「あんたらは…!」
時音さんは少しイラついたように言う。
「なんで短時間でそんな喧嘩出来んのよ!?今日何するか分かってるの!?」
「そりゃ…分かってるよ…」
「?」
『何をする』ということは、普通に狩るだけじゃないようだ。
そうして時音さんが説教をしていると、何かが走って来る音と、女性の声が聞こえた。
「お待たせー!」
そこにいたのはアトラさんだった。
雷蔵に乗って走って来た。
雷蔵から飛び、見事な着地を見せたアトラさんは、雷蔵の紹介をした。
雷蔵はというと、志士尾さんと目が合っていた。
すると、途端に雷蔵は志士尾さんに飛びかかった。
アトラさんが解説をする。
「雷蔵は限が大好きなのよ。」
曰くじゃれてるだけだそうだ。
雷蔵と志士尾さんの関係を話していると、雷蔵が放電する。
そういえば放電するんだった。
もろに受けて平気でいる志士尾さんも相当頑丈だ。
などと考えていると、志士尾さんがアトラさんに、早く始めるように言う。
凄く帰ってほしそうだ。
「妖夢ちゃんおいで。」
「え?はい…」
「雷蔵!」
「え…!」
私は拐われるように雷蔵に乗せられ、屋上まで翔上がる。
「じゃあ課題を説明しまーす。」
制限範囲は校内、制限時間は一時間、その間にアトラさんを捕まえること。
正直何でするのか聞いてない私には分からない。
何かの特訓なのか…
「妖夢ちゃんはその辺に集まる妖を倒して。あくまでこれは…あの子達の課題だからね。」
「あの…課題って一体…」
「開始!」
「ちょっと待っ…!」
説明もされずに、アトラさんは雷蔵の吐く雲に紛れて姿を消した。
一人取り残された私は、とりあえず校内を見て行くことにした。
構造を理解しておけば、戦いを有利に進められる。
水場や火元を知っておけば、利用出来る場面もあるかもしれない。
とりあえずぐらうんど?を離れ、ちょっとした森林を歩く。
―――――
「ここにいるのも小さいな…」
何匹か片付けていくが、どれも腕程の大きさのもの。
『戦い』ではなく、『狩り』になる。
それも虫を潰すような程度の低い…
とても危険とは思えない。
私をここに送る意味はあったのだろうか。
そうこうしている間にも、向こうは雷蔵を倒したようだ。
雲がない。
雷蔵の雲は雷雲になっていて、移動、攻撃も制限される。
そのため先に倒したのだろう。
そして目標のアトラさんだが…空を飛び回っている。
三人もまだ行動を起こさない。
作戦会議でもしているのだろう。
「連携の特訓…かな。」
飛ぶアトラさんを、空中に結界を張り捕らえようとする。
志士尾さんは、それを足場に飛ぶ。
結界の位置、着地の瞬間、志士尾さんの動きを把握し、的確に結界を張る。
「あれなら捕らえられそう…」
その光景を、その辺にいる妖を狩りながら眺めていた。
―――――
課題が終わり、アトラさんの妖獣が呼びに来た。
ぐらうんどに集まり、アトラさんは三人を誉める。
「今回黙って見ててくれてありがとね。妖夢ちゃん。」
「いえ…」
「三人…特に限は、いつも一人みたいに振る舞ってるのよ。妖も一人で狩る。協力する気なんてさらさらない。」
他の人に聞こえないように、彼女は私に近付く。
「あの子は一人を嫌ってる。孤独を恐れてる。自分自身を嫌ってる。だからあの二人の存在は、あの子にとって特別なのかもしれない。」
「あの…?」
「あなたも…少しは気に掛けてあげて。ふふっ年も近いし以外とすぐに心開いたりしてね…」
それは彼女の切実な願いだった。
アトラさんは志士尾さんにも耳打ちをして、そのまま帰って行った。
孤独を恐れることが、私には分かる。
私もそうだったのだから…
最後のは特に伏線じゃないです。妖夢の祖父のことです。最後に…モチベーション回復のため五人目を書くかもしれません。その場合別小説として投稿する予定なのでこちらはこの四人になります。各キャラのファンの方にはお手数おかけしますが生活記二もお読み下さい。
こうしないと下手したら何千話になるか分かりませんから…それにあくまで予定です。五人目いつかは完全に決めてるわけではありません。今回前も後も長くて申し訳ありません。