青年の異世界珍道中〜僕のヒーローアカデミア〜   作:クロイツヴァルト

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第一話

 

 「おーい出久、早くしないと見れないぞ!」

 

 「ま、待ってよ戒翔君!」

 

 とある街中の風景に天然パーマの少年と金髪でウルフヘアの様な少年の二人が中学の制服に身を包み学校から家に帰る途中で違う道を走っていた。

 

 「出久早くしないとヒーローが敵を捕まえる所を見逃すぞ!」

 

 そう、この世界にはヒーローと呼ばれる存在がいる。この世の中に個性と呼ばれる超常現象が初めて中国のとある市で発見されたのが始まりである。以降各地では超常は発見され原因が分からず時は流れ超常は日常に架空は現実になる。そして世界総人口の約8割が何らかの特異体質である超人世界となった。混乱渦巻く世の中で誰もが一度は憧れたある職業が脚光を浴びる事になる、。

 

 「俺に近づくんじゃねぇ!」

 

 鉄道が敷いてある鉄橋の上で異形の大男が腕を振り回しながら暴れていた。

 

 「ハァハァ」

 

 「何とか捕まる前に到着したは良いがアレは何をして追われているんだ?」

 

 現場に着いたのだが息を切らし整える出久と余裕の表情で敵のいる鉄橋を見る戒翔

 

 「何だ、にいちゃん達知らないのか?アイツはひったくりをして逃げた奴だよ。」

 

 「あの図体…個性か、それにしてもその個性でひったくりとは」

 

 戒翔の疑問に近くにいた大学生の男性が答え、その言葉に戒翔は呆れる。

 

 「「キャー!頑張れカムイ!」」

 

 突如、頭上を飛び越える人影を戒翔は視認するのと同時に複数の女性の黄色い声が上がる。

 

 「シンリンカムイ、確か今人気急上昇中の若手実力派のヒーローか。それに防堤を作っているのは災害救助のエキスパートのバックドラフトだったかな。」

 

 上を通ったのは青いヒーロースーツに身を包んだ全身を樹で包んだ男性、シンリンカムイに人がこれ以上進まない様に警察と一緒に個性で止めているヒーローは消防士の格好をしているバックドラフトである。

 

 「通勤時間帯に能力違法行使に強盗致傷。まさに邪悪の権化よ」

 

 ホームの屋根の上で構えながらカムイはそう告げながら右腕を振り上げて自身の腕を個性で伸ばす。まるで樹木が成長する様にそしてそれが瞬時に枝分かれする。

 

 「あ、出るよ!シンリンカムイの必殺技が」

 

 「必縛」

 

 「ウルシ鎖牢!」

 

 そして大型敵にシンリンカムイの技が決まろうとしたその瞬間

 

 「キャニオンカノン‼︎‼︎」

 

 その右側から突如巨人の女性がドロップキックを大型敵にブチかましその場の空気を凍らせる。

 

 「本日デビューと相成りましたMt.レディと申します!以後、お見シリおきを!」

 

 そう言いながら気絶した敵を摘み上げる女性、Mt.レディは民衆の前で笑顔を振りまく。途端にどこから現れたのかカメラ小僧の様な集団が現れて彼女を連写し始める。

 

 「まったく、女性ヒーローが現れるとどうしてこういう輩は現れるんだろうな」

 

 「それは多分ヒーローになる人は男の人が多いからじゃ無いのかな?あと、滅多な事でもないと女性ヒーローを撮影出来る機会が無いのもあると思うよ。」

 

 呆れながら呟く戒翔の言葉に出久は先ほどのMt.レディの個性の分析をノートに書き写しながら戒翔の呟きに答える。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 「えー、お前らも三年で本格的に将来を決めていく時期だ!今から進路希望のプリントを配るが!」

 

 出久と戒翔が通う中学の教室の一室で担任の教師が生徒達に今後の話をしていた。そして手元にある進路希望のプリントを手に取るが

 

