番外編。本来の世界、あるいは六日地獄。
※本作の童磨が原作の童磨に成り代わる単発番外編。原作どおりに死亡するキャラがいます。
シャボンが弾けるような音がして、辺りが一気に血生臭くなった。布団で寝ていたはずなのに体は立っており、川のせせらぎが濁流へと変わっている。どうしたのだろうと目を開けて見つけた世界は暗く、夜空の下、ざわざわと蠢く木々に包まれていた。
あまり馴染みがないこの場所を童磨は知っていた。寺院から少し離れた山間の崖だ。下には流れが早い川があり、目が悪い琴葉や小さな伊之助が近づくのは危ないと気に留めていた覚えがあった。まだ上弦の弐であった頃、彼が可愛い母子を手許に置くだけで満足していた頃の話だ。
「う、あ……」
鼻腔をくすぐる甘い鉄分の香りは、童磨の一等大事な宝物のものだ。何年も薄い肌をとおしてその風味を味わい、淡く漂う香りを楽しんできたのだから間違いない。
とろりと屋外の空気に充満するほどの血臭。それの出所を確かめたくなくて、けれど虹の瞳は完璧な夜目をもって足元へと視線を落とした。見たくない。知りたくない。こんなことがあってはいけない。ガクガクと足が震え、長身を支えることを放棄してその場に膝をつく。同じように激しく震える両手を伸ばして触れた豊かな髪は、生温かな体液で濡れていた。
「ああ、あああッ、そんな、琴葉、琴葉っ、目を開けておくれ!」
崖の縁にもたれるようにうつ伏せに頽れた女を抱き起こして胸元で確かめる。とっくに失って久しい鬼の聴覚が弱い鼓動をとらえ、人喰いの本能がこれが御馳走であると空腹感を刺激する。琴葉は白い美貌を青ざめさせてうなだれ、首筋から胸元にかけて大きく裂けた傷口から上半身を赤く染めていた。傷口を凍らせて止血するには彼女は弱りすぎている。そうしたところで体が耐えられず死が早まるだけだ。あまりに浅く弱い呼吸はもう途切れそうだった。
琴葉が死んでしまう。彼女が両手からこぼれてしまう。百年以上生きてきて、これ以上恐ろしいことはなかった。黒死牟に追われた時も、伊之助が大怪我を負った時も恐怖はあったけれど、こんな脳が現実を拒絶して自壊しそうな激情を童磨は抱いたことがなかった。
「琴葉、琴葉、俺を置いて行かないで。死なないで、お願いだよ、君がいないと駄目なんだ。俺も伊之助も、君がいなきゃ」
これ以上かよわい体を傷つけないよう優しく抱きしめ、最後のいくつかの息を紡ぐ血塗れた口元を親指の腹で撫でる。「死なないで、俺達を置いて行かないで」と繰り返していると、ぐったりした琴葉が薄目を開けて童磨を写した。死相の中でも美しく輝く翡翠の瞳は、深い怯えと困惑を浮かべていた。
「ど、して……なくの?」
「君が大事だから、愛してるからだよ。琴葉、一体誰がこんなことを? 俺は君を守れなかったのかい? 伊之助はどこに?」
もしかしたら夢かもしれない。一抹の希望を抱いたのは、死にゆく彼女があまりに若いからだ。童磨が初めて彼女と伊之助と出会った頃ぐらいだろうか。肌寒い季節だというのに羽織も纏わず、裸足の足は泥だらけで傷だらけ。何かから逃げてきたのは間違いなかった。そして、彼女が逃げるなら必ず共にあるはずの子供の姿がないことが、さらに童磨の中に恐怖を募らせていた。
「いの、すけ……」
「うん、伊之助だ。俺たちの宝物の伊之助はどこにいったの? 抱えて逃げたんでしょう? あの子はどこだい?」
「きょ、そさま、あのこ……たべない?」
焦点がうつろう琴葉の視線を頬を撫でて支えることで合わせてやれば、彼女は怯えた眦から涙を溢れさせた。愛しい眼差しに愛情を見つけられず、童磨はこれは夢で間違いないと己に言い聞かせる。童磨が自覚するずっと前から、琴葉は彼を愛してくれていたのだ。こんな化け物を見るような目を向けるはずがなかった。
