面白さを求めるな。
これは一生を使った報復。
退屈さだけを極めろ。
転生させた神に時間の無駄だったと感じさせろ。
これは、くだらない俺と言う人間の、くだらない報復だ。

もしも神以外に私の生き様を観測する者がいるなら残念だったね。
私の生涯は100%退屈だ。
悪いことは言わないから、回れ右したまえ。
ゲームでもやっていたほうがいい。
時間の無駄だからね。



―――――――さあ、退屈しろ。





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誤字報告ありがとうございます。
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神様転生?ムカつくから平凡に生きる

神様転生ってご存知だろうか?

神様がなんかミスして、誰か人間の寿命消し飛ばして殺しやがって、申し訳ないからとか世界のバランスがとか適当な理由で転生させるやつ。

二次創作とかだと喜び勇んで転生して、異世界でチート使ってウハウハで、ハーレムとかも作ったりするな。

テンプレってそんな感じだろう。

 

 

 

 

 

だが俺は激怒した。

 

 

 

 

 

俺は文字通り普通の高校生だった。

普通に両親がいて、普通に友達もいたし、気になる女の子もいた。

明日の予定もあったし、来月発売予定のマリオハザード8だって予約してあるんだぞ。

特筆するような内容じゃないし、内容だって薄っぺらだ。

当たり前だ。本当に普通の高校生なんだから。

でもだからこそ、普通に生きるのに執着だってある。

冗談じゃない…なんで俺が殺されなきゃいけない?

この際死因なんてどうだっていい。

死んだんだろ?トラックだか鉄骨だか隕石だか知らんが死んだんだろ?

 

 

 

 

 

特典をくれるっていうなら生き返らせろ。

 

 

 

 

 

出来ないとか言われた。

死んだ人間は生き返れない?

神様だろ何とかしろ。

暖簾に腕押しとしか言えない反応。

もういいわかった。転生してやる。

…妙に生き生きし始めたなこのクソ神?

常に見守ってる?

良い転生ライフを?

そうか、よくわかった。

これあれだな。こいつの娯楽で転生させられるやつだな?

 

 

 

 

 

 

だから俺は、この時決意したんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいつの予想を超えてやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッピーエンド?違うな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッドエンド?違うな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハーレム?違うな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作死亡キャラ生存?違うな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンチ・ヘイト?違うな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作改変?違うな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は吉良吉影のように生きてやる!

 

見ていて退屈な平凡人生を歩む!

 

どこまでも植物のような心で退屈に生きてやる!!

 

 

 

 

容姿も性別も前世のまま。

特典は王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)一方通行(アクセラレーター)、霊力S、霊力制御能力EX、デバイス開発技術SS。

転生先、海鳴市。

原作名・・・・・・・魔法少女リリカルなのは!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転生してからは、常に息を潜めるように生きていた。

引っ越そうかとも思ったが、子供から始めたんだぞ?

子供の言葉で引っ越す親がいるわけないだろ。

妙な子供と噂されてたら計画が破綻する。

常に植物のような心を忘れないように生きねぇとな。

・・・口調も吉良吉影にあやかって変えてみようか。

 

子供が野球をしている?

無理に入らない。むしろ無視だ。

呼ばれたら入って適当に流して目立たない。

 

皆で写真を撮る?

位置取りに注意しなければ。

中央付近は避け、左から3番目くらいか。

 

クラスメイトがコンクールで入賞した?

質問の輪に入らねば。最前列には入るまい。

後ろから2列目くらいがちょうどいいか。

 

運動会をやる?

3位くらいで、ほどほどに走って見せよう。

玉入れは皆が投げるタイミングに合わせなければ。

 

今流行りの映画がある?

見に行かなくては。映画好き共に勧められる前に。

話題に遅れず、ありそうな感想をうまくまとめておかなければ。

 

新型の携帯電話が発売する?

1~2年ほど型落ちした黒の携帯を常に心がけている。

古すぎず新しすぎないタイミングで、また携帯を故障させなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作が始まったか。

公園が破壊されていたらしい。

間違いなく原作開始だ。

まあ、私には関係ない話だがね?

