ダンボール戦記~Gの力を持った転生者~   作:クレナイハルハ

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疑念の作戦前

三影ミカside

 

朝、セイカの家へと向かいながら昨日の事を思い出していた。

 

『オレ達は深海セイカがイノベーターからの刺客である可能性が高いと考えている』

 

違う、そんな筈ない。そう思っていても、確かに気になっていた。セイカが倒れたあの日から、急にモーターやLBXを作り始めたセイカはまるで人が変わった様に生き生きしていた。

セイカの作る凄いLBXも、もしかしたらイノベーターからの技術提供を受けているからじゃあと。そんな嫌な想像ばかりが頭をよぎる。

セイカの家の玄関のドアを捻ろうとするが鍵がかかっていて開かなかった。

 

「……え」

 

鍵がしまってる、いつもならこの時間には鍵が空いてる筈なのに。まだ寝てる?だとしたら早く起こさないと。

バックから出したCCMでセイカに電話する携帯のコールが暫く鳴り響け、暫くしてようやく電話に出る音がなった。

 

「もしもし!セイカ?」

 

『ぅん、朝からどうしたの……』

 

若干、眠そうな声と共にあくびをするセイカの声に安堵する。

 

「セイカ、起きて。早く学校に──」

 

『…大丈夫、もう学校にいるよ』

 

「え?」

 

『昨日ちょっと用事があって遅くまで外に出てたから寝れてなくて、朝早くに学校に登校して教室で寝てたんだ……』

 

「昨日、夜遅くまで……」

 

─オレ達は深海セイカが()()()()()()()()()()()である可能性が高いと考えている。─

 

『ちょっと、作ってたLBXに必要なパーツがなくて買いに出てたんだ』

 

─彼のLBXも()()()()()()()()()()()()()があるのなら納得できる。─

 

まるで、イノベーターからの刺客であることを紐付けるようにセイカの発言が繋がっていくような気がした。

いや、違う。そんな筈無い、セイカがイノベーターだなんてこと、本当なわけが……。

 

「そっか……わかった。じゃあ学校で……」

 

そう言いCCMの通話をきる、力なくCCMを持っていた腕がタラリと下がる。

 

「セイカ……」

 

胸の内に広がる自分が彼を疑ったことへの自己嫌悪と疑いの念が晴れないまま、私は重く感じる足でミソラ中学校への歩みを進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深海セイカside

 

ミカからの電話が切れた事を確認した俺は学校のトイレに入っていた。ここならCCMで通話していても先生にはバレないだろう考えての事だ。

さて、暗躍を始めよう。

今夜のミッションとしては『山野淳一郎博士の保護』と『石森里奈への妹の病の完治の報告と勧誘』が目標だ。

以前に青島カズヤのハンターの調整を手伝った際にこっそりと見て覚えた宇崎拓也への連絡先と思われるCCMの連絡先へと通話をかける。

さて、この事をしっかり考えてくれるなら石森里奈が裏切ったときの対応が可能な筈だ。

暫くコールが続く、山野淳一郎博士奪還作戦の指揮に忙しいのか又は見知らぬCCMからの連絡を警戒してるのか分からないけど早く出てくれないと困る。

 

『もしもし』

 

「石森里奈はシーカーの裏切り者。」

 

『なっ!?』

 

「今夜の作戦で離反する、信じるか信じないかは貴方次第だよ」

 

そう言い、通話をきる。

これで下準備は整った、後は学校が終わった後にプトレマイオスで海道邸の近くに移動するだけだ。

今回の介入の流れとしては、海道義光の操る月光丸がアタックファンクションである月下乱舞を使用する瞬間だ、可能ならば中断させアキレスの破損を防ぐ。

恐らくは今日が今までで一番の原作介入になる、俺はガンダムと共にこの世界を更に良い顛末へと革新させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、中学校での授業を終えた俺は学校からプトレマイオスIIの待機させている湖へと向かっていた。ミカは今日はバン達と行動するのか今日は家にこれないと話していたので好都合だ。

俺のオリジナルとなるが石森ルナ用のコントロールポットの調整は完了している。

コントロールポットだと原作の物と被るな、後で名前を考えておこう。

誰にも見られていない事を確認した俺はプトレマイオスIIの船内へと入る。

すると近くにいた赤いハロが反応して耳をパタパタさせて跳ねながらこちらへと向かってきた。

 

『ハロ!マイスター!ハロ!マイスター!』

 

「ハロ、石森ルナは何をしている?」

 

『エアリアル!レンシュウ!エアリアル!レンシュウ!』

 

恐らくはエアリアルでの戦闘練習をしているのだろう。CCM内にシュミレーターを積んでおいたからな……もしかして、もう俺のバトルの技術は石森ルナに負けた?いや、まだ大丈夫な筈だ。

作戦説明室のような場所に向かい、ハロに石森ルナをここへと連れてくるよう頼むとハロは石森ルナの近くに待機しているハロへと連絡する。

そういえば、石森ルナは病院の入院服のままだったな……この作戦が終わったらお金を渡して服屋に行って貰おう。俺が買うのは流石に知り合いに見られたら不味いし、流石に下着を買うのはつらい。

 

「マイスターさん!お待たせしました!」

 

少しすると軽く呼吸を繰り返しながら石森ルナが作戦説明室に入ってきた。ずいぶんと頬を赤くしているからきっと走ってきたのだろう。

 

「すまない、急かしてしまっただろうか?」

 

「いえ!私が走りたくて走ってきたんです!前はこんな風には走れませんでしたから!」

 

「そうか、では今夜のミッションの説明をする。」

 

