リリカルなのはStrikerS ~悪魔と魔王と罪の記憶~ 作:台風一過
この一個前の話をミスって投稿してました…………すいませんm(__)m
やらかしました……訳の分からない状態だったと思います。
話を正しいものに差し替えてあるので、よければ読み直してください。
これからもよろしくお願いします
戦いは両者とも様子見をし、初めは膠着状態にあった。
しかし、徐々にユナが力を出し始め、ユナが優勢となる。
「いつまで、様子見をしてるんだ!それはハンデのつもりなのか?なめるな!ユナはお前なんかに負けない!」
一向に攻めに出ないジルヴェスに対する言葉は、どうしてか、感情的過ぎるようにジルヴェスには思われた。
「なめてなんかないよ。ただ、君のスキルがちょっと手強いと思うから考えてるだけ」
「な、なぜ分かる!?お前の前でスキルを使ったことはないはずだぞ」
ユナは言葉から窺える通り感情的になっているようで、ジルヴェスの言葉に動揺してしまっている。
「まぁ、それが俺のスキルだから。でも、この前〈チェイス〉のスキルを使ったんじゃないか?」
「……………」
「でも、このままじゃ埒があかないからそろそろ本気でいくよ」
そう言うとジルヴェスは魔力を高めた。
「負けるわけにはいかないんだ!」
「………《ウォーターツイスト》!」
ジルヴェスは水の竜巻を発生させ、それでユナを呑み込ませた。当然、ユナは水に呑まれている。
しかし、ユナは衝突の際の打撃によるダメージはあるものの、水に呑まれていることを全く苦にしていない。
「……やっぱり。君のスキルに名前を付けるなら〈アダプション〉ってところだろ?」
ジルヴェスはそう言いながら、水の竜巻を消した。
「…………」
「君はスカリエッティと協力して何がしたいんだ?」
「そんなことお前には関係ない」
威嚇するようにジルヴェスを目で牽制しながら刺々しい口調でユナは言い放った。
「いや、きっと俺は君の助けになれる。君と俺は『同じ』だから」
「別に助けなんか求めてない!ユナには博士がいる……」
そう言うユナはどこか強がっているように思えた。
「ユナ、君はスカリエッティにいいように利用されているだけだろ」
「……そ、そんなこと分かってるさ!だけど、博士はユナを認めてくれてる。だからこそ利用さえする、違うのか!?」
「…………」
ユナの言葉にジルヴェスは反論出来なかった。
自らの為すことの善悪を棚上げにしてでも誰かに認めてもらいたい、必要とされたいという想いに、彼もまた共感出来るところがあった。
「それに、博士はユナに自由をくれた。お前ら管理局はユナに何をした?……自由を奪って好き勝手に『実験』して、ユナをモルモットにしただけじゃないか!そんなお前らにユナを救うことなんて出来るはずないだろ!」
「それは違う。君はスカリエッティに騙されてる」
ユナの想いには共感出来たが、それに続く言葉を聞いて、ジルヴェスは反論した。
「何が違うと言うんだ?言ってみろ!」
「君を『実験』の対象にしていたのは管理局じゃない。それは違法研究所だ。確かに君を救い出せなかった。だから管理局を恨むのも仕方ない。だけど、だからと言って全てを管理局の責任にして報復しようとするのは賢明じゃない。恨んでばかりじゃ前には進めないんだよ」
彼の言葉にはきれい事ではない重みがあった。
それをユナは曖昧に、薄々とではあるが、感じ取った。
「管理局員のお前の言うことを聞けと言うのか?」
けれど、それでも彼を信用するしないの葛藤を繰り広げないわけにはいかなかった。簡単にはそれまで築き上げてきた価値観を壊すことなど出来はしないのだから。
「ああ、信じてほしい」
「……………」
「だからまずは君を保護するよ」
そう言ってジルヴェスはユナが逃げ出さないように対魔導師用の手錠で自分とユナの手を繋いだ。
「な、何をする!?」
「だって、逃げ出そうとするでしょ?」
「こんなことをすれば余計に信用されないってことが分からないのか?」
ユナはジルヴェスを少しは信用しているところもあったのに、その本人が自ら信用を裏切るような行動をとったことで混乱していた。
