【本編完結】とあるTS女死神のオサレとは程遠い日記   作:ルピーの指輪

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いつも誤字報告や沢山の感想をありがとうございます。
感想で白哉の卍解が消し飛ばされたというご意見がありましたが、一応自分の中では吹き飛ばしただけで壊してはいないということにしてます。
でも、よーく考えたら多少は壊れてそうですよね。

あと、陽葵が斬られて傷が治ったというくだりは、四番隊からの回道を受けて完治したという意味です。軽傷なのは間違いないですが、決して高速再生とかそんなスキルを身につけてチート体質になったんじゃないです(笑)
わかりにくくてすみませんでした。


二十三ページ目

 ★月♧日 くもり(二ページ目)

 

 卍解――(アカ)地獄(ヘル)鯉団(グンダン)

 

 私の霊圧を帯びた九体の人形たちは応援団である。こいつらは味方をパワーアップさせてくれる。

 

 例えば最初にパワーアップさせたのは砕蜂なんだけど、人形が砕蜂に触れると消えて、彼女は赤いヘルメットにユニフォーム姿に変わる。これで能力は発動したことなる。

 

 「ち、力が溢れる。こ、これはどういうことだ……!」

 

 人形に含まれた霊圧がそのまま砕蜂に付与されて彼女の霊圧が急上昇する。彼女の体自体も私の霊圧で守られてるから身体への影響はない。

 純粋に私の増えた霊圧を貸してパワーアップさせることが出来る――これが私の卍解の能力なのだ。

 

 霊圧を貸し出すことが出来るのは最大で九人まで。卍解を解除するまで継続する。簡単に言えばナルトが九尾のチャクラ貸してるみたいなもんってこと。

 

 霊圧の上昇でスピードもパワーも強化された砕蜂はめちゃめちゃ強かった。なんせ、弐撃決殺がチート技になるんだから。

 

 さっそくぺぺとかいう偽物の亀仙人みたいな滅却師をすぐさま雀蜂で戦闘不能にしていた彼女はちょっと複雑そうだった。「霊圧で勝敗が決まるのって理不尽だな」という疑問が浮かんだかららしい。そういうもんかなぁ……。

 

 比較的近くにいて交戦中だったネムと市丸、桃ちゃんや乱菊ちゃん、そして日番谷くんにも霊圧を貸した。

 

 ――思ったとおり大紅蓮氷輪丸がヤバい。一瞬で氷河期が来たみたいに寒くなり、猛吹雪が吹き荒れる。それはもうアナと雪の女王かよってくらいの氷の世界が完成していた。

 彼はB級カンフー映画に出てそうな滅却師とはっちゃけた東仙要みたいな滅却師を氷像にして砕く。驚くべきスピードで。

 

 氷属性の流刃若火みたいなモンだから当たり前か。それにしても寒い……。焼き芋が食べたくなる。

 総隊長が怪我で前線に出られないから彼の広範囲で高火力という卍解は非常に貴重であった。

 

 「浦原が色んなモノを破壊し続けた理由が解った」

 

 本人は軽く一撃を放っただけの認識で尸魂界の全体の天候が変わってしまったので、日番谷くんは苦笑いしていた。

 

 ネムはゾンビ軍団みたいなのを拳の弾幕で全部お空の彼方に吹き飛ばして、マユリさんは自分の兵士を出すタイミングが失われたと嘆く。

 

 桃ちゃんの飛梅は流刃若火顔負けの巨大な火球で全てを燃やしつくし、バーナードフィンガーとかいうオサレ技を使う滅却師をドン引きさせ、乱菊ちゃんの灰猫は広範囲に及んで見えない強力な刃を飛ばす凶器と化していた。

 

 市丸は卍解は使わずにスマートに戦っていた。あいつは本来、切り札はトドメの時にしか使わないような奴だもんな。

 

 

 「あーあ、死神たちがあんまり頑張ると僕の仕事が増えるんだけど。僕からすると全員雑魚なのは変わりがないけどね。君……あれだろ? 護廷十三隊最強って言われてるんだろ? 僕も最強なんだ。星十字騎士団(シュデルンリッター)で。どっちが本物か比べ合いっこしようよ」

 

 空想を現実にする“夢想家”のグレミィって奴が私に挑んできた。

 擬人化して、メガホン持って応援してる紅鯉を呼び戻し金属バット状にする。

 卍解状態でも始解の能力は使えるが、貸し出した霊圧は私から削られる。

 

