湊君を攻略したい!   作:Kスケ

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おひさしぶりです!
本編も終わり、遂にエピローグという状態でまさかの停滞になってしまいましたが、とりあえず続きです!!!
本当はここで終わりにする予定だったんですけど、思った以上にまだまだ書きたいことがあり過ぎて、色々精査するのが大変なことになっていました笑
2人のイチャイチャを書くと宣言していざ書いてみたら、思った以上に止まらなくなりそうです……。
まあとにかく、今回も最後まで読んでいただければと思います。
……と。その前に、これだけは注意してください。
湊くんのキャラ崩壊が、ガチでえぐいです。


エピローグ~エロゲ―みたいな寮に住んでる男の娘はどうすりゃいいですか?~(中)

 

 

 

「──それで……湊は、大丈夫なのかしら……?」

 

ヤンデレに愛されまくる思いをしてから数分後。

胸の中で頬を擦り寄せてくる恋人の頭を撫でながら、西園寺さんの問いに答える。

 

「だ、大丈夫だけど……。なんというか……付き合う前と後で、全然違うんだよね……」

「……確かに、別人みたいですね?」

「そ、そろそろ色々と心臓に悪いから、さ……?てか、みんなの目もあるし……ね?」

「でも、2人きりの時はあんなに──」

「お願いします……やめてください……!!!」

 

まさかの暴露に思わず早口で頼み込みながら、思い切り頭を下げる。

いやいやいや……これもうキャラ変とかいう次元じゃねぇだろ……。

 

「でも、確かに前にあった時より凄い、というか……」

「欲望に正直……ですね……」

 

軽く引き気味の妹たちの言葉を受けつつも、湊さんは"よく分からない"というような表情を浮かべながら、俺の胸に頬を擦り寄せる。

 

「……?そうですか?」

「そうなのだ!以前のお姉様はもっと違ったのだ!え、円卓の騎士に洗脳されてしまったのだ!」

「でも、悠さんは"ボクのもの"ですよ?」

「「「────」」」

 

思わぬカウンターに全員が息を飲む中、湊さんは何食わぬ顔で俺の背に回した手に力を込める。

これが、色々と吹っ切れた湊さんの実力……なのか……。

 

「"ベッドの上"でそう言ってくれましたから……ね?」

「……………………」

 

顔を赤らめてモジモジと呟く恋人とは対照的に、冷や汗ダラダラで皆から視線を逸らす。

これ、もう……ダメだわ。

 

「だ、大胆……ですね?」

「そうですか?事実を言っただけですけど……」

 

そう言いながら、湊さんはハッと何かに気づいたようにポンっと相槌を打つ。

 

「あ、でも──」

 

そして、リボンを解いてボタンを外し、その透き通った美しい首筋を見せると──

 

「ボクも、"悠さんのもの"ですから……!」

「────」

「ん゛ん゛ん゛っ!?」

 

そう言って、またもや2名ほど尊死させるのであった。

 

「ど、どうしちゃったの飛鳥さん!?流石にここまで来ると心配だよ!?」

「ふふふ……もうネタにされるなら、いっそのこと自慢しちゃおうかなって思いまして……」

 

心配そうな美結さんからの質問に、乾いた笑いを浮かべつつも話し始める湊さん。

その顔は、明らかな疲れの色を含むものであったが、同時にどこか色々と吹っ切れたような清々しささえも感じられたのだった。

 

「お兄の恋人……強すぎない……?」

「は、鋼のメンタルですね……」

「ぐぬぬ……」

 

そんな湊さんの謎の適応力に感心する妹達を他所に、美結さんは悔しそうに湊さんをじっと見つめる。

 

「このままじゃ飛鳥さんからかっても、虚しいだけじゃん!」

「いや、そもそもからかわないでくださいよぉ!」

 

至極当然な返しに皆納得しながら、視線を美結さんの方へと向ける。

 

「ほら、美結さん。もう諦めて──」

「こうなったら……!」

 

もう勘弁して欲しいという儚い願いを抱きながら、貴船さんの言葉に耳を傾けていた……のだが。

……なにか、嫌な予感がする。

 

「もっとやばいやつだしてやる……!」

「もっと……?」

「やばいやつ……って?」

 

"やばい"という言葉がどの程度を指しているかは分からないが、美結さんのことだから相当危険なものなのだろう。

……いや、まずくねこれ?

