東方異世界生活記 壱   作:ジシェ

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妖夢編の度に一回止まってる気がする…正直今回は遅れの理由ありません。エルデンリング初期レベル縛りとapexセンチネル縛りをやってたせいで中々他のことをやる気にならなかったんです。すみません。


第十話

座る志士尾さんを見て頭領が最初に放った言葉は、叱るのではなく安否の確認だった。

炎縄印がないことを問い詰めるでもなく、無事だったことに安堵していた。

最初に他人の心配をする辺り、墨村の人なのだろう。

それから詳しく説明をして、志士尾さんの状態や烏森の状況を話した。

 

「――分かった。魂魄さんは引き続き烏森に。いままで通りサポートを頼むよ。それから…」

「……」

「限。翡葉から状態は聞いた。無事で良かった。」

「…頭領…俺は…」

「…確かにお前は禁を破った。一度は翡葉の忠告で思い留まったようだが…」

「…俺…夜行を抜けます。」

 

その言葉は、流石の頭領でさえ驚かした。

 

「姉ちゃんに謝りに行って…どこか遠くに…もう俺が、ここにいる資格も意味もない…」

「限…お前が夜行に来たことで、助けられた奴らも多い。お前が完全変化をしたおかげで、俺の弟もこの土地も守られた。資格なら十分にある。」

「俺…今回の戦いで満足したんです。今までの自分から、計り知れない成長を感じました…だからこそ…また妖に飲まれて、誰かを襲うのが怖い…」

 

墨村さんは昔、時音さんに怪我を負わせたことがトラウマになり、他人のことばかり考えるようになった。

おそらく彼も、同じような過去があるのだろう。

自分が自分でいられない、そんな感覚を。

 

「志士尾さん、迷惑ならいくらでもかけて下さい。傷付けるかもしれない。恐怖を与えるかもしれない。それくらい大丈夫です。もしそんな時が来たって、皆で止める。不安を感じる必要なんてないんです。」

「……」

「…限。完全変化による罰は、お前に与えない。」

「え…?」

「元より禁止しているのは、本人が無事ではすまないからだ。今のお前なら、炎縄印なんて拘束も必要ない。それから、お前は自分のやったことや、その感情を悪だと思っているが、今のお前が間違えたことなど一つもない。今の自分を誇れ。」

 

今日の行いに選択肢があるのなら、志士尾さんの選択は、全て正解だったことだろう。

その自分を非難することも、叱咤することも、何故必要だろうか。

 

「成長したその力で、これからも俺達を…烏森を守ってくれ。」

「…はい…!」

 

―――――

 

その後、志士尾さんは一度休暇を取った。

姉の元…実家へ帰るため。

今まで拒んできた手紙を全て読み、感謝を伝えるために。

志士尾さんがしばらく離れた以外、私達は以前と同じ日常を送っていた。

何故か日に日に墨村さんの傷が増えているが。

 

「どうしたんですか?その傷。」

「ああ、ちょっとカラスに…」

「カラス?」

 

詳しくは話してくれなかったが、多分捕まえて結界の練習でもしてたのだろう。

 

「良守!侵入者だ!」

 

言うやいなや、辺りに大量の人影。

完全に包囲されている。

その人影全て、墨村さんが結界で捕らえてしまった。

精度も速さも遥かに上がっている。

修行の成果を垣間見た。

滅しようと手を振り降ろす直前、別の結界に手を止められる。

 

『そこまでだ良守。』

 

空からした声の主は頭領だった。

となれば必然、人影の正体は…

 

「ひどいなぁー。ちゃんと弟さんに説明しといてくださいよー」

 

墨村さんの張った結界は、全て違う壊され方で消えていく。

夜行の本拠地をしばらくこちらに移すということらしい。

夜行の面々全てが揃っていた。

 

「そんな訳で、まとめて世話になるんで。」

 

『よろしく!』

 

結界師の家二軒は、これから騒がしくなりそうだ。

 




一巻分近く話し改竄してるから限の話とかまじで悩んだ。本来葬式からスタートなんで辛い…
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