コードギアス Hope and blue sunrise   作:赤耳亀

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episode10 Tears of thorns

「このバタララン・ドゥに喧嘩を売ったことを、後悔させてやるぜ!」

 

蠍のような形状をしたナイトギガフォートレス、バタララン・ドゥ。その背中には、巨大なフロートが装備されている。

 

「あんまり突っ走るなよぉ。こいつらに勝ってもぉ、まだ狂王が残ってるんだからぁ。」

 

ジンダーの専用機、ルッジェーロも彼に続く。その二機に、リョウの専用機である牙鉄が突撃をかけた。

 

「踏み込みの速度なら負けねぇ!」

 

右手に装備されたルミナスコーンを振り上げる。牙鉄はバタララン・ドゥが放つハーケンを捌くと、機体の横っ腹にそれを撃ち込んだ。

 

「くらいやがれ!」

 

ルミナスコーンが装甲を削ってめり込んでゆく。しかしバタララン・ドゥは動きを止めず、至近距離から熱線砲を放った。

 

「チッ…コックピットには届かねぇか。」

 

一旦距離を取った牙鉄の後方から、アキト専用機であるアレクサンダ・リベルテが飛来した。ヴァリスで牽制しながら、バタララン・ドゥ、ルッジェーロとの距離を詰める。ルッジェーロが剣を振り上げるも、リベルテはそれを前腕で受け止めた。

 

「…まさかぁ、ハンニバルの亡霊ぃ!?」

 

「懐かしい呼び名だな。黒の騎士団に入ってからは呼ばれなくなった名だ。」

 

リベルテがシュロッター鋼ソードを振るう。それを避ける為に下がったルッジェーロに、再び牙鉄が襲いかかった。

 

「まずはテメェからだ!」

 

左腕の鉤爪型MVSを連続して振るう牙鉄。だがその攻撃が当たる前に、バタララン・ドゥが二機の間に割り込んだ。

 

「この俺を無視するってか!?ナメてんじゃねえぞ!」

 

六基の大型ハーケンを乱舞させ、牙鉄を追い込まんとするバタララン・ドゥ。しかし今度は、アレクサンダがその間に割り込んだ。

 

「この程度!」

 

両手に持ったシュロッター鋼ソードでハーケンを斬り払い、再びヴァリスで牽制する。

 

「やるじゃねえか!だがなぁ!」

 

熱線砲がアレクサンダに向く。それを確認したアキトは、すかさずブレイズルミナスを発生させた。

 

「おおっ!?」

 

ブレイズルミナスにぶつかったことで逸らされる熱線砲。それに一瞬気を取られた事で動きを止めてしまったビトゥルの目には、シュロッター鋼ソードによって斬り落とされた二基のハーケンが映し出されていた。

 

「これでっ!!」

 

両腰に装備された小型マシンキャノンを掃射しながら突っ込んでくる牙鉄。繰り出したルミナスコーンでの一撃を、ルッジェーロが剣で受け止めていた。

 

「残念でしたぁ。」

 

ルッジェーロの剣に電気が走る。それにより動力部にダメージを負った牙鉄は、一時的にではあるが右腕の動作を奪われてしまった。

 

「ハハッ!!ざまぁねえな!!」

 

バタララン・ドゥが熱線砲を牙鉄に向ける。それを見たアキトは、盾となるべくアレクサンダを急加速させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつ、俺のクロムウェルと同じ設計思想かよ…」

 

灰塵弐式と対峙する大型ナイトメア、ケインの専用機であるクロムウェルは、エナジーウイングによる縦横無尽な動きと手首と足首、膝に発生させたブレイズルミナスで超接近戦を挑んでいた。しかし、灰塵弐式はそれを真っ向から受け止めている。

 

「ボーッとすんじゃないよ!ケイン!」

 

アリシアの専用機、スパルタクスがクロムウェルと灰塵弐式の間に入り、両肩の散弾砲を発射した。だがそれも、下方から放たれた極大の光によって全て消し去られる。

 

「邪魔は、させない。」

 

それはモルドレッドの改造機、モルドレッドガンナーが放ったシュタルケハドロンによるものだった。アリシアは舌打ちすると、スパルタクスの横腹下部に装備された小型ガトリングガンをモルドレッドに掃射する。

 

「無駄、実弾は。」

 

