。
自分の中の疑念が確信へと変化し、気持ちが高まってくる。
湊さん可愛すぎるだろ……っ!!!
……って。
「いだっいだだだだだっ!?」
「ご、ごめんなさいっ!つい……」
思いっ切り肩を強く揉まれ、肩と喉が悲鳴を上げる。
こ、これも……彼女の嫉妬と考えれば……いだっ!
「ま、まあ、でも……嬉しいよ」
「……え゛っ!?ゆ、悠さん実はMだったんですか……?」
「違うよ!?誤解だからね!?」
思わぬ誤解を招いてしまい、必死に訂正する。
いや俺、言葉のチョイス間違えたか……?
「み、湊さん、今日はなんか積極的に手伝ってくれてるよね」
「そ、そう……ですね」
失敗したことが余程ショックだったのか、湊さんは俯いたまま俺の質問に答える。
「本当は……美結さんと、一緒に色々やろうとは思ってるんですけど」
「ああ」
「美結さんと悠さんが仲良くしたり近づいたりしてると……胸がムカムカしてきて……」
そうして、彼女は自分の胸に手を置いて、内に秘めた想いを吐露し始める。
そんな"好きな人に嫉妬される"という最高の状況に、思わず俺は舞い上がっていた。
「それで、"悠さんを取られたくない"って、どうしても我慢できなくなっちゃって――」
そして、彼女がそう言いかけた途端――
気がつけば俺は……痛みの残る手で、彼女を抱き寄せていた。
「ゆ、ゆゆゆ悠さんっ!?にゃ、にゃにしてるんですか……!?」
「爆発しそうだから発散してる」
「どういうことでふかっ!?」
噛んだ。
めちゃくちゃ噛んだ。
もう可愛さが滲み出てるくらいに噛んだ。
「(こんなの……我慢できねぇよ……)」
明らかに嫉妬されてるのが嬉しくて、痛みも忘れて彼女を抱きしめる。
これ俺もう幸せ過ぎて爆発するんじゃないか……?
「ゆ、ゆゆゆ悠さんっ!?」
「こうしないと、我慢できないんだよ」
「にゃんでっ!?」
「ああ、でも……嫌だったら、やめるよ。湊さんに、嫌われたくないし……」
そう言って、彼女の体にまわした腕の力を緩める。
この間は久々の再開に嬉しくなってこうしてしまったけど、湊さんだって毎回抱き締められるのは嫌かもしれない。
もし、そのせいで嫌われてしまうのなら、絶対に我慢しないと……っ!
「そ、それは……」
「…………」
「嫌、じゃ……ない、ですけど……」
彼女から零れたその言葉に、安堵の心が芽生える。
そうして、俺は腕の力を緩めたまま――
「む、むしろ……嬉しい、ですけど……」
「……へ?」
「も、もうっ……!」
理解ができずに困惑する頭のまま、そっとシャツの胸元を掴まれる。
そうして、俺の胸にすっぽりと収まった彼女は、顔を朱に染め、上目遣いでこう言い放ったのだった。
「もっと……強くしてもいい、ってことです……」
「……っ……!」
その時――俺の脳はバグった。
幸福度が許容量を超えてしまったせいで、暴走も発狂もすることなく……ただひたすらに思考停止したのだった。
「じ、じゃあ……」
「は、はい……」
お互い不自然な感じで会話しながら、俺は彼女を抱く手の力を強めていく。
「ど、どう……かな……?」
「す、凄くいい……です……」
「…………」
「…………」
もう何も考えられず、二人の間に沈黙が流れる。
やばい……このままじゃやばいって……!
「み、湊さ――」
「ゆ、悠さん……っ」
そうして、沈黙を振り払おうとした俺の声は……湊さんの言葉によってかき消された。
「湊、さん……?」
「あ、あの……その……伝えなきゃ、いけないことが……」
「…………?」
「で、でもっ……まだ……話せる自信が、無くて……その……」
そう言って、彼女は必死に何かを伝えようとするが……言葉に詰まり、その続きを話せないでいた。
この様子だと、きっと大切なことなんだろうけど……今は言えない、ってことか。
「(湊さん……)」
湊さんの辛そうな表情を見て、止まった思考が動き始める。
……よし。
「だから、その……うぅ……」
「……湊さん」
今にも泣き出しそうな顔で俺を見る彼女の頭を、ダメージの少ない左手を使ってそっと優しく撫でる。
「大丈夫だよ。ちゃんと話せるようになるまで、待ってるから」
「……悠、さん……」
そう言って、彼女は潤んだ瞳をこちらに向け、俺の手に自分の手を重ねる。
「いつか、絶対……話します。だから……」
苦しそうな表情のまま、彼女は何か意を決したかのように力強く答える。
「その時まで……待っていてください」
藍と橙のキャンバスから、薄明かりが差し込む中で。
部活帰りの学生達の、賑やかな笑い声が聞こえる中で。
そうして、そのか細い体から絞り出された言葉は……何か不吉な予感を感じさせるものであった。
………………。
…………。
……。
今思えば、俺はこの時気づくべきだったのだろう。
彼女が抱えていた、ある"重大な秘密"を――。
さて、いかがだったでしょうか?
嫉妬する湊さんとそれに気づき始める悠君、という感じでしたが……爆発しろってレベルでしたね笑
今までのちょっとシリアスな感じからのこれなので、“やっとか……”と感じる人もいると思いますが、まあそこは許してください!
そして、最後の2人の会話についてですが……まあ、ついに一番大事なシーンが近づいてきたってことですね。
この幸せな話の先に“あの事実の告白”が待っているので、楽しみにしていてください!
ということで、また次回も読んでいただければ幸いです~!
追記
感想ありがとうございます!!!本当にありがたいです!!!
気がつけば、通算UAも3万超えたどころか3万4千超えるみたいなところまで来てて正直めちゃくちゃ驚いてます笑
ここまで読んでいただけると感慨深いというか、ありがたいというか嬉しい気持ちでいっぱいです!
目指せ3万5千!という感じだけど……いけたらいいな~笑
では、今回はこのあたりで!
……美結さんに救いが欲しい……