提督「艦娘が甘えてくるボタン?」 作:マロニー
【数時間後】
ガチャ
明石「お帰りなさ……あっ…
えーと、お疲れ様です」
提督「…まぁ、ちゃんとボタンは解いてきたよ。まあその後甘えるのを止めるかっていうのは別だったんだが…」
提督「…はぁ…」
明石「…物憂げな溜息をつかれても、私にはどうしようもないんですが…」
提督「…そりゃあそうだよな。
じゃ、次だ次!切り替えてこう!」
明石「うるさっ!…情緒がもう…!」
提督「…すまん。なんかこう…ハイになってかないと歩みを止めてしまいそうで…」
明石「いっそ止めましょうよこんな歩み」
提督「いいや、止まらないね。今度は…そうだな、海外艦の娘にやってみようか」
明石「海外艦、って言うと…」
提督「プリンツ、ローマ、ビスマルク、アイオワ…選り取り見取りだが…」
提督「…今回はガングート。逝ってみようと思う」
明石「ガ…!?マジでやばい娘じゃないですか!?自殺願望持ちですか!?」
提督「いやいや、あの娘だって一人の艦娘なんだ。差別はいかん。バックにある某連邦とかを見ないで、あの子自身を見てやらんとな」
明石「…やらんとしてる事に目を向けなければとてもいい言葉ですね」
明石(あと震えてる手を見て見ぬ振りすれば…)
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提督「よお、ガングート」
Гангут(以下ガングート)「何だ、貴様か」
提督「おいおい、何だとは何だ。
一応上官だぞ俺は」
ガングート「上官、か…ならもっとそれらしい振る舞いをしたらどうだ?」
提督「上官らしい振る舞いって言われてもなぁ…今更それすると怖がる娘が出るだろうよ」
ガングート「私が言いたいのは高圧的になれ、という意味じゃない。皆に示しがつくような行動をしろ、という事だ」
ガングート「…要するに、それで遊び呆けるのを止めろ」
提督「…げ、バレてら」
ガングート「バレるも何も『それ』と、それを使ってる貴様の噂はもう回りきっているぞ?それこそ、余所者である私が知るくらいにな」
提督「…ガングート」
ガングート「!…すまん」
提督「…以前も言っただろ。俺たちはお前を余所から来たとかで線引きしたくないし、しない。だからお前の方からも、一線を引かないでくれないかって。」
ガングート「…ただの口癖だ。実際、私自身、もう自分を余所者と思ってなんか無い」
提督「…そうか?」
ガングート「そうさ。ここにはちっこいのも居るし…それに、あるお人好しにさんざっぱら言われたからな。もうそんな風に思っちゃいない」
提督「お人好しねぇ。はて、誰の事だか」
ガングート「…フ」
提督「ははは、鼻で笑われちまった」
ガングート「ハッ…全く、面白いな貴様は」
提督「お、そうか?そいつは光栄だ」
ガングート「ああ。…その、貴様のそういう所は嫌いじゃあ無いぞ」
提督「そうか。それっ」
ポチッ
ガングート「…」
ガングート「…!?なっ!貴様ァ!」
提督(さあ、よーく見せろ、その反応を…)
ガングート「ぐっ…き、貴様!こっちを見るな!それ以上見たら銃殺刑にするぞっ!」
提督(おいおい、そんな健気に顔を隠されたら…どうしても見たくなるじゃないか)
【提督、優しく手を取る】
ガングート「!!な、何を…!」
提督「…顔が真っ赤だな。白い肌と合わさって、本当に綺麗だ」
ガングート「ッ!ええい、放せ!というか離れろ!…ち、近いだろうがッ!」
提督「嫌だ」
ガングート「なっ!この…!」
提督「…」
ガングート「きゃっ!……っ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ガングート「…もう、いいだろう?」
提督「…ああ」
【提督はようやく手を放した】
ガングート「…ええい、そのボタンを貸せ!」
提督「痛ッ」
ガングート「すまな…じゃなくって!これをもう一度、私に向けて押せば…」
カチッ
ガングート「…ハァ、全く酷い目に合った」
ガングート「…さて」ギロリ
提督(…遂にこの時が来たか。
覚悟は決まってる。さあ、どんと来い!)
ガングート「…本来なら貴様に、シベリアで木を数える仕事に就いてもらう所だが…」
提督(『だが』と来たか。シベリア流刑よりもやべーってなると、もう拷問くらいしか思い浮かばないが…)
ガングート「…が、今の私は気分が良い。特別に許してやろう」
提督「…」
提督「……え?良いのか?」
ガングート「二度は言わんぞ。
それとも銃殺刑がお好みか?」
提督「イヤ、そんな事は無いが…」
提督「…」
提督「…一つだけいいか?さっき俺が手を掴んだ時。お前らの…艦娘の力なら力づくで振り解けたはずだ」
ガングート「……」
提督「それに、『気分が良い』って…」
ガングート「……」///
提督「…」
提督「……」ニヤリ
ガングート「…っ!な、何だその顔は!!
本当に銃殺刑にするぞッ!!」
提督「ガングート様の寛大さに甘んじて、撤退!」
【提督は去っていった】
ガングート「なッ、おい貴様…!
…全く。よくもまあアレで上官だぞと宣えるものだ。私にあんな事をしておいて…」
ガングート「あ、あんな事を…」
ガングート「……〜ッッ」///
ガングート「…ええいっ!やはり赦さん!!
貴様、待て!懲罰房に送ってやるーっ!」
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明石「…で、どうしたんですか?」
提督「そりゃあ平謝りよ。拝んで拝んで拝み倒したら、いつかアッチの地元に挨拶するって事で手打ちにしてくれた」
明石「へー、思いのほか優しいですね…
って、地元に挨拶?」
提督「ああ。すぐで無くともいいけど、私と共に行くぞ、だそうだ」
明石「…あの。ガングートさん…
それ以外に何か言ってませんでした?」
提督「ん?えーと…あれだ。
『責任は取ってもらうぞ』って言ってたな。何のこっちゃかわからんが、まあ何とかなるだろ」
明石(…この人、過去最大に追い詰められている事に気づいてないのかしら…)