何故かって?当然の疑問だろうな。

 

 

 

 

なんせ私は、私立聖祥大付属小学校なんて通っていないからね。

 

 

 

 

受験の話は両親の間で当然出ていたさ。

悪いが落ちてやったよ。

ありがちな凡ミスを連発し、しかしある程度の点数は心掛けた。

恥ずかしながら、言葉を話し始めるタイミングが、一般のそれより若干早かったようでね。

痛恨のミスだった。

おかげで神童だの天才だのと、両親に持て囃されてしまって、軌道修正に多大な労力を要したものだ。

だがこれで両親も、神童だの天才だのが幻想だったと認識してくれたことだろう。

以降は普通の公立小学校に通っているよ。

原作キャラ?接触すら断っているさ。

図書館には近寄らないし、病院のご厄介にならないように気を付けている。

甘いものが苦手だということにして、翠屋自慢のシュークリームはおやつの選択肢にも上がらない。

動物アレルギーということにして犬猫はとにかく避ける。

サッカーよりも野球派としておき、サッカー部に入る可能性そのものを潰しておく。

好きな武器にしても剣より銃としておけば、剣道道場に関係することもない。

 

 

 

 

毎日ニュースを確認することも、日課としてあるから不自然な行動でもない。

ふむ、どうやら巨大な木が現れて消えたようだね。

ストーリーは原作通りに進んでいるようだ。実に重畳。

たしか数日後に、夜の繁華街で次元振が起きるんだったかな?

夜は補導される可能性があるから、いつも通り自室に籠っているとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数か月が経過した。そろそろ二学期が始まる。

無印で私が関係しそうな部分なんて、最初の動物病院、神社の巨大犬、サッカー部の巨木、夜の繁華街程度のものだ。

全て回避したとも。

時空管理局とも接触していない。私には魔法資質はないからね。

霊力が魔力と認識されないことは最初に確認済みだ。

問題はこの後だ。

最難関のA’sが始まる。

魔力を持たない私が騎士達の襲撃に遭わないことを祈るが、不可能ならば躊躇いなく全てを差し出そう。

彼女らに襲撃されたその他大勢となるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予想通り騎士達から襲撃を受けた。

歳相応の子供らしく怖がって泣き叫んで見せ、リンカーコアらしきものを引き抜かせてやる。

あれは霊力のコアに相当するのだろうか?

まあいい。

闇の書は同じ相手から二度は取れないという設定だったはずだ。

これでA’sで乗り越えなければならない点はあと一つとなった。

そう、クリスマスだ。

リンカーコアを持たないアリサ・バニングスや月村すずかが結界内に取り残されるというイレギュラーが発生する。

おそらく私も取り残される側なのだろう。

だがこれは、長年かけて準備しておいた策がある。

 

 そ う 、 旅 行 だ 。 

 

この歳の子供がよく見る特撮のイベントを、他県のテーマパークでやるのだ。

珍しく私がねだって見せると、両親はやる気になった。

こういった我儘をあまり言わない子として過ごしてきた。

ゆえに、珍しいからこそ応えたくなる心理を利用させてもらったわけだ。

苦労したものだ。

毎週特撮番組を見て、野球を見て、有名どころのタレントに大して面白くもないのに笑って見せたり。

クリスマスにやるであろう、いずれかのイベントに旅行で出かけるためとはいえ、疲れるものだ。

クリスマスを終えれば、地球で残るイベントはただ一つだ。

Strikersでスライムを捕まえにミッドチルダから主人公たちがやってくる。

だが問題ない。その時点で私は大学生だ。

他県の大学へ行けば、それでこの世界での私の原作介入ポイントは消え去る。

Vivid以降に地球関連の描写はなかったはずだし、ここまでくればもう問題ない。

あとは最期まで吉良吉影のように目立たず、記憶に残らないように静かに、植物のような心で余生を過ごすとしよう。

特典など、生涯一度も使っていないし、使わねば死ぬような状況が来ても使わずに死んでみせよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちの戦いはこれからだ?

 

 

 

違うよ。

 

 

 

全く以て違う。

 

 

 

私の戦いは始まりすらさせなかった。

 

 

 

これで物語は終わりだ。

 

 

 

見ているかい神様?

 

 

 

 今 終 わ っ た ぞ ?

 

 

 

 



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