ハイスクールSBR~堕天した花嫁~   作:不知火新夜

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今話で、7章(原作7巻の部分)は終了です。


93話_俺が変わった先に、貴方がいるなら…!

Side 大輔

 

「酷い、オーディン様ったら、酷い!私を置いて行くなんて!」

 

北欧から来日した、北欧神話の主神であるオーディンの爺さん、その命を狙って同じく来日した悪神ロキ率いる軍勢との戦いは終結し、元が新たなる力を得たり、俺が禁手『偽リノ太陽』に目覚めたり、この戦いで協力したX-LAWSから、メイデン、リゼルグ、ナナの3人が此処駒王学園に転校して来たり(尚、学年は白音ちゃん達と同学年らしい)した以外、今までと変わりの無い日常がまた始まる、筈だった。

だがまだまだ全てが終わった訳じゃ無かった。

オカルト研究部のソファーで号泣しているロスヴァイセさん、どうやら帰国して行った爺さんに、置いてけぼりにされてしまったらしい。

 

「リストラ、これ、リストラよね!私、あんなにオーディン様の為に頑張って来たのに日本に置いて行かれるなんて!どうせ私は仕事が出来ない、頭の固い女よ!彼氏いない歴=年齢の処女ですよ!」

 

いやいやロスヴァイセさんや、貴方が仕事の出来ない女だったら、世の中の女子は皆ダメ女になっちゃいますから。

そう慰めようと声を掛けようとしたが、爺さんが気付かない筈が無いのに連絡が無い当たり本当にリストラされたのだろう、その状況では逆効果になりかねないと思い留まった、というより、ロスヴァイセさんを何の言葉も無く首切りにした爺さんへの怒りでそれどころじゃ無くなった。

なんで此処までしっかりしたロスヴァイセさんを首切りにするんだろうな北欧の主神さんは、護衛に抜擢する事で一時の希望を与え、それをリストラで奪い取るとか何処のファンサービスだ!

 

「皆さん、本日よりリアスさんの眷属悪魔となりました、元ヴァルキリーのロスヴァイセです。至らない所は多いと思いますが、宜しくお願いします!」

 

と、怒りを抑える事で必死だったせいで、件のロスヴァイセさんが部長の眷属として転生した事に、俺達の仲間となった事に気付くのが遅れた。

後で良太達から聞いた話だが、悲しみに暮れるロスヴァイセさんに部長は駒王学園の教職に就く事を提案、更に色んな特典の書類を提示してロスヴァイセさんの気を引きつけ、挙げ句に自らの眷属となった際の将来像を、何時用意したんだと突っ込みたくなる程の出来だったらしいフリップで分かりやすく説明し、眷属に引きこんだらしい。

その時の部長の顔は、その場面を目撃していた皆揃って「正に悪魔」だったとか。

因みにランクは俺と同じ『戦車』、リストラされたとはいえ爺さんの護衛に就いていた程の実力者だ、眷属とするなら『戦車』程のランクじゃないとな。

 

けどそれなら、もう我慢しなくて良いよな?

もう俺の想いに蓋をする必要は無いよな?

 

------------

 

「急に呼び出してすいません、ロスヴァイセさん」

「構いませんよ、松田君。あ、あの時はありがとうございます。お蔭で助かりました」

 

あの時、というのはハティがロスヴァイセさんに向けて襲い掛かった事だろうか、あれは正直言って俺も何が何だか、という状態だったからな。

まあそれはともかく、オカルト研究部にてロスヴァイセさんが仲間入りした後、俺はロスヴァイセさんを此処、駒王学園の新校舎の屋上へと呼び出した。

呼び出した理由?んなもん、異性を人気のない所に呼び出して、なんてシチュエーションで考えられるのは一つしかないだろ。

 

「ロスヴァイセさん、単刀直入に言いますね。

 

好きです、ロスヴァイセさん!俺の、恋人になって下さい!」

「え…?」

 

唐突なタイミングでの俺の告白に、何処か戸惑った表情を見せるロスヴァイセさん、だけど其処に俺の悪名を知っているが故の嫌悪感は全く見られず、純粋に告白された事に戸惑っている様だった。

彼氏いない歴=年齢だとは聞いていたが正直冗談だと思っていた、こんな綺麗な人がそんな訳ないだろうとさ、まさか本当だったとはな…

正直、思い当たる節が無い訳じゃ無かった。

爺さんの視察、とは名ばかりの日本観光に引きずり回された俺達、その間も自由時間が無かった訳じゃ無く(あれだけの大人数が門前で待機していたら物々しいにも程がある為、というのもある)、その間ロスヴァイセさんの愚痴(主に爺さんに対する)を聞いていたりしていた。

