千年の夜明け、あるいは戦いの顛末。
※次回本編完結。
鬼舞辻無惨との決戦は熾烈を極めた。
いつしか雨は上がり、雲間から夜明け前の星空が覗く頃、地面に転がった童磨は近づく気配に目を向けた。無惨に四分割された体はかろうじて繋げたが、内臓の動きが芳しくない。この調子だと近づく人間を誰かれ構わず襲ってしまいそうだ。
「やあ、珠世殿。体は戻ったかい?」
「ええ。そちらはお辛そうですね」
美しい女鬼が顔を覗き込んでくるのに、苦笑いを貼り付けて返す。上半身だけにされていた珠世だが、すでに五体満足になって童磨の脇に膝をついている。
「あっちはどうかな」
「無惨は焦っていますよ。先程分裂して逃げようとした時のあの顔、ふふっ、もっと近くで見たかったです」
「おお怖い。そろそろ大詰めなら、愈史郎君に頼みたいことがあるんだ」
「何だ」
珠世の後ろにひっそり立つ少年の鬼は仏頂面だ。いつでも彼女を連れて逃げられるよう、裏の山に続く林の方に陣取っているところが彼らしい。用向きを伝えるなり嫌な顔をした愈史郎だったが、珠世がひとこと名前を呼べば渋々と目くらましの術をかけて離れていった。
剣士たちの咆哮は遠く、剣戟の音だけがわんわんと耳に鳴る。時折聞こえる伊之助の荒い声に目を細め、童磨は東の空の仄明かりを確かめた。朝日が出るまでもう十分もないだろう。
ひときわ大きな物音に目を向ければ、柱の一人を大口に咥えた無惨が手負いの獣のように暴れていた。異形と化した長い手足で隊士らを吹き飛ばし、突き刺し、引きちぎっている。鬼殺隊の面々もここが正念場だとばかりに喰らいつき、体の一部を欠いた者さえ刀を手に立ち向かっていた。
「無駄死にかもしれないのに柱を庇う勇気、仲間の屍を踏み越えて戦い抜く執念。人間があそこまでやれるなんて感動するね、珠世殿」
「まあ、こんな時まで取り繕わなくてもいいでしょう、童磨さん」
鈴を転がす声は慈愛に満ちた、子供をたしなめるものだった。珠世は倒れた鬼のきょとんとした眼差しに微笑んだ。
「あの光景に心動かされていないのはわかります。大丈夫、これから先、人間として生きていく中で理解できるようになりますよ。この世に生まれてきた人たちが当たり前に感じていることを、貴方もきっと感じられるようになります」
「珠世殿にはお見通しかあ」
「ええ、初めてお会いした時からわかっていましたよ。貴方が本当の感情を見せるのは、ご家族の話をするときだけ」
それがなければ手を組むことはなかった。珠世はそれだけ言って鬼と人との激闘に目を戻した。童磨は物言いたげに彼女を見上げたが、その肩越しに目くらましの術を解いた愈史郎を見つけ、優先すべきことに意識を移す。
「多すぎて全ては持ってこられなかった。これで足りるか」
愈史郎が両腕に抱えていたものを地面に下ろす。不快感をありありと浮かべつつ、それでも律儀に尋ねた彼に、童磨は大仰な笑顔を浮かべた。
「うん、ありがとう。君たちは離れておいで。俺と同類だと思われたらよくないからね」
「当然だ。珠世様、あちらへ参りましょう」
「ええ」
二人の鬼が離れてしまえば、残るは泥濘に転がる童磨と愈史郎が集めてきた人間の部位だけだ。もう人肉を喰らうのもこれが最後だろう。百年以上の習慣の終わりだというのに大した感慨もなく、齧りついた誰かの腕の味も代わり映えはしない。飢餓状態の体が欲するまま、一抱えほどの血肉を腹に収めていく。生きた人間を喰らうには程遠くとも、体力の回復には十分だ。
