犬が何かに吹き飛ばされ、扉を壊さんばかりにぶつかった。
私は唖然とした。
私の視界には何も映ってなかったのだから。
「俺の
「本を置いて失せろ…」
悲鳴を上げながら扉を開け、走り去っていった。
本を落とし、犬も残して消えていった。
「次はあなたね…」
そう言い、彼女は呟いた。
『グラビレイ』
その一言で、少年は床に突っ伏した。
まるで見えない何かに潰されているように。
「今ならまだ手くらいは動かせるわ…上から降りかかる力があなたの体を潰さないうちに、本を渡しなさい。」
「やな…こった……」
「そう…」
無慈悲にも力を増す女性に、少年は血反吐を吐きながら耐えていた。
『なぜ本をかばう!』――『なぜ私をかばった!』
『私は化け物なのだろ!?』――『私がここにいると、悪いことばかりおこるのであろ!?』
金髪の子は涙を流しながら、そんなことを叫ぶ。
「もう私には…友達はいないのだ……一人も…いなくなったから…もう…なにも悲しいことなどないから……」
その言葉を聞いて、私は思い出した。
家を出た時のこと。
一人で泣いていた、子供の時のこと。
手を差し伸べた、霖之助を。
「ちょっと待てぇー!」
「!?」
私は階段から飛びだし、少年達の前に立った。
私は女性に向き直り、こう言った。
「お前は酷い奴だ!二人を何も知らないで、小さい子供に悪いことばかり言う!この二人が何をした!?私には、親友同士みたいにしか見えなかったぜ……」
私は振り返り、子供に叫んだ。
「お前もそうだ!何が一人だ!お前を想う人がいて、何が悲しくないだ!一言くらい言い返してやれよ!友達がこんなに言ってるのに、ただ泣いてるだけじゃ駄目だろ!?」
「階段で震えていたくせに……随分と偉そうだな…」
「そうだ…私は震えてた……でもそれがどうした!?二人がこんなになって戦ってるのに、関係ないからって無視出来るか!これ以上二人を傷つけるなら、私はお前らを許さない!」
「チッ…シェリー…」
「………」
「シェリー……!」
「ブラゴ、一番大きいのをぶつけるわよ……」
「!…大丈夫なのか……?」
「これに対応出来なきゃ…どのみち他の誰かに殺されるだけよ…」
「おお……何かすげぇ光ってるな…やばそうだぜ…!」
「なぁあんた…あんたのおかげで…覚悟が出来たよ。」
「……へへ…」
「……ガッシュ!お前は俺の友達だ!化け物だろーが関係ねぇ!友達なんだよ!お前に助けられたでけー借りを返さなきゃいけねーんだ!戦えガッシュ!ずっとこの世界に残って、俺にこの借り返させやがれ!迷惑かかるから戦えないなんて言ってみろ!ぶっとばすぞ!」
「…うぅ…清…麿…」
「やるんだガッシュ!奴の背負ってるものなんか考えるな!お前が生き残るために……この世界にいるために!あいつらと戦うんだ!」
「ウヌゥ……!」
「………」
「シェリー」
「ええ……終わりにしましょう……」
黒い本は大きな輝きを見せ、少年の赤い本は…『金色』に輝いていた。
(!?…奴らの本…まさか…あの色は…)
「戦うぞ!」
「ウヌゥ!」
『ギガノレイス』!
『ザケル』!
(でかい!なんて密度のエネルギーだ!まさか…)
二つの巨大なエネルギーは相殺された。
煙のうちに、女性のもとへむかう少年に、私は気付かなかった。
「俺の赤い本は…あきらめな…てめぇが…何度来ても…渡さねぇぜ…今日みたいに……返り討ちに…して…やる…」
「き…清麿!清麿!」
「大丈夫。死んではいないわよ。」
「!」
「意識が戻ったら伝えておくことね。今回は見逃すけど……また、必ず本を奪いにくると…その時まで、その本を大切に守り生き抜きなさいと…赤い本を燃やすのは私達だけってことをね…」
「どういうつもりだぜ?」
「あなた……ただの気紛れよ…あなたもいつか本を手にしたら、生き抜きなさい…あなたたちを倒すのは……私達だけよ…」
「私はもう会いたくないぜ。」
「……そう…でも…また会いましょう…」
そう言い残し、二人は部屋を出ていった。
「とりあえず応急処置くらいしとくか?」
「ウヌ!」
――――
(すこし区切ってオマケ)
――――
「なぁ、高嶺って人の家って、ここで合ってるよな?」
「ウヌ!清麿は高嶺清麿というのだ!」
「合っててよかったぜ…起きたら自己紹介くらいするかな。」
「ウヌゥ私はガッシュ・ベルなのだ!」
「私は霧雨魔理沙だぜ!よろしくな!」
「よろしくなのだ!」
アニメではレイスは紫の玉で描かれてますけど漫画は清麿が見えないって言ってたので見えないとします。前書きと後書きは最初は長いかもですけどその内無くします。最初はこれでもお許しください。