夢ならば、話を合わせて幻の彼女を安心させてやればいい。すとんと現実から切り離した思考で急激に息がしやすくなった。死に体の琴葉を撫でてやりながら、童磨は精いっぱいの優しい表情をのせて頷いた。
「食べないよ。琴葉も伊之助も、年老いて寿命尽きるまでそばに置いて守る。絶対に傷つけないし、誰にも傷つけさせない。約束する、本当だよ、琴葉」
童磨の言葉が届いたのかどうか、琴葉は最後の一筋の涙をこぼし、吐息だけで言葉をつむいだ。
「かわ、おとしたの……あのこ、まもらなきゃって、わたし……、きょう、そ、さま……いのす、けを、たすけ」
春の陽のようだと愛した美貌から命の色が抜ける。抱き起こした体から温もりが消えていく。たとえ薄い膜を隔てた世界であっても、童磨は己の中でともに何かが失われるのを感じていた。端正な顔から仮面が消えさり、虹の瞳が凍りつく。
琴葉だった芳しい肉を地面に寝かせ、扇のひとふりで四寸程度の小さな結晶ノ御子を何十も作りだす。いつになく鬼の力が漲っている感覚に、この夢はまだ上弦の弐であった頃なのだと改めて自覚した。この状態であれば、どれだけでも分身を撒くことができるだろう。
「伊之助を探して連れ戻せ」
平坦な声が命じるなり、氷の童子たちは一斉に崖から飛び降りていった。あの分身らの使い勝手は信頼できるのだ。詰めていた息をゆるゆると吐き出し、眠るような琴葉の右手をとって小指を絡める。そして力ない指を砕いてしまわないよう、けれどしっかりと繋げて誓った。
「この夢が覚めるまで、俺が伊之助を守る。ゆびきりげんまん、君の分まできっと守るよ。だから、それまで一緒にいておくれ。ううっ、琴葉、琴葉……っ」
この場に第三者がいたなら、人喰い鬼が広い背を丸めて女の屍を貪るように見えただろう。むせび泣きながら冷たい体を取り込んだ童磨は、喉が裂ける慟哭とともに育ちかけの心が入った箱に鍵をかけた。
※ ※ ※
伊之助は朝日が登る前に童磨のもとに戻された。溺れることも衰弱することもなく、暖かなおくるみに包まれて眠っている。懐かしい赤ん坊をあぐらの上に寝かせて腹を撫でてやりながら、童磨はこれからどうするかと考えを巡らせていた。
(俺にはあの方の監視がついている。伊之助を裕福な信者に預けるのは確定として、鬼を全滅させる手立てをどうするか。あの方を殺したら俺も道連れだけど、それはまあいいかな)
戦闘中でもなければ、鬼舞辻無惨は能動的に鬼の思考を覗いたりはしない。かといって油断できるほど上弦の弐の地位は軽くはなく、いつ招集を受けるかわからない。だからこそ、可能な限り早く動かなければならなかった。
「伊之助、夢の世界でも幸せになるんだよ。琴葉と俺の宝物、夢から覚めたら抱きしめさせておくれ」
教祖の間に近づく足音に顔をあげ、世話役の信者が外から声をかけてくるのに応じる。入室してきたのは二十年来の信者である裕福な夫婦だ。現実での彼らは一人息子に先立たれた苦しみから救われたくて入信した。琴葉が伊之助を抱いているのを羨ましげに見つめていたのを童磨は知っていた。
「よく来たね。お前たちに神の言葉を授けよう」
「ああっ、教祖様、ありがたや、ありがたや」
絹布を敷き詰めた高座にある美しい姿に中年の男女がひれ伏す。童磨は感動の涙を流す二人を慈しみの顔で見下げ、膝に寝かせていた伊之助を胸元に抱き上げた。
「伊之助のことは知ってるだろう? この子の母親……琴葉が先に極楽に呼ばれてしまったから、お前たちがこの子を育てなさい。伊之助は神の子じゃないけれど、この子を何不自由なく大人になるまで育てることで、極楽浄土が約束される」
「教祖様が仰るとおりにいたします!」
「必ずやこの子を立派に育てます!」
頭が悪すぎる夫婦だが、これがどうして商売上手で、童磨が知る現実において鬼が滅んだ後には一大企業を立ち上げていた。彼らに任せておけば伊之助は安泰だ。根っからの信者であるから、神の言葉に逆らうことなど微塵も考えないだろう。
