コードギアス Hope and blue sunrise   作:赤耳亀

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episode37 After lite

「気付いていたのか?私が現れると…」

 

「元に戻っていることもな。必要なんだろ?この計画に…」

 

ルルーシュの問いに、C.C.ではなくシャルルが答えた。

 

「その通り。故に枢木よ、ここまで追ってきても意味はない。」

 

「でしょうね。あなたは既に不老不死であると聞きました。だから、確かめたい事があります。あなたが作ろうとしているこれは…」

 

スザクの問いに、シャルルは笑みを湛えながら答える。

 

「そう、ユフィもナナリーも望んでいた、優しい世界だ。そして王よ、今度こそ、あなたに見て頂きたい。」

 

「前回、忠告はした筈だよ、シャルル・ジ・ブリタニア。」

 

だがシャルルはライの言葉を一顧だにもせず、C.C.に右手を向けた。

 

「C.C.、我らが揃った以上、これで計画が始められる。お前の願いはそのあとで叶えてやろう。」

 

シャルルのコードに、C.C.のコードも反応し、赤く光り始めた

 

 

時を同じくして、世界各地に存在する遺跡も赤い光を発し、そこを中心として地震のような揺れが起こり始めていた。

 

「──世界中で?ビスマルク…」

 

「皇帝陛下の計画が実行されつつあるのでしょう。陛下の願いさえ叶えられれば、その後の世界はシュナイゼル殿下が治められるのがよろしいかと…但し、政治の意味が変わることはご理解頂きたい。」

 

戦闘の手を止めるカレンやラウンズ達。それを機に、ロックがロロと特務隊の面々に命令を下した。

 

「…潮時だな。一旦引くぞ。」

 

「…で、でも!まだ兄さん達が!」

 

ルルーシュとライがあちらの世界から戻っていない。その為にロックの命令に従えないとロロは反抗する。

 

「…後で迎えに来るとして、ここは一旦引きましょう。これ以上はジリ貧だわ。アキト達も、一旦下がりなさい。」

 

「了解。」

 

しかしルーンもロックに同意し、アキト達もそれに続いた事でロロは歯噛みしながらも蜃気楼を撤退させる。騎士団側も、それを見て追撃しようとはしなかった。

 

 

 

 

 

黄昏の間の景色が崩れ去り、上空まで続く二本の絡み合う柱だけが残った。

 

「ああ、始まる…アーカーシャの剣が、神を殺すの!」

 

恍惚とした表情になるマリアンヌ。それを見て、シャルルはC.C.に向かって歩みだした。

 

「さぁ、後は我らの刻印を一つとすれば…新しい世界が始まる!」

 

しかし、C.C.の前にはライが立ち塞がった。それを見たスザクは、ルルーシュに改めて問いかける。

 

「ルルーシュ、君は何の為に世界を手にいれようとした?」

 

「くだらない質問をするな。俺はナナリーを…」

 

「ナナリーを言い訳に使うのか?」

 

スザクの言葉を受け、ルルーシュはその表情に軽い笑みを浮かべた。

 

「…そうだな。俺は俺が守りたいと思う全ての為に闘ってきた。」

 

「結果を求めるなら、何かを成さなければならない。」

 

「その為の手段は、何かを否定することに繋がる。」

 

そう言うと、ルルーシュはシャルルに向けて歩を進めた。

 

「俺はお前を、お前の考えを認めない!」

 

ここにきて、なおシャルルの邪魔をしようとするルルーシュに、シャルルは怒りを込めた目で彼を睨み付ける。しかしルルーシュが、その考えを変えるつもりは無さそうであった。

 

「人は何故嘘をつくのか。それは何かと争う為だけじゃない。何かを求めるからだ!ありのままでいい世界とは、変化がない、生きるとは言わない、思い出の世界に等しい、完結した閉じた世界…俺は嫌だな。」

 

「…ルルーシュ、それは私も否定するということ?」

 

マリアンヌの問いに、ルルーシュはさらに問いを重ねる。

 

