東方異世界生活記 壱   作:ジシェ

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FF7……や…何でもないですよ…?


標的15

「昼間っからご苦労なことね。」

「あんたのせいだけどね。」

「は、はい…ごめんなさい…」

 

あの天子さんが普通の子供に見える…一体どんなしかり方をしたのだろうか。

 

「貴女のお師匠様を雇えませんか?」

「無理です。」

「私もごめんよ。」

「私はいいのだけれどねぇ…?」

「ひっ…」

「まあとにかく全員揃ったわね。」

「え?美鈴さんは…」

「お待たせしましたー!」

 

少し離れた所から美鈴さんの声がする。

私達は今小屋があった河原にいるが、斜面の反対側から来た美鈴さんに何故気付いたのだろうか。

 

「それじゃ…この匣を開けてみようじゃない。」

「はい。」

 

開かない匣について、先に話は聞いていた。

全員揃った今ならきっと開く。

むしろこれで開かないならただの箱だ。

 

「まあまずは前の三人から…」

 

天子さん、師匠、美鈴さんの順に炎を注ぐ。

しかし開く気配はなし。

 

「次は私が。」

「衣玖は両方注いでね。」

「分かりました。」

 

永江さんの属性は嵐、雷。

当然この作業の前に炎の使い方は指導済みだ。

バリエラリングも匣も、永江さんの分も渡してある。

これで五つの属性の炎が注がれた。

後は私の雲、霧の炎のみ。

霧の炎を注ぎ、最後に雲の炎を匣に注いだ。

すると匣は開いた。

中身は…空だった。

 

「…は?」

「空?」

「ここまでやって空とかないでしょ!?」

 

ひっくり返しても探っても何もない。

本当に空だ。

開けた意味は全くなかった。

…というわけでもなかった。

 

「!?永江さんの匣が…!」

「私のもです!」

「これは…『動物型』匣だけが光ってる…?」

 

私の匣も光っていた。

師匠以外の匣も一つずつ。

 

「…開けてみる?」

「開ければいいじゃない。」

「あんたは動物ないからね!…まあいいわ…鬼が出るか蛇が出るかってやつよ…!」

 

何の躊躇いもなく、天子さんは自分の匣に炎を叩き付ける。

中から出てきたのは蛇…真っ青な蛇だ。

 

「………何も変わってないわね…」

 

蛇は甘えるように天子さんの首に巻き付いた。

天子さんが言う限り、何の変哲もないようだ。

 

「私達も試してみますか。」

 

そう言って永江さんは匣を開いた。

中からは亀が現れた。

人より大きい亀だ。

 

「…こんなのが入っていたのですか…」

「亀…それにトビに蛇。そして虎…ね…」

 

意味ありげに呟く師匠を尻目に私は匣を開く。

いつも通りの二匹が姿を現す。

やはり何も変わってない。

結局あの匣のことは分からずじまい。

 

「わけわかんない…何なのか説明しなさいよこの隙間!」

「怒鳴ってどうするのよ…まあ害がなければそれでいいわ。それより優曇華、そろそろ学校に行ったらどうかしら?」

「え?」

 

確かに既に辺りは暗くなっている。

しかしまだリング争奪戦の時間には早い。

それを師匠が分からないはずもないのに…

 

「いいから行きなさい。」

「?…はい。」

 

師匠のことだから何か考えがあるのだろう。

少し早いが学校に向かうとしよう。

 

―――――

 

「……さてと…」

「何であの子だけ先に帰らせたの?」

「あの子にはまだ必要ないのよ…」

「ふーん…まあ…知らないのもあの子だけだしね。」

「いえ…私にも何のことだか…」

「あ、ごめん衣玖もね。実はさっきの匣…中身については何となく分かるのよ。と言うのも…」

 

天子は一冊の本を取り出す。

本というにはあまりに薄いが。

 

「いずれ必要になるけれど、今は違うのよ。紫が言うにはだけどね。」

「……なるほど…とにかく『唱えて』みましょうか?」

「ええ。お願いするわ。」

「まあ害はないだろうしね…じゃ行くわよ…『形態変化(カンビオ・フォルマ)』!」

 

―――――

 

「…やっぱり誰もいないですね…」

 

門から学校に入るが、周りを見ても誰もいない。

時間はまだ十時。

やはり早かったようだ。

 

「………」

 

とりあえず以前のような危険に対処するために匣を開けておこう。

隠れてやるにも限度がある。

先に開けておけば見つかる可能性は低いだろう。

トビの匣を開き、空から見ているよう伝える。

匣の持続時間は注ぐ炎の量によって決まる。

後は力を使うか、または私が戻すか。

多目に炎を注いだ上力を使うことがない今なら、数時間くらい余裕で保つだろう。

後は皆さんが来るのを待つだけだ。

 




形態変化をうどんちゃんが知るのはいつでしょうね…リアルに時間換算したら本当に不明です。
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