【本編完結】とあるTS女死神のオサレとは程遠い日記 作:ルピーの指輪
どの感想も面白くて、というより作者よりも頭のいい考察とかあったりして、もしかして私が脳筋なのかと思わせられるほどでした。
本当に嬉しいのですが、ちょっと返事を書く時間がないので、ここにお礼を書かせてください。申し訳ありません。
たくさんの感想はモチベーションの向上にめちゃめちゃ繋がってますので、これからもよろしくお願いします。
●月◇日 くもり
やることがない。余計なことはしないと決めてるから……。
特に何か藍染にちょっかいかけようとも思ってないし。割と暇である。
藍染も藍染で何か勝手に警戒してくれてるのか知らんけど、市丸を監視につけてるだけで何もしてこない。もう夜一様がいなくなって30年くらい経つんだけどなー。
リストバンドも十分の一に抑えるようになったからなのか、成長期がようやく落ち着いて来たからなのか、霊圧の上昇が緩やかになってくれた。これなら、ちょっと体を慣らせば何とか
いやー、今までみたいに霊圧の上昇が体が慣れるよりも早かったら困ったことになってたよ。涅マユリさんにでももっとすごいリストバンド作ってって、頼まなきゃいけないところだった。
彼には“無間”みたいな修練所作ってくれって頼んだりしたけどね……。
最初は断られた。でも、「兄貴でも無理だったから涅さんでも無理かー」みたいなこと言ったら割と乗り気になってくれる。漫画で兄貴に対抗意識を燃やしてることは知ってるからね。
もちろんタダって訳にはいかなかった。被造死神計画“眠”に協力するために、異常に霊圧が上昇する私の細胞を提供してほしいと言われて、血液を渡すことになった。
しかし、さすがは兄貴と並ぶチートな天才マユリ様だ。修練場の大きさは36畳くらいと手狭だけど、少々暴れたところでビクともしない。
さすがにリストバンドは怖くて外せないけれど、上昇する霊圧を慣らすのには最適な場所である。この修練所のおかげで私は始末書の山から解放された――と言いたいんだけど、五分の一に調節するとやはり地形が簡単に変わってしまう。
副隊長になったのに給料が上がらないのは修繕費が普通に引かれるようになったからだ。地面にクレーター作る生活から解放されたい……。
それにしても“眠”計画って何だったっけ? マユリさんが今一番力を入れてる研究ってのは阿近さんから聞いたけど……。思い出せぬ……。
◎月♧日 くもり時々雨
市丸のやつが卍解を覚えたらしい。「13kmや」とか「音速の500倍」とかで話題となったアレである。
まぁ、嘘なんだけど……。
確か、毒攻撃だったっけ……。藍染が変な形態に変化するきっかけになった。
つーか、こいつ何気に隠密機動に向いてるのか、戦果を次々とあげて基本的に男に厳しい砕蜂すら何の文句も言わせないくらいの優秀さをみせている。
大前田希ノ進さんの息子である大前田希千代・第四席も彼のせいで出世が遅れて焦ってるみたいだ。「聞いてた話と違う」って父親に愚痴ってるらしい。
そんな市丸は私に卍解修得を自慢げに話して、私の卍解はどんな能力なのかと聞いてきやがる。うるさいな……。卍解どころかこっちは瞬歩の修得に一生懸命だよ。
スピードタイプに翻弄されていつも物量作戦を強いられてるからな。
「なんなら、陽葵さんにだけ見せてあげましょか? まだ藍染隊長にも見せてないんやけど」
みたいなことを言ってくるけど、漫画で読んで知ってるし、砕蜂と飲みにいく予定があったから断った。
でも、間違って「毒は怖いから」とか言っちゃったもんだから、市丸は珍しく目を見開く。なんか、こいつの前だと失言多いな私。
「やっぱ、陽葵さんが一番怖いわ〜」とニヤリと笑っていたけど、変なこと藍染に告げ口しないよね。ていうか、藍染も知らない秘密知ってるから、私のこと殺そうとか考えないよな……。
本日の教訓――口は災いのもと。
◆月♡日 晴れ
最近、砕蜂がさらに修行に熱を入れている。もっと強くなる必要があるとことある毎に口にしながら。
どうも、鬼道と白打を組み合わせた新しい技を開発してるらしい。
