ドラクエ勇者の能力を持った一般人がホビットの世界で無双するだけの話   作:空兎81

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エスガロスとエレボールって名前似てない?

 

『いたゾォ!!ドワーフどもダァァァッー!!!!』

 

どうも、ナノです。エルフの森を出ようとしている我等ドワーフ一行にまたしてもオーク達が襲いかかってきた。もうあいつら本当にしつこいな。一晩水につけずに置いてしまった油汚れ並みにしつこい。油汚れならジョイ先輩で綺麗になくなるのに。オーク達もジョイ先輩でゴシゴシしたら消えてくれないかな。

 

 

「ドワーフだ!オークどももいるぞ!後れを取るなっ!」

 

 

そしてさらに白銀の矢が乱れ飛ぶ。オーク達だけでなくエルフも追って来たようだ。ドワーフ一行は人気者ですね。まったくもって嬉しくない。

 

現在我々は樽に乗りながら川を漂流している。なんでかって言われたら森を歩いているときにオークに襲われて逃げている時にたまたま川に行きついてなんかわからんが樽が流れてきたからそれに飛び乗ったというわけだ。なんで樽が流れてきたのかとかは知らん。エルフ達がお祭りでもしてたんじゃないの?

 

オークと戦闘してたらエルフも追いついてきた。なんかこちらを狙うエルフの矢も殺意に満ちているんだけどなんでだろう?さっき眠らせたの怒っているの?え、ラリホーしただけじゃん。ご自慢の銀髪燃やしてハゲにしたわけじゃないんだから許してよ。エルフはプライドが高い。

 

そんなわけで戦闘が始まったわけなのだが皆それぞれ樽に乗りながらめっちゃ頑張って戦う。飛び降りようとするオークをトーリンが丸太に斧投げて縫い付けたり流されながら丸太の橋から落としたりはちゃめちゃだ。あとボフールが樽で転がりながらオーク倒してローリングハンマー決めてた。きっとこれがボーリングの起源となるのであろう。

 

でも何より凄いのはレゴラスだ。ドワーフを踏み台に川をあっちらこっちら渡って百発百中。オーク?乗り物ですよ?的なノリでのオークソリによる華麗なる移動。一本の矢で二体のオークを貫く。レゴラス無双です。

 

え?そんな中わたしが何をしていたかって?アストロンで身体を鉄にして樽の中で縮こまっていましたがなにか?

 

いや、だって仕方ないんだって。オークもエルフもわたしを目の敵にして全力で矢を射ってくるんだもん。『魔法使いダァ!!奴を殺セェェッ!!!』『また眠らされるわけにはいかない。まずはあの魔法使いを狙うのだ!』って感じで両陣営から狙われまくりでつらい。

 

最初は頑張って杖で弾いたりギラで燃やしたり応戦してたんだけど無理でした。だって30本くらいわたしに向かって矢が飛んでくるんだぞ?むりぽよ。

 

どうしようもなかったので自分にアストロンかけて樽の中で大人しくした。アストロンは身体が鉄のように硬くなる守りの魔法なんだけどかわりに動けなくなる。たまに樽の中に矢を射ちこまれたりもしたんだけどチクリとするくらいだった。アストロンすごい。

 

暫くすると辺りが静かになった。どうやらひとまず追手を撒けたらしい。川の下流に着き樽から這い出る。矢を喰らいすぎてハリセンボンみたいになっているぞこの樽。

 

 

「ナノ!よかった!無事だったのか!」

 

 

「あんなに矢を射たれてたから心配したんだよ」

 

 

「なんとか。身体を硬くする魔法使ってたから無事だったよ」

 

 

「ほう、そんな魔法があるのか」

 

 

「かわりに全く動けなくなるけど」

 

 

「おい!キーリ!キーリが怪我をッ!!!」

 

 

誰かの叫びにそちらを向くと腕を抑えているキーリがいた。え、キーリ!?怪我したの!?

 

 

「キーリ、腕見せて」

 

 

「ナノっ、大丈夫だっ」

 

 

やせ我慢をするキーリを無視して腕を見る。何故ここで意地を張る。怪我は怪我だ、男ってやつはもう。

 

すぐさま『ホイミ』をかける。あ、レベルが上がってベホイミ使えるようになっているな。こっちにしよう、『ベホイミ』!ん?治りが悪いぞ?

 

 

「うわっ、これ毒だ」

 

 

「毒だと?!大丈夫かキーリ!!」

 

 

「平気だ。ナノの魔法のおかげでで大分良くなった。行けそうだ」

 

 

キーリは大分良くなった顔色でそういうがそれでもまずい。毒ってことはずっと命を奪っていくということだ。毒を消さなければずっとキーリを蝕み続ける。

 

え、ドラクエって毒消しの呪文なかったっけ?あったよね?勇者覚えれなかったっけ?まだレベルが足らないの?ちょ、やばい。キーリをこのままにはできないぞ?なんか、なんか、都合よく毒消し草とか落ちてない?