じり、と顔の皮膚が焼ける。岩柱の武器で雁字搦めにされた無惨の絶叫を聞くまでもなく、もう朝はそこまで近づいていた。
* * *
「朝日だ!! 鬼舞辻を陽に晒せ!!」
背中を大きく切り裂かれながらも無惨を捕らえた鎖を握りしめ、悲鳴嶼行冥が彼らしからぬ大声をあげる。彼の体には何名もの一般隊士と駆けつけた隠らがしがみつき、共に無惨を逃すまいとしていた。
「ああああっ、まだまだぁ!!」
「ヒノカミ神楽 輝輝恩光!」
「しぶといのよ、この化け物ぉ!」
裂けた肩から血しぶきを上げながら杏寿郎が異形の腕を撥ね、鬼の血を受けて左半身が腫れ上がった炭治郎が両脚を斬り落とす。きつく纏めてあった髪が解け、姉とおそろいの羽織を真っ赤に染めたしのぶが無惨の側頭部に突きを放ち、小柄な体から信じられない勢いで悪鬼を押し戻した。
「おのれ、おのれッ、人間どもがああああッ!!」
無惨が体中の口から咆哮をあげる。朝日が世界を照らすと同時に焼けはじめた体が、鎖の拘束の中で肥大し、最後の悪あがきであろう一撃で背後の行冥らを吹き飛ばす。自由になった無惨は肉塊の巨人と化し、四つん這いで裏の山の方へと逃げを打った。
「炭治郎、危ねえっ」
鬼に踏み潰されそうな炭治郎を伊之助が体ごと突き飛ばし、二人して転がる。自力で動ける柱はもう半数に満たず、無惨を引き止めていた行冥は先の一撃から立ち上がれていない。無惨の巨躯を押し止められる者はいないのだ。
「逃がすなッ、たたみかけろォ!」
上半身に噛みつかれて死に体だった風柱が無惨に追いすがり、後ろ足に日輪刀を突き立てるが、前進する動きを緩めることさえできない。引きずられながら血反吐を吐く実弥に続き、隊士らが無惨の四肢にむらがり刀を刺す。そこに短刀や脇差しか持たない隠らさえ加わり、小山となってしがみついた。
それでも無惨は止まらなかった。黒い煙を上げながら亀の歩みのように進み、木陰へと手をのばす姿に誰かが絶望の吐息を漏らす。
もうすぐ太陽から逃れられると酷い形相をした無惨だったが、ふいに不自然に停止した。地面に引きずられていた剣士らが先へと視線を向ければ、木陰にはすでに先客があった。白橡の髪に文字通り血をかぶり、虹の瞳だけを爛々と輝かせた鬼が鉄扇を広げて待っていたのだ。
「逃しませんよ、無惨様」
「童磨あああああッ!! 貴様、貴様のせいでっ」
激昂した無惨が縦に割れた大口から叫ぶ。鬼の祖と数歩の距離で対峙した童磨は、彼の代名詞ともいえる明るい笑顔をのせて扇で口元を隠した。きらめく金属の端から覗く美しい瞳が確かな冷たい温度をもって無惨を映していた。
「貴方様は、俺に小鳥を殺せとお命じになった。あの時はただ嫌だと思うだけでしたが、今は違う」
陽光が届かないぎりぎりで佇んだ童磨が片手の扇をひらめかせた。そこから生じた粉凍りが無惨を包み、異形の両脚を抑えていた鬼殺の隊士らは体を凍らされながら退避していく。
「やめろ、やめ……」
「これは憎悪だ。俺の家族を脅かす者への憎しみだ。きっと俺は、あの夜からずっと貴方様を殺したいと思っていた」
黒く焼けこげた巨人が氷の下で崩れ始める。童磨が扇を交差させ生み出した三体の結晶ノ御子が無惨を囲み、四方からの凍て曇がさらに分厚くその身を閉じ込めた。透明度が高い氷がレンズのように光を集め、動けなくなった鬼の体に燃える穴を開けていく。それが千年を生きた鬼の祖の最期だった。
ぼろぼろと氷の小山が崩れ、無惨だった凍った肉片が蒸気となって消えていく。満身創痍の剣士らはその様を呆然と見つめていた。やがて、一人が「やった」と呟いたのを皮切りに、口々に勝鬨の声があがりはじめる
