混戦死闘、あるいは交差する殺意。
「うわああああッ」
「怯むな! 柱が到着するまでこいつを抑えるんだ!!」
「許さないっ、鬼舞辻無惨!!」
「ギャッ!」
「よくも、よくも俺の友達を……」
耳障りな鬼狩りたちが無惨を取り囲み、数を減らしながらも一向に諦めようとしない。時間稼ぎのために戦っている弱者というのは小賢しく、数人惨たらしくバラせば激昂してかかってくるかと思いきや、彼らは適切な距離を取ってちょろちょろと走り回るばかりだ。時折、柱の少女と両脚義足のわりに動きが良い女が切り込んでくるが、彼女らさえ大きな怪我を避けて立ち回っている。
全員の眼差しに殺気が溢れ、無惨を必ずや殺すと叫んでいるというのに、彼らは弱いがゆえに自ら止めをさせると端から思っていないのだ。それが馬鹿馬鹿しいと同時に鬱陶しく、無惨はそろそろコバエを全滅させるかと目を細めた。
この屋敷に自ら赴いたのは竈門禰豆子を手に入れるためだった。昨晩、猗窩座が隊士数名から聞き出した情報によると、禰豆子はここで匿われていたのだ。しかし今、この近辺に鬼の気配はない。すでにあの少女は別の場所に移されたのだろう。
「もう貴様らに用はない」
すべてを見下す赤い瞳が隊士らを射抜く。柱の少女―胡蝶しのぶがはっと声をあげようとしたが、それよりも早く黒い茨が宙を裂き、その場の半数の命を刈り取った。
「あ、ああっ……」
貫かれた体がいくつも地面に投げ出され、血の臭いが充満する。無惨の黒血枳棘は攻撃を受けたものを鬼にする効果があるが、死んでしまっては鬼に変じることもない。ただ一人、しのぶの前で倒れることなく血を流している女―胡蝶カナエだけは大きく体を震わせながら呼吸で鬼の血の巡りを遅らせていた。
「姉さん! 嫌よ、嫌、どうして庇ったの!」
「落ち着きなさい、蟲柱・胡蝶しのぶ」
脇腹に大穴を開けて地面を汚しながら、それでもカナエは立っている。皮肉なことに、義足でなければもう足が萎えて崩折れていただろう。二年も前に柱の位を返上し、短刀に刷り上げた日輪刀しか持たない彼女は、その刃をもって無惨の攻撃から妹を守ってみせたのだ。
「私では鬼舞辻に一矢報いることもできないけど、盾になるぐらいはできる。貴方は他のみんなが到着するまで、良い状態で彼を足止めすることだけを考えなさい」
雨が振りはじめ、夕暮れから夜の昏さへと空が変じる中、十名にも満たないほとんど怪我人の剣士らの闘志は揺らがない。悲壮な表情で姉の背を見つめていたしのぶも、可憐な唇をかみしめて細長い刀を構え直していた。
もう一度茨で薙ぎ払えば、それで事足りるだろう。そう思い、無惨が血鬼術を発動させようとしたその時、軽い衝撃が鳩尾を襲い、何かが体内に潜り込んだ。
「何っ!?」
誰の気配もなかった胸元に芳しい香りをまとった女が現れる。体中に何やら文様が描かれた紙を貼り付けたその女は無惨が見知った美しい顔をしていた。彼女の周りにはいくつもの小さな球体がばらまかれている。それが肉の種子だと気づくなり、無惨は破裂した血肉から繰り出された血鬼術に女ごと貫かれた。
「吸収しましたね、私の拳を。ついに我が牙がお前に届いた! 鬼となり数百年、この時を待っていましたよ!!」
珠世のしとやかな美貌が見る影もなく歪み、夜叉の形相で悪鬼を見上げる。無惨の腹に埋まった拳をほどけば握り込んでいた大量の薬物が一気に男の血管に侵食し体中へとめぐり始めた。
「この棘の血鬼術は貴方が浅草で鬼にした人のものですよ。そして、私が握っていたのは鬼を人間に戻す薬! どうですか、効いてきましたか?」
自らも棘に貫かれているというのに、珠世は眉も唇のはしも吊り上げて嗤っている。彼女の肩を砕かんばかりに掴んだ無惨だったが、胸を貫く棘が二人を縫い付けているため、振りほどくことはできなかった。
(そんなものができるはずはない!)