童磨はゆっくりと立ち上がり、伊之助を渡すべく女の信者に歩み寄った。恐れ多いと顔をあげない女のつむじを見つめ、声をかけようとして言いよどむ。伊之助のもみじの手が己に向けて伸ばされたからだ。零れそうな輝く緑が童磨をきらきらと見つめていた。
「伊之助……」
「あー、ぶう! むぅう!」
「大丈夫だ。ゆびきりげんまん、必ず守るよ」
指を絡めるには幼すぎる小指をそっと自らの小指で撫でる。虹の瞳で最後に一目、愛らしい顔立ちを記憶に刻み込み、童磨は心の箱にもうひとつ鍵をかけた。
※ ※ ※
童磨が数百の御子をばらまいて探した逃亡者の女鬼のもとを訪れたのは、家族との別れから三日後のことだった。夕暮れを少し過ぎた時分に診療所を取り囲み、氷の鬼気を撒き散らして脅しをかければ、青い顔をした女鬼と少年の鬼が姿を表した。
「やあ、こんばんは。良い夜だねえ、珠世殿。俺の名前は童磨。よろしく頼むよ」
「その瞳……上弦の弐の鬼、私を殺しに来たのですね」
美しい顔を憎々しげに歪ませて珠世が問う。愈史郎が彼女を守ろうと前に立つが、童磨は気にもかけず距離を近づけた。
「いやいや、素晴らしい提案をしにきたんだ」
にこにこと笑う童磨に気味が悪いものを見る目が向けられる。優しい顔をして悍ましい気配を振りまいている相手に戸惑い、ここが死地ではないのかと黙り込む二人。童磨はそんな彼らに友好的に両手を広げ、断られる筈もない終わりへの誘いを口にした。
※ ※ ※
その日、上弦の弐からのある報告を受けた鬼舞辻無惨は、かの鬼を無限城に呼び入れた。その名の通り無限に広がる城内の中央に現れた鬼は、白橡の頭に血の色を被り、相変わらず軽薄な笑顔を浮かべていた。無惨はこの鬼の理解不能な頭の中を覗くことはせず、現れるなり跪いた童磨とその前に転がっている女の氷像を見下ろした。琵琶を抱く鳴女を除けば、この場には無惨と童磨、そしてようやく捕らえた逃れ者しかいない。外は朝日が登ったばかりで、彼ら以外の全ての鬼が暗がりに潜むしかない時分であった。
「ふん、頸だけで十分だったものを、わざわざ丸ごと持ってきたのか」
「なかなか見目麗しい女でしたので、こうして閉じ込めてみました。お気に召しませんでしたか」
いつもの笑顔を浮かべる童磨を無視して氷漬けの珠世をつま先でこつく。悲壮な表情で固まった女鬼は確かに美しかったが、無惨はまるで興味がなく、早々に取り込んで殺してしまおうと決めていた。
「さっさと解凍しろ。いらぬ手間をかけるな」
「はっ、申し訳ございませんでした」
童磨が血鬼術を解けば、珠世は苦しげに咳き込みながら床に這いつくばり、濡れた紫眼で無惨を睨む。自らの白い腕に爪を立てて術を発動させようとする愚かさを余裕を持って許し、鬼の祖は広がった色とりどりの幻を踏み抜いて珠世へと右腕を差し伸べた。
「随分長く隠れていたな、珠世。お前の逆恨みもこれで終わりだ」
「終わるのはお前の方です、鬼舞辻無惨!」
ぎらりと殺気を立ち上らせる珠世に危機感を抱いたのは、千年を生きた生物の勘ゆえか。無惨は咄嗟にその場から飛び退こうとして、しかし床から離れない足に留められた。落とした視線の先には凍りついた己の足先。信じられない思いで跪いたままの童磨を睨めば、温度のない虹の瞳が笑みの形のまま見つめ返していた。
「さようなら、無惨様」
「童磨、裏切ったか!」
無惨が怒号をあげるのとその足元に開いた障子が現れるのは同時だった。明るすぎる青い世界への落下に気を取られ、即座に呪殺すべきだった鬼から気が逸れる。しまったと異形の腕と触手で無限城の中につかまろうとするも、四方から氷の粉がその身に襲いかかり、初動を大きく遅れさせた。
障子の縁に立った童磨越しに見えた鳴女の隣に、見知らぬ少年姿の鬼が立っている。その鬼は鳴女の両側頭部に両手の指を突き入れており、彼女の顔には文様が描かれた紙が貼り付けられていた。
