東方異世界生活記 壱   作:ジシェ

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第六話

咲夜と会ってから数日。

これといった用事もなく、町の店に買い物に行ったこと以外では外出もしていない。

雪男との常識の勉強もある程度平気になり、服の代金を雪男が前借りさせてくれたことで、周りからの奇異な目もなくなった。

ただのシャツとスカートを三着ずつ、安いもので見た目の同じようなものを買ったおかげで、二千円程度に留められた。

そして余りは先に渡してくれたので、所持金は少し増えた。

 

[所持金五千二百円]

 

そして雪男からコンビニ弁当はおよそ五百円と聞いており、カップ麺というものは安いけど栄養がないと教わった。

どちらを選ぶかは言わずとも分かるだろう。

 

[所持金四千八百円]

 

―――――

 

「では今日は塾の授業に関することをやりましょう。」

「一応悪魔については分かったと思うけど、教科書に書いてあるものはさっぱりね。」

「僕は悪魔薬学の担当なので、他は教えられる程ではないですが、基本程度なら教えられます。」

「じゃあその薬学ってのから始めましょ。」

「はい。ではまず………」

 

―――――

 

「とりあえず各授業のさわりだけ教えましたが、どれくらい分かりました?」

「……私は実践派ね。実際に使えば分かるけど、口頭じゃ確実とは言えないわね。」

「博麗さんは性格はともかく覚えは早いので、すぐに他の塾生と同じ程度には出来るでしょう。」

「言ってくれるわね。まあ頑張るわよ。」

「頑張って下さい。……」

「どうかした?」

「いえ…あと二日程でどれくらい出来そうですか?」

「二日?……まあ一人で教科書眺めて分かる程度でいいなら……二十ページくらいは出来ると思うわ。暗記とかは無理だけど……」

「十分です。実は一週間程の合宿があるんです。」

「がっしゅく?」

「簡単に言えば生徒が一ヶ所に泊まって、数日掛けて教えあうということです。」

「ふーん…だから追いついた方がいいって?」

「はい。そこで追いつくことが出来れば、授業に参加も出来ると思いまして…近々試験もありますし、どうですか?」

「うーん…まあ授業に参加しなきゃここに来た意味が微妙になってくるし…二日で頑張ってみるわ。」

「分かりました。では一応他の塾生達にも伝えておきます。」

「ええ。」

「今日は終わりにしますか?」

「そうね。とりあえずもう少し私は教科書読んでみるわ。今日はお疲れ様。」

「お疲れ様でした。」

 

―――――

 

雪男が帰ってから少し教科書を読んでみた。

以前と違い、かなり分かるようになった。

とはいえまだ完璧ではない。

悪魔と戦えるようになるのは一体いつになるやら……

私にはまだ、想像も出来ない。

 

―――――

 

二日で追いつくのはやはり難しく、合宿二日目からの参加となった。

三日で何とか他の塾生に勉強は追いついた。

そして合宿に参加することを周りに伝え、授業を無事終えた…まではよかった。

今私…いや私達は、結構な重さの石……に見せかけた悪魔を、正座して膝に乗せていた。

 

「では皆さん、仲良く頭を冷やして下さいね。」

 

事の発端はこうだ。

聖書:教典暗唱術の授業で、出雲という少女と、坊(?)という少年(?)が喧嘩を始めた。

それを見ていた雪男は、連帯責任と言い、周りも含め全員にこの石を持たせた。

そして三時間この状態でいるように言い、部屋から出て行ってしまった。

合宿の時間の三時間もこのままというえげつなさ。

 

(初めての授業でこれは……鬼か…?)

 

そのようなことしか考えられない。

この石は、持ち続けると重くなる悪魔なだけあって、既に結構な重量になっていた。

三時間後には巨岩でさえ軽く感じることだろう。

私はまだ平気ではあるが、しえみという少女にはきついだろう。

各々苦しむ声を上げながら、まさか二人がまた喧嘩を始めるとは思わなかった。

すると突然、辺りが真っ暗になった。

停電という事態らしいが、私には大体見える。

その内ピンク頭……志摩が部屋から出ようとする。

扉を開けると……

 

「……なんやろ目ぇ悪なったかな…」

「現実や、現実!」

 

気持ち悪い異形の化け物が扉を破壊して入って来た。

 

(悪魔…!教室で見たものとは格が違う…!)

 

今のこの状況…引率の教師は外出、戦闘経験皆無の子供のみ、更には敵は二匹。

 

(絶対絶命って……まさしく今のことじゃない?)

 

悪魔との初戦闘は、予想外に早く始まった。

 




vs.屍(グール)戦です。……今霊夢はどう戦えばいいでしょう…?
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