コードギアス Hope and blue sunrise   作:赤耳亀

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寝れないのでもう一話投稿します。


episode17 Glorious

「ほぉう、直々に敗北を認めるのかな?しかしもう遅いわ。」

 

「どうしても攻撃をやめないつもりか!?このままでは、天子も死ぬ!」

 

ゼロは、大竜胆で指揮を取る大宦官と通信を行っていた。ゼロは停戦を提案していたが、大宦官はあっさりとそれを退けていた。

 

「天子などただのシステム。代わりなどいくらでもいる。」

 

「取引材料にはならぬな。」

 

その大宦官達の言葉に、ゼロは歯噛みする。

 

「…貢ぎ物として、ブリタニアの爵位以上を用意しろと?」

 

「ホホッ。耳敏いこと。」

 

「安い見返りだったよ実に。」

 

「領土の割譲と、不平等条約の締結がか!?」

 

ゼロの正論も、大宦官の耳には一切届かない。

 

「我々には関係ない。」

 

「そう。ブリタニアの貴族である我々には…」

 

ここまできてもなお、自分達の保身しか考えていない大宦官。彼らの考えを変えることは出来ないと分かっていながら、ゼロはさらに問いを重ねる。

 

「残された人民はどうなる!?」

 

「ゼロ、君は道を歩くとき蟻を踏まないよう気をつけて歩くのかい?」

 

「尻を拭いた紙は棄てるだろう?それと同じことよ。」

 

大宦官が吐き捨てた言葉に、ゼロは怒りを露にする。

 

「国を売り、主を捨て、民を裏切り、その果てに何を掴むつもりか!!」

 

「驚きだな。ゼロがこんな理想主義者とは…」

 

「主や民などいくらでも沸いてくる。虫のようにな。フハハハハ!」

 

笑い声を上げる大宦官達。それを見てゼロの怒りは頂点に達した。それと同時に、天子が闘いを止めようと斑鳩の甲板に出ていた。

 

「天子様!」

 

それに気付いたのは星刻だ。爆風により体勢を崩した天子を見て、思わず神虎をそちらへ向けた直後、トリスタンに右の翼を破壊されてしまった。

 

「今だ。天子を撃てい。」

 

大宦官の命令に従い、多数の鋼髏が斑鳩に砲撃を放った。

 

(くっ!持ってくれ神虎!私の…私の命をくれてやる!!)

 

神虎を天子の前に滑り込ませ、背後でハーケンを回転させることで何とか天子を守った神虎。しかしその行動により、神虎はコックピット等、いたるところにダメージを負ってしまった。

 

「お逃げください、天子様!」

 

「え、星刻!?」

 

神虎に乗るのが星刻だと知った天子が驚く。まさかここまでして自分を助けにきてくれるとは考えてもいなかったのだ。

 

「せっかく外に出られたのに、あなたはまだ何も見ていない!ここは私が防ぎますから!」

 

「でもあなたがいなきゃ…星刻、私は、あなたが…」

 

その言葉に覚悟を新たにする星刻。自分の命を捨ててでも、天子だけは生かしてみせる、しかしその星刻の思いとは裏腹に、神虎は砲撃により機能を停止しようとしていた。

 

(私には救えないのか…守れないのか!?あれから6年、全ては貴女のために準備してきたというのに…)

 

「誰か…誰でもいい!彼女を救ってくれ!!」

 

必死の思いで星刻は叫ぶ。そしてその言葉に、答える者が一人だけいた。

 

「分かった。聞き届けよう、その願い。」

 

とどめとばかりに鋼髏から放たれた砲撃を、神虎の前に立つだけで防いで見せたナイトメア。そのナイトメアに騎乗しているのはゼロであった。

 

「中華連邦並びに、ブリタニアの諸君に問う。まだこの私と、ゼロと闘うつもりだろうか。」

 

「何をしている!一斉射撃で仕留めよ!」

 

大宦官が告げる。その命令に従い、鋼髏がそのナイトメアへ砲口を向けた。

 

