選ばれし真の王と仲間達で世界最高   作:ゴアゴマ

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ゴアゴマです。

久しぶりのありふれ投稿です。


軍師は決意する

不気味な程に静まり返った室内。その中に、凛とした表情を浮かべる少女と場に合わない巨漢な男、

そして、純新無垢に見える少女が苦しげにベッドへと横たわっていた。

とてもその室内の雰囲気は良いとは言えず、重苦し過ぎると言ってもいい程には沈みきっていた。

 

「…」

 

凛とした少女は、手繰り寄せるようにそして、力強く横たわる少女の手を握り、目覚めを今か今かと待ち望んでいた。それを男は何も言わずに、看病を続ける少女の肩に手を置き、労いをかけていた。

 

 

「…頼むぜ、イグニス」

 

 

やがて男は、少女達にも聞こえるか否かの小さな声で、ここにはいない一人の男に思いを託していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遡り、オルクス大迷宮。

 

生徒達の放った魔法によって大橋は崩壊して行き、それに連なって彼等に牙を剥いたベヒモス達も巻き込まれて奈落へと消えていく。筈だった。

 

しかし、何の因果か放たれた魔法の中に、囮を買いでたノクティスとハジメを明らかに巻き添えにする為に放たれた炎の球が、たった一つだけの球がそれら全てを巻き込んだ。

 

勿論の事、何も知らない生徒諸君は頭が真っ白となっている。

 

「待って香織! 早まらないで! 落ち着いて!」

 

「嫌ぁ! 離して! 私が行かないと! 南雲君がぁ!!」

 

「止せ香織! 君まで死ぬ気か!?」

 

「私までって何!? 南雲君は死んでない! きっとあの瓦礫の中で助けを求めてる!!」

 

崩れ行く橋を前にしても、決してハジメの命を諦めない、いや、諦める事が出来ない香織は身を犠牲にしてでも助けに行かんと発狂する。

 

でなければ、交わした約束さえ守れずに最愛の人を失ってしまう。南雲君が死んでしまう。そんな激情にかられ、完全に我を失っていた。

 

その一方で、ノクティスの戦闘不能を察知してしまった友人3人は、彼女等同様に取り乱していた。

 

「プロンプト待て!! 早まるんじゃねぇ!!」

 

「離せよグラディオ!! そんなこと言ってる場合じゃ無いだろ!? ノクトが死んじゃうよ!!!!」

 

「そんな無防備に飛び込んで助けられんのか!? 頭冷やせ!!」

 

此方はプロンプトが香織の様に取り乱しており、グラディオの羽交い締めで何とか留まっているが、このままでは何時混乱が悪化してしまうか分からない。

 

それぞれが混沌とする中、イグニスはただ、崩れ行く橋を呆ける様に眺めていた。

 

いや、正確には失念と後悔に駆られ、途方に暮れる事しか出来ない様子だ。

彼の手からは、ハジメが作った彼専用の武器が零れ落ち、脱力する様に膝から崩れ落ちた。

 

(…っ、オレは…何をしていた…!?)

 

考えれば考える程に、後悔の渦は濃くなっていく。

2人の友の罵倒し合う声が響いているが、最早何を言っているのかすらも頭に入ってこない。

 

水中の中のように周りの音がこもって聞こえる。

今の自分の頭の中にあるのは、ノクティスを救う事の出来なかった失意のみ。

 

(俺は…ノクトを守ると誓っていながら…結局っ…!!)

 

聴覚と共に、視覚にも影響が出始めている。眼の下に水が溜まっていく様な感覚がして、周りがぼやけ始めていく。

取り乱していない生徒が居たのなら、この様なイグニスを見る事は滅多にないと思う。それ程までに、普段とは掛け離れるほどに彼は取り乱していた。

 

ただただ橋と同じように自分も地に崩れるしかなく、彼は地に振動を送りながら悔やみ続けた。

 

だが、それがトリガーとなったのか、この世界に来てからイグニスを悩ませていた知らない記憶が、再び彼の頭に流れ込んできていた。

 

 

しかしこれまでと違い、映し出される情景全てがかつて自分が体験した全てだと実感されていく感覚がイグニスを支配していた。

 

 

 