千年の間、誰にも作れなかった薬をこんな女が作れるはずがない。よしんば効果を見せたとしても、己が成分を分解するほうが速いはずだ。そう自らに言い聞かせる無惨は、自分でも気づかない焦りを覗かせていた。端正な顔を歪ませて珠世も茨も吸収してしまおうとする。そうして注意が削がれていたところに、鋭い切っ先が正面から右目を貫いた。
「……この、コバエめが!」
「お前の性能を落とせば、より早く薬が回る。お前たちが嫌いな藤の毒で効果が上がるよう調合してあるのよ!」
ふわりと太い棘に降り立ったしのぶが無惨の頸と頭部に何十もの突きを繰り出す。首の動きだけでいくつか避けた無惨だったが、固定された部分は穴だらけとなり、見る間にふさがった傷口は薄く紫に変色していた。藤の毒など彼には効かない。しかし少女が口にした情報が耳にこびりついていた。
「貴様らの逆恨みには付きあっておれん。この程度で勝ち誇ったつもりか、気違い女!」
珠世の頭を鷲掴み、しのぶの日輪刀をもう片手の甲で弾く。そのまま肉体を損傷してでも茨から抜け出ようとした男は、近づくいくつもの気配に鬼の形相を浮かべた。
「悲鳴嶼さん、鬼舞辻無惨です! 早く頸を!!」
しのぶのよく通る声が雨のむこうの巨躯へと届く。顔に古傷がある大男が独特な武器を振りかぶり、中距離から無惨目掛けて鉄球を飛ばした。鬼殺隊最強と名高い岩柱・悲鳴嶼行冥による奇襲だ。人の頭より大きな鉄球は見事、無惨の美しい頭部をかち割り、周辺の黒い棘ごと破壊した。
仲間の死体が散らばった場にたどり着いた鬼殺隊の面々が沸き立つ。鬼舞辻無惨の頸を落とした、と。けれど、その瞬発的な喜びは、首なしとなった洒落た洋装姿が身動いだことで消え去った。みるみる首の肉が盛り上がり、新しい頭が生えたのだ。
「先代様が仰ったとおりか。鬼舞辻無惨は太陽に晒さなければ死なない」
巌のような体の行冥は油断なく鉄球を手もとに戻し、彼の後ろに続いていた七名の柱も臨戦状態に入る。彼らのさらに後ろには、竈門炭治郎をはじめ柱稽古で各柱の屋敷に集っていた一般隊士らも続いていた。蝶屋敷の荒れてしまった庭に何十人もの隊士がばらばらと散らばり、柱が戦いやすいように怪我が深い者や屍となった仲間を離れさせる。カナエの元には義妹のカナヲが駆けより、肩を貸して屋敷の壁の方へと避難させていた。
「おのれ、気狂いどもが次から次へと……」
「終わりです、鬼舞辻無惨。お前はここで死ぬ! 私もろとも、今日ここで!」
無惨の胸に手を埋めた珠世が地面に踏ん張り、脆弱とはいえ鬼の膂力で少しでも抑えようとしている。行冥の攻撃にあわせて距離をとっていたしのぶも棘の合間から日輪刀を突き出し、それが柱たちの一斉攻撃の狼煙となった。
「手足を落として動きを阻め! なんとしても朝までこの場に留めるのだ!」
「応っ!」「承知した!」「わかったわ!」「任せて!」
轟と燃える軌跡を描いて煉獄杏寿郎が、蛇の一撃のごとき刃の伊黒小芭内が、二振りの刀に爆音を纏わせた宇髄天元が正面から迫る。左からは霞に紛れた太刀筋の時透無一郎と、同じく変幻自在の弧を描く刃の甘露寺蜜璃、そして二人の読みにくい攻撃に見事に合わせた冨岡義勇。右後ろからは再び鉄球を繰り出した行冥と、暴風を纏ったかのような不死川実弥が斬りかかる。さらには、無惨の頭上から蝶のような少女が脳天を穿つ突きを放っていた。
「鬼舞辻無惨!!」
額に黒い痣を浮かべた炭治郎も刃を奮う。ヒノカミ神楽の鮮やかな足の運びにしゃらりと耳飾りがゆれ、無惨が一瞬目を見開いた。
柱九人と炭治郎の斬撃が今にも無惨に届こうというそのとき。雨音に混じって琵琶の音が響き、地面にいくつもの襖の戸が口を開いて現れた。無惨の口元が馬鹿にしたような笑みに歪む。短い距離の落下が始まるのを待つ彼は、しかし足元が急激に冷えたことで目を剥いた。それは、鬼殺隊の剣士らも同じこと。
十名以上が着地してもびくともしない分厚い氷が不自然な襖や障子を覆い、半透明の壁の向こうには上下逆さの無気味な空間が見え隠れしていた。
