東方異世界生活記 壱   作:ジシェ

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更新してなかった理由はありません。強いて言うなら寒暖差アレルギーで頭痛いくらい鼻水出ることです。一週五百円ティッシュが消えます。秋には頻度増やすので壱弐共々お許し下さい。なんなら対策教えて下さい今年初めてなって喘息も苦しいんです。…愚痴ってすみません。


第十八話

「……」

 

朝起きたら誰もいない。

騎士団連中も寺の人達も…咲夜達もいない。

 

「咲夜ー?フランー?」

 

呼んでも返答はない。

どうしたかと聞きに来る人もいない。

 

(これは…)

 

誰もいないと言うより、ここが私のいた場所ではないように感じる。

それこそ…紫が歪めた空間(マヨゐガ)のような…

 

「…?こんなところに扉…?襖じゃないの…?」

 

怪しさ満点の扉が一つ。

食堂に見覚えのない扉があれば誰でも気付く。

やはりここは少し違う所なのだろう。

 

「…ま…開けるしかないわね。」

 

何があろうと力尽くで蹴散らしてくれる。

そう思い開けた扉の先は、拍子抜けする程に見覚えのある場所だった。

 

「おや?最初のお客は霊夢だったかい。久しぶりだね。」

「…霖之助さん。」

 

幻想郷で魔理沙やアリスの家以上に通っていたであろう憩いの場。

しかして内装には少しの変化があった。

 

「これは?」

「今回のイベントに協力しているんだよ。君達に必要な時、必要な物を、一つだけ与える。代わりにその度、君達のいる世界から、納得いく物を僕は貰う。その約束で、彼女に協力しているのさ。」

「…ここにある物が、今私に必要ってこと?」

「どうだろうね。」

「…何よそれ。」

「生憎僕には君達の状況は分からなくてね。何が必要かは分からないのさ。」

「何の意味があるのよそれ…」

「言っただろう?君は必要な物を一つ選べばいいのさ。」

「……」

 

ガラクタの集まりのような場所を漁る。

とは言え必要なものなど検討も付かない。

そもそも向こうで今何が起きてるでもないのだ。

そんな時に用途も分からないガラクタを貰った所で…

 

「!」

「おや?何か見つけたかい?」

「ええ…」

 

何故か引かれるように手に取ったそれは、私には何かも分からないものだった。

しかし勘が働いたのか、これが必要なことだけは分かる。

 

「それは『倶利迦羅(クリカラ)』。用途は…降臨…ね…」

「降臨…」

「まあここにあるものはほとんど紫から聞いてるけどね。その剣は『倶利()羅』と同時に存在し、違う力を持った名剣らしいよ。君のいた世界には両方あったんだね。」

「…どんな力あるかは聞いてないの?」

「詳しくは聞いてないよ。収集物でもないし。でもこれだけは聞いたな…その剣の別称は、『降神剣』。文字通りなら神降ろし…君には最高の贈り物じゃないかな?」

「…成る程ね…ふふ…いいわ。これを頂戴。」

「毎度。…少しおかしいかな?」

「買ってないからね。とにかくありがとね。」

「頑張りな。また来ることを期待してるよ。」

「またね。霖之助さん。」

 

燐の降魔剣と同種のもの。

燐が力を使う時、剣を抜くことが恐らく条件。

それはつまり、燐の悪魔…サタンの子としての力を剣に封じているということ。

しかし封じるだけの剣かと思えばそれは違う。

生まれつき力を封じていたとも思えないし、剣そのものがなまくらだったとも思えない。

燐の力がなくとも名剣だったのは間違いない。

なら、別の力…例えば名前通り、悪魔の力を使えるのなら…

そしてこれが同じ力を使えるなら…

 

「…大禍津日神(おおまがつひのかみ)。」

 

そう言い、剣を抜こうとした…

しかしとてつもない悪寒と、悪い予感に、無意識に躊躇した。

今の私に、強力な神を降ろすことは出来ないようだ。

しかし戦闘で使う切り札には十分だろう。

予想通り神を降ろす剣として、私の力となった。

 

「さてと後は…」

 

この歪んだ空間からどう脱出するかだ。

 

 

 




紫は解放してくれませんでした。チュートリアルは大事。後香霖堂は最初からこうする予定でした。今は言えないけど他の人達に必要なもので手に入らないもの多いんで。なので霖之助は話には関わりません。あくまでお助けキャラであり紫の協力者です。

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