これは白い家から二人共逃げ出し、シュウに助けられ、ハンターとして二人一組で活動している話です。

これはいつか書き直す予定の作品です。現在はまだ見にくい作品です。お目汚しなりますがそれでも良ければお読みください

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初投稿です。書くのは初めてですが、宜しくおねがいします


プロローグ

アルディア空港  

 

「キャー!!助けて!!」

 

 

 現在アルカディア空港ロビーでは一人の男によって、緊迫した状況にあった。

 

 

「まだわからねぇか!おまえらごときじゃ相手にならねぇんだよ!」

 

 

 男がロビーで暴れだし、その上一人の女性客を人質にして、駆けつけた警官達を宝珠による奇怪な術で寄せ付けさせない。

 警官たちは何とかロビーの窓際まで追い込んだものの、それ以上は術に阻まれ手も足も出せない状況で、人質も取られたままだった。

 

 

「わ、わかった。要求はなんだ?」

 

 

 手詰まりとなりつつあった警官の一人が犯行目的を問うために質問を投げた。

 それを聞き、男は

 

 

「この空港の飛行船の発着をストップさせろ」

 

「なんだって!?」

 

 

 男の言葉に、警官がおもわず驚愕してしまう

 

 

 

 

 

 ロビー窓際より少し離れて、右斜め後方、出入り口付近で事態を見ていた空港職員達も男の要求を聞いて、驚愕の声を上げる

 

 

「発着を止めろだなんて!今上空ではセントディアナ号が着陸準備に入ってるんだぞ!」

 

「セントディアナ号と言えば、女神像の下で行われる式典の要人達が乗っているのでは?」

 

「!!まさかそれが狙いなのか?!」

 

 

 職員たちが困惑する中、警官は刺激しないように、努めて優しく目的はなんだ?と問うのに対し、男は、うるさい!良いから俺の言うとおりにしろ!と興奮したように、宝珠を頭上に掲げ、言う通りにしなければ人質にも危害を加えかねない雰囲気をだしており、警官はますます動けなくなる。

 

その状況を見ている職員たちの中の一人が、焦りを募らせながら言う

 

 

「一体どうすればいい!!あの連中では何時片が付くかわからんぞ」

 

「そう思いまして、ハンターに依頼しました」

 

 

 他の職員たちも焦りや呆れていく中、一人の職員によるハンターに依頼した。という発言で関心はそちらに向き、ハンターと言う存在を知らない職員がどういうものなのか、聞く

 

 

「ハンター?何だそれは」

 

「金さえ払えば、どんなことでもする奴等です。素性は知れませんが、今回依頼したハンターは、腕は確かな二人組みだと‥‥」

 

 

 二人組?と疑問に思う中、突然外から飛行船のエンジンが鳴り響き、どんどん音が近づいてきたかと思えば、飛行船から何かが飛び出し、ロビーの大きな窓ガラスが割れ、そこには二人の若い男女が立っていた。

 

 

 

「ハデにやりすぎたか…? 大丈夫か? ミリル」

 

「ええ。大丈夫」

 

 

 突然窓から飛び込んできた二人組に男は呆然とし、人質から手を離してしまった。女性客も驚いたものの、いち早く我に返り、素早く男から離れ、警察に保護される。遅れて我に返った男がその様子を見て、くそっ! と悪態をつきつつ、窓に飛び込んできた二人組に向き直る。

 

 

「何だてめぇら! 何しにきやがった!?」 

 

「ハンターさ。おまえを片付けにきた」

 

「悪く思わないでね。こっちも仕事だから」

 

 

 気分は最悪だと言わんばかりの表情と感情をぶつけるように喋る男に、淡々と返すハンターと名乗る二人組、その対応に男が憤慨し、

 

 

「なめた口ききやがって! 気に入らねぇ! 俺様を怒らせるとどうなるか、思い知らせてやる!!」

 

「「いいぜ(わ)。かかってきな(さい)!」」

 

 

 男と2人のハンターの戦闘が始まったのもつかの間、男はハンター達の攻防に焦ったように、くそ…こいつら強い…。と漏らすと宝珠を使って奇怪な術で窓際から発着口までワープし、そこから停泊している飛行船に逃げ込んでしまう。