赤い瞳を見開いた無惨が生存本能から先に鳴女への呪いを発動する。その誤った判断が鬼の祖の命運を分けた。
「がっ、ぎゃあああああああッ!!!」
琵琶鬼の頭部が破裂して無限城が崩れ始めるが、一足先に数メートル大の氷塊が無惨の腹部に激突し、その体を空中へと押し出した。もう無限城の屋内に戻る術はなく、無惨の全身が午前の快晴の中で焼け始める。投げ出された先が地上であれば、地面に潜り込んで事なきを得ただろうが、ここは数百メートルの上空だ。雲ひとつない晴れ空は無惨を逃すことない死の舞台であった。
「アアアアアァ、ぁ……」
端正な顔も死に抗って膨れ上がった肉体も、ぼろぼろと焼けて灰と化していく。死にたくない。脳裏でそう呟いたのが鬼舞辻無惨の最後だった。
※ ※ ※
ある診療所の奥まった部屋の天井にどこからともなく襖が現れ、それが開くなり三つの人影が吐き出された。愈史郎が死の間際の琵琶鬼を操り、崩れゆく無限城からの脱出口を開いたのだ。
「珠世様、大丈夫ですか!?」
「ええ、こんなに晴れやかな気持ちになったのは鬼になって初めてです」
一人だけ上手く着地した愈史郎が隣で倒れ伏す珠世を助け起こす。二人は怪我一つなく、無惨の呪いを宿さないがゆえにその道連れにはなっていなかった。助手の少年の無事を喜んだ珠世だったが、脇に転がって動かないもう一人にハッと目を向けた。
「童磨さん、やはりこうなってしまったのですね」
「わかっていたことさ。死ぬって意外と痛くないんだねえ」
「最後まで気味が悪いやつだな」
「愈史郎!」
「すみませんっ」
太陽を浴びた無惨の末路をなぞるように、童磨の美しい容姿が黒ずんで灰と化していく。不思議な色合いの髪も長い手足もとっくに崩れ、胸元もなくなりつつあるというのに、虹色の瞳は変わらず無機質であった。その蟲のような目に正直な感想を述べた愈史郎だったが、珠世に一喝されて背筋を伸ばした。
さらさらと灰が塵となり消えていく。童磨の体は優しげな顔だけになり、その目はもう珠世らを映していなかった。
「ああ、怖い夢だったなあ……琴葉、伊之助……」
穏やかな声が虚空へと溶ける。上弦・弐と刻まれた瞳がくすんだ七色の塵となり、鬼の祖を誅殺した恐るべき氷鬼は跡形もなく姿を消した。彼が愛しい女を看取った夜から、六日目の朝の出来事だった。
※ ※ ※
「童磨さん!」
ゆさゆさと肩を揺さぶる手ととろりと甘い声に意識を掬い上げられ、童磨は急激に覚醒した。布団に張り付いた背面が石のように硬直して指一本うごかせない。ヒュッと鳴った喉が空気を求めて大きく喘ぎ、乾いた唇がぱくぱくと魚のように開閉した。大きく見開いた視界いっぱいに柔和な美貌が映り込んだ途端、金縛りは解け、長い両腕が華奢な体を抱き込んだ。
いきなり抱きしめられて逞しい胸に寄せられた琴葉は目を白黒させたが、押し付けられた胸元から聞こえた爆音のような鼓動に柳眉を寄せ、たおやかな手で童磨の頬を包んだ。
「ずっとうなされていたわ。悪い夢だったのね」
「ああ、うん、地獄っていうのはああいうのを言うんだろうなあ」
童磨の震える手が、琴葉の長い髪をたどり頭から背中までを何度も撫でる。同じ掛ふとんの中で愛おしい体温に感じ入っているうちに、恐ろしい非現実の余韻は薄れていった。腕に抱いた琴葉から血臭が漂ってこないことに安堵して可愛いつむじに口づけを落とせば、胸元にころころと笑い声がくぐもった。
「琴葉がいなくなってしまって、伊之助を手放さないといけなくて、俺は鬼のまま一人ぼっちになった」
「……本当に怖い夢」
「夢だってわかってたけど、七日も持たなかったよ。何も感じなくなって、生きていたくなくて、鬼舞辻を道連れに死んだ」
そしたら目が覚めた、と囁いた口元を琴葉の指先がなぞり、続いてもぞりと身を伸ばした彼女の薄紅の唇が寄せられた。子供のような口づけが徐々に深く、お互いを確かめるそれに変わる。童磨が体を返して上に覆いかぶさる頃には、琴葉は細い腕で夫の腰を抱いてその身を擦り寄せていた。