勿論他愛のない話をしたりもしていたんだが、ロスヴァイセさんの口から出て来る話題はというと、日本の百円ショップの品ぞろえとか、手軽に出来る節約術だとか、そういった面ばっかりだった。

特に百円ショップで見つけたと言う雑貨の話となると物凄く上機嫌になっていて、その様子にイッセーは「某嵐を呼ぶ幼稚園児の母親が乗り移っている」、良太は「100均ヴァルキリー」と、周囲は残念な人という認識で一致していた。

俺から言わせれば物を、お金を大事にするしっかりした人に見えるんだが、この様子が男共を離れさせていたのかも分からない。

 

まあロスヴァイセさんの金銭感覚はどうでもよ、くは無くむしろそれも今回の要素に入って来るんだが、ロスヴァイセさんと初めて出会った時、俺はその美人でスタイルも良い彼女の俺好みな姿に、彼氏がいないという情報に、よしそれならとマークした。

正直その時、本気で好きになったかと言われれば否定するしかない、当時の俺はその姿に浮ついた想いを抱いていた、まあハニートラップに引っ掛かったと言うべきか?(え、引っ掛けたくなるガラじゃないだろうって?ほっとけ!)

ただガツガツと突っ込んでも相手にドン引きされるのは明らかだし、俺も彼女に関して殆ど知らない、だから最初は愚痴に付き合ったり他愛のない話をしたりと、少しずつ近づいて行こうと思い、それをやってきた。

そんな中で彼女の人となり(ヴァルキリーだから厳密には違うか?)を知っていくにつれ、彼女への想いが深くなるのを実感した。

俺は本気で、ロスヴァイセさんの事が好きになったんだと感じた、浮ついた想いは、『本当の想い』となった。

ハティがロスヴァイセさんを急襲した際に俺が禁手に目覚め、結果として彼女を救う事が出来たのも、その想いが実現させたのだと今では分かる、神器は使い手の想いに答える物、ならば俺の『ロスヴァイセさんを救いたい』という想いに反応してもおかしくはない。

 

だけど彼女は北欧神話の勢力に属する身、俺は冥界の悪魔陣営に属する身、冷静に考えると、恋人になるにはハードルが高すぎると痛感した。

増してや彼女は爺さんの護衛と言う要職、一方の俺は部長の一眷属でしかない、立場的にかなり高いハードルが待っているのは想像に難くなかった。

だから、正直言って諦めようと思った、今からロスヴァイセさんに告白するに相応しい地位となれる様必死こいても、その前に彼女が運命の相手を見つけるのが早いに決まっている、後々後悔するなら、と俺の想いに蓋をしようと思った。

だけど、彼女が俺達と同じく部長の眷属になったのなら、俺達の仲間となったのなら、そのハードルも無いに等しい、後は俺の決意のみ。

 

だったら、もうこの想いを偽りはしない!

 

「で、でも、私、オーディン様の言う通り堅物だし、女の子っぽい所も無いし」

「真面目でしっかりしている、という事ですよ。それに女の子っぽく振る舞おうとしなくても、ロスヴァイセさんは充分女の子です。いや、女性と言った方が良いな」

「それに彼氏が出来た事も無いからデートスポットとか、どんなプレゼントが良いかとか分からないし」

「俺だって分からないです。其処は知らない者同士、これから知って行けばいいじゃないですか」

「で、でも…」

「それとも、俺じゃ駄目ですかね?変態の悪名高い俺じゃあ…」

「そんな事ありません!松田君は素敵な人です!格好良くて、優しくて、強くて、頼もしくて!でも、私なんかが…」

「なんか、って言っちゃダメです。俺はロスヴァイセさんが良いんです!」

 

これが、俺の偽らざる想い。

今まで色んな女子に目移りしていた俺だけど、もうその日々にさようならだ。

俺にとってロスヴァイセさんこそが、運命の女性なんだ!

 

「本当に、私で良いんですか?松田君の、側に居ても良いんで(チュッ!)んむぅ?」

 

ロスヴァイセさんの問いに、キスで答えた。

俺の想いを精一杯伝える為に。

 

「ありがとう、ございます…!

私も、ロスヴァイセも、松田君、いや、大輔君の事が好きです!」

「!あ、ありがとう、ありがとう、ロスヴァイセさん!」

 

良かった、本当に良かった…!

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