「霧隠流魔剣技…蛇腹化…『
シュラの剣は蛇のようにくねりながら、鋭い牙でアーサーを狙う。
しかしその剣をものともせず、アーサーはシュラの首に剣を当てる。
何故サタンの子を育てるのか。
前『
問答を繰り返す末に、燐はアーサーに連れて行かれた。
理事長は被告人として、シュラは参考人として、燐と…フランは重要な証拠として、裁判を行うという。
私達候補生は、雪男を引率として医務室へ向かう。
最後列にいた私、咲夜、雪男を除いて。
「行かせると思うの?」
「全くね。」
「博麗さん!?十六夜さん!?」
「フランは私の暇潰しになるのだから、連れて行かれるのは困るんだけど?」
「妹様をペット扱いしたことも許せませんね。」
「では、メフィストと彼女には、何の関係もないと?」
「あるわけないでしょ。」
「当然です。」
「……」
「アーサー、本当に何の関係もない。燐はともかく、二人はさっき候補生になったばかりだ。私らは大人しく付いて行くから、解放しろ。」
「…まあいいだろう。」
シュラの説得もあり、フランは解放された。
それで許される程、咲夜は甘くない。
誰の目にも留まらぬ速さで、アーサーの背後からナイフを突きつける。
私はそれを見慣れている。
咲夜の、『時間を操る程度の能力』だ。
「!?」
「主を獣扱いされて、怒りを抑える従者がいますか?」
「…これは驚いたな…」
正直私も驚いている。何せ私の能力さえ、まともに発動しないこの世界。
飛ぶだけさえ出来ないのなら、時を止めるのなど絶対に不可能だろう。
(後で聞き出す…でもとりあえず…)
「痛っ」
「殺してどうするのよ。」
軽く咲夜の頭をこずく。
「…そうね…」
「全く…とにかくフランを解放してくれたし、もういいわ。でも、これだけは覚えてなさい。私達に手を出すのなら、相応の覚悟をすることを。」
「…肝に命じておこう。」
そんなやり取りを終え、アーサーは燐を連れて去って行った。
「……」
「それで咲夜?色々聞きたいんだけど?」
「…神社にでも行きましょうか。」
私達三人は、候補生への説明を無視して、まずは神社へ向かうことにした。
事情は後から雪男に聞けばいいだろう。
―――――
「それで…何で能力使えたの?弾幕でさえまともに使えないのに。」
「能力を使うのは、霊力や魔力といった、所謂『気』のようなものなの。パチュリー様から聞いたけれど、それは簡単に言ってしまえば、どんな力も生命力らしいわ。」
「……てことは…あんた…!?」
「ええ。どんなに使い辛かろうと、とてつもない疲労と魂の摩耗、それさえ耐えれば、使えないことはない。」
「つまりそれは、寿命を縮めるような行為でしょ!?何あんなに軽く使ってるのよ!?」
「確かに怒りもあったけれど…確実に確かめなければならないことがあったのよ。」
「自分の能力で通用するか?それとも奴個人の力を確かめるとか?とにかくもうやめてよね!」
「ええごめんなさい。危険が目前に迫った時だけにするわ。」
「本当かしら…それで?何を確かめたかったの?」
「お嬢様の無事と、幻想郷の秘密保護よ。」
「…へ?」
「奴が私の能力に何の反応も示さず、ただ『速い』と考えたのは、お嬢様に関心が向けられていないから。雪男さんを疑うわけじゃないけど、お嬢様が無事かどうかは断言出来ない。」
「確かにレミリアが捕まって拷問でもされてたら、能力のことも幻想郷のことも知ってるはずだものね…それをあいつの耳に入らないのもあり得ない。」
「ええ。これでお嬢様の心配はしなくても平気と分かったわ。あとはさっき貴女が言った通り。私の能力で倒せるかどうかの確認。」
「成る程ね…つまり私達の能力は、個々の切り札になりうる。」
「…そろそろ雪男さんが来るかしら。」
「そうね。」
異世界から来たと雪男は知っているけれど、幻想郷の情報を聞かせるのは、あまり得策ではない。
雪男が来るまでに咲夜の能力誤魔化す言葉考えないと。
こっちは結構久しぶりな気しますね。実際一ヶ月更新してない…弐も十日前ですか…