「でっかい木ーーー!!
でっかい葉ーーー!!!
ワアーーーーー!!!!」
ガッシュがとてつもなくはしゃいでいる。
それは何故か。
私がいる場所、それは……植物園。
ガッシュの言う通り大きな木や葉がたくさん生えている。
ガッシュがはしゃいでいるのに対し、清麿は注意しているが、ガッシュは止まらない。
正直私も少し恥ずかしい。
―――――
数十分前
―――――
私は清麿に自分のことを説明していた。
異世界から来たこと、この世界のことを何も知らないこと、様々な事情を。
「そうか……多分親父にその…紫さんって人が説明したんだろうな。今度聞いてみるよ。まぁ何にしても、お袋があんたのこと気に入ってるし、追い出したりしないよ。」
「ありがとな!」
「ああ…さてと、次は俺達の方か。」
その後清麿から、ガッシュについてやあの時の戦いについてを聞いた。
千年に一度の魔物の王を決める戦い。
ガッシュはその候補の一人であり、本に書かれた術を唱えることで、あの時のような電撃が撃たれる。
本を燃やされると資格がなくなり、ガッシュは魔界へと帰ってしまう。
そんな会話をしていると、突然ガッシュが飛び込んできた。
「清麿!どこかへ連れていくのだ!?」
『……』
「公園行ってガキどもと遊んでろ!」
「急にどうしたんだぜ?」
「ウヌゥ……実はの……」
要約すると、ナオミという子に動物園に行くことを自慢され、とても悔しいからどこかへ連れて行ってほしい。
そういうことらしい。
「まあいいんじゃないか?清麿。私もこの町をもっと見てみたいぜ!」
「ヌオォー!そうであろ!?清麿!皆で遊びに行こうぞ!」
「たく……」
―――――
「ハハ、しっかし変わんねーな。日曜なのに数えるほどしか、人が入ってねーし……」
「なーにが変わらないって?」
「うおあ!?ハ…ハハ…お久し…ぶりです。」
突然後ろからやって来た女性は、清麿と知り合いのようだ。
とても親しげに話している。
「清麿、スキありー!」
「ぐおぅ!」
「コラ!」
ガッシュが草木を使って清麿に蹴りを入れたことで、女性はとても怒っていた。
それから急に笑いだして、今度は清麿が怒って歩いて行ってしまった。
「あいつ、いじめられてた頃、学校サボってよく来てたもん……」
「何!?」
「何の話しだぜ?」
「あんたは……」
「霧雨魔理沙だぜ!よろしくな!」
「あたしは木山つくし。よろしくね。しかし…あの清麿が女の子連れてくるなんてね。」
「いやぁー事情があって清麿の家で世話になってるんだぜ。」
「あんたも、清麿の友達かい?」
「ウヌゥ!魔理沙ももう友達なのだ!」
「…みたいだぜ?」
「なんか安心したよ。清麿が普通の中学生みたいになってて…」
「清麿は、いつもここに来てたのか?」
「たまにね。ここあいつなら100円で入れるし、時間潰すには丁度よかったのよ。まああたしも、本当は入れちゃダメなんだけど……」
つくしは少し思い悩む顔をして、話しを続けた。
「つらいときに逃げるところってのは必要かなーって……」
「…つくしは清麿を守っていたのだな?」
「そんなんじゃないよ。あたし実際何もしてないし……あたしが本当に守ってるのは、ここの植物達なの。みんな強いし、元気づけてあげればそのぶん、素直に上武になってくれる…みんな大切な友達よ!」
「つくしはいい奴だな。私も友達にしてくれぬか?」
「え?」
「私も友達にしてもらいたいぜ!」
「……もちろんよ。いつでも遊びにおいで。」
三人でほのぼのとした会話をしていると、突然園内に叫び声が上がった。
『ジュロン』!