 

「ちょっ、美結さん!?」

「なんか、気になりますね〜」

「我も、お姉様と円卓の騎士の事聞きたいのだ!」

 

俺と同じようにテンパり始める湊さんを他所に、お嬢様達は興味津々といった感じで美結さんの周りに集まり始める。

西園寺さんなんて"早く聞きたいわ"と言って催促してるもんだから、これはもうどうしようもないだろう。

……やばい、泣けてきた。

 

「お兄……頑張れ」

「2人とも……どんまいです」

「そんな……」

 

本来味方側にいることの多い妹達にも裏切られ……遂にその時が訪れる。

 

「じゃあ……いくよ」

 

そう言うと彼女は躊躇なくカメラを取りだし、周りの人達がその小さな画面を食い入るように集まって見始めたのを確認してから、勢い良く再生ボタンを押した───

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

 

 

 

『もう……っ、撫でて……ください』

「に゛ゃぁぁぁぁぁぁ」

 

開始早々爆弾を投下され、羞恥で叫び始める湊さん。

そんな姿も可愛いのだが……この流れだと、俺もそんなこと言ってられない気が……。

 

『ふぁ〜……なんか、落ち着きますね』

『そうか?じゃあこっちも……』

『にゃぁ〜……』

「ん゛ん゛っ!」

 

あまりの湊さんの可愛さに、当然のように悶える西園寺さん。

……でもごめん。

俺もいつもならそうしたいんだけど……"この先"を思い出しちまったんだ……。

 

『可愛すぎないか……?』

『か、可愛くなんかないですっ!』

『──ッッッ!!!』

 

小さな画面の中でいつものように悶絶する俺。

……やばいやばいやばいやばいやばい。

 

『……悠、さん?』

『……湊さんが、悪いんだからな』

「待って……待って、マジで待って。お願いしますマジで待って──」

 

そんな俺の言葉も、彼女の元へは届かずに。

無慈悲にも、その先の映像を流されてしまうのだった。

 

『んっ……ふぅ……んぁ……っ』

『へ、変態ですよ……?』

「湊さん……」

『……変態で結構。てか、そんな変態を好きになった"変態"は誰かなぁ……?』

『んっ……い、いじわるしないでぇ……』

「お兄……キモすぎない?」

「お兄ちゃん……うぅ……ずるい……」

 

グサグサと突き刺さる妹達の言葉を耐え……られるわけねぇだろこんなの!?

キャパを軽々と超えたあまりの衝撃に、思わず膝から崩れ落ちる。

同様に、大ダメージを負って崩れ落ちる俺の隣で、より大きな被害を受けた俺の恋人は……虚ろな目をして力無くへたり込んでいた。

 

『我慢……しなくていいからな?』

『ゆ、悠さ……んんっ、んぁっ……』

「ふ、2人とも……マズイのだ」

 

それでも垂れ流されていく映像に、もう何も言う気力が無くなってくる。

大垣さん……色々と、ごめんね。

 

『そろそろ苦しいから、現場からは以上です……』

 

──と、ようやく映像が終わり、俺たちの元へと遂に平穏が訪れる。

けれども、その平穏を手にする代償として……俺は、大変なものを差し出してしまったのかもしれない……。

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

 

 

 

「うぅ……もう、ボク……」

「湊さん……俺も、無理だわ」

 

一段落ついた後、俺達は2人で支え合いながら慰め合う。

けれども、それでも周りから向けられた視線は、非常になんとも言えないものであった。

 

「す、凄いものを隠し持っていたんですね」

「まあね〜」

 

悪びれることもなく答える美結さんに対して湊さんと2人で抗議するも、謎のドヤ顔で返されていく。

……く、悔しい……っ!

 

「……後で、売ってくれるかしら?」

「風莉センパイ、それはお姉様のためにやめた方がいいと思うのだ……」

 

多少は気持ちがわからなくもないけど悪魔のような質問をする西園寺さんに対して、良心を持って止めてくれる大垣さん。

ありがとう……また厨二ごっこから付き合うから……!!!

 

「で、でも!お兄ちゃん達これでもう大丈夫ですよ!」

「そ、そうだよ!これを乗り越えたらもう安心だよ!」

「優依、真白……!」

「あー……非常に言い難いんだけど、さ」

 

続けて心配そうに声をかけてくれる愛すべき妹達に泣きそうになりながら、2人の頭を全力で撫で回す。

けれども、そんな俺たちを嘲笑うかのように、悪魔美結さんは何か呟いて──

 

「実は……これだけじゃないよ?」

「「まだあるんですか!?」」

「うん……全部で、3つあるから」

「く、狂ってる……!」

 

嘘だろ……と思う俺達を他所に、またもやお嬢様達はうずうずと興味を示し始める。

……まじで?

 

「……早く見せて欲しいわ」

「西園寺さん!?」

「了解〜!」

「美結さん!?」

 

もう勘弁して欲しいという俺達の願いも虚しく、再び彼女の手が新たな再生ボタンへと伸ばされる。

そうして──

 

「くらえ〜!」

 

そう言って、もはや悪役のような笑みを浮かべる美結さんによって、また新たな地獄の扉が開かれてしまうのだった。

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

 

 

 

『……悠さん、さっきお店にいた女の人見てましたよね?』

『……え?あー……どうだったかなぁ……』

 

愛しい恋人のジト目に頬を緩ませた俺の姿が映し出され、初手から胃が痛くなってくる。

後ろの景色から見て、水梅モールだろうけど……なんか、この日もやばかったような……。

 

『胸の大きい女性でしたけど、悠さん鼻を伸ばしてましたよね……?』

『……ご、ごめんなさい』

「お兄、サイテー」

「見損なったのだ……」

「ぐふっ……!?」

 

普通に恋人としてやらかしている所を指摘され、胃がキリキリと痛んでいく。

 

『もうっ!知りませんから……っ!』

『ご、ごめんよ湊さん……!つ、つい目が……』

『ふーん』

『湊さんのジト目可愛すぎだろ───ごめんなさい調子乗りました」』

「分かるわ……湊のジト目は可愛いもの」

「そうなんだよ!マジで可愛すぎて──」

「いい加減にしてくださいっ!」

 

やはり激しく同意してくれた西園寺さんと握手を交わしながら、湊さんに頭を思い切り叩かれる。

こ、これもご褒b……いや、これ以上はやめよう。ガチで戻れなくなる。

 

『……じゃあ、好きだって証拠見せてください』

『し、証拠……?』

『……じゃないと、許しませんから……!』

「い゛に゛ゃぁぁぁぁぁ!?」

「これは……大胆、ですね?」

「あ、あざと過ぎる……羨ましいなぁ……」

 

上目遣いで俺を覗き込む湊さんの姿を見て、女性陣から黄色い声が聞こえてくる。

そうして顔を真っ赤にして叫び始める湊さんを……なぜか、真白がどこか羨ましそうに見つめていた。

 

『……もうっ!知りませんからっ』

 

そう言って歩き出してしまった湊さんを追いかけ───後ろからそっとその体を抱き寄せる。

そうして肩から覆い被さるように恋人を抱き寄せた"彼"は、どこか少しキザに笑って───

 

『ふぇ……っ!?!?!?』

『これが、"証拠"……だから』

 

そう言うと"男"の方へと首だけ振り向いた湊さんに、すかさず深い口付けをするのであった。

 

『もう……っ、ずるい、です……んっ……ぅ』

「「…………」」

 

半径3メートル以内に、気まずい空気が流れる。

 

『砂糖水吐き出しそうなので、ここで退散します……』

 

そうして苦しそうな顔で取材を終えた彼女の顔が映ると、その映像はピタリと動きを止めるのであった。

 

「これは……す、凄い、ですね」

「お姉様も円卓の騎士も、大胆……なのだ」

「や、やめてぇ……!」

 

友人達のオブラートに包んだ感想に、思わず恥ずかしそうに声を漏らす湊さん。

まじでさ、これは……あかんでしょ……。

 

「じゃあこのまま3つ目も……」

「「鬼か!?」」

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

 

 

 

そうしてまたもや映像が始まると、下校中の風景が流し出された。

校門前で一人俺が待ち人を待ってるのを、周りの学生達がヒソヒソ話しながら避けていく。

そんな、いつも通りの日常の1シーンなのだが……。

……確か、この日って……。

 

『お疲れ様、湊さん』

『……悠さんこそ、お疲れ様です』

 

合流して歩き出そうとする俺の服を、恋人は後ろからクイっと引っ張る。

 

『……湊さん?』

 

