リリカルなのはStrikerS ~悪魔と魔王と罪の記憶~ 作:台風一過
ガチャッ
「お客さんって誰かな」
なのはは玄関の扉を開けながらジルヴェスに訊く。
「いや、俺に言われても分からないですって」
ジルヴェスはなのはに苦笑いしながらつっこんでいた。
「にゃはは、そうだよね。どこかな、リビングかな?」
なのははリビングの方に足を向ける。
◇◇◇
「フェイトちゃん、なのはちゃん帰って来たみたいやで」
玄関の扉を開ける音を聴こえて、二人はなのはが帰って来たのを感じた。
「うん。でも誰か一緒みたい。男の人……?」
「んー、どうなんやろ。でもとりあえずドアの陰に隠れようや」
いたずらを思い付いた、そんな悪い顔をしてはやてはフェイトに話を持ちかける。
「うん………ちょっと面白そうかも」
フェイトもついそれにノっていた。
二人はこそこそとリビングの扉の陰に隠れた。
◇◇◇
「ただいま~」
なのはは意気揚々とリビングに足を踏み入れる。
「………今や…」
「………うん…」
そして、はやてとフェイトがまさに背後から脅かそうと出ていこうとしたとき
「あ、危ない!」
ジルヴェスが何かに気付き、なのはに飛びかかる。
そして、なのはとジルヴェスはそのまま倒れ込んだ。
「いったたた……ジルヴェス、何するの?」
なのはは急に倒されてジルヴェスへと非難の目を向ける。
「いや、扉の陰に誰かいる気配がして……」
ジルヴェスに言われて、そちらに目を向けると、中途半端に出てきているはやてとフェイトの姿が。
「って、あれ?はやてちゃんとフェイトちゃん!?なんで?」
「げっ!?」
それを見て、なのはとジルヴェスはそれぞれ驚いていた。
「来ちゃった。なんちって。なのはちゃん、ごめんな。男の子連れ込んどるとは思っとらんか…………って、なんであんたがおるんや?」
はやては誤解をしてあわあわしていたが、ジルヴェスの姿を確認して、正気に戻る。いや、それどころか、一周回って再び動揺しているようでもあった。
「はやてさんこそなんでいるんですか?あと、別に俺はなのはさんの何でもないですよ」
「いやぁ、サプライズや、サプライズ。でも、ほんま驚いたわ」
「そうだよ。私も驚いたよ」
はやてとジルヴェスが話しているとフェイトが入ってきた。
「あれ、フェイトちゃんもジルヴェスと知り合いなんか?」
はやては、それを聞いて質問を投げた。
「うん…。まぁ、ちょっと色々あって…」
「ほう…」
はやてはニヤニヤしながらジルヴェスを見やる。
「何ですか?あんまこっち見てたら凍えさせますよ?」
ジルヴェスは半眼ではやてを睨み返していた。
「なんや、そこまで言わんでもええやんか!あんたいつまで経ってもうちになつかへんのな!」
「うるさいですね。そんなんだから嘗められるんですよ?」
「なんやと!」
二人とも言葉だけ見てると仲が悪そうだが、二人とも会話を楽しんでいるようにも見えた。
「二人とも仲良いんだ」
だから、なのはは二人を見て素直にそう思った。
「そんなこと言うたらなのはちゃんの方が仲良さそうやんか」
「え?なんで?」
はやての言葉に疑問符を並べるなのは。
「いや、なんちゅうかこう、いつまでくっついとるんかな、思うてな」
はやては、どことなく言いにくそうにしながら指摘する。
「あっ!気付かなかったよ……ごめんね、ジルヴェス」
「あ、いえ大丈夫です」
なのはが謝るが、ジルヴェスは内心役得に思っていた。
「でも、なのはちゃん、すごいな」
「何が?」
「いや、こいつ人に心開かへんから…」
「うん、なのはすごいよ。私は結局何も出来なかったから……」
フェイトは少し苦い顔をしながら言い加える。
「いや、フェイトさんすいません」
「ううん、別にジルヴェスくんを責めてるわけじゃないの」
「でも、謝ります。すいません」
ジルヴェスははやてに対するのとはまるで違う対応だった。
「にしても、なのはちゃん、どうやったんや?」
「どうって、特には何もしてないよ?」
「俺が根負けしただけです」
「はぁん、そういうことやね。なのはちゃん、時々強引やもんな」
はやては全部分かった、そんな顔を浮かべていた。
「ニヤニヤしないでよ、はやてちゃん。別に変なことはして、ないもん……ねぇ、私してないよね、ジルヴェス?」
「え、まぁどうですかね。すごく積極的だったような」
ジルヴェスも笑いながら、なのはに不利なことを言う。
「ジルヴェスまで?もういじわるだよ…」
なのはがいじけているのを見て、ジルヴェスは、やっぱりかわいいなぁ、なんてことを思っていた。
「学長の言ってた通りだったな……」
フェイトはなのはやはやてと楽しそうに騒いでるジルヴェスを見て学長に言われたことを思い出し、呟いた。
「何か言われたんか?」
はやてはそれを聞いていてフェイトに訊ねる。
「うん。私は迷子になったエリオを助けてくれてジルヴェスくんと出会って、何とかしたいなって思ったのね。それで学長を通してジルヴェスくんと話をしたりしたんだけど、そのとき学長にジルヴェスくんには私のただの優しさよりもなのはの強引さの中にある優しさが必要なんだって言われたの」
フェイトはかいつまんではやてに説明した。
「へぇ、学長先生はすごいんやな。なんでもお見通しや。けど、ほんまあいつ生き生きしとるなぁ。やっぱなのはちゃんの魅力なんかな」
「うん…でも、なのはだったら納得しちゃうかな」
「あ、その顔は」
「いや、別に」
「ほんまはジルヴェスの支えになりたかったっちゅう顔やな?」
「でも、いいんだ。ジルヴェスくん楽しそうだからね」
フェイトはジルヴェスが楽しそうになのはと話をしている様子を見ながらはやての言葉に答えていた。
「ふぅん。まぁ、ええねんけどな。というか、驚かせるつもりが、うちらが驚かされてしもうたな」
「うん」
「ねぇ、フェイトちゃんとはやてちゃん、聞いて。ジルヴェスがひどいんだよ?」
「なんや、ジルヴェスが何したん?」
なのはに言われて二人もなのはとジルヴェスの方に行った。
その後、しばらく4人は色々話して楽しくしていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます