二人が合流し、三対一の構図になる。
もしここに来たのがガッシュでなければ、撤退の選択肢が奴にはあったのだろう。
相手を嘗めているから、そういう妥当な判断も出来なくなるのだ。
そしてそれは、こちらにとっての大きなチャンスになる。
「『ザケル』!」
「ぐがあぁあああ!」
電撃が壁ごと敵を吹き飛ばす。
「さてと…ちゃっちゃか終わらして、早くライブ再開だぜ。」
「そうだな。ガッシュ!」
「当然なのだ!」
「………」
「ああ…ちょっとアミュ動けなそう。」
「…分かった。とはいえ…ザケルを二発まともに受けて、まだ平気そうだ。」
「…頑丈だな…ザケルの溜め撃ちって出来るのか?」
「分からん。が、もうそれしかない。ガッシュ。至近距離で全エネルギーをぶち込む。呪文のサポートはないと思ってくれ。」
「ウヌ!」
「よし!お前なら出来る!奴の攻撃でお前によけられないものはない!奴に組み付くつもりで突っ込めぇ!」
「オオオ!」
ガッシュの猛ダッシュが始まる。
鉄球、鉄柱、鎖まで…全てをかはして突撃する。
流石に手負いなためにかすりはしたが、ほとんどは回避しきっている。
そしてそれは、敵を怒らせた。
私達も言われた。
いつかは敵になると。
助ける意味などないと。
何故揃って邪魔をするのかと。
しかしガッシュから出た言葉は、そんな先のことなど関係なかった。
「かわいそうだったではないか!」
彼女は泣いていた。
コンサートを壊さないでくれと、涙しながら訴えた。
あざ笑って攻撃をした、お前を許さないと。
ガッシュの叫びは、涙する少女の心も動かした。
「クソ生意気な落ちこぼれがぁ!この技でくたばりやがれ!」
「『ギガノ・ガランズ』!」
「!?奴め!まだあんな技を!?」
「『マ・セシルド』!」
「な…な…このクソ女がぁあ!」
「やらせると思うか?」
殴打を繰り出す敵。
掴むガッシュ。
次の瞬間には、ザケルで焦げる敵の姿が。
「ふざけるなーー!なんで俺様がガッシュごときに倒されなければならん!」
やはり頑丈な魔物だ。
そんな相手を、私達が黙って見ているわけがない。
「『パペルク』。」
「…やっちゃえ……」
再度攻撃を繰り出される前に、聳え立つ人形の殴打が、魔物の顔面に決まる。
「落ちこぼれとか格下とか…そう言ってるから負けるんだぜ。窮鼠猫を噛むってな☆」
「……魔理沙……それじゃ…格下って…認めてるよ…」
「…確かに。まいいや。さ、本だしな。」
「っ…!」
「ありゃ…逃げた…」
「仕方ない。ガッシュ…『ザケル』!」
「ぐあぁあ!」
弱いとは言え電撃。
逃げようとした魔物のパートナーは気絶した。
悪人には丁度いい罰だな。
「終わったな。」
「ああ。さてと…」
清麿は少女とパートナーに振り替える。
…何か身構えているから、何考えてるか分かりやすい。
恐らく襲われると思ってるんだろうな。
そんなの気にせずに、清麿はコンサートに戻るようにと、ガッシュはお礼を、それぞれ言って去ろうとする。
それを少女が呼び止める。
何故敵に背を向ける。
ガッシュの答えは、いい奴だから戦いたくない。
王になれるのは一人だけというルールが、『仲間』という関係を失わせている。
しかしガッシュはそんなことどうでもいいのだ。
コルルのために、『優しい王様』を目指すために。
自分の信念を曲げないために。
―――――
女性…大海 恵はコンサートへ、少女…ティオは裏へ、それぞれ戻った。
清麿とガッシュは席へ。
私達はというと…舞台裏から見せてもらえることになった。
流石に席を他人から譲ってもらうのも無理だしな。
コンサートは…正直あんまり分からなかったぜ。
魔理沙にコンサートは分からない。ていうより別格の楽団いるし仕方ないって感じです。アミュは寝ました。