そうして彼の動きを止めると、その恋人は少し恥ずかしそうに口を開いて───

 

『……ご褒美、ください』

『"ご褒美"……って──』

 

そうして戸惑う彼に何も言わず、恋人はそのまま背中に顔を寄せる。

 

『み、湊さん……っ!?』

『……悠さんに会えなくて、寂しかったんです』

「まぁ……!」

「湊……可愛すぎるわ……」

「も、もう……やめてぇ……」

 

もはや叫ぶことすら出来ずに、縋るように祈りを捧げる湊さん。

けれど、周りはそんなこと気にせず、ひたすらそんな恥ずかしい姿をまじまじと見つめるのであった。

 

『……もう、我慢しねぇからな?』

『……ふぇ?きゃぁっ!?』

 

あまりの嬉しさに"その男"は"愛しの恋人"を抱き上げ──通称"お姫様抱っこ"をして──そっとその顔を近づけ……。

 

『……んっ……"今日は帰れない"って、皆に伝えといてくれ』

『〜〜〜っっっ!!!』

 

いつものようにキスをして、頬を赤く染めながらそう言うのであった。

 

『た、たくさん……たくさん愛して、ください……っ』

『──っっ!!!ほんとにもう……っ!なんなんだよちくしょう!』

「お姉様、反撃してるのだ……」

「一撃一撃が重すぎるわ……」

 

思わぬ湊さんからの反撃に、お嬢様達が騒然とする。

確かに、これは俺も予想外だったからなぁ……たまに湊さんえげつないことするよなぁ……。

 

『今夜は……覚悟しとけよ?』

『……!……はいっ……えへへ』

「──ッッッ!?!?」

 

2人して顔を真っ赤に染めながら、家への道を走り出す。

こうして見ると、よくあの日お姫様抱っこしながら走れたなぁと思うけど……やっぱり、愛の力というのは予想以上に恐ろしいものらしい。

というか、これもう西園寺さん死んじゃうんじゃ……って、鼻血が!?

 

『悠さん足速いし、そもそももう追いかけたくないんで……現場からは以上です』

「西園寺さん血溜まりできてるよ!?」

「大丈夫よ、まだ致命傷だわ……」

「それってダメなんじゃないんですか!?」

 

珍しく優依がツッコミを入れたところで、長かった映像がようやく終わる。

拷問のような時間だったけど……まあ、もう、いいや……。

 

「す、凄まじいのだ……」

「お兄ちゃんがぁ……幸せそうでぇ……うぅ……」

「……真白、大丈夫?」

 

最早画面から後退りする大垣さんの隣で、最愛の妹は何故か泣き出してしまった。

 

「お、お兄ちゃんは……どんな姿になっても、お兄ちゃん……ですから……うぅ……」

「……ごめんなさい」

 

まさか、ここまで俺のことを心配してくれていたのか……。

"お兄ちゃんと結婚する"と言ってくれた最愛の妹は、今もこうして俺の事を──

 

「お兄、多分想像してるのと違うと思うよ?確実に真白ちゃん現実逃避しようとしてるからね?お兄への想い、揺らいでるからね?」

 

呆れ気味に告げられた驚愕の事実に、心が軽く……というかガチで折れかける。

色々と……終わったな……。

 

「湊さん……俺、無理だわ」

「あはは……奇遇ですね、ボクもです」

 

隣で同じように魂の抜けた恋人と、乾ききった声で笑い合う。

なんで、こんなことに……。

 

「……じゃあこれから、第1回"このバカップル流石にやりすぎなのでは?会議"を始めたいと思います!」

「「始めません!!!」」

 

 

 




というわけで、いかがだったでしょうか?
あの後の美結ちゃんの話とバカップルの動向についての話でしたが、まあ、はい。
キャラ崩壊は勘弁してください……!!!
まさかここまで湊君がぶっ壊れるとは思ってなくて……すみません!
この愛らしくなりすぎてしまった湊くんですが、皆さんが受け入れてくれることを願っています……!

皆さんいつも見てくださっていただいて、誠にありがとうございます!
気づいたらUAが52000突破していて自分ですごく驚いているのですが、本当にありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです!!!
一応次で終わらせる予定なのですが、本当に終わるのか、そしていつ出せるのか?
もはや自分ですらわからない現状ですが、気長に待っていただければ幸いです。
それではまた次の話も読んでいただければ幸いです~!
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