「では、明日の任務のため今日は早めに終わります。」
「昨日みたいな雑用?」
「一応候補生の中ではちゃんとした実戦だったんですが…聞いた時は驚いたんですよ?明日の任務については明日全員に一緒に説明します。」
雪男が帰るのを見届け、私は布団を敷いた。
いつも通りの生活。
考えるとフラン達のとこに行く以外街に繰り出すこともない。
授業を受け、帰って寝るだけの生活。
はっきり言って暇過ぎる。
「何かないかな…」
具体的にはゲームのような便利な暇潰し。
明日他の候補生に聞いてみよう。
―――――
「漫画ねぇ…」
「雪男も読むしな。」
「ふーん…」
ゲーム程高くなく手軽なものはないかと聞いたら、漫画というものを進められた。
何か聞いたら、ゲームの物語のみを紙に纏めたものらしい。
それは面白いのだろうか。
自分で操作する方が楽しいのではないかと思うが、暇だし安いらしいし、買ってみようと思う。
他に初任務の話や、フードと人形を手に嵌めた子供の軽い罵倒を坊がしていた。
「…てか女子遅ない?」
確かにしえみと出雲が中々来ない。
「すみません!遅れました…!」
そこには着物ではなく、制服を着たしえみがいた。
どうやら出雲と、面識はないが元塾生の朴という二人に、制服の着方を教わっていたようだ。
その格好を見てデレデレになっている男子連中。
動じない雪男は教師として正解だが…正直この胸に目を奪われないのは枯れてるように思う。
というか羨ましい。
そう思うのは私もやはり女なのだろう。
まあこうデレデレになられたら気持ち悪いだけだが。
ふむ…そう考えると損しかないな。
過去にも考えた覚えもあるが、同じ結論だった気も…
「……」
「えーでは全員そろったところで、二人一組の組分けを発表します。」
今回の任務は二人一組で
組分けは三輪 宝、山田 勝呂、奥村 杜山、神木 志摩。
そして私は単独。
…何故?
「博麗さんには僕が付きます。まだ心配なことが多いので…」
「ああそうゆうこと。」
その後霊についての説明を終え、全員解散した。
―――――
「それで、霊っての探すの?」
「はい。」
他同様当てずっぽうで探すしかない。
「…こうゆうの面倒なのよね…」
いつもいつも異変の主犯を探して飛び回るし、結局魔理沙が先に着くこともあるし、見つからない時はとことん見つからない。
たどり着いたと思ったら主犯は実は紫とか、主犯を倒しても終わらないとか、面倒なことこの上ない。
「まあ勘頼りで行きますか。」
―――――
勘頼りで歩き回っていたら、雪男が少し席を外すと、別れた。
丁度子供の霊と、それを追うしえみがいた。
とゆうか突っ込んで来る。
「は、博麗さん!その子…」
「逃がすか。」
反射的に捕まえた。
と同時に、上から音がした。
上にあった…遊具(?)が崩壊し、三人の頭上に降ってくる。
『ぎゃはは!スゲー!えいがみたいだ!』
「しえみ、そいつ捕まえといて。」
「博麗さん?」
『ガアア!』
「!」
獣の雄叫び。
それも幻想郷にいたような類のもの。
その咆哮の直後、とてつもない地震が起こった。
(そんなに撃てないけど…)
私はこの程度耐えられるが、しえみはそうはいかない。
背にはらは変えられない。
「夢想封印!」
飛来する瓦礫を吹き飛ばす。
「平気?」
「あ、ありがとう…!」
『…あはは!』
霊は突然笑い出し、自分の生い立ちを喋った。
病気で寝床から出られなかった。
外でも遊べない。
叱られたこともなかった。
だっこしてもらったこともなかった。
だから楽しかったと言い、成仏していった。
「あっ…」
「……」
「…よかった…」
無事に成仏出来たことに対してか。
はたまた最後に楽しい思い出を作れたことか。
真意は分からないが、彼女は微笑んだ。
「そうだ!燐が!」
「?そういえば…」
「博麗さん!」
「あ、雪男。用は終わったの?」
「それよりケガは…」
「!燐!」
雪男よりも先に、へたりこむ燐を見つけ、しえみは燐のところへ駆け寄る。
手を差し伸べるしえみの手を、燐は払う。
余程精神的に弱っている。
「…兄さん…何があった…」
その雪男の問いを無視し、フードが燐の前に出る。
愚痴を言った彼女(?)は、おもむろに上着を脱ぐ。
「アタシは上一級祓魔師の霧隠シュラ。日本支部の危険因子の存在を調査するために―正十字騎士団ヴァチカン本部から派遣された、上級監察官だ。」
前回のフードは同一人物です。