 想像が現実にかぁ。想像の夜一様とあんなことやこんなこと――。

 な、なんていやらしい能力なんだ。

 

 そう思った私は紅鯉でグレミィとやらをぶん殴ろうとする。

 グレミィは地面を隆起させたり、マグマを出したりして応戦してきた。凄いな……全部頭で考えているのか。

 マグマもちゃんと熱いし、よく出来た能力だなぁ。

 

 「何故だ!? 何故、体がクッキーみたいに柔らかくなってるはずなのに」とか「マグマに触れて何で平気そうな顔してるんだ」とか「この化物が」とか勝手に動揺してるけど、何言ってんのかよくわからん。金髪ロングの可愛い系の女子を捕まえて化物扱いって酷くない? 失礼しちゃうよ、まったく。

 

 つーことは、あれだろ? 考えが及ばないくらいいっぱい攻撃すれば防御貫通するだろ?

 

 卍解で霊圧が上がって、ガトリングガンの如くグミ撃ちが出来るようになったんだ。これなら――。

 

 しかしグレミィは頭も良くて、自分を無数に増やすことでそれに対応をしてきた。

 お空でドンドン増えていくグレミィたち。何人居るだろう? ゾマリ分身よりは沢山居そうだな。

 

 そいつらの同時攻撃を全部弾き返して、ぶっ飛ばすと、彼らはこっちに巨大隕石を何個も落としてきやがる。まぁ、それは全部、殴って砕いて粉末にしてやったから良いんだけど……。

 

 んで、それを見て呆然としていたグレミィを片っ端から殴って地面に叩き落とした。

 

 地面に大量に頭から突き刺さるグレミィたち。

 ――動かないので意識を失ったに違いない。なんか、ムーミンに出てくるニョロニョロみたいに見えるなぁ。

 やっぱり、星十字騎士団(シュデルンリッター)は面倒な奴が多い……。

 

 そんなことを考えてると背後から雷撃の矢が飛んで来た。

 ――そして、それを霊王宮からこの場に颯爽と駆けつけて来た一護くんが弾き返してくれる。

 うおおおっ! 斬魄刀新しくなってんじゃん。格好いい。

 

 私が一護くんの斬魄刀に見惚れてると、地下劇場で絶大な支持を受けてそうなガールズバンドみたいな四人組が現れる。雷撃を撃ってきやがったのもその一人のようだ。

 

 それがきっかけで、こっちにどんどん滅却師も死神も集まってくる。

 警戒されてるのは、私と一護くんと剣八。理由はユーハバッハの指定した特記戦力だから。

 一護くんは「こっちでカープが流行ってんのか?」って砕蜂たちの衣装を見て首を傾げていた。

 

 死神と滅却師の戦いは終始死神側が押していた。あの赤いヘルメットの連中がヤバいと滅却師の女の子が連呼したことから、私は理解する。なるほど、紅地獄鯉団とは最強の赤ヘル軍団を生み出す卍解だったということか。

 

 霊圧が急上昇した上に私と違って鬼道も白打も斬術も出来るとなれば、その力は語らずとも想像できるだろう。

 

 

 しかし、それを嘲笑うかのようにユーハバッハは雨竜くんたちを引き連れて霊王宮に行ってしまった。

 ついでに強力な衝撃波をこちらに見舞いながら。

 

 

 ということで、友達のことを心配してる一護くんとチャドくん、そして織姫ちゃんは兄貴と共に霊王宮に行くこととなった。トンボ帰りとはこのことである。

 

 よし、ここで一気に決めよう。こちらに集まって来てくれたルキアちゃん、阿散井くん、白哉くんにも霊圧を貸出した。

 

 これによってこちらの優位は揺るがないモノとなった。阿散井くんに至っては斬魄刀も使わずに素手で戦ってるし。コークスクリューとかジョルトカウンターとかいつの間に覚えたんだ? ルキアちゃんの袖白雪も氷輪丸に劣らない性能だ。

 

 

 

 ――だが、死神側に軍配が上がろうとしたその時……。

 

 空から光が降り注ぎ、滅却師たちが急に苦しみだした。おそらくユーハバッハが聖別(アウスヴェーレン)によって要らなくなった仲間の力を奪い取っているのだろう。

 漫画では生き残っていた滅却師もいたけど、こっちがあまりにも優勢過ぎたから……全滅しちゃったみたいだね……。

 

 こちらの戦いの決着はついた。私たちは兄貴の下に向かった。

 そして兄貴の下には平子さんたちも含めて動ける隊長格が勢揃いする。

 

 「陽葵ちゃん、ちょっとこの玉に霊圧を込めてくれないっスか?」

 

 兄貴は霊王宮への門を作るために大量の霊力が必要だとして私たちに玉を渡して霊圧を込めるように指示した。

 

 私たちがその指示に従おうとしたその時、霊王が死んだらしく、尸魂界中が揺れる。何かが崩れ去ろうとしてるみたいに。

 兄貴が珍しく動揺してるけど――どうすりゃいいんだっけ? 