何でそんなに焦ってるのか聞いてみた。理由を聞くと、どうやらそれは私のせいみたいだ。
「戦闘で陽葵さんばかり派手な活躍をするから、隊長の私のハードルが上がっている。期待を裏切るわけにはいかない」
隊士たちの中で“砕蜂隊長最強説”みたいな噂が流れてるらしい。
“大虚百体討伐”の通り名を持つ私と真央霊術院を最速で卒業した神童で若くして卍解を修得したと言われている市丸の上司である砕蜂はすべての隊長の中でも最強なのではという説みたいだ。
私から見ると砕蜂は十分強いけどなー。鬼道も白打も出来て、スピードは一級品だし……。
そんなことを告げても彼女は意見を曲げない。私が隠密機動に居たら私が隊長になっていたはずだからと譲らないのだ。
「あの晩……大虚の大群を一人で片付けたあなたを見て……夜一様ほどではないが、ちょっと見惚れてしまった。それが今は堪らなく悔しい」
頬を赤らめながらそんな昔のことを今さら告白する彼女。こ、この人こんなに可愛いかったっけ? そんなことを思いながら、酒も入ってる私は砕蜂と無言で見つめ合う。
いやいや、何を変な気を起こしてるんだ。私には――。
「「夜一様が居るんだから」」
同じセリフを同時に吐いて首を振る私たち。何やってんだ。お互いにいい歳なのに……。
私も砕蜂もどっか拗らせてんだよなぁ……。
◇月◎日 くもり
朽木白哉が結婚した。なんやかんや、子供の頃から彼のことを知ってる身からすると自分の加齢を感じてしまい何とも複雑である。
緋真さんという女性は確かルキアのお姉さんだったよなー。夜一様のスキャンダルがあっても、彼が死神になってからは私と半年に一回くらいどっかで飲みに行く仲だったので緋真さんも紹介された。一人で行くのも何か恥ずかしかったから、砕蜂と市丸を無理矢理連れてく。
市丸と白哉は二人とも護廷十三番隊のホープで次期隊長候補と噂されてるので、何か煽りあってくれねーかなと思ったけどそんなことはなかった。
しかし、こいつも落ち着いたよなー。昔はすぐに熱くなるタイプだったのに……。やっぱ親父さんが亡くなってからかな。冷静沈着になったのは……。
緋真さんが「皆さん、ご結婚の予定などは――」などとぶっ込んだ質問をして三人とも色々と拗らせているのを思い出して悶えたのは内緒の話だ。市丸はヘラヘラしてるけど、知ってんだかんな私は。
ともすると、ルキアたちが真央霊術院に入ってくるのも間もなくということか……。緋真さんの体って弱いんだよな。
♡月◆日 くもり
真央霊術院に
講師なんて生まれてこの方どころか、前世でも経験がない。
そもそも、人に物を教えるほどのことを成してないし……。「大虚の倒し方はぶん殴ることです」なんて言えるはずがない。
取り急ぎ、砕蜂に泣きついた。脳筋仲間といえば仲間だが、私などよりもよっぽど常識人だ。
何とか講義っぽい感じが出来るように、理屈を並べた文章を一緒に作成する。ありがてぇ……。もう砕蜂には頭が上がらない……。
「二番隊の宣伝も忘れないで下さいよ」と微笑みながら私に伝える砕蜂は天使にしか見えなかった。
そして、講義は無事終了。私の名前ってそれなりに院生にも伝わっているのか結構質問攻めに遭った。
特進クラスの一組での講義では阿散井恋次、雛森桃、吉良イヅルがいることを確認。彼らはすでにかなり優秀な人材だと人事からお墨付きをもらってるらしい。
その後、他のクラスの講義もして緋真さんに似た女の子を発見する。どう考えてもルキアだよなー。
彼女は私が特進クラス出身じゃないと聞いて嬉しそうにしてた。どうも、友人たちに先を越されて劣等感を抱いてたらしい。
院生時代はどんなことをしていたのかと聞かれて、目隠しをして過ごしたりとか、霊圧を吸収されながら生活してた(現在進行形)とかは流石に答えられなかったので、基本的なことをひたすら反復練習したと答えておいた。
まぁ、基本をずっと続けてまだ瞬歩を覚えられないんだけどな……。
ともあれ、漫画に出てきた人物が次々と現れると時間が過ぎたって感じがするなー。
◇月☆日 晴れ
市丸と飲みに行った。なんかそろそろ隊長にならないかという話が出てるらしい……。藍染が次の計画を進めるためにそんな指示を出してるのだとか。その証拠に東仙もいち早く隊長になっている。