「なるほど。それが大宦官としての返答なのか。」

 

言いつつ、コンソールを操作するゼロ。するとそのナイトメアの眼前に、バリアのような障壁が出現した。

それが鋼髏や大竜胆からの砲撃を防ぐ。

 

────絶対守護領域

 

それがゼロ専用のナイトメアフレーム、蜃気楼の持つ能力である。

続いて蜃気楼が胸部よりプリズム体を発射。そのプリズム体に向けて、相転移砲が放たれた。

わざとプリズム体に当てることで乱反射した相転移砲は、次々と鋼髏を撃墜してゆく。そしてそれは灰塵壱式と闘っていたモルドレッドにも向かっていた。

 

「やっかい。…ちょっとだけ。」

 

咄嗟にブレイズルミナスを展開して防いだモルドレッドだったが、その直後に突撃してきた灰塵壱式の一撃を防ぐことは出来なかった。

 

「せぇいっ!」

 

長刀型のMVSで鋭い突きを放った灰塵壱式。これはライから直々に伝授された、ノネットも必死で練習していた技と同様のものである。その突きはモルドレッドの左前腕部分を破壊し、それによって砲を支えることが不可能になった為にシュタルケハドロンは使えなくなってしまった。

 

「どうします?シュナイゼル殿下。」

 

灰塵壱式とモルドレッドの間に割り込みながら、ジノが問う。そのシュナイゼルは、モニターを見ながら何かを考えているようだった。

 

「…何かおかしいねぇ。ゼロは何故このタイミングで出てきたと思う?」

 

隣に立つ副官のカノンに問いかける。カノンもその理由が掴めないようで、シュナイゼルの問いには答えを返せなかった。そして彼らが考えている間にも、中華連邦の航空部隊や鋼髏がみるみる数を減らしてゆく。先頭に立って彼らを殲滅しているのは蒼月だ。ライはカレンを救う為、クラブを相手取りながらも中華連邦の部隊にまで攻撃を仕掛けている。彼は文字通り、命を削るほどの闘いぶりで戦線を引っ張っていた。

 

「邪魔をするな!」

 

ライがMVSの一振りで数機の鋼髏を破壊する。その周囲の鋼髏は必死の思いで蒼月を撃ち続けるが、銃弾は掠りすらしない。それに続いてアレクサンダ隊が鋼髏隊を蹂躙していく事で、中華連邦側の戦線は明らかに崩されつつあった。

 

 

 

 

 

 

「哀れだな星刻。同国人に裏切られ、たった一人の女も救えないとは。だが、これで分かったはず…お前が組むべき相手は私しかいないと。」

 

「だからと言って部下になる気はない!」

 

ゼロの言葉にそう返す星刻。だがその答えも、ゼロからすれば予測の範疇だった。

 

「当たり前だろう。君は国を率いる器だ。救わねばならない。天子も、貴候も!弱者たる、中華連邦の人民全てを!」

 

ゼロの言葉に、星刻は疑問を口にする。

 

「ゼロ、そのナイトメアだけで、戦況を変えられると思っているのか?」

 

「いや、戦局を左右するのは戦術ではなく、戦略だ。」

 

ゼロがその言葉を発したのと時を同じくして、大竜胆はパニックに陥っていた。

中華連邦領内のあらゆる地域で、暴動が発生したとの知らせが立て続けに入ってきた為だ。

 

「こんなタイミングで反乱なんて…」

 

そう言葉を発したのは、シュナイゼルらとともにアヴァロンに搭乗するニーナだ。

 

「ゼロと大宦官との通信記録が流されたようです。」

 

セシルが暴動の理由を突き止める。大宦官はシュナイゼル達にゼロとの通信があったことを隠していた為、実際に暴動が起こるまでゼロの策を読むことができないでいたのだ。

 

「フッ…天子のおかげで大宦官の悪役っぷりが際立ったな。」

 

「まさか…あいつらが裏切ると読んだ上で…」

 

