リリカルなのはStrikerS ~悪魔と魔王と罪の記憶~   作:台風一過

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第52話 活動開始

 

 

 

「今日からようやく本格始動や。長いようで短かったし、色々あったな」

 

感慨深げな表情を浮かべ、はやてがリィンに向かって語りかける。

 

「はいです!」

 

そして、リィンは元気に返事をしていた。

 

「それにしてもリインにぴったりの机が見つかって良かったで」

「はい、ぴったりですぅ。……そろそろなのはさんたち来るですか?」

 

リィンはそう言いながらも自分用のミニチュアな机に幸せそうな表情で顔を擦りよせていた。

 

「せやな、もうそろそろやと思うけど───」

 

    コンコン

 

「来たみたいやね。どうぞ~」

 

ちなみに、はやてのこの言葉と同時にリィンはガバッと起き上がっていた。

その表情もそれまでのニヘラっとしたものからキリッと凛としたものに変えていた。

 

「失礼します。……本日付けで機動六課配属になりました高町なのは一等空尉であります」

「同じく、フェイト・T・ハラオウン一等空尉であります」

 

と二人ともかしこまっているが、あまり堅苦しい空気は好きでないというか、この場はかしこまる必要がないと考えるはやては

 

「よろしくな~」

 

と軽く返した。

 

「ようやくだね、はやての夢だった部隊指揮」

 

フェイトもそんなはやての気持ちを汲み取ったのか、軽く言葉を続けた。

 

「まぁなー、せやけど、まだ始まったばかりや。ちゃんと結果を残さなあかんわけやし」

「そうだね。そのためにもフォワードの子たちはバリバリ鍛えちゃうよ」

 

えへへ、と笑いながらなのはは言う。

その楽しそうな、けれど、見方を変えれば、非常に歪んだ見方をすれば、狂気に満ちているような様子を見て、はやてとフェイトはフォワードにご愁傷さまと心で呟いていた。

 

「よろしく頼みます。せや、もう一人フォワードとして呼んどるのがおるんよ。けど、色々あってちょお遅れるんよ。だから来たときにはよろしくお願いな」

「うん。それで、もう一人って誰?」

 

なのはは首を傾げて訊いた。

 

「それは内緒や」

 

はやては内緒と言ったが、実際に来るかどうかの確証は実は彼女にはなかった。

 

「はやてのいじわる~。でも、楽しみにしてるよ」

「その子も教導のし甲斐あるかな」

 

まだ見ぬ、もう1人のフォワードに胸躍らせなのはは顔を輝かせていた。

 

「どうやろう…でも優秀ではあるんやないかな」

「………すいません、お話のところよろしいでしょうか」

 

そのとき、突然若い青年が部屋へ入ってきた。

 

「ええよ」

 

という、はやての返答に対し、なのはとフェイトはこの人誰?みたいな目で見ている。

 

「あぁ二人とも、グリフィスくんよ。レティ提督のとこの」

「ああ!あのときの子か。大きくなったね」

「そうだね、こんなだったもんね」

 

と、言いながら身長150センチくらいを表現するフェイト。

 

「その節はお世話になりました。………報告をしてもよろしいでしょうか」

「問題ないよ」

「では……フォワード4名ならびにスタッフ全員、集合しましたのでその連絡を」

「了解や。そろそろ行こうか」

 

はやてのこの言葉で彼女たちは部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん、はじめまして。機動六課課長ならびに総部隊長の八神はやてです。新人でまだまだこれからという、可能性に満ち溢れたフォワード陣。豊富な専門知識を持ったメカニック、バックヤードスタッフ。そして、実績と実力ともに文句なしの指揮官陣。私はこの部隊で一緒に仕事が出来ることを嬉しく思います。では、長い挨拶は嫌われるのでこの辺で」

 

  パチパチパチパチ

 

はやては拍手の中、台から降りた。それと入れ代わるようになのはが台に上がった。

 

「スターズ分隊長の高町なのはです。フォワード陣のみんなには頑張って教導していくのでよろしくお願いします。優秀な先輩たちを見て将来の糧としてください。スタッフの方々もよろしくお願いします」

 

  パチパチパチパチ

 

と、はやてとなのはの挨拶があった。

他の人の挨拶はここでは割愛する。

 

 

 

 

スバルは少しの期待と胸いっぱいの不安の中、新しい部隊での生活が今日から始まることに、何か大切なものを手に出来る、そんな予感がしていた。

 

「(八神部隊長が何やらもう一人フォワードとしてこの部隊にやってくるとも言っていた。どんな人なのかは教えてもらえなかったけど、すぐに合流するらしいから楽しみに待つとしようかな)」

 

そして、スバルはそう心の中で呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう自己紹介は済ませたのかな?」

 

六課構成員の顔合わせの後、フォワードメンバーの4人はなのはに連れられて移動をしていた。

 

「え………あ───」

「はい、名前と経歴とスキルの確認はしました」

 

緊張からスバルが言葉に詰まってしまっているとティアナがすかさずフォローをした。

 

(ありがとう。やっぱりティアは頼りになるね)

(仕方なくよ、仕方なく。それに高町分隊長が話してるでしょ、集中しなさいよ)

 

念話でティアナにスバルはお礼を言った。

 

「あと、分隊分けとコールサインもです」

「そうなんだ。じゃあ、すぐに訓練に入って大丈夫だね」

「「「「はいっ」」」」

 

フォワード陣4人ははっきりと返事をした。

 

「じゃあ、まずはランニングしてきてもらおうかな。隊舎の外周を1周(ここの外周は10キロだから、大体1時間かからないくらいかな。でも、エリオとキャロにはキツいかも。基礎体力を見るにはいいかもしれないけど……)」

 

なのはは軽い感じで結構な距離のランニングを課した。

 

「スバルとティアナは二人のことも一応気にしておいてね」

「「はいっ」」

 

2人は任せてくださいと言うように返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(みんなが走りに行ってる間にシャーリーを呼んでおこうかな)」

 

なのははそう心の中で呟くと、目的の人への通信を開いた。

 

「シャーリー、早速だけど訓練をするからこっちに来てもらってもいいかな」

『はいはーい、今すぐ向かいまーす』

「うん、よろしく。だけどそんなに慌てなくても大丈夫だよ」

 

待つこと40分でシャーリーは来た。

 

「そんなに慌てなくていいって言ったのに。デバイスの調整をすることを考えると早いよね」

「いえいえ、普通に来ましたよ?」

「ならいいけど……デバイスの方はセット終わってる?」

「はい!バッチリですよ~」

「じゃあ、みんなが戻って来るまでに最終確認済ませておこうか」

「そうですね」

 

そこから10分でフォワード4名が戻って来た。

スバルとティアナは他の2人に合わせたのか、まだまだ余裕がありそうだけど、エリオとキャロは意外と速いということが判明した。

 

「みんな速いね。ちょっと意外だったな。じゃあ、訓練に入る前に軽く紹介しておくね。息を整えながらでいいから。……こちら、メカニック班のシャーリー。みんなのデバイスの調整とかをしてくれるよ」

「よろしくね~」

 

シャーリーは軽い感じに手をひらひらさせて挨拶をしていた。

 

「「「「よろしくお願いします」」」」

「じゃあ、訓練に入ろうか」

「えっ?あの…………ここ何もないですよね?」

 

スバルがきょとんとしてそう言うと、待ってましたと言わんばかりに顔を華やがせてシャーリーは口を開いた。

 

「ふっふっふ、なのはさん完全監修のもと作成された六課自慢の空間シュミレーターがあるんだよね~。ちょっと見ててね」

 

と言って、コンピュータを操作するシャーリー。すると……

 

「あ!」

「すごい……」

 

都市部の街並みを再現した空間が出現した。

 

「建物は非殺傷設定でも壊せるよ。それと、今から返すみんなのデバイスにはデータ記録用のチップを入れてあるから少しだけ丁寧に扱ってね」

 

そうして機動六課で最初の訓練が始まった。

 

 

 

 

 








ここまで読んでいただきありがとうございますm(__)m
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