美結編――エピローグ――
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最終章[暴露編]――プロローグ――
――妹さん達が来てからも、ずっと飛鳥さんから視線を感じていた。
その視線に嫉妬の想いが混じっているのはすぐに分かったし、あの日以来、日に日にその想いが強くなっているのもわかっている。
それに、飛鳥さんはあたしが彼に対して想いを抱いていることくらい、既に分かっているのだろう。
だから……勝てるなんて、最初から思っちゃいない。
そんなこと……誰もが分かりきったことなんだ。
──けれど。
「(あたしだって……これが、初恋なんだよ……っ)」
初めて会った時に見せた、あの無邪気な笑顔。
あたしを守るために見せた、あの凛々しく強い怒り顔。
飛鳥さんに迷惑かけないようにと、あたしの前だけで見せてくれた弱々しい泣き顔。
隠し事を貫いて心が潰れそうなのに、それでもあたしの前で取り繕おうとして溢れ出てしまった憂い顔。
感謝の気持ちを伝えようと、少し顔を赤くしながら見せてくれた照れ顔。
そして、不意に笑った彼の横顔が――
その、2週間の全ての思い出が――
――あたしの頭から、離れてくれないんだ。
「(だから……諦めようとも、したんだよ……)」
飛鳥さんと再会してから、"幸せ者だな"と"羨ましいな"と陰ながら2人をそう見ていた。
――けれど。
どんなに距離を置いても、どんなに消そうとしても……。
どうしても……この気持ちを塞いでおくことは出来なかった。
……だから、あたしは思ったんだ。
あたしはただ、彼の記憶の中にあたしのことを少しでも残せれば……それだけで、御の字なんだって。
だから……やるしか、ないんだ――
「行っちゃった、ね」
「ああ、まさか俺の見舞いに来てくれたはずなのに、俺と残らなかったのにはショックしかないけどな……」
不意に訪れた、悠さんと2人きりになったタイミング。
飛鳥さん達が買い物に行ってしまい、2人きりで残された部屋の中で……。
あたしは、動き出した。
「あの、さ……悠さん」
「ん?どしたの?」
喉乾いたのか?と言ってお茶と取りに行こうとする悠さんを、真剣なトーンで制止する。
こういう気配りをしてくるのが彼らしいけど、あたしはこれからそれに仇で返すのだ。
……ほんと、自分でも嫌だと思っちゃうな。
「"約束"……覚えてるかな?」
その単語を聞いた途端、悠さんは少し目を見開いた後、"覚えてる"と呟いて首を縦に振った。
……予想通り、彼の顔が微かに曇った。
それを見て、あたしは心臓を握り潰されるような痛みを感じるけど……そんなの、最初からわかりきっていたことなんだよ。
だから、言うんだ。皆見美結。
この想いを……全てを、終わらせるために。
「……悠さん。日曜日……お出かけ、しよっか?」
そう、これは皆見美結の――
最後の、悪あがきだ。
というわけで、少し前書きをふざけてみました!
……批判されたらいつものやつにします笑
はい、今回の話はいつもに比べてあり得ないほどに短いですけども、この部分はどうしてもこれ単体で投稿したいという思いがあったので、今回やらせていただきました。
あ、次からはいつも通りの分量で行くので安心してください笑
次はもちろん美結ちゃんと悠君の回です。
まあ、美結ちゃんの最後の未練を晴らすためのデートですけども、結構現時点で辛いですね……笑
ということで、次回も頑張りますので、ぜひ読んでいただければ幸いです~!
追記
感想ありがとうございます!&UA37000突破ありがとうございます~!
前に34000行きたい的なこと言った気がするのですが、まさかのさらに増えてるというね……ありがてえ笑
前回言おうとして言い忘れたらさらに増えたという驚きがありましたけど……このまま38000目指して頑張ります!
内容についてですが、まあこのまま行っても悠君の心は変わらないってのは皆さん察していると思いますが……その分美結ちゃんがやばいくらいに見てられないです()
それを象徴するセリフを次の次の話で多分書くので楽しみにしていてください!
まあでも、湊君もそろそろあの事を言うつもりらしいので、最終章は波乱の展開が待っているとだけ言っておきます。
……お楽しみに。