策の全てを駆使し、自らが仕える王の為に奮闘した記憶。

 

 

 

 

 

 

 

『ノクト。街を占領している帝国兵だが』

 

『あぁ。一筋縄では行かなそうだな。策はあるか?』

 

『勿論だ。やはり頭が准将と言うのもあり、妨害に対しての対処もかなり頭を使ったそうだ。ただ突っ込んでも袋叩きにされるのがオチだろう。

だが、俺達がお世話になった人達からの情報では、この街の地下にはいくつもの入り組んだ水道があるらしい。上手く使えば、帝国の監視を通り抜けられるかもしれない。それを利用して頭を潰そうと思う』

 

『成程な…ただ、万が一地上に出た時に見つかったらどうするんだ?』

 

『帝国兵が気付かない程の隙間から外を覗いて、相手が背後を見せた瞬間にお前のシフトの力で一気に仕留める。そうして数を減らしていけば、正確に、確実に仕留められる筈だ』

 

『…なるほどなぁ。ん? グラディオとプロンプトは何処に行ったんだ?』

 

『既にあの二人には潜入して貰って、彼等は高所からの奇襲を任せている。そろそろ半分近くの帝国兵が削られている筈だ』

 

『りょーかい。じゃあ、10倍返しくらいでやるか』

 

『100倍返しを期待しておけ』

 

 

 

 

 

我儘な王を厳しく見守り、その最後の一瞬まで王を見捨てる事をしなかった記憶。

 

『ノクト…また肉のみを平らげるとは…。いい加減改善しなければ、健康状態に支障が出るぞ』

 

『ノクト、服のボタンが外れている。直ぐに縫うから、直ぐに貸せ』

 

『ノクト、夜明けが来る前に早く就寝しろ。何時までも夜更かししようとするな』

 

 

 

 

『だァァァ!! いい加減ちまちまとしつこいわ!! お前どんだけ俺に制限かけるつもりだよ!!』

 

『元はと言えばだらしがない生活を送っているからのがいけないのだろう。だからこうして口うるさくしているんだ』

 

『お前は俺の母親かっての…! だからって何も旅までそうしなくたっていいだろ…!』

 

『だからこそだ。お前は婚約してからもルナフレーナ様にそのだらしなさっぷりを晒すつもりか?』

 

『うぐっ…』

 

『…ノクト。複雑になる気持ちは分かる。様々な出来事を経て、そのようにだらけきってしまうことも。だが、俺はお前の配下として、何より1人の友として、お前に何一つ不便無く過ごして欲しいんだ。だから面倒だとしても、今だけは従って欲しい』

 

『っ、そう言われると俺が強く出れないの狙って言ってんだろ…?』

 

『バレたか。だが紛れもない事実だ。

 

そうだな…それでもお前が改善してくれそうにないからな…。ならこうしよう。今から俺と勝負をして、もし俺が買ったら野菜尽くしのフルコース料理を食べてもらう』

 

『はぁ!? ぜってぇ負けらんねぇし…!』

 

『ふっ…なら俺を捩じ伏せてみろ…。どちらにせよ俺に負けているようでは話にならないからな…』

 

『言ってろ…なら俺が勝ったら暫くは俺の好きな料理を出し続けてもらうわ!』

 

『いつも通りだろう…。まぁいい。行くぞ…!!』

 

 

王を守る為に禁断の力を使用し、力の代償に視力を失い、眼が見えなくなろうとも、王の頭脳としてその身を支え続けようと決心した記憶。

 

 

 

 

『最初から決めていた…!! ノクトは…俺の全てを掛けて、最後まで守り抜くと…!!

 

指輪の力は…王でなければ使いこなせないと聞く…だが、王の剣達が、自らを犠牲にしてまで力を得、王の為に戦ったとも聞いた…!!

