リリカルなのはStrikerS ~悪魔と魔王と罪の記憶~   作:台風一過

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第14話 誤解と不安

時は再びしばらく遡る。

 

「フェイトちゃん、話があるんやけど」

 

はやては、フェイトに通信を開き、話を始めた。

 

『どうしたの?はやて、改まって。はやてらしくないよ?』

「それはひどいんとちゃう?」

『ごめんごめん』

 

そしてコントな一幕を終え、本題に入る。

 

「まぁ、ええんやけどな。ほんで、話っちゅうのは地球に帰省せえへんかっちゅうことなんよ」

『地球かぁ。最近帰ってなかったからなぁ。行く行く』

 

フェイトは、はやての提案に即答し、今から楽しそうにしている。

 

「フェイトちゃんやったら、そう言うと思っとったで」

『なのはも行くんだよね?』

「それがな、なのはちゃんはうちらとは別行動なんよ」

『そうなんだ……』

 

はやての答えに残念がるフェイト。

 

「せやけど、なのはちゃんがいつ行くんかは知っとるからそれに合わせて向こうに行こうと思っとるんや」

『あっ、サプライズだね?』

 

しかし、はやての次の言葉に、フェイトは表情をパッと輝かせた。

 

「おぉ、さすがフェイトちゃんや。話が早くて助かるわ。それにな、うちの知り合いもその時期に地球に行く、言うとるからな、様子を見にも行きたいんよ」

『へぇ、はやての知り合いかぁ。男の子とか?』

「なっ、ちゃ、ちゃうよ。てか、なんで教えなあかんのや?」

 

フェイトの何気ない質問に、はやては明らかに動揺していた。

 

『へぇ、はやてにも気になる男の子とかいるんだ』

 

そして、フェイトはそれを意地悪く拾って突っ込みを入れていく。

 

「ち、ちゃうよ。あいつはそういうんやなくて…あいつ見とるとなんか心配になって、ほっとけなくなるんよ。…なんちゅうか、そう!弟みたいなもんや。別にそれ以上でもそれ以下でもあらへんよ」

『ふぅん。まぁ、はやてがそう言うならそういうことにしといてあげる』

「フェイトちゃん意地悪やぁ」

 

はやてがショボンと机に倒れ込むのを見てフェイトは和んでしまっていた。

 

『はやて、かわいいよ。じゃあ、また細かい日程とか決まったら教えてね』

「………分かった…」

 

はやては、次会ったときに根掘り葉掘り質問攻めにあう(しかもなのはも加わって)のが目に見えて、気分が落ち込んでいた。

 

◇◇◇

 

そう、今、はやてとフェイトはなのはに内緒で地球に帰省している。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

カランコロンと小気味よい音を立てて扉を開け店に入る。

 

「いらっしゃいませ」

「ただいま~」

「あら、なのは。お客さん来てるわよ?」

 

なのはが帰ってくるなり、なのはの母親はニュースを届ける。

 

「え、そうなの?」

「ええ、お家の方に上がって待ってもらってるから早く行きなさいよ」

「は~い」

 

なのはは誰だろう?と考えながら店の奥、要は家に向かって歩いていく。

 

「ほら、ジルヴェスも」

「あ、はい」

 

ジルヴェスも、なのはに言われてついていく。

 

「あら、君カッコいいわね。……でも、そうか。へぇ、なのはがねぇ………あんなんだけど、なのはをよろしく頼むわね?」

 

と、その途中で、なのはの母親に小声で囁かれるジルヴェス。なのはの母親はどうも二人の関係を誤解してしまったようだ。どう誤解したのかはあえて言わないが。

 

「い、いや、そういうのではなくて───」

「ほら、早く早く!」

 

慌てて否定しようとするジルヴェスだったが、なのはに急かされてしまい、ほとんど何も言うことは出来なかった。

そして、結局母親の誤解を解くことは出来ず、さらになのははそのことを知らないまま、その場がうやむやになってしまった。

 

◇◇◇

 

「なのはに伝えてなかったから、やっぱり居なかったね」

「せやな。けど、お母さんの言っとったことやと、休憩時間に外にフラッと行っただけらしいやん?すぐ帰ってくるんとちゃうかな?」

 

フェイトとはやては、なのはの母親にあげてもらい、なのはの家のリビングでまったりしていた。

 

「そうだね。でもなのは、ナンパとかされてたりして……」

 

フェイトが少し心配そうに呟く。

 

「えー、それはないんやないか?」

「それはひどいんじゃないかな……?」

 

それをあっさり否定するはやてを少し非難するように言葉を重ねるフェイト。

 

「だって、なのはちゃんやで?」

「なのはかわいいから、ナンパされちゃうよ?」

「なのはちゃんはかわいい。ほんまにかわいい。せやけど、経歴と日頃の教官ぶり、一見したあのSっ気を考えたら声かけづらいやん。うち、なのはちゃんに声かけられるんは勇者かただのバカとさえ思っとるんよ?」

 

はやての言葉に、フェイトは数瞬黙り込み、話し出す。その顔には苦笑いが浮かんでいた。

 

「………確かにそういうとこあるかもしれないけど、言い過ぎじゃないかな……。それに、ここはミッドじゃないからなのはがどんなところにいる人かはほとんどの人が知らないよ?」

「そうか。そうやった。それやったら、ナンパも十分あり得るな……」

 

フェイトの指摘に、はやても同意し、「なのは被ナンパ説」が有力になりつつあった。

 

「それに、なのはってナンパとか断れなさそうなタイプだよね……ダメ、心配になってきちゃった」

 

フェイトはあれこれ考えてしまい、不安になっていた。

 

「もう、フェイトちゃんは心配症やな。なのはちゃんなら大丈夫やって。断れなくてもほんまに危なかったら抵抗出来るし、そもそも、そんなになる前に戻ってくる。なのはちゃんはしっかりしとるんやから(というか、なのはちゃんってやり過ぎそうやな……)」

「そ、そうだよね。なのはだもんね」

 

しかし、はやての図太い(?)考えで、フェイトの不安も多少無くなっていた。

はやてはさらに失礼なことを考えていたりもした。

 

「そうそう。うちらは、首長くして待って、なのはちゃんをびっくりさすんやから」

「そうだね!」

 

二人は、この話題を切り上げて、おしゃべりを続けてなのはの帰りを待っていた。




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