リリカルなのはStrikerS ~悪魔と魔王と罪の記憶~   作:台風一過

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第17話 寝起きにドッキリ

「あ、ジルヴェスおはよう」

「おはようござ……」

 

ジルヴェスはなのはに挨拶を返す、その途中で言葉を詰まらせた。しかも、視線を一気に外す、というか、顔を背けた。

 

「ん?どうしたの?」

 

会うなり顔を背けられたなのはは、実は少し傷付いていたりする。

 

「どうした、は俺の台詞です!その、なんと言いますか…」

「はっきり言いたいことがあるなら言ってよ」

 

そして、もごもごしているジルヴェスになのはは少しイラッともしていた。

 

「その…服を……着てもらえますか?」

 

ジルヴェスはなのはのイライラを感じたのか、顔を背けたまま、言いにくそうになのはに頼んだ。

 

「え?…………っ!」

 

言われて、なのはが自分の姿を確認すると、そこでようやく自分の今の格好──なのはは、下着にシャツを着ているだけというラフと言うか何と言うか、なんとも無防備な格好をしているのである──を理解して、慌てて自室に去って行った。

 

「あ、焦った……」

「よう、少年。大変だったな」

「え?」

 

ほっと息をつくと同時に突然声をかけられて、ジルヴェスは驚いて。しかも、その相手が誰か分からなかったから、思い出そうと頑張って記憶を辿る。

 

「ああ、自己紹介がまだだったな。俺はなのはの兄の恭也だ」

 

そんなジルヴェスの様子を見て、彼に声をかけてきた恭也は自己紹介をしてくれた。

 

「お兄さんですか。初めまして」

 

自己紹介を受けて合点がいった様子のジルヴェスは彼に挨拶を返す。

 

「君がジルヴェスか。母さんから話は聞いてる。でも、『お義兄さん』じゃなくてよかった」

「え、ええ……」

 

恭也の言葉にジルヴェスは戸惑いながら答える。

 

「母さんは誤解してるみたいだけど、昔からああだから相手にしないでくれな。それと、なのははあんな感じで鈍感てか、無防備てか、そんなだけど、良い子だから仲良くはしてやってくれ。あいつすぐ無理するし、あいつの周りって男がほとんどいないから、色んな意味で心配なんだ」

「はぁ……」

 

ジルヴェスは恭也の真面目な言葉に返す言葉が見つからなかった。

 

「そう言えば、ジルヴェスの年齢はいくつだ?12、3くらいか?」

「そうですね………一応は…」

 

ジルヴェスは何故だか言葉を濁しているのだが、それに気付いていないのか、はたまた気付いていて敢えて触れないのか、恭也は気にしていないように言葉を続けた。

 

「ちょっと早かったかな、この話は。まぁいいや。とりあえず、なのはをよろしく」

「わ、分かりました」

 

ジルヴェスはオドオドした様子で返事をした。

 

「お兄ちゃん、何やってんの?ジルヴェス怖がってるよ」

 

するとそこへなのはが着替えて戻ってきた。

 

「ちょっとな、男同士の話だ。それより、なのは、自覚を持てよ?相手が子供だと思ったら痛い目見るからな。さっきのジルヴェスみたいに、自制出来るやつじゃなきゃ襲われてるぞ」

 

恭也はなのはに釘を刺すように言った。

 

「わ、分かってるよ!ただ、ジルヴェスがいるってこと忘れてただけだもん。じゃなかったらあんな恥ずかしい格好で動き回らないよ……」

 

恭也の前で子供っぽいなのはを見て、ジルヴェスはほっこりしていた。恭也はジルヴェスと話して、なのはを注意して満足したのか、そのままどこか別の部屋に行った。

 

「そう言えば、他の二人はどうしたんですか?」

「あの二人はまだ寝てる。きっと疲れが溜まってたんだよ」

「へぇ」

 

ジルヴェスはニヤニヤ顔を浮かべながら返事する。

 

「ジルヴェス、変なことしたらダメだよ?」

「やだなぁ、そんなことしませんよ。ちょっとしたいたずらですよ。い・た・ず・ら。どうですか、なのはさんもやりますか?」

 

なのはが釘を刺すと、ジルヴェスは逆に悪巧みに誘ってきた。

 

「え?………いたずらってどんなこと?」

 

なのはは、止めた方がいいと思いながらも、何を企んでいるのか気になってジルヴェスに訊いてみた。

 

「それはですね───」

 

ジルヴェスはなのはの耳元に口を寄せて、「いたずら」の内容を言葉にした。

 

「えっ?ほんとにやるの?大丈夫かな…?」

 

ジルヴェスの言葉に心配になるなのは。

 

「まぁ、あの人なら平気じゃないですかね。それに、なのはさんだって昨日いたずらされたんですからおあいこですよ」

「ジルヴェスのおかげで、未遂だったけどね」

 

びっくりしたことに変わりはないけど、となのはは苦笑を浮かべている。

 