「ああ、間に合った。遅れてごめんね、珠世殿」
緊迫した場の空気にそぐわない穏やかな美声。その持ち主は何事もないように蝶屋敷の門をくぐって現れ、金属の扇で優雅に口元を隠して笑った。
* * *
小雨が降る林の中をぐるぐると大きな円を描くように走る。頭部を失った不気味な元同僚が追いかけてくるのを肩越しに確認して、童磨はどうしたものかと思考を巡らせる。温度のない虹色の瞳できょろりと周りの障害物を図り、同じく木々の合間を走っている結晶ノ御子に足止めの術を出させた。
猗窩座の頸を落とした後、頭部はすぐさま崩れたが体が一向に消えず、はてと首を傾げたところで首なしの体が襲ってきたのだ。首の傷を盛り上がった肉が覆って塞ぎ、体のほうは当初と変わらない冴えた動きで技を繰り出してくる。面倒なことになったと遠い目をしてしまったのは仕方がなかった。
(猗窩座殿が斬首を克服しちゃうなんてなあ)
上弦の参を相手取るための戦略は計画どおりに運んだ。逃れ者になる前なら正面きって猗窩座を倒すこともできたが、圧倒的に火力不足の今、朝日をあてにしなければ確実な勝利はない。だからこそ、相手が猗窩座だと知るなり日輪刀を用意し、早い段階で暗殺したのだ。
「おっと、危ない」
昔から純粋な速度は猗窩座が上だ。追いついた相手の蹴りを避け、御子三体と連携して大木に縫いつける形で凍らせる。猗窩座の膂力ではすぐに自由になってしまうが、その間にまた距離を稼いだ。
(監視の血鬼術を潰せば、こうなるかもって思ったけど……猗窩座殿しかいないってことは、蝶屋敷に鬼舞辻と、もしかしたら黒死牟殿がいるのか。カナエちゃん達なら琴葉を最初に逃すだろうけど、無事を確認しないと)
一月ほど前から鬼殺隊の協力者となった珠世からの手紙で、竈門禰豆子が蝶屋敷からどこか遠くに移されたことは知っている。となれば、あの屋敷には無惨が求めるものは何もないのだ。早々にその場の人間を殺して立ち去る可能性が高い。もし琴葉が逃げ遅れていたら、と嫌な考えがよぎり、意識が取られた瞬間に背中から腹へと拳が突き抜けた。
「がっ……」
背後の猗窩座がもう片方の腕で頭部を狙う。咄嗟に間にはいった氷の童子が砕かれながらもその腕を凍結させ、氷と化した拳は童磨の頭蓋に打ち負けて粉々になった。
「しつこいよ、猗窩座殿」
貫通された胸元の血を媒体に寒烈の白姫を作り出し、猗窩座の下半身を凍らせる。このまま置き去りにしてもいいが、彼はどこまでも追いかけてくるという嫌な確信があった。
こうしている間に、少しずつ藍墨の文様がはいった頭部が復元されていく。片目まで再生した猗窩座の睨みに笑顔で返し、童磨は御子から日輪刀を受け取った。復元するなら何度でも斬れば良い。鬼でも有数の回復速度を誇る猗窩座といえど、日輪刀で斬られた頸を戻すには相応の力が必要なはず。体力切れになると鬼は理性を失い、ただ人肉を求めて暴れるだけの生物と成り果てる。そうなれば、猗窩座を町の方向に追いやってしまえばいいのだ。
「うわ、手にしてるだけで怖気が走る。嫌な刀だ」
日輪刀に触れている右手から、まるで藤の花を口にした時のような不快感が襲う。恐れも含め、あらゆる感情が薄い童磨でなければ、さらに酷い嫌悪感を抱いただろう。いざ斬ろうというところで、猗窩座が先に構えを取る。しまったと思うよりも早く、眩さを錯覚する百連撃が辺りの木々を巻き込んだ。
街道までほど近い場所で酷い暴挙だ。町からやや距離があるとはいえ、まだ夜になったばかりの時分だ。高い木々が倒れる騒音で人がやってくる可能性があり、それが一人以上の鬼殺隊士であれば面倒なことこのうえない。童磨も何発か食らって街道のほうに飛ばされたが、くるりと宙返りして着地した。
「童磨さん!」
「え……?」
すぐ近くから想定していない愛らしい声が聞こえて、間抜けな息が漏れる。虹色の目を溢れそうに見開いてバッと顔を向けると、十歩も離れない場所に目覚ましい美貌があった。隣に幼い少女たちと刀を持った女隊士がいるが、まるで目に入ってこない。