 「皆、ヒーロー科志望だよねー!」

 

 手に持ったプリントを放り投げる教師の言葉と同時に教室内の生徒が各々の個性を使う。

 

 「うんうん、皆良い個性だね!だけど校内は個性無断使用は原則禁止だからな。」

 

 「先生!「皆」とか一緒くたにすんなよ!」

 

 教師の言葉に反応して戒翔と同じ金髪でツンツンのライオンヘアの様な生徒が叫ぶ。

 

 「俺はこんな没個性供と仲良くする気はねーよ!」

 

 「そりゃねーよ、カツキ!」

 

 「モブがモブらしくウルセェな!」

 

 カツキと呼ばれた少年は周りの生徒の言葉に嘲笑をする様に言う。

 

 「爆豪は雄英高志望だったか。」

 

 騒ぐ生徒を宥めながら教師の言葉に生徒達は鎮まるどころか更に騒ついてしまう。

 

 「雄英⁉︎あの雄英か!今年の偏差値79だぞ!倍率も毎度ヤベーだろ!」

 

 「そのザワつきが!モブがモブたる所以だって〜んだよ!」

 

 そう言って爆豪は自身の机に飛び乗り仁王立ちする。

 

 「模試はA判定!俺は中学で唯一の雄英圏内!」

 

 「俺は!トップヒーロであるオールマイトを超えるヒーローとなり!必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ!」

 

 「あ、そういや緑谷と御坂も雄英志望だったな」

 

 そう叫ぶ爆豪と教室内の生徒を固まらせる教師の言葉。そして次には爆笑と驚嘆の二つが巻き起こる

 

 「すげー!生徒会長の御坂も雄英志望なのかよ!」

 

 「それに緑谷もかよ!御坂は当然だと思うけど緑谷はムリっしょ!」

 

 「勉強だけじゃヒーロー科には入れないぞー!」

 

 「ピーチクパーチク煩いぞバカ供が」

 

 嘲笑する生徒たちとは違う重く威圧感ある声音でそう告げる戒翔は黙ってこちらを見る生徒達を一瞥する。

 

 「昨今の雄英は確かに個性を重視しているが今はその他にも普通科やヒーローをサポートするサポート科なんかもあるんだ。それに出久は俺の指導の下で肉体を鍛えている。生半可な奴じゃ負けないさ。」

 

 教室の窓際の隅の席に座るこの折寺中学の生徒会長を務める戒翔はそう告げて緑谷を見て

 

 「出久、今すぐ上着を脱いで今のお前の体を見せてみろ。」

 

 「え、でも」

 

 「四の五の言わずに脱げ!」

 

 そう言って戒翔は出久の制服の上着を自身の個性で手元に飛ばす。そしてワイシャツ越しの出久の体に教室全体が驚嘆する。

 

 「な、何だよその体!ムキムキじゃねぇかよ⁉︎」

 

 「スゴい…細マッチョってヤツよね!」

 

 「どんな鍛え方したらそうなるんだよ!」

 

 クラスの目に晒されたのは中学生ながらにも鍛えられた体をした出久の姿に爆豪は勿論の事、クラスは唖然とすし、次の瞬間には驚きの声をあげる。

 

 「おい、戒翔!デクを鍛えてるってどう言う事だコラぁ‼︎‼︎」

 

 「出久から提案してきて俺が承諾したんだよ。無個性でも何か出来ないかなって。だから先ずは最初に精神面の強化で今は肉体を鍛えている最中だ。」

 

 「アババババババ」

 

 「正気に戻れバカ者」

 

 食って掛かる爆豪に何でもない様に気軽に言う戒翔だが、何を思い出したのか蒼い顔して震えだす出久。それを見て戒翔は一息で出久の背後に移動して頭に手刀で叩き意識を戻す。そしてそれを見た教師を含むクラスの人間の疑問は同じであった。

 

 (((一体どんな事をしたらそんなに追い詰められるの⁉︎)))