 

 

「あっ! あいつ逃げやがった!」

 

「追いかけましょう。あれ?エルクあなた、腕怪我してるじゃない」

 

 

 ハンターの少年が腕の怪我を確認すると、このぐらい平気さ。と言ったが、ハンターの少女が駄目よ。手当しておきましょ。と少年の発言を却下し、それを聞いて人質になっていた女性客が、おもむろに近づき

 

 

「あの、これよかったら使って」

 

「あら? いいんですか? 有難うございます。 ほらエルク、腕出して」

 

「わかったよ…」

 

 

 女性客からバンダナのようなもの受け取ると、少女は手早く少年の腕に巻いていき、はい。これでよし! と少年に微笑む。それを照れくさそうに頭を掻きながら目を逸らす少年をみて、じゃ、急ぎましょ!と足早に発着口に向かう。

少年も後を追うにしつつ、女性にお礼の意味を込めて、軽い会釈をして少女の後を追いかける

 

 

 

 

 

 

  ロマニア飛行船

 

 

 入った飛行船の中は、全体的に暗く、照明も現在居る通路に一定の間隔に最低限のものしか点いておらず、どことなく不気味さを醸し出していた。そんな船内を2人が歩いていき、エルクが機関室と書かれた扉の前で

立ち止まり、…気配がする。この中か? とつぶやきながら、隣のミリルを一瞥し、頷くのを確認すると静かに扉を開け、中に入っていく

 

 

「ちっ、暗いな… ミリル電源を探してくれ」

 

「了解…こんな事なら、灯りでも用意しておくべきだったかな」

 

 

 入った機関室には明かりがついておらず、暗さで視界がききにくい二人は目を凝らすようにしながら、周囲を警戒しつつ、部屋を調べようとすると、獣の唸り声と怪しく光る眼のような物が見えた。臨戦態勢取る二人。

戦闘になるかと思いきや、奥から、だめよ! パンディット! と叫ぶ女の声を聞いた獣は、即座に声のした方向に戻っていく。他にも居るのか? と警戒するエルクと、電源を見つけ機関室の明かりを点けるミリル。

部屋が明るくなっていき、部屋に居たのは金髪の少女と狼の姿をしたモンスターだった。

 

 

「やめて! この子はなにもしてないわ。」

 

「この子って…」

 

「その子、モンスターよね?」

 

 

 狼のモンスターが金髪の少女の後ろでこちらを警戒しているなか、ピッタリ少女に寄り添い、守るようにしている様子に戸惑う二人。それを察したのか少女が、大丈夫。この子は私には逆らわないわ

その発言にエルクとミリルは驚き、モンスターを操れるのか? と問われると押し黙ってしまう。 そのことに関して触れてほしくないと感じた二人は、機関室を後にしようとする。

 

 

「関わってほしくなさそうだな。まあ、こっちも今それどころじゃないんだ。邪魔したな」

 

「そうね。でも貴女、名前くらいは教えてもらっていいかな? 私はミリル。こっちはエルクよ」

 

「…リーザ」

 

「リーザね。ありがと。じゃあ私達もう行くね」

 

 

 部屋を後にしようとする二人にリーザは、あの… と声を掛け、自分を捜しに来たのではないのか?と質問する。その質問に対してなんのことだ? といった顔をされる。俺たちはこの飛行船に逃げ込んだ男を

探してるんだ。何か知らないか?と尋ねられるが、知らないため黙ってしまう。

 

 

「知らないようだな。じゃあな」

 

「あなた達…」

 

「「?」」

 

「本当に私を捜しに来たんじゃないのね?」

 

「さっきから何の話だ?俺たちは今言った男探してるだけだ」

 

「……」

 

「だまってちゃ分からないぜ」

 

「エルク急かさないの。リーザは私達に何かして欲しいの?」

 

「……私をここから逃がして欲しいの」

 

「「逃がす?」」

 

「訳は言えないけど、この船には-」

 

 

 リーザが何かを言いかけたその時、通路から

 

 

「ギャー!!」

 

 

 男の声が通路から響き、

 

