提督「艦娘が甘えてくるボタン?」 作:マロニー
提督「『拝啓…』いや、流石に硬すぎるかな」
明石「?何を書いてるんですか?
重要な書類って感じでも無いようですが」
提督「ああ、手紙を書いてるんだ。場当たり的に声かけるより、こうやって呼び出そうかと思ってな」
明石「へー…面白そー…」
提督「心底興味無さそうな…まあいいや。
下手に仰々しい文だと、なんか機密文書とかと勘違いされそうだし、どう書こうかビミョーに迷ってるんだよな」
明石「ああ、そうですね。…その手紙は誰に書いてるんですか?」
提督「ん゛…んーと、とりあえず内緒」
明石「おやおや、何ですか今の声。なにか隠しているんじゃないんですか?ほらほら、隠し事は身体に悪いですよ?」
提督「こ、ここぞとばかりに元気になりやがって!
…龍驤だよ。龍驤に向けた手紙を書いてんだ」
明石「龍驤さん…ですか?
確かに、随分最初の頃から居る人ですが、そこまでかしこまらなくても優しい人だし、大丈夫じゃあ…」
提督「あーー…まあ、そうだな。優しいんだけどさ…それは間違いないんだけど、いつもやりくるめられるから、今度こそは優位に立ちたくて仕方ないんだ」
明石「へー、やりくるめられる提督ですか…見てみたい」
提督「クソッ言うんじゃなかった!目を輝かせやがって!…よし、文面はこれでいいや!」
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【倉庫裏にて】
提督「よお、龍驤。うぇーい」
龍驤「うぇーい…なんやねんこの挨拶」
提督「ノッてはくれるんだな」
龍驤「ん、まあね」
龍驤「…それで、なんなのキミぃ。
こんなモノ送ってきて」ヒラヒラ
提督「ああ、そうした方が雰囲気出ると思ってな。変だったかね。…お前ベンチ座らないの?」
龍驤「座らん。『倉庫裏ニテオマチイタス、司令官ヨリ』…ラブレターかと思ったわ」
提督「んじゃ俺だけ座るか。…というか、お前はそんなのに釣られるようなタマじゃないだろうよ」
龍驤「…」
龍驤「まあ、ええわ。それじゃあ何で呼んだんや?まさかウチをあの悪名高ーい、くだんのアレの餌食にするってワケやないやろ?」
提督「ぐっ」
龍驤「…図星かい。
ほんと、アホらしいわ…」
龍驤「…ほんのちょっぴりでも期待したウチがアホみたいやないか」
提督「いや、ほんとすいません」
龍驤「なんや似合わんな。司令官の事だからてっきり開き直るかと思ったけど」
提督「俺を何だと…
…いやいつもならそうしてただろうなぁ確かに」
龍驤「ぷっ、あはは!認めるんかい!」
龍驤「…♪」
龍驤「よし。それ、やってもええで」
提督「え、マジで。
てっきり絶対断られると思ってたんだけど」
龍驤「そっちの方がよかった?」
提督「いやいや、願ったり叶ったりだ。
そんじゃあ遠慮なく」
ポチッ
龍驤「…ふっふーん。これで、司令官をめちゃくちゃにする大義名分が出来た訳やな」
提督「えっ何怖い事言ってんの。
…というか大分強めにかけたのに、なんつーかいつもと変わらないな」
龍驤「ん?だってそれ、そもそもが甘えたいーって娘には関係ないんやろ」
提督「…それって」
龍驤「ふふ。何かウチが企んで、そのボタンを押すのを許可したと思ったやろ?この朴念仁」
提督「いや、何も考えてなかった」
龍驤「あは、はは!ほんっとキミおもろいなぁ!
あ、膝借りるわ」ボスンッ
提督「うおっと、事後承諾やめろ。
…うーん、おm」
龍驤「何か言ったか」
提督「言ってやせん!!」
龍驤「あはは、その殊勝な態度に免じて一発で許したるわ」ペチン
提督「いてて、命拾いしたな。…めちゃくちゃにされるってのもこれで終えたって事でいいか?」
龍驤「うん?ああ、そういえばさっき言ってた?じょーだんやて、あんなん。真面目にしちゃって可愛いわ」
提督「ぐ…だって、やりかねないだろ」
龍驤「む、確かにそうやな」
龍驤「…くふふ。
キミ、よく見ると案外カワイイ顔してるな」
提督「何処が?自分で言うのもなんだが、憎たらしさ百パーだぞ?」
龍驤「あはは、本当に自分で言うことやないわ!まあ、あばたもえくぼって言うやん?それとも、惚れた弱みって方がいい?」
提督「…あー、じゃあ前者」
龍驤「…ね。『流石に近いわ!』とか、『離れろ!』とか。そういうこと、言わんの?」
提督「どうせ言っても天邪鬼さんは離れないだろ?」
龍驤「…ふうん?
天邪鬼はどっちやろうねぇ」
提督「何を…んっ…むっ…」
龍驤「…っ……ぷはぁ…。
嘘つきな口には、『こう』や」
提督「…嘘なんて…
…ああ待った待った!言う、言うから!」
提督「…離れろ、とか言わないのは、俺が個人的に離れて欲しくないからです。そのままで居てください。…これでいいか?」
龍驤「…くくっ♪顔、真っ赤っ赤や」
提督「…うるせぇ、お前もな」
龍驤「ウチはいいんや、ウチは。
…うう、ただ流石に冷えてきたな。戻ろ」
ピョン
提督「あー…そうだな」
龍驤「…そんな物寂しそうな顔せんでも、中で『続き』すればいいでしょ?」
提督「えっ、ああ…
…そんな顔、してた?」
龍驤「あほ、カマかけや。
でも、思ってくれてたんやな。嬉しいわ」
提督「……〜〜〜ッ…」
提督「ほんま、かなわんわ…」
龍驤「あ、セリフ取られた」