「貴方と伊之助がいない夢だったら、私もきっとすぐ死んでしまうわ」
「琴葉には、そんな夢は見ないでほしいなあ」
鼻先を寄せ合ってかわした言葉が鍵となり、開かれた心からいとしいとしと形がない声が溢れる。辿られなかったいつかの未来は、誰も知ることがない幻となって消えたのだった。
【登場人物紹介】
童磨
元十二鬼月・上弦の弐にして万世極楽教の教祖。愛を知って世界が広がった人間性初心者。家族連れの逃れ者ライフの終りを迎え、晴れて人間として家族と過ごしている。人の体になって初めての悪夢は、彼が信じていない地獄を体現するものだった。夢の中であっても琴葉の願いと伊之助の未来を何より優先し、無惨討伐を六日で完遂した。無惨様の前では、念の為、思考を分割して読まれないように奥の方に押し込めていた。
嘴平琴葉
ちょっぴり知能に難ありな超絶美人ママ。いつものように同じお布団で寝ていたら、夜明け前に童磨がうなされだした。しばらく見守っていたけれど心配になって揺さぶり、やっと目が覚めた彼の憔悴っぷりにこれは全力で慰めなければ!と全力で甘やかした。夢の住人の彼女は、今際の際に童磨であって童磨ではない優しい誰かに出会った。虹の瞳に確かな情を見つけたことで、伊之助を託した。勘の良さは本物。
嘴平伊之助
お母さん似な獰猛系美青年。20歳。弱肉強食を世の真理としているスーパードライな猪。しかし両親にはウェット。今回出番なし。明け方頃に両親の部屋が騒がしくなったので気配を探ったが、すぐに甘い雰囲気を察して切り上げた。両親が仲良しなのは大変嬉しい。なお、夢の住人の赤ん坊の伊之助は、お金持ち夫婦の養子となって何も知らずに育った……かもしれない。
珠世&愈史郎
夢の住人。ある夜いきなりやってきた上弦の弐と半ば強制的に共闘することになった。珠世様は童磨の作戦を聞いてやる気になり、愈史郎は彼女の熱意に巻き込まれた形。なお、愈史郎の能力は現実世界で共闘するにあたって童磨に完全に共有していた。
鬼舞辻無惨
夢の住人。ある日、童磨から珠世を見つけたとの連絡が入り、優先順位は低くともこの機に始末しておこうと動いたのが運の尽き。えげつないだまし討ちにあって地上数百メートルの晴れの空に放り出された。他の上弦を呼んでいなかったのは油断が過ぎた。
鬼殺隊の皆さん
夢の住人。まったく出番なし。ある日突然鬼が絶滅した!!
【無惨様暗殺RTAの流れ】
①童磨が珠世様の氷漬けと目くらましの術をかけた愈史郎を連れて無限城へ
なお、日時は快晴の午前中とする
②無惨様の前では思考を分割して読まれないようにする(今回はしなくてもよかった)
③珠世様の解凍を合図に愈史郎が鳴女をハッキング、無惨様を地上数百メートルに放り出す
④童磨の役割は、無惨様がちゃんと落下するよう追い打ちすること
⑤無惨様死亡。連なる鬼も、童磨を含め全滅。
戦闘時間6分3秒
【補足】
童磨は逆行?する前の自分が琴葉に致命傷を負わせたとは思い至りません。彼にとってありえないことすぎて、気が動転している状態では気づくはずもありませんでした。夢の終わりまで気づかなかったのは、きっと幸せなことです。なお、夢だと信じようとした時点で童磨にSAN値は残っていません。
伊之助を手放したのは、彼の未来のため鬼を絶滅させる過程で自分がきっと死ぬから。琴葉を失って生きていたくなくなったのが最大の死亡フラグ。もし育ちかけの心を強くもって生き残る戦略が浮かんでいたら、手元で寿命まで育ててました。
連載本編完結後、この時点の童磨は、琴葉に対し恋情も含むかもしれない家族愛と海より深い依存と鬼らしい執着、伊之助には家族としての依存と親から子への未来を与えたい愛情を抱いています。琴葉と肉体関係があるかどうかはここでは濁してあります。