東方異世界生活記 壱   作:ジシェ

48 / 71
wikiで初めて火黒の設定色々知った。てかアニメ限定の話とか知らなかった。


第八話

「妖と妖怪では相当な力の差がある。だからあっちは志々尾君に近接戦を任せて、残りはサポートに徹している。」

「だから…なんですか…」

「……君…妖混じりかな?」

「!」

「いや…幽霊…?まあとにかく、君からは人間以外の気配を感じる。この刀を防げるのが何よりの証拠だ。」

「……」

「君は人間にも、妖にも馴染めない存在のはずだ。だから俺達のように、実力だけを見ている集団にしか馴染めない。」

「そんなことは…」

「無いと言い切れるのかい?」

「……」

 

確かに、人間が、家族が、主が、死に逝く姿を目の当たりにしている。

私は…これまで確かに孤独だった。

亡霊として主が生き返っても。

友人が増えても。

いずれ無くなる。

失ってしまう。

 

「俺は孤独を恐れる者が嫌いなんだ。だから君も、志々尾君も、殺すことに躊躇いはない。」

「…なら、早く殺せばいい。私は、最後まで抗わせてもらいます!」

「いいね…その覚悟はかなりいい。けれど…何故君に、俺は手を出さないと思う?」

「…?」

「彼も君も…あそこの術師二人も、強くなる素質を持つからだ。だから君達が強くなれるために、導いてるんだよ。」

「……強く…?」

「俺も元は人間。技を高めるのに躍起になっていた…それで気付いた…俺の技に必要なのは、強者の存在!だから殺さずに生かしておくんだよ。」

「……」

 

まるで風見幽香のような価値観。

完全なる戦闘狂。

 

「孤独を恐れること。人間に最も必要ない無価値な感情だ。孤独であることを受け入れ、孤独(ひとり)であることを好機とし、強さだけを求める修羅と化す。強くなりたければ、全てを捨てるんだ。」

「…貴方は…つながりを失って、強くなって、それでいいんですか!?」

「それが邪魔なら、切り捨てるのは道理だろう?」

「…なら、何で黒茫桜にいるんですか?何で強者を探すのではなく作るのですか?本当は…貴方が一番、つながりを求めているんじゃないですか?」

「……俺が…孤独を…恐れている?」

「本当は、強者と戦いたいんじゃない…殺してほしいんです。耐えられなくて、殺してくれることを望んでいる。」

「…黙れ。」

 

今までより一層速い速度で刀が頬を掠める。

しかしそれが私を切ることはなかった。

 

「…俺がつながりを求めるはずがない。いつか見たあの男を倒すため、全てを捨てたことに、今更後悔なんてない。」

「……つながりを失った人間が、まともでいられるはずがないんです。全て失ったら…自分が自分であることも、分からないんですから。」

「………」

 

その妖は刀を全てしまい、その場から飛び退く。

そのまま空に待機していた妖に乗って去って行った。

 

「……つながりを失うのは…悲しいことなんです…」

 

全てを捨てた彼と、全てを失った私。

そこに大きな違いはないだろう。

その後に出会った人々が、私と彼を組み分けた。

 

「…行きましょう。」

 

私は哀愁を感じながら、時音さん達の元へ駆けて行く。

―――――

 

(あれは…!?)

 

空にいる馬のような妖は、巨大な火球を作っている。

まるでとどめとでも言わんばかりに…

 

「!志々尾さん!?完全変化を…!?」

 

妖混じりには、完全に妖になる『完全変化』という切り札がある。

しかし原則禁止されており、使用者は裏会を破門にされることも覚悟しなければならないもの。

それを使うということは…

 

(それ以外に勝機が得られない程追い詰められてる!)

 

しかしその顔は諦めでも、自棄になっているでもない。

勝利を目指して覚悟している。

放たれる火球には目もくれず、志々尾さんは敵へ跳ぶ。

放たれた火球は時音さん達が受け止める。

 

(まだ…うっ!)

 

貫かれた腹部の痛みはかなりのもの。

しかし…時音さん達が亡くなるかもしれないのに、何もしないわけにいかない。

 

「ふぅぅ……」

 

私は時音さんが志々尾さんのために張った結果を足場に、妖の元まで翔る。

 

「!魂魄さん!?」

 

(ここ!)

 

志々尾さんが破った防御に追い討ち、妖の胴に刃を突き立てる。

絶対に逃がさない。

 

「ぐわぁ!」

 

血を吐く妖の首は、志々尾さんによって落とされる。

こうして強大な敵との初戦は、こちら側の勝利を納めた。

 

 




馬…実は原作ではここでは生きるんですよね…残念ながら次の登場あまり意味ないし、ここで退場で。アニメでもここで消えてるみたいですしね。火黒は…もしかしたら原作から少し外れる話しがあるかも。気分次第ですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。