提督「艦娘が甘えてくるボタン?」 作:マロニー
提督「…なんか、最近、追い詰められる事が多い気がする」
明石「追い詰められる、ですか?」
提督「ああそうだ。
ボタンを押した結果ギリギリまで追い詰められて…みたいなのが多すぎる」
明石「完璧に自業自得じゃないですか」
提督「そうだが!そうだけどさ!
俺が見たいのはタジタジしちゃったりとかさ!恥ずかしくて泣いちゃったりとかさ!そういう所なの!」
明石「はは、最低ですね。
…じゃあ、次の娘はどうするんですか?」
提督「…ちょっと賭けで。木曾にする」
明石「え?木曾ちゃんって…もう提督が負ける未来しか見えないんですが…」
提督「だから賭けなんだよ。
これで甘えてもイケメンだったら俺はもうアレだが…だがもし龍田のように純情さんだったら…その分、ギャップで楽しいだろう?」
明石「…ま、まあ私は止めませんが…」
提督「よし、じゃあ行ってくるよ」
明石「早ッ!?さっきから思ってましたけど、思い立ったが吉日にも程がありますよ貴方!」
提督「そう褒めてくれるな!それじゃ!」
明石「褒めてな…ああ、行っちゃった…」
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木曾「提督。軍服のボタン、ほつれているぞ」
【提督+秘書艦木曾、共にin執務室】
提督「…あ、本当だ。後で直さないとな」
木曾「俺が繕おうか?」
提督「いや、わざわざやってもらわなくともいいさ」
木曾「なあに、遠慮しなくてもいい」
提督「いや、悪いし…」
木曾「そんなに手間もかからないし、構わないさ」
提督「…それじゃあお願いしようかな」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
木曾「よし、直ったぞ」
提督「お、ありがとう。
…にしても木曾、裁縫できるんだな」
木曾「おいおい、出来ないと思ってたのか?」
提督「や、そういう事じゃなくてだな!」
木曾「はは、解ってるさ。あまり、そういうイメージが無かったんだろ?」
提督「…正直。悪いな」
木曾「でもそのイメージは合ってたぜ。少し前まで、俺は裁縫なんて出来なかったからな」
提督「ん?そうなのか?」
木曾「前まで…いや、今もかな。俺は戦う事にしか能がないからな。得意げにやった今の裁縫も、散々練習した結果なんだ」
提督「…木曾に戦うしか能がないか否かはともかく。なんでまた裁縫をそんなに練習したんだ?」
木曾「裁縫だけじゃなくて、料理とかもさ。
…お前の為だよ、提督」
提督「…俺の為、か?」
木曾「ああ… いや、本当は自分の為かもしれないな。お前にアピールをして、俺の事をもっとよく見てもらう為…」
提督「…話がよく見えないな」
木曾「はは、結構わかり易く言っているつもりなんだけどな」
提督「…」
提督(さて、突然だが、俺はもう既にボタンを押してる)
提督(押したのはさっき…
木曾が縫物をしてくれている真っ最中。つまり彼女はずっと甘えたい状態になっている)
提督(…そんな状態なのにこの応対。
女の子の可愛らしさと男らしさのハイブリッド。やはり木曾には無謀だったのか?)
提督(…いいや、違うね。
寧ろ俺には勝機が見えた)
提督「…なあ木曾」
木曾「ん?何だ、提督?急に改まって」
提督「いやな、さっきから気になっている事があるんだが…」
提督「…何故さっきから顔を逸らしているんだ?」
木曾「!…大した理由じゃない」
提督「そうか。てっきり俺は耳まで真っ赤だからそれを隠してるのかと思ったよ」
木曾「!!」バッ
提督「…まあ嘘だが」
木曾「な!お、お前…!」
提督「…しかし、どうも俺にはぴんと来ないな。俺の為に様々な事の練習をしている事と、お前が顔を赤くする事。どうも結びつかない」
提督「だから、察しの悪い俺の為にもっと解りやすく言ってくれないか」
木曾「……ッ!」
木曾「…この嘘つきめ。
本当はわかっている癖に…」
提督「何のことやら?」
木曾「ぐっ…いいぜ、言うさ。俺は…」
提督「…その前に、俺の目を見ろ」
木曾「…え」
グイッ
提督「ちゃんと俺の目を見て言え。
俺に何かを言う時はな」
木曾「なッ…!」
木曾「……うう…」
提督「何も言わないのか?」
木曾「…いや、言うさ、言うとも。…俺は!
木曾「俺はお前が好きなんだ。敬愛や友愛じゃない、もっと深い所から!」
木曾「お前にこっちを向いて貰いたいのも、こっちを見ていて欲しいのもお前を愛しているから。お前に気に入って貰いたいからだ!」
木曾「…これで、満足か?」
提督「ああ」
木曾「…なら早くこの手をどかしてくれ。か、顔が近くて…」
提督「いや、もう少し。このままお前の可愛い顔を見させてくれないか」
木曾「〜〜ッ!!お前はッ……!」
木曾「……ッ」
木曾「……」
木曾「………」///
木曾「………ん」
【暫く、二人で見つめ合った…】
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提督「押し切ったぞ」
明石「…酷い男ですよ、ほんと。
あんな子の想いを弄ぶなんて…」
提督「その手の悪口はとうに言われ慣れてるわ馬鹿め。…しかし、ふふ、俺の賭けは正解だったな明石よ」
明石「得意げにしてる顔がウザいので一発喰らわせていいですか?」
提督「駄目に決まってるだろうこの素っ頓狂が」
明石「…あれ?そういえばボタン解除してましたっけ?さっきしてなかったような」
提督「ああ、顎に手を添えてこっちに無理矢理顔を向けさせた時くらいに解除しといたさ。流石に同じ過ちは繰り返さんさ」
明石「そうですか…
…じゃあ最後の告白とか、見つめ合いタイムはボタンの効力とかでは無く…」
提督「あいつの望みのままに、って所だな。
案外あいつも乙女だったって事だ」
明石「…そんな乙女の一世一代の告白を話のネタにするって、本当に最低ですね」
提督「…まあ、流石に何か責任は取るさ…」
明石(あ、そこら辺はちゃんとするんだ。まあどちらにせよだけど)