「くそ、そっちか!」

 

「行きましょ。エルク! リーザ、仕事が終わったら戻ってくるから!」

 

 

 二人は男の悲鳴を聞くとすぐさま通路に飛び出していった。

 

 

 

 

 通路に出た二人は近くで倒れていた作業員を見つけ、すぐに駆け寄る。

 

 

「大丈夫か!?男にやられたのか!」

 

「あっちに…逃げた…」

 

 

 作業員が何とか指差した通路の先に階段が見える。

 

 

「あの…階段から…甲板へ…出…た…」

 

「おい!」

 

「大丈夫。気絶しただけみたい」

 

「ミリル、すまねぇがこのおっさんをどこかに移しておいてくれ。俺は先にやつを追う」

 

「了解。わたしもすぐ追いかけるから、無茶はしないようにね」

 

「ああ。解ってる」

 

 

 作業員をミリルに任せ、エルクは階段から甲板に出る。

 

 

 

 

 

 

 

 【飛行船甲板】

 

 

 飛行船の甲板は、空母のような並行に四角く伸ばされており、端には柵がされており、衝突防止灯のような赤いライトが一定間隔に設置されている。男は甲板の中央に立っていた。

 

 

「追い詰めたぜ…もう逃げないのか?」

 

「お前は今、追い詰めたと言ったな? 違うな。誘い込まれたんだよ。間抜けなハンターだな!てめぇ一人か。なめやがって!」

 

 

 男が宝珠を取り出し、何かを唱えると、宝珠から吸血コウモリ達が出現し、エルクに立ち塞がった。

 

 

「どうだ! たった一人でこの数を相手しきれるかな? ふははははっ!」

 

「くっ…!!お前もモンスター操るのかよ…!」

 

 

 コウモリたち召喚したこともさることながら、本来人間に味方しないはずのモンスターを使役している事で、状況が一気に悪化し、エルクは心の中で、不味いな…と感じつつも

表情には出さない様に、男に向けて不敵に笑みを浮かべ、虚勢を張る

 

 

「へっ!いいぜ、やってやろうじゃねぇか!」

 

「はっ!その威勢のよさ、どこまで続くか見ものだな!」

 

 

 立ち塞がるように展開していたコウモリ達のうち、2匹がエルクに勢いよく迫り、鋭く尖った牙で吸血しようとした時、エルクの後方から、飛来してきた針のように尖ったつららとダガーに貫かれ、2匹は絶命する。思わず後ろを見て、エルクは礼を言う。

 

 

「もう! 先に行って返り討ちにあったら怒るよ! リーザごめんね。手伝ってくれて有難う」

 

「いえ、私もあなたたちの力になりたいから、ね? パンディット」

 

「さあ、エルク、ここから巻き返すよ!」

 

「ああ! 助かった。 さあ、決着をつけようぜ!」

 

「くそっ…!調子に乗りやがって…」

 

 

 勢いづいた3人に怯み、コウモリ達に相手をさせ、自分はどんどん操舵室につながっている甲板上部に進んでいく男、そうしている内に、3人と一匹の攻勢にどんどんコウモリたちは数を減らしていく。

最後の一匹が倒された所で、男は操舵室の扉の前に到達したが

 

 

「奴等、只者じゃない…ちくしょう、ここまで来て死んでたまるか!!」

 

手駒を失い、追い詰められた男は、死にたくないと言いつつも、半ば自棄になりながらエルク達に向かって、攻撃をし始めた。しかし4対1ではどうにもならず、最後はエルクの槍による攻撃で、戦闘不能に陥った。

 

 

「ま、待ってくれ!たのむ助けてくれ…」

 

「おとなしくしてれば、命は助けてやるさ。今は立ってるのも辛いだろうけどな」

 

「ハンターギルドにあんたを引き渡せば、私達の仕事は終わりだからね。」

 

 

男はさっきまでの様子から一変して、怯えきった表情で、

 

 

「違うんだ!!…奴等は失敗を許さない。奴等に…奴等に殺されるんだ!」

 

「「奴等?」」

 

「……」

 

 

