「…覚悟…?……思い…?」
心から思えるのなら、普段通りの意志でも炎は灯せるようだ。
師匠への恩返し。
そのためなら何でもするという『覚悟』。
それはリングの炎となり、覚悟を示す証明となった。
「簡単でしょう?」
「はい…それでこれを匣に…」
匣の一面、一つだけある丸い窪みにリングを合わせる。
すると中から明らかに匣より『多い生物』が姿を表した。
それも数匹ではなく多数。
「わわ!」
黒い模様が背側にあり、ヒレが黄色がかった白い魚。
「これは…テッポウウオね。」
「テッポウウオ?」
「ええ。別名『アーチャーフィッシュ』。地上の小動物を撃って狩りをする魚よ。銃を使う貴女には似合うかしらね。」
「でも何でこんな数…」
「貴女の属性の性質よ。」
炎の属性は計七つ。
雨、嵐、晴、雷、雲、霧、大空。
以上七つの属性それぞれには性質がある。
私の属性は紫色の雲、性質は増殖。
故に増殖したのだ。
とはいえ本体は一匹、何かの拍子に匣から出た時に増殖しただけだろう。
「まあ…これはこれで神秘的で少し…」
「そうですね。」
「集合体恐怖症に優しくないわね。」
「…あ、忘れてたわ。」
天子さんが部屋の端…箱の集まりを漁り始めた。
中から一つの小さい箱を取り出した。
黒いリングケースを。
「これあんたのよ。」
「…またリングですか?」
「さっき七属性あるって話したでしょ?私は大空、永琳は雨と霧、美鈴は晴、貴女は雲。だけど永琳のように、二つの属性を持つ人も少なからずいるのよ。」
「それじゃあ私も…?」
「そ。霧のバリエラリング。」
「あれ?霧って…」
「私の持つのはバリエラリングの複製品よ。」
「バリエラリングも七つでね。作るための石の回収は紫にも難しいらしいわよ?この世界にもうなくて。」
「そうなんですか…この残り二つは永江さんのですか?」
「ええ。私達全員使えないわ。」
「匣も余ってるのよね。」
「あれ?そういえば鈴仙さんの匣ってもう一つありませんでした?」
「あれ?そだっけ?」
天子さんが箱の集まりを再び漁り始める。
「あ、本当だあったあった。はいこれ。」
「…これも私の…?」
「まあ私達も一つずつではないのよ。永琳のはもう見てるでしょ?」
「……?」
「空を飛んでいたでしょう?あれは私の匣から出た装備の一部よ。」
「足に付いてたのですか?」
「ええ。」
つまり師匠の装備は全て匣依存の一式ということ。
能力が使えないのは全員同じなのだろう。
それでも天子さんや美鈴さんがマフィアを撃退出来ていたのは、素の身体能力が人間と異なるからだろう。
多分私や師匠でも複数人を相手に圧倒出来る力は十分ある。
それこそヴァリアー程でなければ。
「そもそも今の私達に武器はないも同然よ。この国だと銃刀法違反とかで武器を所持出来ないもの。」
「だから匣は便利で重宝するんですよねー」
「とにかくもう一つ開けてみたら?魚よりは使えるものだと思うわよ?」
「この子も使い用によりますよ…」
言いつつ匣に同じく炎を注入する。
しかし反応はない。
「あ、言い忘れてたけど匣によって注入する属性も変わるから。多分それは霧の方なんじゃない?」
「そうなんですか?」
霧の炎を匣に注入する。
すると今度は開匣に成功した。
中から現れたのは…
「今度は鳥ですか?」
「あんたの匣動物ばっかね…」
「可愛いですね~」
「これはトビね。奇襲が得意な生態の鳥類よ。」
「武器の方が助かりますね…」
「……そうでもないわ。貴女が言ったのでしょう?使い用だってね。」
「そもそもハンドガン位なら私があげられるしね。」
「弾幕みたいに炎を打ち出すのもありかもしれませんね。」
戦い方は千差万別…それが分かる一日だった。
…後から聞いた話だが、獄寺さんは命優先に戦いは負けたらしい。
次の戦いは雨の守護者だ。
匣は一人二つあります。永琳は装備、弓。優曇華はテッポウウオ、トビ。天子は剣、?。美鈴は虎、?。三人の匣は後々戦闘時に出します。ちなみにこの回翌日夕方からやってます。夜遅くて保護者(永琳)に強制終了。昼は学校で帰りにやってます。