 

 

ならば…俺にも!!』

 

 

 

ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

『…イグニス。やっぱり眼は…』

 

 

 

『良くなる兆しは見えない。少しの光も射し込む気すらない。

 

…だが、その代わりに少しづつだが周りの気配や感覚に鋭くなるようになった。

 

以前のようには闘えないが…その代わり今出来ることで皆の…ノクトのサポートをしていきたい…そう考えている』

 

『ノクト…王とは、決して立ち止まってはならないものだ。

そして…お前がその足を止めずに歩み続けるというのなら…俺も足を止めたくはない。

 

だから…最後までお前の頭脳として、隣で戦わせて欲しい』

 

 

 

 

使命通りに王に辛い人生を歩ませ、促し、平和な世界を、取り戻した反面、己を責め続けた辛く悲しい…記憶。

 

 

 

 

 

『ノクト。俺は…お前の使命を知っていた』

 

『お前の苦悩を知っていた』

 

『お前の葛藤を知っていた』

 

『お前の…最期を…知っていた』

 

 

『…そか』

 

『俺は軍師として、お前の頭脳として、お前の臣下として、使命を全うすることを選んだ。

 

…だが、心の底では…お前の仲間としては…

 

お前の親友として…お前には幸せな道を歩んで欲しかった…っ! 本当はあの時、心のどこかで、逃げたいと言って欲しかった自分がいた…!』

 

 

『…』

 

『許されない事は分かっている。

 

 

俺はお前の自由を尊重できる立場でありながらも、

 

 

王としてのお前を支える立場であった俺は…

 

 

後者を優先した…。

 

 

俺は…お前の友人を名乗る資格は』

 

『イグニス』

 

『…?』

 

『確かに、逃げたら…俺は長い時間を生きることが出来ただろうよ。

 

 

だけどな…

 

 

全ての救える命を見なかったことにして…

 

 

俺が逃げ続けて得た幸せなんて…

 

 

そんなの幸せなんて言えんのかよ』

 

『…ノクト』

 

『…自分で言うのもなんだが、そりゃ親友が死ぬの分かってるのを…はいそうですかって言えるわけねぇよ。

俺の立場だったら当たり散らかして終わりじゃねぇかと思うしな…

 

でもよ、お前は…俺の幸せを見て見ぬふりしたなんて事、1つもしてねぇんだよ』

 

『何…?』

 

『誰だっけな? 未熟な俺の為に、嫌いな物全部食わせようとして決闘申し込んできた堅物は?

 

 

 

 

誰だっけな? 頼んでもねぇのに、俺を危険から遠ざけながら作戦を立て続けた堅物は?

 

 

 

 

誰だっけな? そんな理不尽な理由叩きつけられても、尚俺のことを考え続けてくれた奴は?』

 

『…』

 

『全てを知ってたとしても、少しでも俺の幸せを願ってこれからの為に色々とお前はしてくれただろ?

 

そうしてお前が、お前らが作ってくれたバカみてぇな、くだらねぇ日常一つ一つが…

 

それだけで、俺の幸せを作ってくれたんだ』

 

『っ…!』

 

『それによ…

 

俺に着いてきてくれたお前らの生きていける未来を作れるなら…

 

俺達に良くしてくれた人々が救われる未来を作れるのなら…

 

俺が使命を果たすことによって、こんなにもの奴らが救えるってんなら…

 

俺は…自らの全てをかけて世界を救う価値があると思うんだわ』

 

 

 

『…! ノクト…』

 

 

『だからイグニス

 

 

 

どうか自分を責めるのは止めてくれ。

 

 

 

 

最後なんだ

 

 

 

 

 

笑って終わらせようぜ』

 

 

 

『…ああ』

 

 

 

 

 

その日、軍師はまた一つ嘘をついた。

 

だって、仕方の無いことなんだ。

 

他でもない自らが仕える王が、嘘をついたから。

 

 

嘘なんだ。全てをかけてでも世界を救うのが本望だなんて。

 

嘘なんだ。最愛の女性を失った王に、親を失った王に自分達だけで幸せが満たされたことも。

 

 

けれど、それでも、イグニスが嘘を重ねてしまったのは

 

 

たった一つだけ王が、何の迷いも出さなかった理由が、イグニスが嘘をつかせる理由となったのだ。

 

 

 

それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長く、そして一瞬の様にイグニスにかつての記憶が戻る。吐きそうな感覚と共に、目にぼんやりと淡い何かが宿り始める。

 

(…これは…そうか…違和感の正体はこれだったのか。

 

 

ははっ…道理でノクトに危険な道を避けて欲しいわけだな…

 

 

 

 