正面に展開された、大型のブレイズルミナスでそれを防いだモルドレッドの背中から、ハドロンガトリングが現れる。アリシアは再度舌打ちすると、即座に回避行動に移った。

 

「面倒なナイトメアだねぇ!」

 

「…それはそっちも同じ。」

 

間髪入れずに両肩から大量の小型ミサイルを放つモルドレッド。スパルタクスは後退しながらガトリングガンでそれらを撃ち落とし、距離を詰める為に加速した。

 

「…そうくると思った。」

 

モルドレッドの手首部分からブレイズルミナスが発生し、拳を覆う。その状態のまま拳を振り上げるが、スパルタクスも同様に手首からブレイズルミナスを発生させていた。

 

「ハッ…!考える事は同じって訳だね!」

 

スパルタクスの拳とモルドレッドの拳が激突した。

 

「あっちは盛り上がってんなぁ…ホントなら、あんたみたいなのとは生身でやってみたかったんだが…」

 

攻撃の手を止め、ロックに話しかけるケイン。彼の言葉に、ロックは不敵な笑みを浮かべたまま返答した。

 

「このまま投降するというのなら、後で闘ってやっても構わんぞ。」

 

「魅力的な提案だなぁ。だけど、こっちも退けないもんでね!」

 

クロムウェルが両方の拳を腰だめにする。すると、拳を高速で回転をさせることでルミナスコーンを作り出した。

 

「…おもしろい。」

 

灰塵弐式も腰から長刀型のブレイズルミナスソードを抜くと、二機は再び距離を詰めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、ライの言葉に偽りはないようだな。」

 

フロストの専用機、レオニダスと何度も剣を交わしたアドニスは彼の実力を認めていた。三対のエナジーウイングに加えて脚部と前腕にフロートを装備している為に速力ではレインを上回っているものの、武装といえるものは長剣型のブレイズルミナスソード一本だけだ。それでも、レオニダスはレインと互角の闘いを演じていた。

 

「貴様も、良い剣技だ。まさかこれほどの相手に出会えるとは…」

 

アドニスはヴァリスや刃状ブレイズルミナスを使用せず、あえて二本のブレイズルミナスソードのみで闘っていた。それは自身のプライドと、フロストへの敬意の為である。

 

「だが、最後に勝つのは私だ。」

 

「言っていろ!その言葉、後悔させてやる!」

 

両者のブレイズルミナスソードがぶつかる。フロストは一瞬でその斬撃を受け流すと、逆手に振るわれたもう一本のブレイズルミナスソードも弾き返す。すぐに返しの斬撃を放つも、受け流される事を半ば予想していたアドニスの斬り上げにより、その斬撃はレインに届く事は無かった。

すぐさま体勢を立て直し、レインの後ろを取るべく高速で移動するレオニダス。だがアドニスもそれに気付いており、レインの足首にブレイズルミナスを発生させると後方に向けて蹴りを放っている。上体を逸らす事でそれを避けて潜り込もうとしたレオニダスであったが、レインは勢いのままに剣を振るっていた。

 

「シッ!!」

 

それを弾き返し、自身の剣を突き込むレオニダス。レインは体を捻って避けると、その場で横に回転して斬撃を放った。

 

「姉さんは、まだ…いや、僕が助けてみせる!」

 

ナギドの機体各所に設置されたフロートを並列起動し、さらに脚部に小型のエナジーウイングを現したメギストスオメガ・フルバーストモード。その速度は、アルビオンの頃よりもさらに強化されたエナジーウイングを持つランスロットsin とほぼ同等であった。

 

「君とシャムナは、世界の敵となった!君達の歩みは、ここで止める!」

 

スザクはランスロットのアンチマテリアル・ヴァリスをナギドに放つ。しかしシャリオも簡単には当てさせず、接近戦に持ち込もうと喰らい付く。距離が詰まった瞬間にランスロットから刃状ブレイズルミナスが放たれるも、瞬時に上昇することで避けてみせた。

 

「これでっ!!」

 

直後に急降下し、ランスロットに曲刀を振り下ろす。スザクもそれに反応し、MVSでその斬撃を受け止めていた。

 

「先日のようにはいかない!僕は約束したんだ!世界を守ると!」

 

ランスロットはナギドの攻撃を弾き返し、攻勢に出る。MVSによる連撃と、四基のハーケンを駆使して少しずつナギドを追い込んでいった。

 