 

その時岩場の上に人の気配があった。ドワーリンが丸太を構えると丸太を打ち抜きキーリが石を振りかぶると石を射抜く。え、弓の腕やばくない?エルフですか?

 

男の名前はバルドといい、湖の街エスガロスの民だそうだ。バーリンが交渉してこっそりエスガロスに入る段取りをつけてもらう。無愛想だけど悪い人ではなさそうだ。うん、だから喧嘩越しに食ってかかるのはやめようよドワーリン。見ててハラハラします。

 

バルドに支払う代金はトロールのところで見つけた財産で払った。ちょっと臭いかもしれないが許してくれ。たぶん価値は変わらないよ。

 

樽に入って魚を入れられなんとかエスガロスに忍び込む。

 

バルドの家に行って武器とも農具ともいえないものをもらって領主の家に忍び込んで、

 

領主に見つかってエレボールの宝を分かち合うことと引き換えに武器や食料をもらって山へ向かう。だけれども全員が山に行けるわけではなかった。

 

 

「扉が開くのをどうしてもこの目で見たい。立ち会いたいんです、叔父上」

 

 

「キーリ、休め。後でこい」

 

 

キーリは受けた毒をまだ浄化できていなかった。このままでは危険と判断されエスガロスに残れと言われた。

 

だけどもキーリはエレボールが戻るその場にいられないのは苦痛だという。だけどもキーリの顔色は明らかに悪い。

 

結局キーリと数人はエスガロスに残ることになった。

 

 

「キーリ、大丈夫?わたしも残ろうか?」

 

 

「いや、ナノはエレボールへ行ってくれ。魔法使いがいた方がドラゴンへの備えとしては有効だ」

 

 

毒は消せないけど体力は回復させられるからキーリの側にいたかったんだけどそう言われてしまうと仕方ない。どっちが危ないかって言われたらエレボールだもんね。戦力は多い方がいいでしょう。……ドラゴンと戦うことになるかもしれないのか。めっちゃつらい。やっぱりエスガロスに残りたいです。

 

皆でエレボールの山を登り地図の場所までいく。ここに鍵穴を使える場所があるはずなのだけど見つからない。皆で手分けして探すけど見つからない。

 

ドゥリンの日の最後の灯りが鍵穴に差し入るとのことらしいが壁全体が明るいだけで鍵穴はない。

 

そうこうしているうちに日が落ちた。辺りが暗くなる。ドワーフ達は気落ちし諦め鍵を投げ捨てその場を去ろうとする。秘密の入り口を探す術を失ったからだ。

 

いやでも諦めるのちょっと早すぎない?場所はたぶんここであっているのだから最悪謎解きできなくても虱潰しに探そうよ。切腹する武士だってここまで潔くないわ。

 

というわけで諦めの悪いわたしとビルボは壁を調べて鍵穴を探す。うーん、ないな。この大きな壁から小さな鍵穴を探すって割と無謀な気がしてきた。わたしも諦めの良い子になりそう。

 

その時コンコンと何かを突っつく音がした。なんだろう?と首をそちらに向けるとコツコツと木の実を突くツグミがいた。こんなところにまで餌取りに来たりするだね。いや、まて、ツグミってなんか重要な役割なかったっけ?

 

ビルボも『ツグミ…』と呟くとハッとした顔で空を見る。雲が動き月がひょっこり顔を覗かせるところだった。

 

瞬間暗闇の中壁が明るく照らされる。月明かりは淡く壁全体を照らしていたがやがて細く収束すると小さな窪みを照らした。覗き込むとそこには……小さな鍵穴があった。わあああっ!!!

 

 

「鍵穴!鍵穴あった!」

 

 

「最後の灯りは月の光だったんだ!おーい、戻ってこーい!鍵穴があったぞ!」

 

 

叫びながらビルボがトーリンの投げ捨てた鍵を探す。キョロキョロと辺りを見渡しながら歩き回っているとキンッと何か金属音のするものが弾かれ転がる音が聞こえた。え、待って、それ鍵じゃね?うわあっ!鍵が落ちる!??

 

バンと強く地面を踏みしめる音がした。転がる鍵につけられていた紐を足で踏みつけそれ以上転がるのを防ぐ男がいた。トーリンだ。トーリンは足元から鍵を拾うとこちらへ向かってゆっくり歩いて来る。いつの間にかドワーフ達も戻ってきていた。

 

トーリンがゆっくりと鍵穴にくすんだ銅色の鍵を差し入れる。ガチャリと鍵が回った。

 

そのまま力強くトーリンが岩肌を押すとドドッと音がしてぽっかりと扉が開く。エレボールの内部へといく扉が開いたのだ。

 

はい、というわけで無事中へ入る道は見つけたので後は王の証であるアーケン石を持ち帰るだけだ。でも中にはドラゴンもいるんだよなぁ。つらい。

 

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