これには星刻も脱帽していた。これは星刻が以前から計画していたもので、それすらゼロは利用してみせたからだ。

 

「そう、君のもう一つの策略。クーデターに合わせた人民蜂起!」

 

「つまりは!援軍なき籠城戦ではない!!」

 

ゼロに続き、ランスロットと相対する藤堂も宣言する。それと同時に、斑鳩から玉置が率いる暁の地上部隊が進撃を開始した。その状況を見て、アヴァロンに搭乗するシュナイゼルの配下から声が上がった。

 

「愚かな。今さら地上部隊を出すとは。空爆すればこちらの…」

 

「いや、撤退する。」

 

その言葉を遮ったのは他ならぬシュナイゼルだ。彼だけは、これがどういうことかを正しく理解していた。

 

「国とは、領土でも体制でもない。人だよ。民衆の支持を失った大宦官に、中華連邦を代表し、我が国に入る資格はない。それに、このまま闘い続けても間違いなく大宦官達は敗れるだろう。」

 

シュナイゼルの目は、戦場を縦横無尽に駆け抜ける蒼月を見ていた。ブリタニアと中華連邦の合同軍にもそれを打ち破れる明確な手立てはない。それを理解しているシュナイゼルは、前日に蒼月のパイロットと行ったチェスを思い出し、この闘いにおける自身が置かれた立場の危うさも認識させられている。彼の言葉に従ってスザクは機体を退げ、ジノは片腕を失ったモルドレッドをカバーしつつ撤退し、アドニスは機体を失ったノネットを救出してアヴァロンに帰艦した。

 

遮る者がいなくなったことで、ライは一直線に大竜胆へ突撃した。

 

「カレンはどこだ!?紅蓮のパイロットだ!!」

 

蒼月から身を乗り出し、大宦官に詰問する。

 

「ほ…捕虜は移送した!ナッ…ナイトオブセブンに…」

 

「何ッ!?」

 

蒼月から降りたライは、思わず視線をアヴァロンが去った方へ向ける。それを見た大宦官の一人が落ちていた槍を拾って飛び掛かってくるが、ライはその槍を素手で払い落とし、大宦官の首を右手で掴んで持ち上げた。

 

「…ならば貴様らに用はない。ここで死ね。」

 

左手を手刀の形にして持ち上げるライ。その手を、後ろから星刻が掴んだ。

 

「その責は私に取らせて貰いたい。これまでこやつらがのさばることを許してきた、この私に…」

 

星刻の言葉を受けて無言で左手を下ろし、大宦官を手放すライ。その大宦官達は、一人、また一人と星刻に斬られてゆく。

大宦官を全員斬り捨て、香凛を解放した星刻はライに歩み寄った。ライからすれば星刻はカレンを捉えた憎き仇であり、大宦官がいなくなった今も、その身体からは殺気が迸っていた。

 

「すまなかった!」

 

星刻が深く頭を下げる。その行動を予測していなかったライは、少し躊躇いを見せた。

 

「…どういう意味かな?」

 

「──知らなかったとはいえ、君の最も大事な人をブリタニアに…これは私の責だ。君に殺されても文句は言えない。」

 

頭を下げたままそう伝える星刻。その真摯な謝罪に、ライは毒気を抜かれてしまった。ライは深く息を吐き、星刻に答える。

 

「……いえ、我々がしているのは戦争です。星刻さんに責任を求めようとする、僕が間違っていました。」

 

そう言うと、ライは蒼月へと戻った。アヴァロンはすでに飛び去り、騎士団にも蒼月にもそれを追う余力はない。現実的に考えるとカレンの救出は、今は諦めるしかないのは明白である。

ライは斑鳩に戻ると周囲の声に一切答えずに自室へと向かう。同じく斑鳩に神虎を着艦させた星刻を待っていたのは天子だ。彼女は星刻に歩み寄ると、おずおずと手を差し出した。かつて星刻と交わした契りと同じ形にして。

 