「負けられない理由なら僕にもある!僕は民の為に、民は僕の為に!姉さんと僕の望みを!」

 

脚部に装備されたウイングからブレイズルミナスが伸びる。それを刃として、ナギドはランスロットに蹴りを放った。

 

「くっ…!」

 

MVSを交差し、それを受け止めるランスロット。しかし機体は押し込まれ、ナギドが攻勢に出るスキを与えてしまった。

 

「枢木スザク!僕はここで君を超える!そして今度こそ、最強の騎士になるんだ!」

 

ナギドが曲刀を振り下ろすも、ランスロットは再びMVSを交差させ、頭上で受け止めた。

 




ハークレイ
体高4.9メートル
重量8.42トン
二丁の小型レールガンと、MVSを装備。
機体背部のユニットに接続されており、弾丸はそこから自動で補充される。ルミナスハーケンと三対のエナジーウイングも装備している。

ストーンコールド
体高7.0メートル
重量16.6トン
超大型拳銃を装備したKMF。スーパーヴァリスやハドロンブラスターの威力を遥かに上回り、貫通力も非常に高い。機体背部のユニットに接続されており、弾丸はそこから自動で補充される。また、砲口下部にルミナスソードの発生装置があり、近接戦にも対応。
その他の武装はブレイズルミナスと、小型MVS、ルミナスハーケン、三対のエナジーウイング。

レオニダス
体高5.01メートル
重量6.95トン
長剣型のブレイズルミナスソードを主武装とするKMF。それ以外の武装は肩部のルミナスハーケンのみ。
第九世代の中でも抜きん出た機動力を誇る機体で、三対のエナジーウイングを装備し、脚部と前腕にフロートを装備している。

ヘクトール
体高4.89メートル
重量7.28トン
集極音波を放つKMF。その他の武装はMVS、ビームガン、ルミナスハーケン。
強化型のフロートを装備している。

ウォリック
体高5.22メートル
重量7.08トン
フレイヤをベースとして、威力と効果範囲を抑えた爆撃弾を主武装とする。アヴァロンでニーナの研究を手伝い、データを記憶していたタカムラ博士が作成。
他に、スラッシュハーケン、手斧型MVS、強化型のフロートを装備している。

クロムウェル
体高6.99メートル
重量15.1トン
手首、膝、足首にブレイズルミナスを発生させ、拳打での戦闘を主体とするKMF。指先がスラッシュハーケンとなっている他、ブレイズルミナスをルミナスコーンに変化させる事が可能。強化型エナジーウイングを装備。

ローラン
体高6.25メートル
重量8.85トン
投影機を装備し、自身の分身を空中に映し出す事で敵を混乱させる。
武器として、アサルトライフル、MVS、ニードルブレイザー、スラッシュハーケンと強化型フロートを装備。

スパルタクス
体高5.85メートル
重量10.75トン
横腹下部にガトリングガンと手首にブレイズルミナスを装備し、格闘戦と中距離戦を得意とする。強化型のフロートを装備。

アレミラ
体高5.65メートル
重量9.13トン
両腕の前腕に収納可能なMVSを装備。足裏にジェット機構を備え、フロートでは出来なかった空中での細かな機動力を実現している。その他の武装はアサルトライフルと、スラッシュハーケン。

マックール
体高4.74メートル
重量6.95トン
フロートは高速飛行とホバリング性能を中心に強化されており、超距離狙撃用レールガンを主武装としている。その他の武装として、スラッシュハーケン、小型MVS、ステルス機能と光学迷彩がある。

モルゴース
体高6.26メートル
重量7.27トン
電子戦を得意とする機体で、ハッキングによって機体の自由を奪う。
装備はアサルトライフルと二刀のMVS、スラッシュハーケン、フロート。

ルッジェーロ
体高4.86メートル
重量7.01トン
電撃を纏った剣を持ち、スラッシュハーケンにも同様にワイヤーを通じて電撃を流す装置がついている。強化型フロートを装備。

ブランシュフォール
タカムラ博士が製造した量産機。武装は、MVS、三連アサルトライフル。機体によって、アサルトライフルではなく、狙撃用ライフルや小型ミサイル砲、ブレイズルミナスを装備している。


ランスロットsinと同タイプのエナジーウイングは、強化型エナジーウイングと表記させて頂いています。

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