「はいっ!」

 

そう口にしてプロジェクターに今回のミッションの目標を投影させる。すると、先程までの楽しそうに笑っていた石森ルナの顔が真剣な様子へと変わる。

 

「まず最初にわ今回のミッション中はなるべく君の事をコードネームで呼ぶことにする。君が石森ルナだと言う事はギリギリまで隠しておきたい」

 

「分かりました!」

 

「君のコードネームは『マーキュリー』だ、覚えておいてくれ」

 

「マーキュリー……意味はあるんですか?」

 

「君の持つLBX、エアリアルはかつて水星の魔女と呼ばれる少女が搭乗していたロボットをモチーフに作り上げた。故に、君のコードネームは水星を意味するマーキュリーにした」

 

「了解です」

 

「次に、俺達が陰ながら援助している組織と敵となる組織について説明する。」

 

そう言いながらプロジェクターに映る映像を切り替え、石森ルナへとシーカーやイノベーターに関する情報や山野バン達について説明する。石森ルナは頭が良いのか、次々の出される情報を自分なりに理解し整理している様子だった。

 

「さて、今回のミッションの内容だが目標は『海道義光の操るLBX、月光丸からアキレスの護衛』『山野淳一郎博士の保護』『石森里奈の説得』の三つだ。戦闘では俺が前線に出つつ指示を出す、君はエスカッシャンやビームライフルでの援護射撃に徹してくれ」

 

「分かりました、あの姉さんの説得は……」

 

「それに関しては俺と君の二人でかかる。俺が言うまで本名は伏せていてくれ、俺が万が一でも、牽制のため君の姉へと剣を向けたとしても」

 

「それは……」

 

「同意できないのであれば、今回のミッションに参加はさせられない。大丈夫だ、絶対に傷付けるような事はしない、精々武装解除させるぐらいだからな」

 

その言葉に安堵したのか、石森ルナはゆっくりと頷いた。

 

「ミッションは今夜、それまでにLBXを遠隔操作するシステムについての説明も俺が行う。その後は体を休めておけ、ミッションは夜中になる」

 

「わかりました!」

 

さて、これで作戦の説明は終わった。正直緊張しているし、どうなるかは分からないけど原作を考えるなら月光丸に仕掛けるタイミングはアタックファンクションを発動した瞬間もしくは、発動する前しかない。

エクシアのあのシステムを使って戦うしかなさそうだ、あのシステムを使って斬り込めば月光丸に対して多少は有利に立ち回れる筈だ。

相手はゲームでの負けイベント、三対一で勝てるような相手に挑む。

 

やるぞエクシア、俺たちがこの世界の歪みを破壊する剣になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は、早朝のシーカー本部に遡る。

山野淳一郎博士奪還作戦の指揮を取っていた宇崎拓也の元に非通知の相手から連絡がきた。

彼は、最初こそ間違い電話かとCCMを取らなかったがいつまでもなりやまないコールに、CCMの通話ボタンを押した。

 

「もしもし」

 

『石森里奈はシーカーの裏切り者。』

 

「なっ!?」

 

聞こえてきた幼く、男性とも女性ともとれるその声。そしてそんな声が告げたのは、すぐ近くで海道邸への侵入経路を確認している仲間である女性の裏切ると言う予知めいた発言だった。

 

『今夜の作戦で離反する、信じるか信じないかは貴方次第だよ』

 

「ま、待ってくれ!それは一体どういう……」

 

先程の発言に関しては問いただそうとした次の瞬間には通話は途切れていた。

 

「どういう事だ……蓮」

 

「どうした?何かあったか?」

 

「息抜きに外に出ようと思う、少し付き合ってくれ」

 

「それは構わないが……」

 

蓮と共に、里奈から不信感を抱かれないようシーカー本部の外に出てデパートの近くにある自販機へと向かう。自販機の飲み物を購入して互いに飲み物に少し口をつけたタイミングで口を開いた。

 

「さっき、非通知の相手から連絡が来たんだ。」

 

「非通知?詐欺か何かだろう?」

 

「相手は、こう言った。石森里奈はシーカーの裏切り者。今夜の作戦で離反する、信じるか信じないかは貴方次第、だそうだ」

 

「なっ!……間違いないのか」 

 

電話の内容を告げると驚愕しつつ、真剣な様子でそう聞いてくる蓮に返事を返す。

 

「あぁ、これはただのイタズラ電話じゃない。しかも相手は俺たちの作戦についても理解していようだった」

 

「そんな存在なんて誰も……まさか、奴か」

 

心当たりがあるかのように蓮が呟いた奴が誰なのか分からない。

 

「奴?」

 

「以前にも、俺たちに予言めいた事を言ってきた子供がいただろ」

 

「深海セイカ!?いや、だが……」

 

「以前にも奴は意図して此方に接触し、大統領のパレードが早まると告げて去った。もし電話の相手が深海セイカなら……」

 

「詳しく調べた方が良さそうだな、今日の作戦が片付いたら深海セイカについて調べよう。そして里奈の事だが……」

 

「警戒しておいた方が良いだろうな、何かあってからじゃ遅いだろう」

 

「あぁ、そうだな」

 

蓮の言葉に頷きつつ持っていた缶コーヒーを飲み干してゴミ箱へと入れる。

今は今夜の作戦へと集中しよう、そう考える宇崎拓也達は今夜の作戦に向けて指揮を取った。

 

そして夕日が落ち暗くなっていき静かな夜、グレースヒルズに彼らは集まった子ども達と共に山野淳一郎博士奪還作戦を今、実行する。

 

 

 






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