「…よろしいのですか?」

 

自身も手を差し出しながら、星刻が問う。天子はそれに、少し恥ずかしそうに答えた。

 

「…だって、朱禁城の外を見ることが出来たし、それに、あの…おしまいってことじゃなくて…」

 

天子の言葉に、星刻は笑みを湛えて答える。

 

「これからもお守り致します。永久に…」

 

星刻の言葉に、天子は涙を流す。その後ろでは、ディートハルトがゼロに進言していた。

 

「ゼロ、天子の婚姻が無効になったと、世界中に喧伝する必要があります。」

 

「そうだな。」

 

「その場合、日本人の誰かと結婚して頂くのが上策かと考えますが。」

 

その言葉に、天子と星刻は表情を曇らせる。一方のゼロは、ディートハルトの提案に賛成であった。

 

「よろしければ私の方で、候補者のリストアップを…」

 

「なりません!!」

 

ディートハルトの言葉を遮ったのは神楽耶だ。その神楽耶を、ディートハルトが説得しにかかる。

 

「神楽耶様、これは高度に政治的な問題で…」

 

「単純な恋の問題です!政治で語ることではありません!」

 

「うん、そうだな。」

 

神楽耶の言葉に、C.C.も賛成する。そのC.C.をも説得しようと、ディートハルトが矛先を変える。

 

「私達は戦争をしているのですよ!」

 

「お前は黙っていろ。」

 

そのディートハルト向かって、さらに千葉が告げる。神楽耶やC.C.、千葉が反対する理由が、ゼロには全く分からなかった。

 

「お前!?参謀に向かって…」

 

「フフフフ…」

 

思わず怒気を露にしたディートハルトを、ラクシャータが笑う。天子の婚姻の行方は、ゼロの予想とは全く違う方向に転がっていこうとしていた。

 

「ゼロ、ご裁可を!」

 

「ゼロ様なら分かって頂けますよね!?」

 

ディートハルトと神楽耶、両者から迫られ、ゼロは戸惑いを隠せずにたじろぐ。

 

「あぁ、いや…少し、ライを見てくる。」

 

そう言ってその場を離れるゼロ。そのゼロに、C.C.も無言で彼の後に続く。彼の部屋の扉、そのすぐ横の壁にはロックがもたれ掛かっていた。ロックは顎でライの部屋を指し示すと、ゼロは意を決して扉をノックした。

 

「…ライ、入るぞ。」

 

ゼロがライの部屋に入ると、ライはベッドの上に大の字になって寝転んでいた。その周囲は、普段の几帳面なライの姿からは考えられない程に荒れている。

 

「ライ、カレンのことは…」

 

仮面を外しながら告げたゼロの言葉に、ライは身を起こして答えた。

 

「…いや、少し暴れて気が晴れた。迷惑をかけてすまない、ルルーシュ。ディートハルトにも、後で謝っておかないと…いらぬ軋轢を生んでしまった。あれでは、聞いていた他の団員達にも不信感を与えただろうから…。」

 

そう言うライは、明らかに無理をしている表情であった。しかし彼にそう言われると、何と返せばいいかルルーシュにも分からない。その為に立ち尽くすルルーシュの後ろから、C.C.がスッと歩み出た。

 

「あいつは諦めずにずっと探し続けていたぞ、お前を。」

 

その言葉に、ライはハッとする。

 

「一年間、どれだけ情報が無くても、お前の生存を信じて闘っていた。今度は、お前がそうしてやる番ではないのか?」

 

C.C.の言葉に、ライは一瞬考え、そしてC.C.を見て力強く頷いた。それを見たルルーシュも安心したようで、ライに再び言葉をかける。

 

「カレンは必ず助けだそう。俺も見捨てるつもりはないからな。」

 

そう言ったところでルルーシュの携帯が鳴る。画面には、シャーリーと表示されていた。

 

『あ、ルル?今大丈夫?』

 

「なんだい?わざわざ。」

 