 エルクとミリルは、誰のことかわからない中、リーザは心当たりがあるのか、顔を青くさせる。その様子にミリルはリーザに声を掛けようと近づき、思わず後ろを振り返った時、

自分たちが通ってきた階段の近くから、黒尽くめの男達の一人が銃を、話しているエルクと男に居る所に向けているのが見えた。

 

 

「エルク!! 後ろ!!」

 

「その奴等ってのは?…! 危ねぇ!!」

 

「恐ろしい力を持った組織だ。俺も奴等に…うぉ!」

 

 

 ミリルの声で咄嗟に後ろの振り向き、黒尽くめの男を確認すると伏せる態勢を取りながら、男に足払いをし、男を転ばせ、男の頭上を銃弾が掠める。

 

 

『死にぞこないが、余計なことをべらべらと。』

 

 

 底冷えするような、おどろおどろしい、おおよそ人間とは思えない声だった。

 

 

「何だお前ら!」

 

「!!」

 

リーザは黒尽くめの男を見て、更に青褪め、口をパクパクさせている。

 

 

 

『娘を渡してもらおう』

 

 

 リーザの尋常でない様子に、どういう事? とリーザに聞こうとした時

 

 

「この人達が私を-」

 

『黙れ!』

 

 

黒尽くめの男達のリーダーと思われる怒鳴り声でリーザの話は遮られる。 そしてエルクとミリルを一瞥し、興味のなさそうに言う

 

 

『お前らは深く関わらないことだ。命が惜しいのならばな。』

 

「なんだと!」

 

 

黒尽くめの男の一方的な物言いにエルクが反論しかけるが、男たちに銃口を向けられ、押し黙る。

 

 

「アルフレッド、今ならまだ許してやる。戻ってこい」

 

「ほ、本当か?」

 

 

 アルフレッドと呼ばれた男は、まだ許されるという状況に安堵しかけたが、先程から自分にも銃口を向けられている上、さっきの銃撃で自分も狙われていたと思い出し、どうすれば良いのか分からなくなる。

 

 

「くそ…!おい、お前も来い! ミリル!」

 

「ちょ、おい!」

 

 

 エルクは動けないでいたアルフレッドを無理やり引っ張っていく。

 

 

「リーザ、私達も行くよ!」

 

「は、はい! おいでパンディット!」

 

 

エルクの声に、後を追う2人とパンディット

 

 

『どこへ逃げようと、いうのかね?』

 

 

 逃げる4人と1匹を尻目に、冷笑を浮かべるリーダーと思われる男

 

 

 

 船首甲板に逃げたエルク達だが、船首から発着口までは、高低差もあってか、かなりの距離のがあり、飛行船を固定するためのいくつも太いロープが、

飛行船から空港や地面に向けて伸びている。しかし今の状況では打開策がない上、徐々に男たちに追い詰められていく

 

 

「ちくしょう…!うっ…!」

 

 

 男たちに追い詰められ、後退った時、船首から足が落ちそうになったエルク

 

 

『いい加減に、あきらめたらどうだ?』

 

 

 退路を断たれ、焦るエルクたちの様子見たリーザは、

 

 

「私……そっちに行きます」

 

「おい!?」「リーザ!?」

 

 

 リーザの言葉に驚愕するエルクとリーザ

 

 

「もういいの。このままじゃ、みんな殺されてしまう……だからここは私が…」

 

 

 自分が身代わりとなり、助けようとする姿に、エルクとミリルは、自分たちの身代わりとなって、逃がしてくれた一人の少年の姿が重なった。

 

 

 

 

 

 

 -5年前-

 

 

  迷いの森

 

 

「実験体の子供が三人逃げ出したぞ!」

 

「追え!ぜったい逃がすな!!」

 

「そっちに行ったぞ!!」

 

「早く捕まえろ!!」

 

 

 暗い森から溢れるような数のサーチライトと、そこから響いてくる、大勢の怒号と荒々しい足音、それらから必死に逃げている3人の子供たち

 

 

「「「はぁ…はぁ…」」」

 

 

後ろから聞こえる大勢の怒鳴り声に、焦りや恐怖、不安、色々なものがこみ上げてくる中、息を切らしながら必死に逃げる。

 

 