あんな…俺達との友情で塗り上げた日常を糧にやり遂げて終わらせるなんて…お前は何処まで俺達を引っ張り回す事しかしないんだ…)

 

イグニスはノクティスに密かに恨み言を述べると、自分の中に渦巻いていた負の感情を潰す様に手を握り締める。

 

ノクティスが最後まで突き通したもの。それは友情と日常。

 

あの時ノクティスが語った覚悟の言葉の中に、一つだけ真の王として覚醒する前からノクトを支え続けたその2つが、ノクティスは助けられるのと同時に、自らの心の支えとしていたのだ。

 

 

(…俺は、結局ノクトを最後まで辛い思いをさせてしまった…だからこそ俺達は、ノクトと共に幸せな世界を望んだ…

 

 

 

だが、運命はそれを許す事はしなかった。現に今、ノクトは橋の崩壊によって、また平穏を乱されようとしている。

 

 

 

 

 

俺はまた、後悔をしてしまった。

 

 

あの世界で、ノクトを最期まで守り、ノクトの本心を護らずに過ごしたあの時のように…。

 

 

 

それで終わりにしていいのか。イグニス・スキエンティア。)

 

 

 

手に、足に、腰に、全てに力を入れていく。

 

それに連動するように、膝が、足が、重い全てが上げられていく。

 

(俺は守れない? 今度も?

 

 

 

 

違うだろう。あの山で、俺は何をした? 自分の危険をさておいてノクトを守り抜いただろう。

 

それだけじゃない。だからこそ俺は約束をしたはずだ。あの誓いを)

 

 

 

 

 

『もし、まだ俺のことが心配ならよ。

 

…手を差し伸べてくれねぇかな。あの時みたいによ』

 

 

 

(あれはその場限りの約束なんかじゃない。きっと、あの誓いは、俺の、ルシスの時からの俺の望んでいた事なんだ。

 

 

 

 

 

 

俺はもう、使命の通りの道は歩まない。

 

 

 

俺はもう、ノクトに悲しい結末を歩ませない。

 

 

 

俺はもう…友の手を離さない!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

混乱する生徒達の中、また一つ、発狂と困惑が辺りを包み込む。

 

あるひとりの男が、崩壊する橋へと歩み寄っていく光景を見てしまったからだ。

 

当然、そんな光景を見れば仲間が、親友が黙って見過ごすわけが無い。

 

「おいイグニス! お前まで何をするつもりだ!!」

 

「何を? 決まっている。ノクトを、ハジメを助けに行く」

 

「お前もなのかイグニス! お前らいい加減落ち着け!

ノクトが心配なのは分かるが、早まれば全員死ぬんだぞ!? お前は4人の中で頭脳派なのは1番お前がよく知ってるはずだろうが!」

 

分かっている!!

 

「っ! イグニス…!?」

 

普段は出さないようなイグニスの怒鳴り声に、グラディオラスは一瞬たじろぐ。そして、それで何かを察したのだろう。今までの罵声が嘘のように止んだ。が、何も察しない勇者や周りは再び声を上げ始めてしまう。

 

「何を言ってるんですかイグニス先生! もう南雲達は助からない。ここは2人の意志を受け継いで帰還すべきです」

 

「そ、そうだ。早く帰りてぇよ!」

 

「先生は私達を守って下さいよ! だって迷宮の最初もそうしてくれたじゃないですか!」

 

「!! お前ら…! 冷静じゃねぇからって言っていいことと」

「止せ、グラディオ」

 

「でも!」

 

「プロンプトもだ。そして八重樫も」

 

イグニスに制止された2人は黙り込む。そして、生徒達の余りにも身勝手な意見、グラディオラスをも罵倒するような発言に頭が沸騰してしまった雫さえも、手に取った刀を渋々と戻す。

 

「そうだ。俺は教師だ。だからこそ、お前達の事を守らなければならない」

 

「なら!」

 

「だが、それ以前に、私は愛子先生と交わした願いがある。生徒全員の命を守るという事だ。

 

天之河。確かにあの瓦礫に飲まれてしまったのならば、生存率は極めて低いだろう。

 

だが俺は、1割でも、いや、例え可能性が無かったとしても彼等が生きているという事を信じる」

 

余りにも確証も何もない発言に、一同は再び沈黙してしまう。が、親友、そして雫が、取り乱した過程で意識を失った香織を抱き留めながらイグニスの言葉を耳に入れていく。

 

「グラディオ。確かに俺は冷静さを失った事を言っているのかもしれない。だが、救出する為に対策を立て直したところで、彼等が生きていたとするのならば立ち止まって居るとするか?