ルルーシュはシャーリーに問い掛ける。生徒会室で顔を合わすにも関わらず(実際には咲世子が変装した偽物だが)、電話で連絡してくる理由が掴めなかった為だ。

 

『会長の卒業イベント、教室だとリヴァルから会長に筒抜けに…』

 

「いっそのこと会長自身に決めさせてあげた方がいいんじゃないかな?…あっ、シャーリー!ちょっといいかな?」

 

シャーリーからの問いに無難な答えを返し、話題を変えるルルーシュ。天子の去就を、名前を出さないまでも彼女に相談してみようと思ったのだ。

 

「その…あるカップルを別れさせたいんだけど、周りを説得するには…」

 

『別れたいのその二人?』

 

「いや、政治的要因…あぁいや、つまり…だから、家の問題。」

 

理由を誤魔化すのに手間取ったルルーシュだが、シャーリーはそれに疑問を持つことなく、逆に彼に畳み掛けた。

 

『駄目だよぉ!恋はパワーなの!誰かを好きになるとね、すっごいパワーが出るの!毎日毎日詩を書いちゃったり、早起きしちゃったり、マフラー編んじゃったり、滝に飛び込んでその人の名前叫んじゃったり、私だって…』

 

そこで我に返り、シャーリーは少し言い淀む。

 

『…その、ルルにはないの?誰かの為に、いつも以上の何かが…』

 

その言葉に、ルルーシュは気付く。自分は今まで、ナナリーの為に世界を作り替えようとしたのだ。目の前にいる男は、恋人のカレンと、親友である自分の為に、闘い続けてくれている。

 

「思いには、世界を変える程の力がある。そうなんだな、シャーリー!」

 

『えっ…う、うん。』

 

ルルーシュの勢いに圧され、思わず頷いたシャーリー。それに満足したルルーシュは、シャーリーに礼を言って電話を切った。

 

「天子よ!あなたの未来は、あなた自身のものだ!」

 

天子や星刻の元へ戻ったゼロが告げる。ゼロの答えによっては再び闘いとなる。そう思って剣に手を伸ばしていた星刻は、驚くと同時に少し安心していた。

 

「さすがですわゼロ様!」

 

「しかし力関係をハッキリさせねば…」

 

喜びの声を上げる神楽耶とは対照的に、ディートハルトは不満の声を上げていた。しかしゼロはそれを遮って、周囲に集まる者達全員に向かって告げた。

 

「力の源は心にある。大宦官達に対して決起した人々、私達黒の騎士団も、心の力で闘ってきた!」

 

「あ…あぁ、そうだな!」

 

「…心の、力?」

 

その言葉に、扇は同意する。一方、ディートハルトは懐疑的だ。ゼロの答えをどこか侮蔑しているようにさえも見える。

 

「ゼロ、君という人間が少しだけ分かった気がする。」

 

そう言うと、星刻は右手を差し出した。

 

「進むべき道は険しいが…。」

 

その手を握り返しながら、ゼロも言葉を返した。

 

「だからこそ、明日という日は我らにある。」

 

ここに、黒の騎士団と中華連邦の一大同盟が成立した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここはどこだ!?私達はブリタニア本国にいた筈なのに…それに皇帝陛下のご命令!?」

 

バトレーはパニックに陥っていた。自分達の与り知らない内に遺跡のような場所に連れてこられた上に、彼らの前には三人の人物が立っていた。一人は子どものように見えるが、その雰囲気はただならぬものである。そしてその子どもが、バトレーに向かって口を開いた。

 

「うん、僕が頼んだの。だって君達は改造したんだよね、このジェレミア卿を。そして、狂王を…C.C.の力を再現しようとして。」

 

その言葉に続き、バトレーの視線の左側に立つジェレミアも言葉を発した。

 

「貴候しかいないだろう。我々の最終調整を執る者は。これは、名誉である!」

 

その言葉に、ジェレミアの反対側に立つ黒髪の女性がクスリと笑った。

 




やっとここまで来れた…

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