東方異世界生活記 壱   作:ジシェ

56 / 71
お久しぶりで。エルデタノシカッタデス。なんなら二周して今三周目ですDLC。これからまたちょくちょく更新しますのでどうか見放さないで下さいお願いします…


第十六話

あと三日という時間はもう過ぎた。

ついに明日からという段階まで来たのだ。

学校の制服は得物を隠せる部分が少ない。

だからスカート丈を長くし、以前見掛けた咲夜さんのように足に固定具を巻き付け、短刀を嵌められるようにした。

取り出すのは一息に、振るまでに一秒と掛けない。

そしてしまうまでを流麗に。

誰の目にも止まらぬように。

 

「……どうでした?」

「いや…見えないわ。」

 

時音さんに見えないのならば、少なくとも一般人に見えることはないだろう。

あとは不意に出来れば問題ない。

 

「明日から…」

「気負う必要ないわよ。普通通り…あー…えっと…」

 

私が普通を知らないばかりに、時音さんを困らせてしまった。

しかし万一に備えるなら少し気負う程度で丁度いい。

まあそれをおくびに出す必要はない。

 

「大丈夫です。戦闘時とそれ以外の時の区分は出来ます。」

「そうじゃないんだけど…まあ魂魄さんがいいならいっか…」

「……?」

「あれ?良守どこ行った?」

「さっきまで門に…」

『門と外行ったり来たりしてたよハニー。』

「それは見てたけど……―!」

「何か侵入しました…向こうです!」

『やれやれ…これじゃ役に立てないねぇ…』

「早く行くよ!」

 

―――――

 

(良守さんが前に…これならもう…)

「!」

 

追う必要を感じず足を止める直前、背後から何かが勢いよく妖を撃ち抜いた。

どうやら釘のようだ。

 

『破!』

 

声と共に妖は爆散した。

怒る良守さんを無視し、妖の方に駆け寄る。

 

間違えた…」

「…おい…」

「これは俺の得物だ!俺が狙って俺が仕留めた!文句のある奴はかかってこい!」

 

何とも元気声量につい押されてしまう。

良守さんが自分達の説明をしても、烏森についてしか反応しなかった。

それからも言い合う二人を抑え(首根っこ掴んで)事情を聞かせるよう伝える。

 

「私はここの結界師雪村時音。貴方は?」

「女性に聞かれては答えぬわけにもいくまい!俺は最強の封魔師、名を金剛毅!以外とシャイな乙女座の17歳!よろしく!」

 

常に叫ぶような声量…耳元なら鼓膜が破れかねない。

ずっとこれなら近所迷惑だ。

そんな彼だが…突然倒れた。

スタミナ計算を忘れたと叫び、倒れる直前にも関わらずかなりの元気だった。

 

「…魂魄さんは先に帰ってて。明日の準備必要でしょ?この人はこっちでどうにかするから。」

「それならお願いします。」

 

流石の気遣いだ。

今回はお言葉に甘えよう。

…正直厄介そうと思ったのはここだけの話だ。

 

―――――

 

「……よし。そろそろ行きましょうか。」

 

先日の騒音少年が気になるが、任せた以上はどうにかしてくれるだろう。

自己紹介では彼を参考にしてもいいかもしれない。

…いや紹介出来る程開示出来る情報がないか…

 

―――――

 

「……」

 

廊下で待つよう先生に言われてしばらく。

教室前で五分程佇んでいた。

 

「――じゃあ入れー」

「!はい!」

 

満を持して教室に入る。

入ってすぐに良守さんの姿が写った。

同じクラスらしく少し安心した。

まあ今も寝てて普段からサボって寝てるらしいが。

つくづく式神は便利だ。

 

「初めまして!魂魄妖夢です!これからよろしくお願いします!」

「席は神田の隣な。」

「はい!」

「転入生だからってまた囲むなよ。それじゃ授業始めるから準備しろー」

 

―――――

 

あっという間に放課後になった。

質問されても答えられないことの方が多くて申し訳ない。

しかし授業も問題ないし、交友関係もある程度構築出来そうな程皆友好的だ。

これなら問題なさそうだ。

そうして校門前まで出て来たのだが…

 

「……」

 

流石に幻覚と信じたい。

真っ黒の旅装束にフードまで被った釘持ち…

先日の少年だ。

正直言おう…相手したくない。

というのも理由はある。

まず個人行動の能力者には私のことが伝わっていない。

霊とみれば消し去る者も少なくない。

次にあの釘。

一本だけ、私も触れたらまずそうに感じるのがある。

何故か今はないが、隠し持ち私を狙うのは難しくない。

あとはシンプルに面倒くさい。

以上のことから私が取った行動は…

 

「……」

(さようなら。)

 

完璧な反転、そして校舎に戻る。

少し図書室で時間を潰そう…

 




短刀て30cmくらいらしいですよ。丈伸ばせば全然隠せるくらい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。