「さて、どうだろう。少なくとも俺は信用した、いやさせられたかな」
「は?」
と、ユナを連れて歩いていると通信が入った。
『久しぶりだね』
「スカリエッティ……」
通信の相手を知るとジルヴェスは顔を露骨にしかめた。
『そうだ、ユナは捕まったみたいだね。まぁ、大して使えなかったから正直要らなかったんだ。だからあげるよ』
「ふざけるな!」
ジルヴェスの表情の変化を意に介さず、さらにスカリエッティは爆弾を投下した。そして、それはジルヴェスの怒りを買うには十分だった。
『まぁまぁ、そう怒ることじゃないだろう』
「何だと……?」
『そうそう、ユナは基本的に何も知らないから情報源にはならないよ。無駄な時間を使わないよう、気を付けてくれたまえ。これが言いたかっただけだからね、これで失礼するよ』
「あ、おい待て!」
ジルヴェスが叫ぶも通信は切られた。そして、その通信の内容は当然ユナに全て聞かれている。
「ユナ…」
「……結局、博士にとってもユナは『道具』で、要らないものなんだな……」
現実を突き付けられ、ユナからは悲壮感や絶望感が漂っている。
「そうだな」
「っ!」
ジルヴェスはそんなユナを見てなお、追い討ちをかけるがごとくユナの言葉を肯定した。
「だけど、俺はユナが要らないなんて思わないし、まして『道具』だなんて思わない。確かにある面から見れば、ユナは人造魔導師だから、造られた『もの』なのかもしれない。でも、ユナには感情があって、自分の意志で行動するんだろ?自分にとって譲れないもののために他者と衝突することもあるだろ?それでも自分を『道具』と言って、自分から自分を否定するのか?そんなの間違ってるだろ。だから、自分で選んで決めろ。自分がこれからどうするのか。スカリエッティに復讐するんでも管理局に報復するんでもいい。ユナが自分で決めて自分の力で行動するなら俺は止めない。でも、管理局と敵対するなら容赦なくそれを妨害させてもらうけどね」
「……………」
ユナは黙ってジルヴェスの言葉を聞いていた。
「まぁ、俺の言葉を信じるかどうかもユナの自由なわけだけど」
「……信用していいのか?お前らを信用していいのか?」
そして、恐る恐る口を開く。
その目は不安に支配されていた。
目に映るもの全てが信用出来ないという精神状態の中、最後の希望としてジルヴェスにすがる。
「ああ、俺は何があってもユナを守る。ユナのスキルを管理局が利用しようとするなら全力で阻止する。約束する」
だから、ジルヴェスは心からの言葉をユナにぶつけた。
「分かった。だけど、全部を信じたわけじゃないからな!嘘だと思ったら管理局を潰す」
「ああ、承知した。だけど、ユナにはその力を人のために使ってほしい。まぁ、とりあえず帰ろう」
ジルヴェスは手錠を外し、ユナを連れてはやてたちのもとへ向かった。
ユナの瞳は、少しだけ明るさを取り戻せたようにジルヴェスは思った。
「ジルヴェス、この娘は誰や?」
はやてとヴィータにレリック確保の連絡を入れ、合流すると、早速はやてに訊かれた。
「レリックの捜索中に出会いました。密猟の疑いで声をかけたんですけど、実は考古学に興味があって森の遺跡を探索して歩いていただけでした。ホント失礼なことをしてしまいました。……あ、ちゃんと謝りましたよ?そんな疑い深い目で見ないでください。あと、遺跡でレリックを発見したようです。なのでとりあえず保護してきました。ただ、素性が不明ですし、当分の間は六課で保護でもした方がいいかと」
「何でや?」
ジルヴェスの進言にはやては疑問を呈す。
「いや、まぁ、勘ですね。それに、なかなか面白い娘なので。あと」
ジルヴェスは一旦言葉を切って続ける。
「……なんか、謎めいている方が楽しいでしょう。秘密ははやてさんの大好物ですよね?」
「なんや、その言い方は。なんか癪に障るわ」
「でも、間違ってないんじゃないですか?」
どうなんですか?というジルヴェスの視線に負けたのか、はやてはため息を吐きながら肯定した。
「……せやから癪に障るんや!」
「じゃ、よろしくお願いしますね」
そんな感じでユナの六課での保護は問題なく認められた。
ここまで読んでいただきありがとうございますm(__)m