「母さんの願いは、皇帝と同じなのですか?」

 

「バラバラになったみんながまた一つになるのは良いことだわ。死んだ人とも一つになれるのよ。ユーフェミアだって…」

 

「やはりそうか…」

 

ルルーシュはライに目を向ける。

 

「…ルルーシュ。僕を気にする必要はない。君が言うべきだと、やるべきだと思うことをやれ。」

 

「…ああ、俺は、俺にはお前やロロがいる。その意味を、何故お前達は考えないんだ…?お前達は自分がその世界を創る事をいい事だと思っている。しかし、それは押し付けた善意だ。悪意となんら変わりがない。」

 

ルルーシュの言葉を受けても、シャルルは表情を崩さない。何故自分達がルルーシュやライから否定されるのか分かっていないどころか、それについて考えるのを放棄しているのだ。

 

「みな、いずれわかる時が来る。」

 

「そんな時は来ない!!

…一つだけハッキリしている事がある。お前達は俺とナナリーに善意を施したつもりなのかもしれない。しかしお前達は、俺とナナリーを捨てたんだよ!!」

 

マリアンヌは即座にそれを否定する。

 

「でもそれは守ろうとして…」

 

「日本とブリタニアの戦争を止めなかったのは何故だ!?計画を優先したお前達は、もう俺達が生きていようと死んでいようと関係が無かったんだ。だから捨てた!自己満足の言い訳だけ残して!」

 

「それは違うわ!」

 

さらに否定を重ねるマリアンヌに、ルルーシュが右手を向けながら告げた。

 

「今言っただろう!死んだ人とも一つになれると!未来なんか見ていないんだ!!」

 

「未来は、ラグナレクの接続…その先にある。ナナリーの言った優しい世界が。」

 

シャルルの言葉も、ルルーシュは即座に否定した。

 

「違う!お前達が言っているのは自分に優しい世界だ!でもナナリーが望んだのは、きっと…他人に優しくなれる世界なんだ…」

 

「だとしてもそれが何だ?すでにラグナレクの接続は始まっている。」

 

「そうかな?そう言う割には、先程からその柱、思考エレベーターとやらの動きは止まっているが…」

 

シャルルとマリアンヌが振り向くと、先程まで蠢いていた柱が動きを止めている。そしてもう一度目線を戻すと、そちらへ左腕を向けるライの姿があった。

 

「あくまで邪魔をするか…ライディース・リオ・ブリタニア!!」

 

シャルルの言葉に、ライは目線をルルーシュに移しただけだ。そのルルーシュは左目のコンタクトを外しながら口を開いた。

 

「ライを、狂王の力を甘く見たな…。そして、俺はゼロ!奇跡を起こす男だ!」

 

「ギアスなどわしには通じぬ!他の者にしても…」

 

「いいや、もう一人いるじゃないか!」

 

ルルーシュの言葉に、その意味を理解したシャルルは目を見開く。ルルーシュは上空に目を向け、両手を広げた。

 

「そう、Cの世界は人類の意思、そして、人は平等ではない…共にお前のこ言葉だ。平等ではないが故に俺の力を知っているな。」

 

「愚かなりルルーシュ!王の力では神に勝てぬ!」

 

「勝ち負けじゃない!これは願いだ!

神よ!集合無意識よ!時の歩みを、止めないでくれ!!」

 

ルルーシュが行動に移したことで、マリアンヌが駆け込んでくる。

 

「ルルーシュ、あなたって子は…」

 

しかし彼女が伸ばした手を掴み、ライが背負い投げのように地面に叩きつけた。

そこへ、スザクが剣を向ける。

 

「こんなことは誰も、ユフィも望んではいなかった!」

 

「ぐ…ユフィと話をさせてあげる為に助けたのに…」

 

「それを押し付けと言うんだ!!」

 

シャルルは、未だにルルーシュの行動に意味はないと断じていた。いや、自身がそう信じたかったのだろう。

 