 

 そんなこんなをしている間に放課後になる。

 

 「はぁー、それにしても戒翔君の考えたトレーニングって結構無理がある組み方してないよね?」

 

 「何を勘違いしている?最高峰の教育機関雄英を目指すのであれば今までよりも2、3段階を上げて鍛える必要がある。以前の違法投棄された海岸の清掃や古武術やボクシングなどだけでは足りん。ハードになるが覚悟して着いて来いよ?でなければお前の目指す場所には到底届かんからな」

 

 高架下を歩いている戒翔と出久の二人は今後のことを話していた。その時

 

 「Mサイズの隠れ蓑!」

 

 「ヴィラン⁉︎」

 

 「自身の体を泥の様な流体形にする個性か!」

 

 「ぐぇッ!」

 

 出久に襲い掛かるヴィランだが、それよりも早く戒翔は緑谷の襟首を掴み後方に下がる。

 

 「良い反応するじゃないか。なぁに、少しだけ体を貸して貰うだけだっても完全に貰うんだけどね!」

 

 そう言ってもう一度二人に襲い掛かる…が

 

 「な、何だ体が動かない…だと⁉︎」

 

 「俺の個性はESP能力様々な能力が使えるが今はサイコキネシスまぁ、簡単に言えば念動力見えない力場を作ってお前の動きを拘束していると言うわけだ。」

 

 「チクショウ、あんなヤツがいたのにこんな所にも厄介な個性持ちがいやがるなんてなぁ⁉︎」

 

 「ヤツ?奴とは一体」

 

 拘束して身動き出来ない泥のヴィランの言葉に不審に思い聞こうとするとヴィランが現れたマンホールの蓋が上に吹き飛び片手にコンビニ袋を持った巨漢の男が現れる。その男に出久と戒翔は唖然とする。

 

 「バカな、オールマイトだと!この街に来ていたのか!」

 

 「大丈夫か少年達よ!って敵の動きを止めているのか!スゴいな」

 

 「このヴィランが思いの外弱かったから簡単にいっただけだ。しかし、アンタみたいなトップヒーローが何でまたこんな所にいるんだ?まぁ、見当は着くが」

 

 格好をつけようとしたNo. 1ヒーローのオールマイトだが、彼から見て何らかの個性で身動きが出来なくなっているヴィランに驚き出久達二人に声を掛ける。

 

 「少年の考えている様に私はそこのヴィランを追いかけていてね。そいつは強盗を働いて逃走している所に私が出くわしてそのまま追跡していて現在の状況って事だね。」

 

 「それじゃ、こいつはアンタに任せれば良いんだな?」

 

 「そうだが、少しそのまま動きを止めといてくれるかい?このボトルに今から詰めるから」

 

 「ならそのボトルの口開けてこっち向けといてくれ」

 

 「?こうかい?」

 

 オールマイトの言葉に戒翔は自身の個性で流動体のヴィランを圧縮してオールマイトの持つボトルに流し込んでいく。

 

 「!?驚いた、既にそこまでの精密なコントロールが出来ているだなんて」

 

 「自身の個性を把握してそのできる範囲を把握して鍛えて損は無いからな。それで俺は用は無いけど出久はアンタのファンだからな。俺は帰るけど出久、お前の思いの丈俺は知っているがトップヒーローにもぶつけてみな。」

 

 そう言って戒翔は出久を残して踵を返す。

 

 「か、戒翔くん⁉︎」

 

 「先に帰る。お前もお前で簡潔にそして情熱を伝えれば良いんだよ。オールマイト、済まないが一般人の俺が頼んでも仕方ない事だろうけど出久の想いを聞いてもらえると助かる。」

 

 驚く出久の言葉に戒翔は事もなげに告げ、オールマイトに頼み事をするだけして出久を残してその場を去る。

 

 「少年の想いか。」

 

 既に距離がある戒翔の背中をオールマイトは見つめ、次に出久を見て呟くのであった。

 

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