「まぁ、いいんですよ、細かいことなんて。楽しければそれでおっけーです」

「でも、ダメだよ……」

 

ジルヴェスの言葉に魅力を感じつつ、でもやはり、ジルヴェスのやろうとすることをなのはは止めようとする。

 

「なのはさん、楽しそうだとは思いませんか?」

「う………ちょっとは思うけど……」

 

しかし結局、ジルヴェスの言葉に、なのはは少し同意を示していた。

 

「ならやりましょう。早く行動しないとはやてさんが起きてきちゃうじゃないですか」

「しかも、仕掛けるのははやてちゃんにだけなんだ……」

「ええまぁ。はやてさんはリアクションがいいんで。それに、フェイトさんはちょっと申し訳なさが…」

「そうなんだ…」

 

ジルヴェスの言うことに、少しだけなのはは引いていた。

 

「ってことで、早くはやてさん用のドッキリを準備しますよ」

「ほう、誰にドッキリを仕掛けるって?」

「………え?」

 

いざ行こうとしていたところで掛けられた、なのはのものではない声に、ジルヴェスは恐る恐る振り向く。

 

「ジルヴェス、あんたも偉くなったもんやなぁ。え?」

 

するとそこにはやはり、はやての姿が。しかも、どことなく怒っているようでもある。

 

「…すいません」

 

それを見て、ジルヴェスはすぐさま謝る。彼ははやてに頭が上がらないのであった。

 

「謝ればええのや、謝れば。それにしても何をするつもりやったんか?」

「……実は、かくかくしかじか、こんな感じのことをしようかなって」

 

はやてに訊かれて、少し躊躇ったものの答えることにしたジルヴェス。

 

「ふ~ん……って、そんなことしたらうち死んでまうわ!あんた、うちを殺す気なんとちゃうか!?」

 

ジルヴェスの答えに、はやては全力で突っ込みを入れていた。

 

「やだなぁ、俺がそんなことするわけないじゃないですか」

「そう、やな……それにしても、なのはちゃん起きるの早かったんか?」

 

と、そこでふと思い出したようになのはのことに、はやては触れた。

 

「え、なんで?」

 

どうしてそんなことを訊かれたのか理由に思い当たりがなくなのはは聞き返した。

 

「いや、ちゃんと服を着とるから」

「や、そ、それは!」

 

そして返ってきたはやての指摘になのはは動揺を露にした。

 

「ははーん、なのはちゃん、恥ずかしい姿ジルヴェスに見られたんやろ?」

「ぎ、ぎくっ…………」

 

さらなるはやての言葉に、なのはは顔を引きつらせた。

 

「あ、図星や。まったく、なのはちゃんは隙だらけやなぁ」

「そ、そんなことないもん。き、今日はたまたまだもん」

「強がっとるなのはちゃんも可愛いで。なぁ、ジルヴェス?」

 

はやては唐突にジルヴェスに話を振った。

 

「え?まぁ、そうですね。可愛いら───」

「ジルヴェスはな、な、何を言ってるのかな?。私は『白い悪魔』なんて言われてるんだよ?強いんだよ?怖いんだよ?恐ろしいんだよ?」

 

ジルヴェスはまったく油断していたから、何も考えずに答えていた。

それを途中で遮って、なのはは慌てたように言葉をまくし立てた。

 

「確かにその話聞いたことあります」

「うん……しくしく……もうお嫁にいけない……」

 

そして、自分から言い出したのに、ジルヴェスが「白い悪魔」の話をすると、なのはは落ち込んでしまった。

それを見て、ジルヴェスは慌ててフォローを入れることに。

 

「あ、で、でも実際に会ってみたらなんて言うんですかね。イメージとのギャップで、なのはさんって可愛いんだな………って、何を言わすんじゃ、この狸!」

 

言ってる途中で恥ずかしくなって、ジルヴェスははやてに八つ当たりをする。

 

「なんやて?誰が狸や、誰が」

「……すいません…」

 

だがしかし、凄みを利かせた、はやてのガンにジルヴェスはすぐさま謝った。

 

「分かればええのや、分かれば」

「あははは……」

 

それを見ていて、なのはは苦笑いだった。けれど、その顔は、先ほどのジルヴェスの言葉で、どことなく、赤く染まっているようにも見えた。




ここまで読んでいただきありがとうございます


ところでなんですけど、この主人公のジルヴェス、早くもキャラがぶれていそうで怖い…………いや、言うほどではないと思いますが。
色々と抱えた人物にしたいんですがあまり暗めにすると他キャラとの掛け合いがなくなるので…………

まぁ、どうでもいいことですね。失礼しました


それと、今さらではありますがお気に入り登録をしてくださっている方々が増えて参りました。ほんとありがたいと言いますか、嬉しいですね。
途中グダグタになることがあるかもしれませんが見捨てないでくださると幸いです。

では突然の長いあとがきもこれくらいで終わらせることにします。
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