「鬼舞辻を倒した、倒したんだ!」
「うわああああ、終わった、勝ったあああッ」
血みどろの剣士らが喜ぶ中、まだ自力で動ける柱と炭治郎が無惨が消えた跡へと足を向ける。ふらふらと近づく彼らを、虹の瞳の鬼は静かに迎えた。
「虹鬼、童磨ァ……テメェで最後だ。大人しく斬られろォ」
「共闘は夜明けまで。無惨を倒した今、期限は切れている」
「無惨を倒せば全ての鬼が消えると思っていましたが、逃れ者の鬼は例外のようですね」
しのぶが刀を鞘に収め、キリキリと音をさせて引き抜く。気力だけで立っているような風柱と炎柱から立ち上る殺気を浴び、童磨はにこりと嗤った。
「酷いなあ、あの方に止めを刺したのは俺だというのに」
「童磨、お前がこれまで殺した人々は返ってこない。取り返しがつかない罪は誰も許してくれない。命で償うしかないんだ」
穏やかに話す炭治郎は嫌悪よりも憐憫を浮かべ、童磨に刀を向ける。その姿がいつかの夜の胡蝶カナエに重なった。
「確かに俺は人喰い鬼だけど、ここ十年ぐらいは少食で生きてきたんだぜ? 上弦の鬼を半数以上倒したし、こうして君たちの悲願に貢献した。この先喰われるはずだった何万人もの命を救ったんだ。恩赦があってもいいと思うのだけど」
「黙りなさい。お前のその考え方は本当に吐き気がする」
不意打ちに等しいしのぶの突きが童磨の左目を貫く。それを止めようとした手は遅く、相応に消耗していることが伺えた。木々の合間に逃すわけにはいかないと、実弥と杏寿郎が手足を狙って斬りかかる。童磨もそれを先読みして防いだが、炎柱の影から飛び込んできた炭治郎を避けられず右膝下を奪われた。
「本当に、人間はえげつないことをする。藤毒で弱らせて、数の暴力とはっ」
「君相手なら、これぐらいしなければ足元を掬われかねん! その強さも賢さも重々に承知しているからな!」
「そんなに評価してくれてるなら、仲良くしようと思わないのかい?」
「まったく思わないな! 人喰い鬼は須く斬る!」
負傷した肩から左腕が千切れそうだというのに杏寿郎の剣は鈍らない。隻眼をかっと見開いての一閃が童磨の胴を捉え、それに合わせた実弥が鉄扇ごと右手首を撥ねた。しのぶに刺された目の周りが紫に変色し、傷口が再生しない鬼の様子は、無惨が死に体と称したとおりだ。片足を失って膝をつき、血塗れた白橡の髪を垂らして苦しんでいる。
「ぐっ、うぅ……」
「終わりだ、童磨」
このまま朝日のもとに引き摺り出してもいい。けれど、炭治郎は友人の父親であるこの鬼を日光で焼こうとは思えなかった。この状況にあっても童磨からは何の感情の臭いもしない。それでも上弦の伍と戦ったあの夜、琴葉と伊之助を想い優しい香りをさせていたのは確かなのだ。
炭治郎が刀を振り上げ、水の呼吸の慈悲の技を放とうとしたその時。
「待ってくれ!!」
血と泥に塗れてもなお美しい少年が小太刀を手に飛び込んできた。
* * *
炭治郎にとって嘴平伊之助は同期であり、友人であり、善逸と並んで最も頼れる仲間である。入隊してからしばらく一緒に任務にあたった仲だ。その人となりも能力も熟知しているといっていい。出会った頃から全集中の常中を身につけていた伊之助は、他の同期と比べて頭二つは抜けた実力者だ。痣者となり、上弦の壱との戦いで透明な世界、さらには無惨との死闘で赫刀に目覚めた炭治郎なら引けは取らないとはいえ、傷の度合いは相手の方が軽傷であった。
ガキンッ!!
伊之助の小太刀が慈悲の一撃を受けとめ払い退ける。大きな翡翠の瞳が炭治郎だけでなく、その後ろのしのぶと杏寿郎をも捉え、ぎらりと見据えた。
「伊之助、人喰い鬼を庇いだてするか」
「そうじゃねえ」
宝石のような隻眼に射抜かれても怯まず、伊之助はかぶりを振る。
「じゃあなんだってんだァ」
殺気立つ実弥に無言で返し、薄緑の羽織の背を向けて童磨を見下ろす形になった伊之助の表情は伺えない。しかし炭治郎には何よりも雄弁な冬山の臭いと、息子を前にした鬼が発した柔らかい春の香りが届いていた。
「父ちゃんの頸は俺が斬るって決めてんだよ」
誰も言葉を発することはできなかった。白い右腕が振り下ろした刃が鬼の頸を落とし、伊之助が刀を納めてその頭を大事に抱えるまで、彼の師である杏寿郎も、友人である炭治郎としのぶも、その一刀のあまりの躊躇いのなさに呑まれていた。
「やっぱりこうなっちゃうかあ。伊之助、早く琴葉のところに連れて行っておくれ」
「……うん」
ぼろぼろの羽織を脱いで養父の頸を包み、誰にも見せないとばかりに抱きしめる姿は儚い。倒れた童磨の体は、日が登りはじめて木陰が日向へと変わるなり炎に包まれた。伊之助は冷たい臭いをさせたまま、振り返ることはなかった。
「師範、これでいいよな」
「うむ、見事だったぞ、伊之助! 戦いは終わりだ! 琴葉殿のところに行くのなら、それでも構わん!」
「おい、煉獄!」
勝手なことを言うなと咎める実弥をよそに、杏寿郎は労る瞳で継子を見ていた。
「また煉獄邸に帰っておいで。今後の鬼殺隊がどうなるにせよ、君たち母子の力になりたい!」
「……ありがとな。それと、炭治郎、しのぶ」
ちらりと肩越しに二人と目をあわせ、綺麗な少年は堪えるように笑った。悲しみでも苦しみでもない、名前を付けられない辛さの臭いがする笑顔だった。
「またな」
「琴葉さんは隣の町の藤の家にいます。伊之助君、後でちゃんと傷の手当に戻ってきてくださいね」
「伊之助、待ってるからな」
今度こそ応えはなく、伊之助は獣のように音もなく木々の合間を駆けていった。蝶屋敷の庭はもう見る影もなく、しかし悲しみと痛みの中に確かな喜びの空気が満ちていた。今頃、伊之助は泣いているだろうか。体力の限界の中そんなことを考え、炭治郎はその場に倒れ込んだ。
* * *
無惨との戦いにおいて、伊之助は誰よりも冷静に大怪我を避け、死力は尽くしても命をかけることはしなかった。鬼の祖が倒れれば、次は童磨が狙われるとわかっていたからだ。こうして養父を抱えて逃げるために脚を残しておく必要があったのだ。
頭部だけになった童磨を抱えてしばらく走り、自らの庭のようによく知る山中で足を止める。この辺りは葉が生い茂り、日中でもまるで陽が差し込まないのだ。
「父ちゃん、下ろすぞ」
「頼むよ。そろそろ再生が始まっちゃう」
血を吸って変色した羽織の包みを地面に置くと、布の膨らみがみるみる大きくなり、色が抜け落ちた彫刻のような体が現れる。裸で座り込んだ男が胸元に手を突っ込んで着替えを探す間、伊之助は柳眉を下げてその様子を見つめていた。
「もうあんなの嫌だからな」
「うん、ごめんねえ。伊之助なら上手くやってくれると信じてたぜ」
「絶対ぇ二度と嫌だからな!!」
徳利襟と袴を着込んで普段どおりになった童磨が立ち上がるなり、伊之助はその体にしがみついて叫んだ。我慢していた涙がぼろぼろと溢れ、汚れた頬をべしょべしょに濡らしていく。大きな手が顔を包んで上向かせようとするのに逆らい胸元で涙と鼻水を拭ってやると、童磨の苦笑いが降ってきた。
「父ちゃんの頸を斬る真似なんて嫌だったんだからな! 俺が斬ったんじゃなくても嫌だったんだからな!!」
「うん、うん。伊之助は泣き虫だなあ」
「泣き虫じゃねえ!!」
ぐすっとしゃくりあげる息子の背を撫で、童磨は本当に上手くいったと薄く嗤った。無惨が逃げ出す直前、あの木陰に立った時点であらかじめ自分で頸を切り離しておいたのだ。それを薄皮一枚だけ再生してごまかし、十分な余力を残してしのぶの毒と杏寿郎らの攻撃を受けた。傷を受けても再生しなかったのはわざとだ。下手に治して頸まで繋がってしまっては策が成らなかった。