「出切る筈がない。神に…人類そのものに!!」

 

「それでも俺は、明日が欲しい!!」

 

その言葉と同時に、ルルーシュの右目にもギアスの光が宿る。その直後、上空にギアスと同じ紋様が現れると、柱が崩壊を始めた。

 

「そんな…!」

 

立ち上がったマリアンヌが、絶望の表情を向ける。

 

「思考エレベーターが…ワシと兄さんの…マリアンヌの夢が朽ちてゆく…!」

 

その光景を見たC.C.は、その場に座り込んだ。

 

「シャルル、もうやめよう。烏滸がましいことだったんだよ、これは…」

 

「C.C.、まだ我らの刻印がある限りは…ぬうっ!?」

 

シャルルは、自身の存在が消えつつあることに気付いた。既に脛のあたりまでは光にのまれてなくなってしまっている。

 

「あなた…!」

 

シャルルに駆け寄ったマリアンヌも、同じく足元から消え始めた。

 

「馬鹿な…飲み込まれる?Cの世界に…」

 

「でも、C.C.は…!C.C.はどうして消えないの!?この計画に賛同していたんじゃ…」

 

マリアンヌが彼女を振り返るも、C.C.は変わらずその場に座ったままだ。

 

「すまない、気付いてしまったんだ。お前達は、自分が好きなだけだと…」

 

「違う!ルルーシュやナナリーの事だって…」

 

それを否定しようとしたマリアンヌを、ルルーシュが遮った。

 

「お前達は知っているのか?ナナリーの笑顔の意味を!」

 

「…笑顔?」

 

「何故分からないんだ!ナナリーは目も見えず、歩くことも出来なかった!だから、世の中には自分一人では出来ないこともあるって知っていたんだよ!ナナリーの笑顔は、せめてもの感謝の気持ちなんだ!」

 

「そのようなごまかしこそ…」

 

シャルルはルルーシュの言葉を否定しようとしたが、ルルーシュはそれすら遮った。

 

「それを嘘だとは言わせない!言わせてなるものか!!現実を見ることもなく、高みに立って俺達を楽しげに観察し…ふざけるな!事実は一つだけだ…お前達親は、俺とナナリーを捨てたんだよ!!」

 

「この賢しき愚か者がぁっ!!」

 

シャルルは無くなった足を動かし、ルルーシュに走り寄ると彼の首を右手で掴んだ。

 

「二人とも、手を出すなよ!」

 

咄嗟に動こうとした二人に、ルルーシュが伝えた。

 

「ワシを拒めば、その先にあるのはあやつの、シュナイゼルの世界だぞ!善意と悪意が所詮、一枚のカードの裏表…それでも貴様は!!」

 

「だとしても、お前の世界は俺が否定する。消え失せろ!!!」

 

「「あああぁぁぁぁっっ!!」」

 

ルルーシュの言葉と共に、二人はCの世界に飲み込まれ、目の前で霧散した。

 

「C.C.、お前も逝くのか?」

 

「死ぬ時くらいは笑って欲しいんだろう?……お前達こそ、これからどうするんだ?シャルル達の計画を否定し、現実、時の進む事を選んだ。だが…」

 

「ああ、ルルーシュはユフィの敵だ。」

 

スザクは剣を構える。

 

「…だから?」

 

ルルーシュも、そちらへ向き直る。C.C.は、ライの手を借りて立ち上がり、二人が出すであろう答えを待っていた。

 

 

 

 

 

 

「う……どこ、ここ?」

 

アーニャが目を覚まして体を上げると、周囲には見たことのない遺跡のような物体があった。

 

「これは…」

 

アーニャがそれに触れた瞬間、彼女の頭の中を情報の濁流が襲った。

 

「うっ…ああ…あああぁぁぁぁっ!!」

 

頭を抱えてその場に踞るアーニャ。しばらくすると、彼女はその体勢のままボソッと呟いた。

 

「……思い、出した。」

 




今日中にあと一話くらいは手直し出来そうです。
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