私は縁側でお茶を飲みながらぼーっとしていた。
町に行こうにも金銭の感覚がまだ微妙に分からない。
そもそも元々金がないのにここで使う金があるはずもない。
第一ここから見える町に行っていいのか分からない。
格好は?店は?何をしに?何もない。
案内してくれそうなのも雪男だけ。
結局は待つしかない。
塾も今日はなさそうだし。
「…能力でも試そうかな…」
紫が言うには使いずらいというだけで使えはするはず。
つまりいつもの数倍の力を込めれば使えるはず。
「ぐぅ……ぐぐぐ……」
(ただの弾幕くらい……)
いくつかの少弾幕を作ることに成功した。
使う力はいつもの三倍。
『夢想封印』並みの力が使えても、威力を抑えて五回、全力なら二回が限界。
幻想郷で霊力が切れることなんてなかったからなんとなくだが、おそらくこの程度しか使えない。
しかもここまで霊力を込めることがなかったので、発動までに時間がかかる。
ただの弾幕で三秒、『夢想封印』を使うなら十秒程かかる。
「これは…気軽には使えないわね。まさか溜めが必要とは……」
(そもそも何故ここまで使えないの?)
やはり疑問は出るが、おそらくこれは雪男に聞いても分からない。
なら答えは簡単。
「…面倒くさいから…考えるのやめよう。」
これが結論。
―――――
「博麗さん。いますか?」
「?雪男?」
「はい。約束通り来ました。」
「それで今日は何を教わるの?」
「とりあえずそちらに教材を置きましょうか。」
「教材?」
「はい。祓魔師についてある程度書かれた説明書…のような物と、祓魔塾の教科書類です。」
「ふーん……目を通した方がいいの?」
「まぁ…通した方がいいとは思いますが、おそらく理解が出来ないかと…」
「…確かに。」
「とりあえず先日の復習から入りますね。」
「ええ。」
それからお金について向こうとの違いを完全に覚え、相場などについて教わった。
その後町のどこに何があるか。
食料品の購入場所。
服屋などの生活必需品の売り場を聞いて、地図も書いてもらった。
その日の授業は終わり、帰る前に聞かなきゃいけないことをきた。
「とりあえず分かったんだけど、そもそもお金なんてないわよ?」
「紫さんから博麗さん用に預かってます。…全部渡すと三日も経たずに使いきると言われたので、月に五千円渡すようにします。食費だけなら平気だと思うので。」
「……紫が優しいのが不気味ね。いままでお小遣いなんてくれなかったのに。」
「いままでの生活が気になりますね…」
「…まあ酷かったと思うわよ?三日間絶食もたまにあったし。」
「よく生きてますね…」
「周りにいい奴が多くてね。本当に…恵まれてたわね。」
「………」
「まあお金はなかったから苦労したけどね。」
「働けば…こちらとは違うのか…」
「幻想郷にも仕事くらいあるわよ。」
「なら働けばよかったんじゃ…」
「面倒くさい」
「…え?」
「働きたくない。」
「……典型的駄目人間じゃないですか。」
「……仕方ないじゃない。博麗の巫女の仕事は異変解決よ?異変起きなきゃ暇よ。里で仕事探すなんて面倒だし。」
(いままでの生き方が窺える。というより…)
「とにかく、お金が少しでもあるのが嬉しいのよ。お酒は飲めないけど、こっちの世界の食べ物気になるし、色々買うわ。」
「良ければ兄に作ってもらいますか?兄はお小遣い二千円ですし、材料の代金を出せば作ってくれると思いますよ?」
「そう…この世界の料理なんて私は知らないから、料理得意な人に作ってもらえるのはありがたいわね。」
「ただ、塾の休み時間か今の時間くらいしか渡せませんね。」
「それでいいわよ。作ってもらった方が楽だし。」
「…そうですか。」
「じゃお願いね。」
「はい。では、今日はもう終わりにして帰ります。お疲れ様でした。」
「ええ。」
雪男が帰った後、少し教材に目を通したが分からないことばかりで、すぐに読むのをやめた。
その日は能力を使ったせいか疲れていたので、布団も敷かずに雑魚寝した。
翌日、体の節々が痛く、雑魚寝したことを後悔した。
しばらく原作入れませんねこれは。もしかしたら次の回でいろいろすっ飛ばして原作入ってるかも。気分次第ですね。