「藍染隊長は不気味がってますわ。陽葵さんのこと。ボクも怖いですもん。結局、肝心なことはよーわからんし。まぁ、隊長になったとしても、よろしゅうお願いしますわ」
彼は隊長になったとしても二重スパイを継続すると言ってきた。藍染にはそう言って私を安心させる作戦だと伝えてるらしい。
こいつみたいな駆け引きをするタイプ本気で苦手なんだよな。信用させて後ろからグサってするとかあると思うし。割と聞き上手なところもあるから酒を飲む上じゃ悪いやつではないんだけどね……。
それに、こいつの“毒”はほとんど一撃必殺だもんな。なんで、砕蜂よりも隠密機動向けの能力なんだよ……。
市丸が出ていったら砕蜂は寂しがるだろうなー。優秀な部下で人当たりも良いこいつのことをそれなりに気に入ってるし。
希千代くんは喜びそうだ。席次が一つ上に行くから。喜びが露骨過ぎて砕蜂に蹴られそうだけど……。
この子の出世が遅れてるのは私のせいだから可哀想なところはあった。かなり有能な子なのに……。
ともあれ、市丸の隊長就任はもうちょっとかかるだろう。漫画と違ってこいつ三席だし……。兄貴の例もあるから三席から隊長でもまったく問題ないけれど、副隊長からの方が楽なのは間違いない。
それにこいつ、なんか知らんけど出来るだけ二番隊に居られるように引き伸ばすとか藍染に言ってるみたい。居心地が良いとか言ってるけど、どこまで本音なんかな……。
◇月●日 くもり
珍しくマユリさんに、十二番隊舎にある技術開発局に呼ばれた。
行ってみると技術開発局には小さな金髪の少女がいた。はて、こんな子漫画にいたっけ?
「君のおかげで“眠計画”が想像以上に早く成功したのだヨ。あの男の血縁の細胞を使ったのは気に食わんが……」
マユリさんの機嫌がめちゃめちゃいい。
いや、ちょっと待って。細胞って……、あのとき渡した血液のこと? で、この女の子……。えっと、その……。まさか……。
私の頭の中である名前が思い浮かんだのと同時にマユリさんは口を開く。
「――涅ネム。まぁ、君の血液を使ったから君の姓をとっても良かったんだが、どうもイメージがわるくてネ」
ネムって、マユリさんの娘というか……最高傑作のアレだよね? わ、私の血液からって嘘でしょ……。この薄い金髪は似てるけど……。うわぁ…………。
――こんなにドン引きしたのは初めてだった。つーか、私はなんつーことに力を貸したんだ……。
「君と同様に成長と共に霊圧が上がる性質も引き継いでいる。上昇率は君に遥かに劣るが問題ない。無から生まれし成長し続ける被造死神という全死神の夢を叶えたのだからネ!」
まさか、この子も私みたいに霊圧が上がり続ける体質をもってるのか……。この人、やっぱりヤバい奴だったな。修練所作った代償が思ったより精神的にくる。
「もう少し成長したら、君の戦闘データを間近で取らせるために、君にこれを貸してやろう。娘だと思って好き勝手に嬲っても構わんヨ」
頭が痛くなってきた。子供が出来ることなんて一度もヤッてないのに母親にされたの? このマッドサイエンティストめ……。
この日は涅ネムが近い将来、二番隊にやって来ることが決まった――。ホントにどーしよ……。
二番隊が漫画とかけ離れていく――。私はしょうがないにしても、市丸に続いて涅ネムが入るなんて――。
なんかリストバンドの秘密は浦原と夜一以外知らん方が面白いと思いまして、マユリ様には修行場を作ってもらう方向にしました。
この回を書くまでは、ネムがこんなになるなんて思っても無かったんですけど、マユリ様にお願いするなら代償はそれなりにデカいかなって思いまして……。脳筋二号が誕生しました。
霊圧の上昇は陽葵と比べてかなり劣りますが、マユリ様の最高傑作なので……原作よりもさらに強いです。
見た目は髪の色だけ浦原と同じ淡い金髪になっていてあとは原作と同じです。陽葵は知らない内にママになりました。
期間は短いですが、二番隊には砕蜂、陽葵、市丸、大前田、ネムみたいな濃いメンバーが属することに……。砕蜂隊長最強説が捗りそう。