青年の異世界珍道中〜僕のヒーローアカデミア〜   作:クロイツヴァルト

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第三話

 「今日は俺のライブにようこそ‼︎‼︎エヴィバディセイヘイ!!!」

 

 講堂の教壇の前にDJの様な格好をした男性が立って受験生に向けて挨拶をするが虚しくそれに返す者は誰もいなかった。

 

 「開始早々スベるとはな。」

 

 「ボイスヒーローの〝プレゼント・マイク〟だ!」

 

 「っけ!」

 

 隣同士の出久達幼馴染三人衆は各々の反応を見せる

 

 「コイツはシヴィー‼︎‼︎さぁ、受験生のリスナー諸君!サクッと実技試験の概要をプレゼンするぜ!アーユーレディー?」

 

 気合の入ったプレゼント・マイクの言葉はまたも受験生はスルーするのであった。

 

 「入試要項通り!この後、リスナーにはこの後!十分間の模擬市街地演習を行ってもらう!」

 

 そう宣言するプレゼント・マイクの後ろにある超大型の空間ディスプレイには会場の見取り図の様な物が投影される。

 

 「持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習場に向かってくれよな!」

 

 「知り合い同士で組ませない様に調整してあるって訳か。」

 

 そう言って戒翔は受験証明書のカードを見て各々がバラバラの会場になる様にされている事を見る。

 

 「っち、テメエらを潰せねえじゃねぇか!」

 

 「いつにも増して敵対心増し増しだな。」

 

 爆豪の言葉に苦笑する戒翔

 

 「各試験会場には仮想敵を三種・多数配置してある!そしてそれぞれの難易度に合わせてポイントが設定してあるぞ!」

 

 「そして各々の個性で仮想敵を行動不能にし、ポイントを稼ぐのが君達の目的だ!」

 

 「もちろん、他人への攻撃等のアンチヒーローな行為は御法度だぜ⁉︎」

 

 「質問をよろしいでしょうか!」

 

 プレゼント・マイクの言葉に受験生の一人が挙手と同時に立ち上がる。

 

 「プリントには四種の仮想敵が記載されております!どういう事なのか御説明願いたい!」

 

 「OK、OK!受験番号7111くんナイスなお便りサンキューな!」

 

 「四種目の仮想敵は0P…つまりお邪魔虫だ!それぞれの試験会場に一体づつ配置されて所狭しと大暴れするギミックよ!」

 

 「ありがとうございます!」

 

 プレゼント・マイクの言葉に長身で眼鏡をした理知的な受験生は着席する。

 

 「さぁ、俺からは以上だ‼︎そして、最後に俺からリスナーへ我が校の校訓をプレゼントだ‼︎‼︎」

 

 「かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者と‼︎‼︎」

 

 「〝Puls Utra〟更に向こうへ!それでは皆、良い受難を」

 

 受験生にプレッシャーをかける様な言い回しをするプレゼント・マイクの言葉に戒翔は不敵に嗤う

 

 「上等、受難でも何でも来てみろその尽くを超えてみせよう」

 

 そしてそれぞれの受験生が講堂から実技試験会場に移動する。

 

 「改めてこの雄英は凄いと感じるな。試験会場だけで街一つを丸々再現するなんてな」

 

 戒翔は緑谷達と別れ、試験会場の出入り口のゲートに来ていた。そしてその広大な面積に驚く。

 

 「さて、いつでも始められる様に準備はしておこうかね。」

 

 「スタート」

 

 そう呟いて戒翔は腰のポーチからビンを取り出す。それと同時にプレゼント・マイクの試験開始の声が上がる

 

 「先手必勝!」

 

 戒翔はビンの蓋を開けて中身を移動しながら個性を使って刀の様な形状に固める

 

 「電気を使った砂鉄の剣…さぁ行こうか!」

 

 「目標補足、ブッコロス‼︎‼︎」

 

 「やってみろ!やれるものならなぁ!」

 

 ーーーーーー

 

 「この入試は敵の総数も配置も伝えていない」

 

 「限られた時間と広大な敷地。そこからあぶり出される。情報力、機動力、判断力、そして戦闘力の総合力」

 

 「今年はかなりの豊作ね、見てよ。」

 

 「コレで60Pってな!」

 

 刀の形状にした砂鉄を用いた剣で時には鞭の様に形状を変化させながら戒翔は周囲に微弱な電磁波を放ちレーダーの様な役割をさせて敵の位置情報を把握しながら得点を稼いでいた。

 

 「さてさて、結構稼いでいるが…お邪魔虫は今のところ出てこないがどうなる事やら」

 

 ビルの上に立つ戒翔はそう言って眼下に散って動いている他の受験生を見つめる。

 

 「っと、アレは危ないな」

 

