Level.1
私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ。
しかし今、私はとても驚いている。
魔法使いである私が魔法を使えないのだ。
「でも八卦炉は弱いけど使えんだよな~」
ちょっと雷が出るくらい。それだけ。
紫から説明は聞いたけど、どんな世界か分からない。
もう日が傾いてて少し暗い。
地図もらってこの場所行くよう言われたのによく分からない。
「道聞くしかないか。……おーい」
「?私ですか?」
「おう!ちょっと道聞きたいんだぜ!」
「えっと……その地図の場所ですか?」
「そうだぜ!目印の建物も分からないし参ったぜ……出来れば案内してほしいくらいだぜ!」
「あ……大丈夫ですよ。行きましょうか。」
「ありがとな!」
「いえ。そんなに遠くないですから。」
そう言って歩きだした。
本当に遠くなかったようで、紫に聞いた感じの家に着いた。
「案内ありがとうだぜ!今度あったら上手いキノコあげるぜ!」
「だ、大丈夫です。こんなことでお礼貰ったら駄目ですよ……」
「貰えるもんは貰っとくべきだぜ?とにかくありがとな!」
「はい。では…」
紫に言われた家に着いたはいいけど、勝手に入ったらまずい。それくらいの常識はある。
かといって家がたくさんあるここで叫ぶのもさすがに非常識。
(そういえばアリスの家に呼び鈴みたいなのあった気がするな。あるか?)
「…………お!これかぜ?」
押そうとした瞬間、中から鈍い音が聞こえた。
マスパで人壁に叩きつけたときと同じ音。
緊急性を感じて私はすぐさま扉を開けた。
声が上の方から聞こえた気がしたから、階段を上った。
廊下の奥を見たとき、子供と犬が部屋の外で座っていた。
声をかけようとしたその時、ヒステリックにも聞こえる声が、廊下まで響いた。
『あの子供と一緒にいても、あなたには災いしかふりかからないのよ!』
その言葉を聞き、子供は泣きながらこちらに来る。
「おい……?」
「………」
犬は少しこちらを見、子供は私には気がつかないかのように歩いていく。
「………」
心配で追おうとしたら、またヒステリックな声が部屋から響いた。
『私は…私はこの子を王に育て上げる!あなたが本を渡さないなら…その手をひきちぎってでも本を奪い、燃やしてあげるわ!』
(王?本?いったい何のことだぜ?)
気にはなったが、子供が心配な私は、すぐに子供を追いかけた。
階段の前に立ったとき、子供の悲鳴が聞こえた。
「うぁああああ!」
「!?」
「ガッシュ!?」
部屋から同い年くらいの少年が飛びだし、私を見て一度驚いたように動きを止め、すぐさま私に叫んだ。
「ガッシュは!?ガッシュはどこにいる!?」
「え?あ……」
「くっ!」
少年は階段をかけ降りた。
私も続いて降り、様子を見てみた。
そして見てみると、間一髪のところで子供をかかえて飛び退く少年の姿だった。
体から岩が生えた(先ほどの犬なのだろう)犬に、光輝く本。
二人が少し会話をした後、少年が犬に噛みつかれ、蹴り飛ばされた。
それから更に会話をし、フードの男がフードを取った。
その顔は笑っていた。
また再び犬が突進をし、少年達を襲う……が、子供の口から放たれた電撃によって吹き飛ばされた。
また二人は言い争い、子供が涙を流した。
そんな二人に向かい、容赦なく岩が飛ぶ。
私は八卦炉を取り出したが、使えないことを思い出し、手をおろした。
少年が子供を庇い、その岩に激突した。
血だらけになる少年の背中を見ても、私は動けなかった。
幻想郷で見慣れたものとは違う。
本当に命の危険がある戦い。
能力が使えれば助けられたかもしれない。
だが自分に今力はない。
いつもと何もかもが違う。
ただ能力が使えないだけで、私は命のやり取りも出来ないような臆病者だった。
霊夢の母が、妖怪と戦って死んだことを思いだした。
私は、ただ動けずに場を見ることしか出来なかった。
「あなたは、こんな戦いに、関わらない方がいいわ。」
女性と黒い少年は私の横を通り、そう呟いた。
黒い本は輝き、女性は何かを呟いた。
『レイス』
直後、犬は扉に叩きつけられた。
時系列は一巻ラスト位です。魔理沙男口調はちょっと原作より強めかもです。臆病設定はなんとなく他の二次制作で多いからです。入れてみました。そしてもう原作分かりますね?
なので原作名公開!
『金色のガッシュ!!』
予想させずすみません。出だし全く思いつかなかったんです。話し入る前だといつ入るか分からないし……
すみません。