提督「艦娘が甘えてくるボタン?」 作:マロニー
提督「さぁて、次は誰がくるのかなぁ」ウキウキ
明石(次の犠牲者は誰になっちゃうんだろう)
提督「そうだなぁ…出来ればこう…天龍とかそこらの弄りがいのあるような奴が来てくれたら個人的には嬉しいがな。まあ、そんな上手くはいかないか」
明石『そういえば、何で提督が艦娘の方に赴いたりはしないんですか?そっちの方が色々と確実じゃないですか』
提督「馬鹿言え、俺だって一応は皆を率いる身なんだし暇じゃ無いんだ。この部屋で色々やらなきゃならんのよ。専ら雑務だけどな。…それに……」
明石『それに?』
提督「誰が来るか判らない方が楽しいじゃないか」
明石『さいですか(こっちが主なんだろうな)』
コンコンコン
提督「お、噂をすればだな。さてさて、次の獲物は誰だろうな」
明石(コイツ、ついに獲物と言い切った…
…ん?今度はボタンは机の上に置くのね)
ガチャリ
鈴谷「提督、ちーっす!」
提督「おう、鈴谷か」
提督(ふむ…鈴谷か。色々と弄ってもなあなあな感じで終わりそうな気もするが…)
明石(鈴谷ちゃんかぁ…ちょっと気の毒だけど、反応が気になるわね。いつも面と向かって甘えていると甘えていないのボーダーな感じの子だから…)
提督(何、どちらにせよ面白い事に変わりは無い)
明石(あの、さっきからちょくちょく心を読むの止めてくれませんか)
鈴谷「んー?どうしたのさ黙っちゃってさー」
提督「いや、ただ考え事をしてただけさ。
ところで何しに来たんだ?お前今日非番だろ?」
鈴谷「む、何それ。非番の時は来ちゃいけないってのー?」
提督「そうじゃねえけど… 本当に何しに来たんだ?」
鈴谷「あー、えっとさ、提督ってもう昼ごはん食べた?」
提督「ああ、もうそんな時間か」
鈴谷「やっぱり食べてないんだ…
かなりのワーカホリックだよねぇ、提督」
提督「そんなつもりは無いんだがなぁ」
鈴谷「じゃあさ、一緒にご飯を…ん?」
提督(お、よし。ボタンに気付いたか)
鈴谷「ねえ提督、この机に置いてあるのって…」
提督「ああ、それは明石が作って来たもんだ。
曰く、押すだけで相手が甘えてくるようになるとか」
鈴谷「へー…やっぱりそれなんだ。
知ってる?結構それ、噂になってるんだよ」
提督「何?そうなのか(やっぱりか)」
鈴谷「うん、食堂がそれの話題で持ちきりになってるくらいにはね」
提督「結構どころか大感染してるじゃないか…
あ、そうだ。鈴谷」
鈴谷「ん?」
提督「ほい」ポチッ
鈴谷「ちょっ!?」
提督(さあ、どうなる)
鈴谷「……ッ!!」
鈴谷「……あれ?今それ、押したよね?」
提督「ん、ああ」
鈴谷「私、何とも無いんだけど…
あれれ、ひょっとして明石さんミスった?
それともそれ、サンプルとかだったとか?」
提督(…なるほど、そう来たか。いや、まあ確かに、そうなるのが普通の反応なのかもしれないな)
提督(…だが、諦めん。今の俺は不退転だ)
提督「いや、そんな筈は無いがな。
実際に明石が実演も見せてくれたし」
鈴谷「えー?でもさぁ」
提督「…一つだけ、考えられる要因がある」
鈴谷「?なあに?電池切れとか?」
提督「これは相手を甘えさせる為のボタンだ。だから、元々甘えている相手には効果が無いんだ」
鈴谷「………へ?」
鈴谷「い、いやいやいや!!それは違うでしょ!」
提督「だが、それしか考えられないぞ」
鈴谷「絶対違うから!そ、そもそも鈴谷、提督にそんな甘えたりなんかしてないし!」
提督「わざわざ非番の日に執務室に来て食事に誘うってのも結構甘えてくれてるとは思うがな」
鈴谷「うっ、うるさいなぁ!もう!
鈴谷もう行くからね!」
カツカツ
提督「おいおい、待ってくれよ鈴谷」
鈴谷「うっさいし!」
提督「…鈴谷」
ドンッ
鈴谷「えっ?」
提督「鈴谷。俺は本気で聴いてるんだ」←壁ドン
鈴谷「えっ…え、えっと。提督?」
提督「率直にだな。俺はお前から甘えて欲しい。
だからさっき、迷わずにボタンを押したし、今、女々しくお前を引き止めてる」
鈴谷「あの、わ、分かったからさ?
ちょーっと離れない?か、顔が近いんだけど…」
提督「…俺の事が嫌いか?」
鈴谷「!そんな事無いよ!寧ろ好きだっ……」
鈴谷「……い、いや、今のは勢いで…」
鈴谷「…あの、さ。勿論嫌いじゃないんだけど、その、なんて言うかさあ…複雑っていうか…」
提督「…そうか」スッ
【提督、壁ドン解除セリ】
鈴谷「あっ…」
提督「…引き止めて悪かったな。行ってくれ」
提督「それと、こんな事を強要してすまなかった」
鈴谷「……あーもう!面倒くさいなぁ!
提督!やりにくいから、顔、少し上に上げて!」
提督「?こうか…?って…」
チュッ
鈴谷「…はい、おしまい!」パッ
鈴谷「それじゃ、今度こそ行くから!じゃね!」
ギィィ バタン
提督「…顔、赤リンゴみたいだったな」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
鈴谷(ヤバいヤバいヤバい!何か調子に乗っちゃって、ちゅ、ちゅーしちゃった!!)
鈴谷(恥ずかしくって提督の反応見ないまま逃げてきちゃったし…
どうしよ、きっと呆れられてる!)
『お前に甘えて欲しい』
鈴谷「〜〜〜〜っ!」
鈴谷(…もう!絶対暫くマトモに顔見れないし!)
鈴谷「ああー、もうー!!」
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提督「良し」
明石『なに気取ってるんですか…にしても、よくあんな嘘八百並べられましたね。正直今回はボタン押してダメだった時点で失敗かと思いましたよ』
提督「俺も正直ダメかと思ったが、まあまあ何とかなったな」
明石『…でも、何だか納得行かないって感じの顔してますね』
提督「ご明察だ。…今回、鈴谷に対して、まあ恥ずかしめることは出来たから確かに失敗ではない」
提督「だが、それはこのボタンによるものかって言われたら違う気がしてな。何か釈然としないんだ。
鈴谷も多少、自爆って感じもするし」
明石『えー…さっきので妥協しちゃダメなんですか』
提督「俺はだな、『このボタンは何の機能もないんだー』と言って…ていう下りをどうしてもやりたいんだ。それまでは妥協なんかしてたまるか」
明石『そうですか。じゃあ、頑張って下さい』
提督「そして今回も発散出来なかったこの鬱憤は今度こそ次の娘に対して味わわす」
明石『なんて理不尽な…』