東方異世界生活記 壱   作:ジシェ

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胃腸炎は辛いよ…あと長い!


標的12

山本さんの勝利に、こちらの陣営は沸き立つ。

それと同時にあちらの陣営は…ボスであるxanxasの笑う声。

仲間がやられ、命の危険に晒されても、尚嘲り止めを刺す。

それが敗者に対するヴァリアーのやり方だ。

しかしそれを静止したのは、この戦いを仕切るチェルベッロの片割れ。

あの場所に水が溢れた時、獰猛な海洋生物が放たれる。

敗者の命の保証は…ない。

倒れたスクアーロの助かる道はなかった。

相手が山本さんでなければ。

 

「よっ」

 

さも当然のように、命を掛けて助けようとする。

体はふらつき、地面は崩れ、今尚迫るその牙に、物怖じせずに脱出を図る。

その差し出された救いの手を、スクアーロは払った。

 

「剣士としての俺の誇りを汚すな。」

 

山本さんを蹴り飛ばしたスクアーロは、そのままこの世を去った。

 

(…許さない。)

 

そんな勝手は許さない。

幻想郷の名医の弟子が、目の前の人の死を、簡単に許してはならない。

私の匣は既に解放されている。

リングを見られるわけにもいかないから隠していたが、供給の終えた匣に、もはや私の力は必要ない。

 

(沢田さん達には悪いけど…)

 

私が助けたとばれないよう、スクアーロには死んだ体にしてもらう。

匣は炎の供給者の思考を捉える。

だからこそ、ばれずにあそこから運び出すことが出来る。

今頃下を壊してでも脱出しているだろう。

そして私にしか出来ない離れ方をすれば、治療まで可能だ。

その方法とは…

 

「うっ…」

「!大丈夫か!?」

「うう…はい…すみませんディーノさん…」

「先に帰った方がいい。巻き込んですまない。」

「大丈夫です…でも…先に失礼します…」

 

戦いに関係なく、こういう場面に慣れていない子供、かつ女性という立場なら、吐きそうに、苦しそうにしていれば、離れるのも難しい

くない。

まあリボーンさんには間違いなく気付かれているだろうが。

難なくその場を離れ、スクアーロを捜す。

外周を一周すれば、どこにいるかも分かる。

丁度真逆に着いた頃、黒服の人が数人、スクアーロを連れて行こうとしている。

あれは…

 

「ロマーリオさん?」

「何で嬢ちゃんがここに…」

「ロマーリオさんも…その人!?」

「ああ…山本がやられた時のために待機してたんだ。なんか魚が運び出してくれてな。こうして助けられた。」

「…ディーノさん…」

「嬢ちゃんも助けに来てたのか?」

「えっと…先に学校で少し調べてて…」

「そうかい。ならこいつは俺達に任せな。」

「は、はい…」

 

予想外な事態だったが、あの人達が代わってくれるなら別に構わない。

その場に必要なくなった私は、そのまま帰ることにした。

 

―――――

 

「……」

「あら…遅かったわね。」

 

家に帰ると、師匠がいた。

湯呑みを置いてこちらに振り返る。

 

「何でここに…」

「今日から私もここに住むわ。」

「え…本当ですか…?」

「不満?」

「いえ!正直その…」

 

寂しかったから嬉しい…というのは、流石に恥ずかしかった。

師匠のことだから分かると思うけど…

 

「ああそれから…永江衣久を見つけたわ。」

「本当ですか!?」

「ええ。でも厄介なことにマフィアに捕まってるのよ。」

「ええ!?」

「まあ彼女も実力的には大丈夫だとは思うけれど…騙されでもしたのかしらね?」

「でもどうやって見つけて…」

「ボンゴレの情報網は侮れないわ。」

「……成る程。」

「そうゆうことだから…貴女も準備しなさい。」

「?何の準備を…」

「殴り込みよ。」

 

―――――

 

「そういえば何で師匠もこっちに?」

「…馬鹿に拠点を吹き飛ばされたのよ。」




はい師匠八つ当たりにマフィア潰しです。しかもボンゴレの後ろ楯があるから質が悪い。
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