「上級祓魔師…監察官…!」
誰が言ったかも分からない。
しかしかなり上位の者なのは一目で分かる。
(強い…!)
隙だらけに見えるのに、常に奥村燐という存在に対して気を張っている。
他者との対話中に別の対象を監視するのは言う程簡単じゃない。
燐の怪我を心配するしえみを放り、燐を連れて雪男と共に去って行く。
私達は解散の指示を受け、各々帰宅を始めた。
―――――
「……」
私は燐を連れて行ったシュラに対して…実に無関心だった。
確かに強いことは強いだろうが、おそらく私なら身体能力だけで圧倒出来る程度だろう。
それ以上に、私に恐怖を与えた存在。
『奥村燐』
遊具が壊れて落下してきた廃材、壊したのは燐だ。
正確には燐が戦っていた相手。
あの時私がいなければ、燐はしえみを助けていただろう。
燐は、青い炎の手を伸ばしていた。
妖怪でさえ生ぬるい獰猛さ、施設一つを破壊し得る能力、しえみを助けようとした青い炎。
それに抱いたあまり感じることのない感情。
(私が…殺されると思うなんて…)
博麗の巫女として、妖怪と戦うために、厳しい修行を成してきた。
その甲斐あって恐怖という感情が薄かった。
自分の強さに絶対の自信を持っていた。
しかし今は、自分の力が弱いことを理解して、無意識に自分を卑下している。
私が恐怖したのは、絶対に勝てないという絶望。
実力差の理解。
少なくとも奥村燐は、人間ではない何か。
今の私では絶対に敵わない五大老クラスの化け物。
「あれが人間なら私なんて可愛い方ね…」
私はそんなこと考えても、別に戦うわけじゃないと考え、早々に眠ることにした。
―――――
「霊夢~♪あ~そ~ぼ~♪」
「…フラン…ふふっ…まったくあんたは…」
「?」
この子は私が悩むのが馬鹿らしくなる程に無邪気だ。
人が自分の不甲斐なさを情けなく思ってるというのに、知ったことじゃないと笑いかける。
(しかも夜に平気でやって来るし。)
「霊夢~遊ぼ~よ~」
「分かったわよ。何するの?」
「えっとね~…」
―――――
先日の件があったのも関係なく、日常的に塾は始まる。
その中でも、一つだけ違うことがある。
「この度ヴァチカン本部から日本支部に移動してきました。霧隠れシュラ18歳でーすはじめましてー」
燐を連れて行った監察官が、また同級生として塾に通っていた生徒が、教師として塾に来たことだ。
勿論突然のこと、気になることばある。
勝呂が『何故生徒として通っていたのか』、『前任の教師はどうしたか』と聞くが、『大人の事情』で片される。
そんな中遅れて来た燐が、入り口で言い訳をしながら入って来る。
それからはいつも通り、勝呂と出雲が喧嘩したり、燐が馬鹿を晒し続けたり、何も変わらない日常。
燐のことやシュラが来たことなど、誰一人として気にしなかったのだった。
リハビリ…?いやオリの方書いてるからリハビリではないか…次は早く出します。ちなみにこれの半分は十日前には書いてました。……五人目…そろそろ書こうかな…