「きゃっ!」

 

「「ミリル!」」

 

 

3人のうちの一人が足をもつれさせてしまい、転けてしまう。

 

 

「早く立って!」

 

「早くしないと追いつかれる!」

 

「わたしはもうだめ…」

 

 

 転けてしまった子供は、恐怖や不安で半ば諦めかけており、後の二人も、無数のサーチライトの光が近づいてくるのが見えて、焦りを顕にする

 

 

「くそっ!子供の足でここまで来れるとは…」

 

「早くしないと森から出られるぞ!」

 

「この近くに居るはずだ! 森から出られる前に絶対に捕まえろ!!」

 

 

 近づいてくる焦るような、声を聞いた一人の子供が意を決したような眼をし、2人を見る。

 

 

「俺が囮になるから、その間に2人は逃げろ」

 

「「ジーン!?」」

 

 

 突然の言葉に困惑する2人

 

 

「俺があいつらを引き付けておくから、おまえらは助けを呼んできてくれ」

 

 

「でも!」

 

「大丈夫さ。俺意外とすばしっこいから、おまえらが逃げる時間くらいは何とかやってみるさ」

 

 

 渋る二人を不安にさせないように、笑顔を見せ、来た道を戻っていく。

 

 

「じゃあな! いそげよ!」

 

「…ミリル!行こう!」

 

「…わかった。まってて、かならず、たすけをよんでくるから!」

 

「おう!」

 

 

 エルクとミリルが走り去るのと同時に、ジーンは自分たちを探す声の方向に駆け出す。

 

 

「いたぞ!捕まえろ!」

 

「追えー!」

 

 

 ジーンのおかげで、声は遠ざかっていくのを感じながら、二人は必死に走り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしている? さっさとこい!」

 

 

 リーザを急かすように、怒鳴る声に男達の方に歩きながら、エルク達の方を向き、一瞬だけ足を止める

 

 

「……」

 

 

 エルク達を見るその顔は、弱々しい笑顔と、エルク達が助かるという安堵と、自分がどうなるかという不安などがごちゃまぜになったような物だった。

 

 

「命拾いしたな。お前ら、娘に礼でも言っておくんだな。」

 

 

 それを聞いた二人は感情が高ぶるのを抑えようともせず、

 

 

「「…俺(私)達を… 見損なうな!!」」 「!?」

 

「お、お前ら!? ぐあっ!!」

 

 エルクとミリルの突然叫びを上げ、こちらに攻撃を仕掛け、驚きの声を上げた男も、ミリルによる強烈な冷気を顔に浴びせられ、腕で顔を覆い、怯む。

 

 エルクとミリルの行動に、リーザは一瞬唖然としてしまうが、すぐに我に返り、好機と見て

 

 

「っ! パンディット!」

 

 

 名を呼ばれたパンディットは、待ってましたとばかりに、ミリルによって怯んでいる男にワン・ツーからの強烈なアッパーを叩き込み、男を吹っ飛ばす。

 

 男達が吹っ飛び、怯んでる隙に、エルクは甲板の欄干に掛かっていた鉄製のフック2つを太いロープの部分を炎の力で焼き切り、一つをミリルに投げ渡す。

 

 

「こっちだ! お前も死にたくなかったら、一緒に来い!」

 

 

「あぁ、くそ…。なんでこんなことに…」

 

 

 アルフレッドは怯えを隠しきれず、やけくそになりながらエルクについていく。

 

 

「ありがとう、でもどうして?」

 

「話はあと! リーザ、私にしっかり捕まってて! 」

 

 

 4人は船首から地面まで伸びている太いロープに鉄フックを引っ掛け、勢いよく滑り降りていく。

 

 

「うおおおっ!」

 

「うああああっ!?」

 

「やあああぁぁっ!」

 

「きゃあああ!?」

 

 

 エルクとミリルが雄叫びを上げる。 アルフレッドとリーザは、余りのスピードによる恐怖から、悲鳴を上げている。 そんな中、

パンディットは自慢の脚力を使い、軽々と、飛行船から空港に飛び移り、壁を伝うように飛び降りていく。

 

 

「こっちだ!」

 

 