 雑居ビルの間の薄暗い路地裏に複数の敵に追い詰められている三人の女子受験生が見え、戒翔はそれに向けて飛び出す。

 

 「もう私をほっといて二人とも逃げてよ!」

 

 「ケロ……そうもいかないわよ。」

 

 「そうよ、けが人ほっといて逃げるとかヒーロー以前に人として最低だしね」

 

 路地裏に追い詰められている三人の女子、一人は足に怪我をしているのか蹲りその子を庇う様に他の二人が敵に向かい合っていた。しかし、集まった敵は十体近くおり彼女達の個性は戦闘性が低い個性なのか攻めあぐねておりジリジリと追い詰められていた。

 

 「斬り捨て御免!」

 

 三人と敵の間に土煙をあげる着地を戒翔はするのと同時に十体近くいた敵のキャタピラと腕を瞬く間に斬り落とした。

 

 「え?」

 

 「け、ケロぉ……?」

 

 「え、何?何なの……?」

 

 「大丈夫か?」

 

 目の前で起きた事に不思議そうな表情をする三人に振り返りながら安否の確認をする。

 

 「あ、あのこの子が足を怪我しちゃってて」

 

 「足を? 済まないが少し見せてもらえるか?」

 

 耳朶からコードの様なものが付いている女子の言葉に戒翔は砂鉄の剣を一度ビンに収納し蹲る女子の足を触診する。

 

 「透明化の個性で分かり辛いが軽い打撲と捻挫だが放って置くといかんな。ちょっと待ってろ」

 

 そう言って戒翔は手元に黄金の波紋を出現させその中に手を入れて薬品を取り出す。

 

 「コイツをとりあえず飲んでおけ。鎮静と回復の効果のある薬だ。 即効性の薬だからすぐに効くはずだ」

 

 そう言って取り出したのは青色の液体の入った細いガラスの容器である。

 

 「あ、ありがとう!私、この怪我でもう駄目かもって諦めてたから」

 

 「あたしからもありがとう。」

 

 「ケロ、感謝するわ。でも今のは」

 

 女子と会話しながらも戒翔は周囲の探知を怠らない。そして異変を感じとる

 

 「話は後だ。早くそこの敵を仕留めてポイントに加算して離れろ」

 

 「え、でもそれはあんたのポイントじゃ」

 

 「完全には壊していない。四肢を破壊しただけでまだ行動はできるし、俺はもう十分ポイントを稼いだからな。」

 

 「ケロ、申し訳ないけどありがたいわ。」

 

 「恩にきるよ!あんたっていい奴なんだね!」

 

 「それじゃ、それを倒したら早く別の区域に移動しろ」

 

 「「き、消えた⁉︎」」

 

 「ケロケロ⁉︎」

 

 そう言って戒翔はその場から異変を感じた区域にテレポートする。

 

 「流石にアレは大きすぎやせぬか?」

 

 戒翔が転移した所で見つけたのは高層ビルよりも巨大な仮想敵であり周囲はパニックを起こして逃げている所である。

 

 「おい!アンタも逃げろ!漢らしくないが、あんなデケェ敵は俺達には無理だ!」

 

 戒翔を呼び止め、引き止める受験生

 

 「……それはヒーローと呼べるのか?俺達が目指すのは笑顔で民衆達を安心させる…そんな存在に憧れてじゃないのか?」

 

 「ッそれは」

 

 「まぁ、普通に考えればあんな大質量の敵はちっとやそっとじゃ倒せんからな。」

 

 「じゃぁ、どうすんだよ!」

 

 そう言って戒翔は腰のポーチを開き鉄の塊を取り出す。

 

 「喚くなお前は下がれ、デカいのを今から撃ち込む」

 

 そう言って全身から紫電を撒き散らし手に持った鉄の塊を頭上に放り投げる。

 

 「風穴開けて吹き飛びな。電磁投射砲(レールガン)‼︎‼︎」

 

 目の前に落下してきた鉄塊を腰の入った拳で思い切り打ち抜くとその鉄塊は一本の光条となり大型敵の胴体に巨大な穴を開けてその後に起きた超音速の衝撃に耐え切れず倒れて爆発を起こすのであった。

 

 「す、すげー!すげーよお前!あんなデケエ敵ぶっ倒しちまうなんて!」

 

 近くにいた受験生や逃げ出していた受験生が一様に今の光景に歓声を上げて騒いでいた。

 

 「俺の目指すのは人々が笑顔で暮らせる平和な世界だ。その為に俺は今まで準備してきたのだからな。コレはそのための第一歩だ。」

 

 「Time UP!試験終了ぅ‼︎‼︎」

 

 騒いでいる大勢の受験生の歓声を聞きながらそして試験終了の声を聞きながら戒翔は己の拳を見つめるのであった。

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