園内のそこらかしこから悲鳴が聞こえる。
辺りを見渡すと、たくさんの人が太いツルに縛られていて、それは私やつくしも例外ではなかった。
「つくし!魔理沙!」
体の痛みで意識が薄れる中、男の声が聞こえた。
おそらく魔物の本の持ち主。
それもかなり性格の悪い奴だ。
このツルをどうにか出来ないか力を込めるが、縛られた状態では力が入らない。
その時、視界の端に偶然だがある『もの』が映った。
距離はあったし、目は開けているのが精一杯だった。
だというのに、まるで魅入られるかのように、私の瞳はそれを映した。
黒猫の人形を抱え、こちらをじっと見つめる少女の姿を。
『
そちらに気を移していると、ガッシュの術がツルを破壊した。
「魔理沙!歩けるか!?」
「…平気だぜ…」
「すまん…魔理沙、つくしを連れてここから離れてくれ。」
「二人は…」
「あいつを倒す!」
「……分かったぜ。」
「気を付けろよ。…つくし…スマネェ…少しだけ…あんたの友達を傷つける…」
「なら…謝る代わりにあいつらぼこぼこにしちまえ!」
「ああ!行くぞ!ガッシュ!」
「ウヌ!」
私は二人に背を向け走りだした。
―――――
「つくし、ここで少し休んでてくれだぜ。」
園の外につくしを寝かせ、私は園内を走った。
さっきの少女を見つけるために。
何故私が、ここまで引き寄せられるのか知るために。
―――――
どれだけ走ったかも分からない。
ガッシュ達は園内の人達を、全員助けることに成功したらしい。
既に縛られていた人達はいなくなっていた。
だが、それを確認した直後、清麿の叫び声が上がった。
少女は気になるが、清麿とガッシュがピンチなのを、無視して行ける程、私は恩知らずでもない。
私は考えもせずに、彼らの下へ走りだした。
―――――
私が着くと、清麿は締め上げられていて、ガッシュはぼろぼろになって床に倒れていた。
そして前には、敵の魔物とパートナーが、笑っていた。
私にはどうしようも出来ない。
これは魔物同士の戦い。
邪魔する方法も策もなく、無闇に入れば危険なもの。
だがこの戦いは、本が燃えればそれで負け。
ならと私は考えた。
少し雷を出す程度でしか使えないこの八卦炉でも人間相手なら使える。
あわよくば本を燃やせる。
そもそもがおかしかったのだ。
魔物が術を使えるこの世界で、どうして魔法は使えない?
私の中にある魔力はどうなった?
紫は、何故能力が完全に使えないものと言わなかった?
「答えは簡単だぜ…使えないわけじゃないからだぜ!」
私はありったけの力を込めて八卦炉を突き出した。
普段のマスパと比べてしまえば小さい。
しかし本を燃やすなら十分な雷を、私は八卦炉から放出する。
狙いがずれて本には当たらなかったが、本を持つ手に当たり、本の持ち主は本を落とした。
直後に疲労で倒れてしまったが、それは逆に運がよかった。
そのおかげで、清麿達にさえばれることがなかった。
意識を失う前最後に私が見たのは、ガッシュの盾が、相手の攻撃を跳ね返すところだった。
―――――
「……ん…うあ……?」
「ウヌ!清麿!魔理沙が目を覚ましたのだ!」
「……ガッシュ…?」
「魔理沙、大丈夫か?」
目を覚ました私がいたのは、高嶺家の客間。
私は自分の状態を確認した。
どうやら植物園から家まで運んでもらったらしい。
ケガというケガもなく、気絶したのが疲労のせいだと分かって、清麿達はほっとしていた。
「何かあったのか?」
「いや……うーん…分からなくなったぜ…」
「魔理沙。あの魔物なんだが、魔理沙が何かしたのか?」
「すぐ近くで倒れていたのだ。」
「パートナーも不自然に本を落としたし、魔理沙が倒れていたのも近くだったから……」
「あ、それはこれのおかげだぜ。」
「倒れてたときも持ってたが、それは何なんだ?」
「ミニ八卦炉だぜ!まぁ何故だか小さい雷しかでなくて、ガッシュが羨ましいぜ……」
「それがあいつの手に当たったのか…すごいな。」
「そんなすごくないぜ。ちょっとした電気だしな。それに……悪い…本も燃やせなかったぜ。」
「何言ってるのだ?私達はそれに助けられたのだ。だから謝る必要もないのだ。助けてくれてありがとうなのだ!」
「ガッシュの言う通りだ。魔理沙がいなきゃ勝てなかったかもしれん。ありがとう。」
「へへ……照れるぜ…」
その日はすごくいい気分だった。
アニメでは水野いましたね。漫画ではいないし、漫画準拠で。まだ水野を魔理沙に会わせてはいけない。あと場面の移り変わりは話し上結構あると思うので、まあご注意を。…魔理沙のキャラに違和感感じる。