「琴葉!?」
「童磨さん、良かったやっと会えた…… 大変なの、蝶屋敷に鬼が来て、カナエ様たちが戦ってるの!」
「うん、うん、わかっているさ。それより、危ないから近づくんじゃないよ」
「えっ、はい!」
数ヶ月ぶりに言葉をかわして貧血の体に一気に血の気が巡る気がした。童磨は白橡の髪を翻して迎撃の態勢に入り、林から飛び出してきた首なし鬼に日輪刀を突き刺した。右手のみで心臓に柄まで通し、蹴りを繰り出してきた左脚を左手に構えた扇で防ぐ。
ガン、ガンと硬質な音を立てて猗窩座の手足と扇がぶつかりあい、超接近戦にもつれこむ。この状態でなければ、猗窩座は女を殺しも喰いもしないため、ここまで引きつける必要はない。しかし頭部を失ってからの彼はどこか様子がおかしいのだ。
「そこの隊士の女の子」
「わ、私ですか!?」
「他にいないでしょ。避難してきたなら、この先の町に行くんだよね。君たちがいると満足に戦えない。早く行ってくれないか」
蝶の髪飾りをした少女は、琴葉とともに看護を担当していた非戦闘要員だ。名前もすぐに出てこないほどどうでもいい相手だが、童磨はできるかぎり優しい声音で話しかけた。猗窩座に右肩を吹き飛ばされて刀を失い、琴葉と看護婦らの悲鳴を背にすぐさま腕を生やす。やっと鬼だと確信したらしい少女隊士の視線が刺さるようだ。
「ど、童磨さん」
「琴葉、約束したでしょう。大丈夫、信じて、必ず守るよ」
琴葉に声をかけられると振り返りたくて仕方がなくなる。少し威力が弱まった猗窩座の拳を受けとめ、穏やかに言葉だけ返せば、彼女は家族だけに向ける声音で静かに応じた。
「……ゆびきりげんまん。童磨さんを信じます」
「ゆびきりげんまん、約束だ。さあ、早く逃げるんだよ」
「はい。アオイさん、みんな、行きましょう」
少女らが何やら言い返すが、もう童磨の耳には入ってこない。目の前の猗窩座が動かなくなったからだ。何をされてもすぐ対応できるよう結晶ノ御子で取り囲み、琴葉の気配が遠ざかるまで微塵も目を離さないでいると、ふいに首なしの体が膝をつき、誰かに縋るように背を丸める。
(様子が変だけど、これは好機かな)
童磨が手にしていた借り物の刀は猗窩座の胸に刺さったままだ。あれを抜き取って頸を斬るのは難しいかもしれない。そう考えながらじりじりと距離をつめ、ついに相手の真後ろに立った童磨は、とりあえず細切れにしようと扇を振りかぶる。
バサッ。
「あれ、猗窩座殿?」
跪いたままの猗窩座が宙に腕を伸ばし、さらさらと灰に変わっていく。力尽きたのだとわかっても、童磨はきょとんとした表情を貼りつけ、その体が完全に消え去るまで構えたままでいた。何が起きたのか理解できない。しかし、しぶとかった難敵が片付いたことは確かだった。
上弦の参が消え、ごとりとその身に刺さっていた刀が転がる。童磨はそれを拾うことなく、蝶屋敷の方向へと駆け出した。鬼舞辻無惨が現れたのなら、すでに柱をはじめ多くの隊士が集まっているのだろう。そんな場所に昨晩の食事から拝借した刀をもっていくのは悪手だ。
(琴葉に会えたのはよかった。不思議だなあ、一気に元気になった気がする。おっとっと……)
もつれた足を誤魔化し、周辺に放ってあった御子たちを集めながら走る。厚い雲の向こうはもう夜の帳が降りている。鬼の祖との決戦はもうじきだ。
見慣れた蝶屋敷の門をくぐり、目に入ってきた光景に鉄扇を一閃。広範囲の地面を凍りつかせ、虹の瞳の鬼はにっこりと擬音がつきそうな笑顔で共闘者への口上を述べたのだった。
【登場人物紹介】
童磨
元十二鬼月・上弦の弐にして万世極楽教の教祖。愛を知って世界が広がった人間性初心者。家族連れの逃れ者ライフは8年目。首なし猗窩座殿に追いかけ回されとっても消耗した。避難中の琴葉に会えたのは完全に棚ぼた。一気にやる気と元気を注入されて人間ならアドレナリンが出た状態になった。血液の残量は5割弱。高位の鬼なので、少しずつ回復はしている。ただし人喰いによる体力補充がないため完全にジリ貧。格好よく登場したんだから頑張れ!