 

 ――浮竹さんが霊王の右腕を体内から放出して霊王の代わりをすると言い出す。彼の体は大丈夫じゃなさそうだ。これは……やばい気がする。

 

 そのおかげで崩壊は食い止められたが、すぐにユーハバッハが霊王の右腕を吸収し始めて、尸魂界は暗黒に包まれた。

 

 そして、空から彼の仕業なのか、ドス黒い目玉の化け物共が大量に降ってきた。

 

 「陽葵ちゃん」――そう、兄貴が声をかけた瞬間――私は再び「卍解」し……膨れ上がった霊圧を使って――これまでに無いほどの特大サイズの霊丸をお見舞いしてやった。

 

 

 「相変わらずデタラメな強さやな」

 「そりゃ、俺らにとんでもない量の霊圧を渡してもピンピンしてるわけだ」

 「藍染くんを一騎討ちで倒したんだ。始末書王からよくこれだけ成長したもんだよ」

 

 みんなが褒めてくれたけど、京楽さんの言葉で私は大事なことを思い出す。

 あれ? 藍染は……? 確か、漫画だと藍染も戦線に加わるんじゃ……。

 

 「馬鹿言っちゃいけないよ。そんなの山じいが許可するわけないじゃない」

 

 それを質問したら、京楽さんは当たり前みたいな顔してそう答える。

 まさか、ここまで漫画ほど苦戦してないから、藍染が解放されなかった的な感じなのか……。

 そりゃあ困る。あいついなきゃユーハバッハが倒せんのでは――?

 

 

 そんな心配を他所に兄貴は霊王宮への門を作って私たちはその中へと足を踏み込んだ。

 そこで、見えたのは真っ白な滅却師たちの世界。

 どうやらユーハバッハはとんでもない力を手に入れたみたいだ。霊王宮はすでに落ち――ここは連中の縄張りになってる。

 

 うわっ、夜一様の弟君の夕四郎くん、下に落ちそうになってるし。ドジなところが私に似てるって夜一様は言ってたけど、私ってドジなんかな……。

 

 白哉くんが霊子の支配権が向こう側とかよくわからんこと喋ってるけど……なんのことか分からんからまぁいいか。

 

 「陽葵様……、マユリ様が居ません」

 

 さっきまで一緒に居たマユリさんが居ないとネムが呟く。

 そして、彼女は彼の下に行くと言ってマユリさんの霊圧を探り、そこへ向かった。

 

 あれ……ネムって……ここでマユリさんと一緒に戦って……。

 

 私は嫌なことを思い出して、彼女を追うことにした。

 

 

 そして、対峙する。霊王の左腕である化物。ユーハバッハの親衛隊……。ペルニダと――。

 あら〜、マユリさん……腕が潰れてるじゃん。すぐに再生させるあたりが凄いけど。

 

 こいつは強そうだ。近付いたら、体が潰されるからネムと距離を取って霊丸で倒そう。……ふふっ、こんな感じにクールに作戦を即座に思い付くあたり、私も成長してるな。

 

 「陽葵様、そこに居たら肉団子になるはずですよ。何で無事なのか、マユリ様は疑問に思ってます」

 

 えっ? こんな距離で肉団子なの? 怖っ……! でも……何ともないけど……。

 ――そういや、私ってば卍解しっぱなしだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「君の戦い方を見てると私の常識を疑いたくなるヨ!」

 

 卍解の霊圧を込めて紅鯉でぶん殴ったら、ペルニダ……粉々になって消えちゃった。

 

 

 《日記はまだまだ続いている》

 

 

 

 




陽葵の卍解は崩玉藍染並の霊圧を味方に貸しだすことが出来る能力です(最大九人)。簡単に言えば九人脳筋作れる能力ってことです。
あと、どうでもいいことですが日記に書いてあった「はっちゃけた東仙」は「ナナナ・ナジャークープさん」のことを指してます。

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