一足先に地面降り立ったエルクが、飛行船から死角になるように誘導する。

 

 

「走るよ!」

 

「はい!」

 

 

 地面に着くと、ミリルとリーザは並走し、エルク達についていく。

 

 

「逃がすものか!」

 

 

 奇襲を喰らった男達の一人が、焦ったように銃を発射する

 

 

「きゃっ!?」 「リーザ!!」

 

「何!?」

 

 

頭上で銃声が聞こえたかと思うと、リーザに銃弾が当たり、バランスを崩して倒れてしまう。ミリルはすぐさま駆け寄り、リーザの怪我に注意しつつ、肩を貸しながら歩かせる。

エルクは殿を務め、飛行船からの追撃に注意しながら移動する。

 

 

 

(撃ってこない…?生かしたまま捕らえたいってことか?)

 

 

先程の銃声以降、撃ってこない様子から、そう仮定する。

 

 

(今はここを離れよう…)

 

 

 

 それから4人はパンディットと合流し、リーザを気遣いながら、出来るだけ足早に空港を出て、プロディアスの街に入ったあと、

リーザの傷の手当をするため、路地裏に入っていく。

 

 

「とりあえず応急処置はしたけど、どこかで休ませないと」

 

「どこかって言っても、どこに行くんだよ…?」

 

「今の所、追手は来てないようだが、いつまでもここに居るわけにはいかないな。」

 

 

 リーザの手当を終え、ミリルとアルフレッドが話し合ってる所に、確認に行っていたエルクが戻ってくる。

 

 

「怪我はどうだ?」

 

「あんまり良くない。どこかで休ませてあげないと…」

 

 

 ミリルの言葉にエルクは少し考えた後、

 

 

「インディゴスに行こう。あそこなら知り合いも居るし、ここよりは安全なはずだ」

 

「そうね。じゃあ行きましょう。」

 

 

 エルクとミリルが準備する中、アルフレッドは、インディゴスか…‥となにか思うように、2人に聞こえないよう、呟く

 

 

 

 エルクたちはプロディアスを出た後、アルディア橋を超え、廃墟の町の横を通りながら、インディゴスに入っていく。

 

 

「大丈夫?」

 

「着いたのね…」

 

「もう少しの辛抱だからな。」

 

 

 ミリルが気遣いの声を掛け、リーザは辛そうしながら、着いたことに安堵し、エルクがリーザを励ましながら、知り合いのアパートに急ぐ

 

 

 

 

 

 

 

 シュウのアパート

 

 

 最低限の家具とテーブルには酒のビンが置いてあるような、殺風景な部屋のラジオから、ニュースを伝える声が響く

 

 

【ニュースをお伝えします】

 

 

【昨夜のアルディア空港での事件の続報ですが…‥】

 

 

 

 昨夜に起こったアルディア空港の事件について、伝えているようで、その内容を聞くその部屋の住人の男

 

 

 不意に後ろのドアがノックされる。

 

 

「シュウ、おれだ、エルクだ」

 

「…入れ。カギは掛けていない」

 

 

シュウと呼ばれた男が答えると、ドアが開き、4人と一匹が入ってくる。

 

 

「シュウ、少しの間ここにおいてくれないか? この通り、俺ひとりじゃないんだ」

 

「見ればわかる。ミリルも一緒なのは分かるとして、そいつらは?」

 

 

 エルクに抱えられている娘と、ドア付近に立っている男を見て、眉をひそめる。

 

 

「この子は行きがかりで助けたんだ。名前くらいしか知らない。」

 

「あとこいつは、成り行きで助けただけよ。 あのままだと面倒なことになってただろうし」

 

 

 簡素な説明をする二人に、溜め息を付きそうになりながら、怪我をしているのか反応の薄い少女を見て

 

 

「とりあえず、怪我人を寝かせてやれ」

 

「すまない」

 

 

 シュウからの言葉で、エルクはリーザをベットに寝かせた後、シュウから質問される。

 

 

「空港の一件、やはりお前たちか?ニュースで流れていたぞ。」

 

「流石。お見通しね」

 

「へへ。やっぱお見通しだったか」

 

 