嘴平琴葉
ちょっぴり知能に難ありな超絶美人ママ。避難先に走っていたら、とっても会いたかった相手が林から転がり出てきた。戦闘中だったので駆け寄ったりはしなかったが、ずっと穴が開くほど童磨を見ていた。詳しい計画は何も教えられていないので不安だし、童磨の腕が吹っ飛ぶのを見てヒッとなったが、信じる心で一旦離れた。
嘴平伊之助
お母さん似な獰猛系美少年。15歳。弱肉強食を世の真理としているスーパードライなうり坊。しかし両親にはウェット。煉獄さんの継子。柱稽古の場にもたらされた報せに応じ、煉獄さんと一緒に駆けつけた。蝶屋敷での戦いの様子を見るなり、まず琴葉の気配がないことを確認、次にしのぶさんの安否、最後に他の女性陣の状態を確認した。とても冷静。童磨が現れたことで、ついに最終戦かと心の帯をぐいぐいに締めた。
猗窩座
上弦の参。拳鬼。頸を落とされてもガッツで戦闘続行したが、童磨と琴葉のやり取りと二人の間の雰囲気に酷い既視感を抱いて動けなくなった。そして彼にとっては世界一可愛い妻(予定)のお迎えでめでたく寿退職と相成った。戦闘時間は40分弱。頸を斬られてからが本番だった。
胡蝶姉妹
しのぶさんはかすり傷程度。カナエさんは脇腹に大穴が空き、無惨の血液攻撃を受けてしまった。幸い鬼化は始まっていない。ただいま呼吸で止血中。しのぶさんは無惨に23発の突きを喰らわせており、ちゃくちゃくと人に戻る薬の効力を促進させる藤毒を体内に注ぎ込んでいる。
珠世&愈史郎
ついに無惨に人に戻る薬を投薬した。珠世様は無惨の腹に片手を突っ込んだ格好で諸共に棘で固定されている。愈史郎はそんな彼女を見て心が引き裂かれつつ、自分の出番のタイミングを図っているところ。柱たちが駆けつけたのもそうだが、童磨の登場でものすごくホッとした。実は、最終決戦についてある程度、事前に打ち合わせをしてある。
鬼舞辻無惨
禰豆子を求めて蝶屋敷を襲ったが、情報が数日遅かったため入れ違いとなった。それなら用無しとさっさと帰れば良いものを、切りかかってくる隊士らが鬱陶しくて相手をしているうちに、珠世様の薬攻撃を受けた。どこの慢心王だ。鬼殺隊の総攻撃を受け、無限城に引き込もうとしたが酷い妨害に遭った。童磨、童磨、童磨ああああ!!
鬼殺隊の皆さん
決戦の地に集合した。鳴女が監視をつけていた隊士らの元に無限城への扉を開いたが、蝶屋敷にいた面々はご招待を回避。黒死牟は自分のもとに来る敵しか相手にしないため、今は下弦程度にドーピングした雑魚鬼たちとモブ隊士らの死闘が繰り広げられている。運悪く獪岳に行き合った隊士らに合掌……