そうなった場合、折角生き残ったとしても救助した先で見つけることができずに断念、または食糧不足に陥る可能性もある。」

 

「…お前にはその全てを打開できるといいてぇのか?」

 

「俺のスキルに、料理保管と料理複製という物がある。戦闘には向かないが、充分に彼等を支援できるものではある」

 

「…お前が死ぬ事もあるかもしれねぇんだぞ? お前には将来を決めた人もいる。それでも行くってのか」

 

「…あぁ。きっと俺は、自らを犠牲にして、あの人を悲しませる行動を取ろうとしているだろう。

 

だが、俺はあの夜誓った。

 

ノクトの手を取ると。

 

生徒の命を守ると。

 

必ず、愛子の元まで帰ってくると。

 

今まで俺は守るつもりでいながら、ずっと逃げ続けていた。それしか方法がないんだと。

 

だが、もう俺はあの様な後悔はしない。

 

傲慢だろうと、何だろうと…

 

 

俺は全て成し遂げて帰ってくる」

 

恥を知らないような、狂ってしまったような事を何の躊躇もなく、ただ、覚悟を決めたように堂々と発言する。

もう最早、誰もイグニスの覚悟を、信念を止める言葉など残っていなかった。

 

「…」

 

盾と、王の頭脳が互いの視線を交差する。やがて、折れたのは盾であった。

 

「…はぁ。っんでお前らは猪突猛進な馬鹿が多いんだろうなぁ。お前でさえもんな事口走ったら、俺はもう止めらんねぇだろうが…」

 

「…すまない。だが」

 

「謝んじゃねぇよ。どうせこれしか方法が無いのは俺も薄々は思ってた。だが、冷静であろうとして俺も大事な事を見落とす所だった。

 

ノクトは馬鹿だ。だが、瓦礫に飲まれてそのまま窒息する様な間抜けじゃねぇ。

 

そんで、助けに行こうとするお前も、頭が固いだけの猪突猛進なアホだ。そんなヤツらが、手を離すなんて真似、する方が難しいだろうな」

 

苦笑いしながらイグニスを見るグラディオラスは、

怒ったような、苦いような、でもどこか頼もしげに顔を綻ばせる。

 

「正直途中、お前が何を言ってんのか分からねぇ部分もあった。が、お前が何も考えずにこんな事言う奴じゃねぇのは分かってる事だ。

 

 

 

 

だから俺とも約束しろイグニス。

 

 

 

その傲慢な程に抱えてるもの…1つも落っこどすんじゃねぇぞ。

 

 

必ず全て担いで帰ってこい!」

 

「…当然だ。グラディオラス。俺は教師だ。アイツの、ノクティスの親友だ。

 

 

必ず全てをやり遂げて帰ってくる!」

 

その言葉とともに、イグニスは崩壊する橋へと続いて飛び込んでいく。悲鳴が上がるが、それでも止まらずに突き進んでいく。

 

「イグニスゥ! こっちの事は俺達に任せておけ! 必ず合流してまた会おうぜェ!」

 

「あー! イグニスー! グラディオに馬鹿馬鹿言われたと思うけどー! グラディオも相当な馬鹿だから絶対に任せられると思うよー!」

 

「最後の最後にぶち壊すんじゃねぇヒヨコ頭ァ!!」

 

かくして、軍師は記憶を覚醒し、友との誓いを果たす為に手を伸ばす。

 

 

 

これは、かつて王を真の意味で救う事が出来なかった軍師の、再決意が描かれた話。

 

 

番外編で、転生後のルシスの皆とヒロイン達の出会い(+α)を書こうと思っていますが、特に見たいのは誰でしょうか。人気順に書いていこうかなと思います。

  • プロンプト×優花
  • グラディオラス×雫
  • イグニス×愛子
  • アーデン×恵里
  • ノクティスとの日常side
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