 シュウの質問でエルクとミリルはいたずらっぽく笑う。そして真剣な面持ちになり、

 

 

「その通り。その時この子とそいつを助けたんだが…」

 

「どうも、二人はモンスターを操る力を持っているらしいの。それで妙な奴等に追われてるのよ。」

 

「妙な奴等…」

 

 

 二人の話にシュウは考え込むような顔をする。そして、所在無さげに立っているアルフレッドに目を向ける。

 

 

「おまえ、空港の犯人だな?手配書が出回っているぞ。」

 

 

「うっ…」

 

 

シュウの言葉にアルフレッドは、ばつが悪そうに表情を歪める。

 

 

「本来なら、ハンターとしてギルドに突き出すところだが、その妙な奴等が気になる。今は外に出ないほうが良いだろう。」

 

「分かった…」

 

 

 現時点では、突き出されないことがわかり、僅かばかり安堵するアルフレッド

 

 

「とりあえず、リーザを医者に見せなくちゃ。」

 

「ニュースは国中に流されている。目立ったことは出来んだろう。」

 

「でも…」

 

 

 エルクとミリルが医者を探そうとする中、シュウの忠告で、どうするべきか悩み二人

 

 

「ラドの親父なら頼めるかもしれん。」

 

「「ラドの親父?」」

 

 

 聞き覚えのない名前に首を傾げる二人

 

 

「闇医者だ。ハンター御用達のな。」

 

「闇医者…信用できるの?」

 

「ああ、酒癖は悪いが腕は確かだ。金さえ払えばどんなやつでも見る。」

 

 

 ミリルは聞き覚えのない闇医者に対し、心配そうにするが、はっきりと断言されたことで一応納得することにした。

 

 

「俺は出かけなくてはならん。戻るまで、部屋は自由に使って構わん。」

 

「ありがとう。すまない」

 

 

 シュウは手早く準備を済ませ、扉の前でエルク達に再度忠告する。

 

 

「気をつけて動いたほうが、いいかもしれんぞ。」

 

「ああ。シュウ、すまない」

 

「気にするな。ラドの居場所だが、この時間帯は酒場に居るかもしれん。」

 

「酒場か。分かった行ってみる」

 

 

 伝えるべきことを一通り伝えたシュウは、エルク達に振り返ること無く、部屋を後にしていく。

 

 

 

「さてと、ラドって医者を捜しに酒場に行ってくる。ミリルはここでリーザを見ててくれ。」

 

「わかったわ。エルク、気をつけてね」

 

「ああ。」

 

「…‥‥」

 

 

 エルクとミリルが話してるのを見つつアルフレッドは治癒能力を持っている姉のことを考える。

 

 

(姉さんなら、この女の傷も治せるかもしれない…‥でも、あいつらは姉さんの周りを監視しているかもしれない…。)

 

(それに姉さんは、今の俺がどういう状況にあるかを知らないはずだ…。軽はずみに会いに行けば、あいつらに感づかれるかもしれない)

 

 

 アルフレッドが、神妙な顔をしているのを見たミリルは少し心配そうにしながら

 

 

「あんた、どうしたの?」

 

「あ、ああ。いや、なんでもない」

 

 

急に声を掛けられて慌てたものの、なんとか言葉を返す。

 

 

「分かってると思うが、お前も部屋で大人しくしていろよ? 手配書が出回ってるって話だからな」

 

「ああ。わかってる。おとなしくここに居るさ。」

 

 

エルクからも声を掛けられ、アルフレッドは、忠告に素直に従う姿勢を見せる。そしてエルクは部屋を後にするためドアに近づいていく。

 

 

 

 

「じゃあ行ってくる。」

 

「ええ。いってらっしゃい。気をつけて」

 

 

ドアノブを掴んだ所で、後ろを向き、ミリルに軽く手を上に上げ、会釈して部屋を出て、エルクは闇医者のラドを探しに、酒場に向かうのであった。

 

 

 




 ある小説に影響を受けて書いたものの、書くって大変ですね。文字数あるのに展開進まないし…… 色々書きたいところですが、ここまで見てくださった方、有難うございます。
良かったら感想等頂けると、嬉しいです

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