最終決戦に向けての連絡で最も揉めたのが、このもしもの時の一芝居だ。たとえ演技であっても童磨の頸を斬ることを伊之助が承諾しなかったのだ。結局、炭治郎らが童磨に襲いかかったことで伊之助も動かざるを得ず、養父の思惑どおりに徳利襟に隠れた切断済の傷口を見事なぞってみせた。
「さあ、早く琴葉のところに行こう。山を抜けたら伊之助のポケットに入れておくれよ」
「……おう」
乱暴に目元を拭った伊之助は真っ赤に腫らした顔で、童磨はその頬を一度つついてやってから走り出した。並走する息子の気配に頬が緩み、この先で待つ琴葉を思えば喜びで体が張り裂けそうだ。
蝶屋敷からほど近い町にひとつだけの藤の家紋の家に美しい少年が駆け込み、瓜二つの女性の手を引いて表に飛び出すのは、ほんの数十分後のこと。町からだいぶ離れた街道脇の林の中、陽が入らない暗がりで白橡の髪に虹の瞳の青年が泣きじゃくる女を抱きしめるのは、またその少し後のことだった。
【登場人物紹介】
童磨
元十二鬼月・上弦の弐にして万世極楽教の教祖。愛を知って世界が広がった人間性初心者。家族連れの逃れ者ライフは8年目。無惨戦のどさくさに紛れて隊士たちの手足を喰いまくった戦犯。この時代は落ちた手足をつなぎ戻す技術はないので、誰にも迷惑はかけていない() 藤の花を食べた甲斐あって、しのぶさんの毒はあまり効かなかった。完全勝利Sをつかみ取り、内心スキップしながら琴葉のもとへと走った。泣いた伊之助が子供の頃のようで大変可愛いかったが、からかうのはやめておいた。念願かなって琴葉を抱きしめたら口づけされた。物凄く嬉しい。人間に戻る薬はちゃんと持ってる。
嘴平琴葉
ちょっぴり知能に難ありな超絶美人ママ。祈っているうちに朝日が出てしまい、無惨戦の行く末が気になって玄関先で報せを待っていたら、傷だらけの息子が飛び込んできた。目が合うなり手を取られ、ポケットの中に入れられた指先を小さな誰かが抱きしめる感触に泣き出してしまった。何かを察した()アオイに二人きりでどうぞと気を使われ、表に出るなり伊之助と一緒に町の外に一直線。童磨に抱きしめられて感極まり、思わず伸び上がって唇を合わせた。着の身着のままで逃亡するのは三度目。
嘴平伊之助
お母さん似な獰猛系美少年。15歳。弱肉強食を世の真理としているスーパードライなうり坊。しかし両親にはウェット。無惨戦では必死ではあったが命は掛けなかった。優先順位は童磨>超えられない壁>しのぶさん=炭治郎と善逸>煉獄さん>超えられない壁>その他。童磨の「もしもの時の策」に反対したが、その時が来てしまうと一周して冷静になって頸を落とすふりをした。お陰で炭治郎にも見破られなかった。泣いてしまったのは琴葉には内緒。しかし顔色で一発でバレた。また家族三人で過ごせるようになり凄く幸せ。
珠世&愈史郎
二人共生存した。胡蝶姉妹が大怪我をしてアオイたちも避難中のため、無惨戦後の怪我人の山にてきぱきと対応した。太陽にあたれないので、傷が浅い数名に重傷者を屋内に運んでもらって対処。途中から産屋敷が手配した医師らがやってきて、怪我人全員の処置が終わったのは二日後だった。そっと立ち去る機会を失ってしまい、二人は産屋敷と柱の立ち会いのもと人間に戻る薬を服用、医師と助手として生涯を人々のために捧げた。
鬼舞辻無惨
ほぼ万全状態の鬼殺隊と死闘を繰り広げ、その半数以上を殺害したが、最後は童磨の計略にかかって太陽に晒され焼け死んだ。いいとこなし。全ては八年前に半分思いつきで「小鳥を殺せ」と命じたせい。ペットぐらい自由に飼わせておけば鬼側の勝利だったかもしれない。
鬼殺隊の皆さん
鬼舞辻無惨と上弦の鬼二体と十時間以上の死闘を繰り広げ、多大な犠牲を払いながらも見事討ち果たした。人喰い鬼の力を借りた勝利だったのが唯一の不満。半数以上の隊士を失ったが、無惨に連なる鬼は全滅したので、今後、鬼殺隊は緩やかに解体することになる。煉獄さんと炭治郎としのぶさんは待ちぼうけ。アオイから伊之助と琴葉の様子を聞いて、彼らは新しい人生を歩むために遠くに行ったのだろうと結論づける。ある意味合ってる。